JP2589710B2 - エンジンの吸気装置 - Google Patents
エンジンの吸気装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は共鳴効果によって吸気の充填効率を高めるよ
うにしたエンジンの吸気装置に関するものである。
うにしたエンジンの吸気装置に関するものである。
(従来技術) 従来から、吸気の動的効果によって充填効率を高める
ようにしたエンジンの吸気装置が種々知られている。例
えば、特公昭60−14169号公報に示された装置では、多
気筒エンジンにおいて、吸気順序が連続しない気筒を同
一グループとする2グループの気筒群にそれぞれ2つの
吸気通路が接続され、吸気マニホールドブランチの上流
端が接続された拡大室(容積大の集合室)と、この拡大
室から上流に延びる共鳴通路とが備えられるとともに、
上記拡大室等に、上記各吸気通路相互を連通遮断可能と
する切替装置を設けられ、各吸気通路の上流端が上流側
集合室に接続されている。この装置によると、上記切替
装置が上記各吸気通路相互を遮断した状態にあるとき
は、上流側集合室で反転して反射される吸気圧力波によ
り、エンジン回転数が比較的低い領域で慣性過給効果が
得られ、上記切替装置が上記各吸気通路を連通する状態
となったときは、圧力波の反転反射位置が吸気ポートに
近づけられることにより、エンジン回転数が比較的高い
領域で慣性過給効果が得られる。
ようにしたエンジンの吸気装置が種々知られている。例
えば、特公昭60−14169号公報に示された装置では、多
気筒エンジンにおいて、吸気順序が連続しない気筒を同
一グループとする2グループの気筒群にそれぞれ2つの
吸気通路が接続され、吸気マニホールドブランチの上流
端が接続された拡大室(容積大の集合室)と、この拡大
室から上流に延びる共鳴通路とが備えられるとともに、
上記拡大室等に、上記各吸気通路相互を連通遮断可能と
する切替装置を設けられ、各吸気通路の上流端が上流側
集合室に接続されている。この装置によると、上記切替
装置が上記各吸気通路相互を遮断した状態にあるとき
は、上流側集合室で反転して反射される吸気圧力波によ
り、エンジン回転数が比較的低い領域で慣性過給効果が
得られ、上記切替装置が上記各吸気通路を連通する状態
となったときは、圧力波の反転反射位置が吸気ポートに
近づけられることにより、エンジン回転数が比較的高い
領域で慣性過給効果が得られる。
ところが、この吸気装置によると、吸気マニホールド
ブランチ部が集合する部分に大きな容積の拡大室が設け
られているため、吸気系が大型化し、自動車に搭載する
場合に大きな設置スペースが必要となる等の不都合があ
る。
ブランチ部が集合する部分に大きな容積の拡大室が設け
られているため、吸気系が大型化し、自動車に搭載する
場合に大きな設置スペースが必要となる等の不都合があ
る。
また、V型エンジンにおいては、例えば特開昭59−56
5号公報に見られるように、両バンク間の空間に、ブラ
ンチ部に相当する湾曲した個々の吸気通路と、この個々
の吸気通路に連通した拡大室に相当する空間とを有する
吸気マニホールドを配置することにより、慣性過給効果
をもたせつつ、全体の小型化を図るようにしたものがあ
る。しかしこの構造によっても、両バンク間に配置され
た吸気マニホールドに、ブランチ部に通じる拡大室が設
けられているため、吸気マニホールドがバンク上端より
上方に相当量突出することは避けられず、このためエン
ジン全体の高さが大きくなり、自動車に搭載する場合、
ボンネット高さを低く抑えることが困難となる。
5号公報に見られるように、両バンク間の空間に、ブラ
ンチ部に相当する湾曲した個々の吸気通路と、この個々
の吸気通路に連通した拡大室に相当する空間とを有する
吸気マニホールドを配置することにより、慣性過給効果
をもたせつつ、全体の小型化を図るようにしたものがあ
る。しかしこの構造によっても、両バンク間に配置され
た吸気マニホールドに、ブランチ部に通じる拡大室が設
けられているため、吸気マニホールドがバンク上端より
上方に相当量突出することは避けられず、このためエン
ジン