JP2590436Y2 - 高粘度流体のフィルター部材 - Google Patents
高粘度流体のフィルター部材Info
- Publication number
- JP2590436Y2 JP2590436Y2 JP1992079912U JP7991292U JP2590436Y2 JP 2590436 Y2 JP2590436 Y2 JP 2590436Y2 JP 1992079912 U JP1992079912 U JP 1992079912U JP 7991292 U JP7991292 U JP 7991292U JP 2590436 Y2 JP2590436 Y2 JP 2590436Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- filtration
- filter
- layer
- thickness
- plate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Filtering Materials (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、例えば溶融樹脂などい
わゆるポリマのような高粘度流体の濾過に好適に使用し
うる高粘度流体のフィルター部材に関する。
わゆるポリマのような高粘度流体の濾過に好適に使用し
うる高粘度流体のフィルター部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリマなどの高粘度流体の濾過に
おいては、耐熱性と濾過特性を考慮して例えば微細な金
属繊維や金属粒子などの焼結体を、例えばリーフ状、チ
ューブ状などに成形した濾材がフィルターエレメントと
して使用されている。
おいては、耐熱性と濾過特性を考慮して例えば微細な金
属繊維や金属粒子などの焼結体を、例えばリーフ状、チ
ューブ状などに成形した濾材がフィルターエレメントと
して使用されている。
【0003】例えば実開昭59−176615号公報
は、金属繊維焼結体などのフィルター板2枚を重ねて外
縁部を溶接するとともに、その間に、空孔形成用の金網
とその両面のパンチングプレートとを配置したリーフフ
ィルタを開示している。
は、金属繊維焼結体などのフィルター板2枚を重ねて外
縁部を溶接するとともに、その間に、空孔形成用の金網
とその両面のパンチングプレートとを配置したリーフフ
ィルタを開示している。
【0004】また実開昭60−86426号公報は、こ
のようなリーフフィルタにおいて特にゲル発生を防止す
る方法として、単体では濾過圧に耐えない濾材を、該濾
材よりも目びらきの大な焼結金属の支持板で支持するこ
とにより、パンチングプレートを排除したポリマー用の
リーフフィルタを提案している。
のようなリーフフィルタにおいて特にゲル発生を防止す
る方法として、単体では濾過圧に耐えない濾材を、該濾
材よりも目びらきの大な焼結金属の支持板で支持するこ
とにより、パンチングプレートを排除したポリマー用の
リーフフィルタを提案している。
【0005】しかしながら、前者のリーフフィルタにお
いては、後者の公報も指摘しているようにフィルター板
とパンチングプレートとの接合界面においてゲルが発生
し易く、異物混入のおそれがあり、濾過精度に劣る他、
再使用のための洗浄を困難にするという問題がある。
いては、後者の公報も指摘しているようにフィルター板
とパンチングプレートとの接合界面においてゲルが発生
し易く、異物混入のおそれがあり、濾過精度に劣る他、
再使用のための洗浄を困難にするという問題がある。
【0006】又後者のリーフフィルタは、前記のよう
に、パンチングプレートに代えて金属粉末などの焼結体
からなる支持板で濾材を支持するものであり、例えば2
00〜400kg/cm2 程度の濾過圧に耐えるには、その
支持板の厚さを最低2mm程度とする必要がある。
に、パンチングプレートに代えて金属粉末などの焼結体
からなる支持板で濾材を支持するものであり、例えば2
00〜400kg/cm2 程度の濾過圧に耐えるには、その
支持板の厚さを最低2mm程度とする必要がある。
【0007】このように、支持板の厚さが大となること
により支持板内でのポリマの通過時間が長く、これによ
ってゲルが発生し、さらには洗浄性にも問題を伴う。又
厚さの増加によってエレメント自体の厚さを増しかつ重
量も大となって取り扱いを困難にする他、濾過装置にセ
ット収容しうるフィルタの枚数を減じるという課題があ
る。
により支持板内でのポリマの通過時間が長く、これによ
ってゲルが発生し、さらには洗浄性にも問題を伴う。又
厚さの増加によってエレメント自体の厚さを増しかつ重
量も大となって取り扱いを困難にする他、濾過装置にセ
ット収容しうるフィルタの枚数を減じるという課題があ
る。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】従ってこのような課題
の解決のために、フィルター板とパンチングプレートと
の間に、比較的目の粗い、例えば金属繊維、粉末材料を
厚さ1mm程度に焼結した焼結体からなるスペーサを介在
させることも考えられるが、このようなスペーサとして
前記粉末焼結体を用いるときには空孔率が小さく、前記
のように濾過液の流れが阻害され、かつ重量も増す。さ
らにスペーサとして金属繊維焼結体を用いるときには、
濾過圧によって圧縮され空孔を微細化するとともに濾過
層とパンチングプレート間の間隙を減じて、濾過液のパ
ンチングプレート上での流れが阻害されることとなる。
の解決のために、フィルター板とパンチングプレートと
の間に、比較的目の粗い、例えば金属繊維、粉末材料を
厚さ1mm程度に焼結した焼結体からなるスペーサを介在
させることも考えられるが、このようなスペーサとして
前記粉末焼結体を用いるときには空孔率が小さく、前記
のように濾過液の流れが阻害され、かつ重量も増す。さ
らにスペーサとして金属繊維焼結体を用いるときには、
濾過圧によって圧縮され空孔を微細化するとともに濾過
層とパンチングプレート間の間隙を減じて、濾過液のパ
ンチングプレート上での流れが阻害されることとなる。
【0009】本考案は、パンチングプレートを用いて、
濾過処理性にすぐれかつ軽量化、薄厚化しうる高粘度流
体のフィルター部材の提供を目的としている。
濾過処理性にすぐれかつ軽量化、薄厚化しうる高粘度流
体のフィルター部材の提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本考案は、微細粒子で形
成されかつ濾過精度10μm以下の微細孔を有する濾過
層を少なくとも濾過の下流側に設けた濾材と、該濾材に
作用する濾過圧を受けるパンチングプレートと、前記濾
材とパンチングプレートとの間に介在する分散板とを具
え、該分散板は、前記濾過層より大径の孔を有する厚さ
10〜500μmかつ前記濾過層側の金属繊維焼結層
と、前記パンチングプレート側に配置されるとともに1
5〜40メッシュのスクリーンとが結合一体化されてな
る高粘度流体のフィルター部材である。
成されかつ濾過精度10μm以下の微細孔を有する濾過
層を少なくとも濾過の下流側に設けた濾材と、該濾材に
作用する濾過圧を受けるパンチングプレートと、前記濾
材とパンチングプレートとの間に介在する分散板とを具
え、該分散板は、前記濾過層より大径の孔を有する厚さ
10〜500μmかつ前記濾過層側の金属繊維焼結層
と、前記パンチングプレート側に配置されるとともに1
5〜40メッシュのスクリーンとが結合一体化されてな
る高粘度流体のフィルター部材である。
【0011】
【作用】濾過層とパンチングプレートとの間には、薄い
金属繊維焼結層と所定メッシュのスクリーンとを結合一
体化した分散板を介在させている為、濾過圧によっても
濾過層とパンチングプレートとを所定間隔に維持でき、
濾過液の流れを阻害することが少なく、その結果、ゲル
発生、洗浄性を改善することができる。
金属繊維焼結層と所定メッシュのスクリーンとを結合一
体化した分散板を介在させている為、濾過圧によっても
濾過層とパンチングプレートとを所定間隔に維持でき、
濾過液の流れを阻害することが少なく、その結果、ゲル
発生、洗浄性を改善することができる。
【0012】又前記分散板はスクリーンとの結合によ
り、粉末焼結体などに比べ軽量化、薄肉化が可能とな
る。
り、粉末焼結体などに比べ軽量化、薄肉化が可能とな
る。
【0013】しかも金属繊維焼結層を前記濾過層側に、
かつスクリーンをパンチングプレート側に配し、かつ金
属繊維焼結層は比較的微細で柔軟性にもすぐれている
為、スクリーンの凹凸が濾過層の表面に与える損傷を緩
和しつつスクリーンは濾過層の濾過圧を支持して濾過層
とパンチングプレートとの間を一定に保ち、流れを円滑
とする。
かつスクリーンをパンチングプレート側に配し、かつ金
属繊維焼結層は比較的微細で柔軟性にもすぐれている
為、スクリーンの凹凸が濾過層の表面に与える損傷を緩
和しつつスクリーンは濾過層の濾過圧を支持して濾過層
とパンチングプレートとの間を一定に保ち、流れを円滑
とする。
【0014】
【実施例】図1は、本考案の高粘度流体のフィルター部
材(以下フィルター部材という)をドーナツ型のリーフ
フィルタとして用いた場合の断面図であって、図2は図
1のA部を拡大した断面図である。
材(以下フィルター部材という)をドーナツ型のリーフ
フィルタとして用いた場合の断面図であって、図2は図
1のA部を拡大した断面図である。
【0015】リーフフィルタ1は、中央に開口部2Aを
有してドーナツ円盤状に中抜きされた一対の向き合う本
考案に係るフィルター部材2、2の外縁部2Bを溶接し
て一体にされる。又フィルター部材2、2間には濾過室
3を形成する為の例えば金網などからなるリテーナー4
を配しており、フィルター部材2、2を通過した濾過液
が前記濾過室3を経て前記開口部2Aから流出する。
有してドーナツ円盤状に中抜きされた一対の向き合う本
考案に係るフィルター部材2、2の外縁部2Bを溶接し
て一体にされる。又フィルター部材2、2間には濾過室
3を形成する為の例えば金網などからなるリテーナー4
を配しており、フィルター部材2、2を通過した濾過液
が前記濾過室3を経て前記開口部2Aから流出する。
【0016】フィルター部材2は、濾過液が流入する濾
過の上流側から流出する下流側に向かって、濾過層10
Aを有する濾材10、分散板12、パンチングプレート
11を積層することにより形成される。
過の上流側から流出する下流側に向かって、濾過層10
Aを有する濾材10、分散板12、パンチングプレート
11を積層することにより形成される。
【0017】又前記濾材10は、前記濾過層10Aと、
その上流側に設けたプレフィルター層10Bとからな
り、本例ではさらにその上流側に保護スクリーン10C
を配し、かつそれらを一体に焼結している。
その上流側に設けたプレフィルター層10Bとからな
り、本例ではさらにその上流側に保護スクリーン10C
を配し、かつそれらを一体に焼結している。
【0018】前記濾材10の濾過層10Aは、10μm
以下(好ましくは5μm以下)の濾過精度を維持する微
細孔を有し、かつ一体なプレフィルター層10Bが補強
用の支持層として機能することにより、その厚さを例え
ば20〜500μm以下と薄く設定して圧力損失を低下
させる。
以下(好ましくは5μm以下)の濾過精度を維持する微
細孔を有し、かつ一体なプレフィルター層10Bが補強
用の支持層として機能することにより、その厚さを例え
ば20〜500μm以下と薄く設定して圧力損失を低下
させる。
【0019】前記濾過精度を10μm以下とするのは、
近年の樹脂製品の高品質化によって、例えば紡糸用のと
き、太さ数μmという細かいフィラメントを糸切れなく
効率よく紡糸するには細径の異物をも除去することが必
要であることによる。好ましくは濾過精度を5μm以下
とする。
近年の樹脂製品の高品質化によって、例えば紡糸用のと
き、太さ数μmという細かいフィラメントを糸切れなく
効率よく紡糸するには細径の異物をも除去することが必
要であることによる。好ましくは濾過精度を5μm以下
とする。
【0020】このような濾過層10Aとしては、例えば
粒子径5μm以下のアトマイズド粉末粒子、直径20μ
m以下でアスペクト比2〜20の金属短繊維などを用い
た焼結品を採用しうる。特に金属短繊維を用いた焼結品
は空孔が立体的となり、低圧損となる。なお金属短繊維
と粉末粒子との混合体の焼結品とすることもできる。
粒子径5μm以下のアトマイズド粉末粒子、直径20μ
m以下でアスペクト比2〜20の金属短繊維などを用い
た焼結品を採用しうる。特に金属短繊維を用いた焼結品
は空孔が立体的となり、低圧損となる。なお金属短繊維
と粉末粒子との混合体の焼結品とすることもできる。
【0021】なお空孔精度のバラツキを減じることが好
ましく、孔径のバラツキを減じることにより、厚さを前
記のごとく10〜500μm、好ましくは20〜100
μmと薄く形成することができ、そのような薄肉化によ
って圧損をさらに低減できる。
ましく、孔径のバラツキを減じることにより、厚さを前
記のごとく10〜500μm、好ましくは20〜100
μmと薄く形成することができ、そのような薄肉化によ
って圧損をさらに低減できる。
【0022】またその上流側のプレフィルター層10B
は、前記濾過層10Aよりも大径の孔を具え、比較的大
きな不純物を濾過層10Aに先行して捕捉し、これによ
り濾過層10Aの濾過寿命を延長しつつ、圧損の増加を
抑制する。
は、前記濾過層10Aよりも大径の孔を具え、比較的大
きな不純物を濾過層10Aに先行して捕捉し、これによ
り濾過層10Aの濾過寿命を延長しつつ、圧損の増加を
抑制する。
【0023】このため、プレフィルター層10Bには、
図3に示すごとく上流側に向かって空孔率が除々に大と
なる金属繊維焼結体が好適に用いうる。又繊維径や濾過
径の異なる2以上の複数層を順次積層することによって
濾過径を除々に変化させるのもよい。
図3に示すごとく上流側に向かって空孔率が除々に大と
なる金属繊維焼結体が好適に用いうる。又繊維径や濾過
径の異なる2以上の複数層を順次積層することによって
濾過径を除々に変化させるのもよい。
【0024】又プレフィルター層10Bには、濾過層1
0Aが粒子径2μm程度の金属微細粒子を用いた厚さ2
0μm程度の焼結品であるとき、繊維径26〜3μm程
度の数種の金属繊維を用いて、濾過径を順次変化させて
焼結されかつ厚さを0.5〜2mm程度とした焼結品を採
用しうる。
0Aが粒子径2μm程度の金属微細粒子を用いた厚さ2
0μm程度の焼結品であるとき、繊維径26〜3μm程
度の数種の金属繊維を用いて、濾過径を順次変化させて
焼結されかつ厚さを0.5〜2mm程度とした焼結品を採
用しうる。
【0025】このように微小な孔径と薄肉の濾過層10
Aをプレフィルター層10Bに一体的に形成するには、
本出願人が先に提案した特願平3−289087号の方
法、すなわち、予め金属粒子を懸濁させた懸濁液を、予
め製造されたプレフィルター層となる焼結体からなる支
持板の片面に所定厚さで吸引付着せしめ、その後焼結す
る方法を用いうる。
Aをプレフィルター層10Bに一体的に形成するには、
本出願人が先に提案した特願平3−289087号の方
法、すなわち、予め金属粒子を懸濁させた懸濁液を、予
め製造されたプレフィルター層となる焼結体からなる支
持板の片面に所定厚さで吸引付着せしめ、その後焼結す
る方法を用いうる。
【0026】さらに本例では、前記のごとく、前記プレ
フィルター層10Bの上流面には表面保護用の保護スク
リーン10Cを積層焼結させている。
フィルター層10Bの上流面には表面保護用の保護スク
リーン10Cを積層焼結させている。
【0027】この保護スクリーン10Cは、表面保護用
として比較的太径、例えば0.1〜0.5mm程度の線材
が用いられており、かつプレフィルター層10Bの局部
押圧を防ぎ、かつプレフィルター層10Bとの結合強度
の向上のために、保護スクリーン10Cの線材は、図3
に示すごとく、本例では交差部において偏平化されてい
る。
として比較的太径、例えば0.1〜0.5mm程度の線材
が用いられており、かつプレフィルター層10Bの局部
押圧を防ぎ、かつプレフィルター層10Bとの結合強度
の向上のために、保護スクリーン10Cの線材は、図3
に示すごとく、本例では交差部において偏平化されてい
る。
【0028】しかしながらこの偏平部において濾液の流
動不良を生じるおそれがあり、そのため前記プレフィル
ター層10Bの保護スクリーン10Cと接する最外部分
を、その内部層10B1に比してやや太径の金属繊維を
用いたスペーサ層10B2としている。このスペーサ層
10B2は、偏平化されない保護スクリーン10Cを用
いるときにも採用できかつ耐圧強度を300kg/cm2 以
上として耐圧縮強さを維持する。
動不良を生じるおそれがあり、そのため前記プレフィル
ター層10Bの保護スクリーン10Cと接する最外部分
を、その内部層10B1に比してやや太径の金属繊維を
用いたスペーサ層10B2としている。このスペーサ層
10B2は、偏平化されない保護スクリーン10Cを用
いるときにも採用できかつ耐圧強度を300kg/cm2 以
上として耐圧縮強さを維持する。
【0029】前記分散板12は、少なくとも前記濾過層
10Aよりも空孔径が大かつ厚さ(t)が10〜500
μmの金属繊維焼結層12Aと、保護スクリーン12B
とを結合一体化した複合体であり、金属繊維焼結層12
Aは濾過層10A側に位置し、本例では濾過層10Aに
接して配される。
10Aよりも空孔径が大かつ厚さ(t)が10〜500
μmの金属繊維焼結層12Aと、保護スクリーン12B
とを結合一体化した複合体であり、金属繊維焼結層12
Aは濾過層10A側に位置し、本例では濾過層10Aに
接して配される。
【0030】前記金属繊維焼結層12Aの厚さ(t:単
位μm)を前記範囲に設定する理由は、10μm未満の
場合、その下流側に設けられるスクリーン12Bの凹凸
が前記濾過層10A表面に転写されて濾過層10Aに損
傷を与える原因となること。又500μmを越える厚肉
とすることは、濾過液の流れを阻害するとともにコスト
アップとなる。より好ましくは50〜300μm、さら
に好ましくは100〜300μm程度である。
位μm)を前記範囲に設定する理由は、10μm未満の
場合、その下流側に設けられるスクリーン12Bの凹凸
が前記濾過層10A表面に転写されて濾過層10Aに損
傷を与える原因となること。又500μmを越える厚肉
とすることは、濾過液の流れを阻害するとともにコスト
アップとなる。より好ましくは50〜300μm、さら
に好ましくは100〜300μm程度である。
【0031】又金属繊維焼結層12Aは、ステンレス鋼
繊維、ニッケル繊維、ハステロイ繊維などの例えば直径
2〜50mm、好ましくは15〜50μm程度の金属繊維
からなる繊維不織布を、所定厚さに加圧焼結することに
よって形成され、その一面側に前記スクリーン12Bを
積層して結合一体化することにより前記分散板12が形
成される。
繊維、ニッケル繊維、ハステロイ繊維などの例えば直径
2〜50mm、好ましくは15〜50μm程度の金属繊維
からなる繊維不織布を、所定厚さに加圧焼結することに
よって形成され、その一面側に前記スクリーン12Bを
積層して結合一体化することにより前記分散板12が形
成される。
【0032】このような金属繊維焼結層12Aは、空孔
率が50〜80%程度と極めて高く、かつある程度の弾
性も具えている為、圧損が小さく滞留が改善できるとと
もに、厚さを前記のように薄くしても割れなどが防止で
きる利点があり、さらに前記弾性に起因してこれと直接
接する濾過層10を緩衝してその損傷を防ぐ。
率が50〜80%程度と極めて高く、かつある程度の弾
性も具えている為、圧損が小さく滞留が改善できるとと
もに、厚さを前記のように薄くしても割れなどが防止で
きる利点があり、さらに前記弾性に起因してこれと直接
接する濾過層10を緩衝してその損傷を防ぐ。
【0033】又金属繊維焼結層12Aは、圧縮力が作用
したときにも目づまりしない程度の充分な孔径を維持す
るように設定される。
したときにも目づまりしない程度の充分な孔径を維持す
るように設定される。
【0034】前記スクリーン12Bは、薄い金属繊維焼
結層12Aを用いつつ、前記濾材10とパンチングプレ
ート11とを所定の間隔(例えば0.1〜1mm程度)に
隔てるものであり、スクリーン12Bとして15〜40
程度のものを利用する。
結層12Aを用いつつ、前記濾材10とパンチングプレ
ート11とを所定の間隔(例えば0.1〜1mm程度)に
隔てるものであり、スクリーン12Bとして15〜40
程度のものを利用する。
【0035】スクリーン12Bは、縦線と横線とを所定
の屈曲ピッチで織上げた織成体であり平面方向にも液体
を流過しうる。又スクリーン12Bは圧縮強度も高く前
記濾過圧に耐え、かつ金属繊維焼結層12Aを直接的に
支持することができる。
の屈曲ピッチで織上げた織成体であり平面方向にも液体
を流過しうる。又スクリーン12Bは圧縮強度も高く前
記濾過圧に耐え、かつ金属繊維焼結層12Aを直接的に
支持することができる。
【0036】このためには15 未満では繊維脱落防
止、耐濾過圧性の点で好ましくなく、また40 を越え
るときには濾過液の流れが阻害される問題がある。さら
により好ましいスクリーンのメッシュMは、金属繊維焼
結層12Aの厚さ(t:単位μm))に対して次式の範
囲とする。 M=K/√t K:300〜500
止、耐濾過圧性の点で好ましくなく、また40 を越え
るときには濾過液の流れが阻害される問題がある。さら
により好ましいスクリーンのメッシュMは、金属繊維焼
結層12Aの厚さ(t:単位μm))に対して次式の範
囲とする。 M=K/√t K:300〜500
【0037】また、パンチングプレート11は従来のリ
ーフフィルターなどで広く採用されてきたものがそのま
ま使用でき、全面にわたって例えば0.5〜1mm程度の
小孔を所定ピッチ(例えば1〜2mm)で穿設した厚さ
0.5mm程度の薄板品であり、実質的に濾材10及び分
散板12を濾過圧に抗して支持することができる。
ーフフィルターなどで広く採用されてきたものがそのま
ま使用でき、全面にわたって例えば0.5〜1mm程度の
小孔を所定ピッチ(例えば1〜2mm)で穿設した厚さ
0.5mm程度の薄板品であり、実質的に濾材10及び分
散板12を濾過圧に抗して支持することができる。
【0038】本考案は、このように濾材10と分散板1
2とパンチングプレート11を含んで順次積層されたフ
ィルター部材であって、それぞれが単独の組み合わせ品
としても、隣接するいずれかもしくはそれら全体を一体
に結合して用いることもできる。又濾材10には、その
開口部2Bに、リーク防止用のリム13を嵌着し、ある
いは開口部2Aを周知のハブ金具(図示しない)に溶接
するなどによってリーフフィルタを形成する。
2とパンチングプレート11を含んで順次積層されたフ
ィルター部材であって、それぞれが単独の組み合わせ品
としても、隣接するいずれかもしくはそれら全体を一体
に結合して用いることもできる。又濾材10には、その
開口部2Bに、リーク防止用のリム13を嵌着し、ある
いは開口部2Aを周知のハブ金具(図示しない)に溶接
するなどによってリーフフィルタを形成する。
【0039】(具体例) 本考案のフィルター部材の濾過特性などを評価する為、
表1に示す仕様により作成した実施例品、分散板を用い
ない比較例品1、分散板として厚さ1mmの金属繊維焼結
体を用いた比較例品2、分散板として厚さ2mm金属粒子
焼結品を用いた比較例品3について、外径300mmのリ
ーフフィルターを高さ100mmのセンターポストに各々
セットした濾過装置について、温度300℃のポリエチ
レンテレフタレートを50kg/時の流量で濾過し測定し
た。その結果を同表に示す。なお使用した実施例品の濾
過層はプレフィルター層によって支持したものである。
表1に示す仕様により作成した実施例品、分散板を用い
ない比較例品1、分散板として厚さ1mmの金属繊維焼結
体を用いた比較例品2、分散板として厚さ2mm金属粒子
焼結品を用いた比較例品3について、外径300mmのリ
ーフフィルターを高さ100mmのセンターポストに各々
セットした濾過装置について、温度300℃のポリエチ
レンテレフタレートを50kg/時の流量で濾過し測定し
た。その結果を同表に示す。なお使用した実施例品の濾
過層はプレフィルター層によって支持したものである。
【0040】
【表1】
【0041】なお表1において圧力損失とは濾過装置前
後の差圧、洗浄の容易さとはポリエチレンテレクタレー
トを濾過した後、トリエチレングリコールに浸漬し、熱
処理を施し、フィルター内に残留するポリマー灰分異物
等を超音波洗浄によって除去するのに要する時間(処理
回数)の長短で判断している。
後の差圧、洗浄の容易さとはポリエチレンテレクタレー
トを濾過した後、トリエチレングリコールに浸漬し、熱
処理を施し、フィルター内に残留するポリマー灰分異物
等を超音波洗浄によって除去するのに要する時間(処理
回数)の長短で判断している。
【0042】本考案(実施例品)のフィルター部材は、
ゲル発生がほとんど認められずかつ寿命的にもすぐれて
いることがわかる。しかも分散板自身は非常に軽量かつ
薄板品でもあることから、エレメント重さが軽減され、
その取り扱いを極めて容易とする。
ゲル発生がほとんど認められずかつ寿命的にもすぐれて
いることがわかる。しかも分散板自身は非常に軽量かつ
薄板品でもあることから、エレメント重さが軽減され、
その取り扱いを極めて容易とする。
【0043】このことは、濾材支持板としてのパンチン
グプレートに変えて、金属粉末焼結体を用いる実開昭6
0−86426号の複合リーフフィルターと比べても、
重量及び厚さにおいてそれぞれ約30%軽減されたもの
となり、軽量化、軽薄化が可能となった。
グプレートに変えて、金属粉末焼結体を用いる実開昭6
0−86426号の複合リーフフィルターと比べても、
重量及び厚さにおいてそれぞれ約30%軽減されたもの
となり、軽量化、軽薄化が可能となった。
【0044】本考案のフィルター部材は、このようにリ
ーフフィルターにおいて実施可能であるが、それ以外に
も例えばプレート状で用いるディスク型、円筒型などを
はじめとして種々応用され得る。
ーフフィルターにおいて実施可能であるが、それ以外に
も例えばプレート状で用いるディスク型、円筒型などを
はじめとして種々応用され得る。
【0045】
【考案の効果】このように本考案のフィルター部材は、
濾過層とパンチングプレートを使用することを前提と
し、その間に耐圧強度を有するスクリーンと繊維層との
複合である分散板を介在させることによって、滞留、ゲ
ル発生を解決し流れを整流とさせるとともに、軽量、薄
肉化が可能となる。
濾過層とパンチングプレートを使用することを前提と
し、その間に耐圧強度を有するスクリーンと繊維層との
複合である分散板を介在させることによって、滞留、ゲ
ル発生を解決し流れを整流とさせるとともに、軽量、薄
肉化が可能となる。
【図1】フィルター部材を用いたリーフフィルターの断
面を例示する断面図である。
面を例示する断面図である。
【図2】フィルター部材を拡大した他の実施例である。
【図3】濾材の組織を拡大して示す顕微鏡拡大写真(×
倍)である。
倍)である。
【符号の説明】 10 濾材 10A 濾過層 10B プレフィルター層 10C 保護スクリーン 11 パンチングプレート 12 分散板 12A 金属繊維焼結層 12B スクリーン
Claims (3)
- 【請求項1】微細粒子で形成されかつ濾過精度10μm
以下の微細孔を有する濾過層を少なくとも濾過の下流側
に設けた濾材と、該濾材に作用する濾過圧を受けるパン
チングプレートと、前記濾材とパンチングプレートとの
間に介在する分散板とを具え、該分散板は、前記濾過層
より大径の孔を有する厚さ10〜500μmかつ前記濾
過層側の金属繊維焼結層と、前記パンチングプレート側
に配置されるとともに15〜40メッシュのスクリーン
とが結合一体化されてなる高粘度流体のフィルター部
材。 - 【請求項2】前記濾過層は、濾過精度10μm以下、厚
さ20〜500μm、かつ少なくとも金属微粉末、又は
金属短繊維を用いて形成されたことを特徴とする請求項
1記載のフィルター部材。 - 【請求項3】前記分散板のスクリーンのメッシュ(M)
は、前記金属繊維焼結層の厚さ(t:単位μm)に対し
て次式の範囲であることを特徴とする請求項1または2
に記載のフィルター部材。 M=K/√t(K:300〜500)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992079912U JP2590436Y2 (ja) | 1992-10-23 | 1992-10-23 | 高粘度流体のフィルター部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992079912U JP2590436Y2 (ja) | 1992-10-23 | 1992-10-23 | 高粘度流体のフィルター部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0639114U JPH0639114U (ja) | 1994-05-24 |
JP2590436Y2 true JP2590436Y2 (ja) | 1999-02-17 |
Family
ID=13703507
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992079912U Expired - Lifetime JP2590436Y2 (ja) | 1992-10-23 | 1992-10-23 | 高粘度流体のフィルター部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2590436Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1148925B1 (en) * | 1999-02-04 | 2011-08-10 | 3M Innovative Properties Company | Graded particle-size retention filter medium for cell-type filter unit |
-
1992
- 1992-10-23 JP JP1992079912U patent/JP2590436Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0639114U (ja) | 1994-05-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4126560A (en) | Filter medium | |
US6149702A (en) | Filtering medium for air filters and process for producing the same | |
US8206583B2 (en) | Electrically conductive fluid treatment elements | |
JP4236284B2 (ja) | 筒状フィルター | |
KR20010032375A (ko) | 여과요소 | |
JP3677836B2 (ja) | 筒状フィルター | |
EP1148926B1 (en) | Layered filtering structure | |
US20020056684A1 (en) | Multilayer filter element | |
JPH04126508A (ja) | 高精密カートリッジフィルターおよびその製造方法 | |
JP5784458B2 (ja) | エアフィルタ濾材 | |
JP3761172B2 (ja) | エアフィルタ用濾材、その使用方法、エアフィルタユニットおよび通気性支持材 | |
US9776111B2 (en) | Disc shaped filter element | |
JP2013034919A (ja) | カートリッジフィルター | |
JP2590436Y2 (ja) | 高粘度流体のフィルター部材 | |
JPS62155912A (ja) | 精密濾過用フイルタ−エレメント | |
JP2791775B2 (ja) | 不織布巻込積層型カートリッジフィルター | |
JP3538212B2 (ja) | 精密積層濾過材 | |
JP2606925Y2 (ja) | 積層濾材 | |
JP3449430B2 (ja) | 微小粒子の濾過材 | |
US20030033935A1 (en) | Air filter with laminated polytetrafluoroethylene membranes | |
JP3449429B2 (ja) | 微小粒子の濾過材 | |
JP2984279B2 (ja) | エラストマー性不織繊維流体フィルター媒体 | |
JP2001314716A (ja) | 積層金属濾材とその製造方法、並びに該濾材によるフィルターエレメント | |
CN217698173U (zh) | 一种碟片过滤盘专用烧结毡 | |
JPH0938423A (ja) | 熱可塑性ポリマーの濾過方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |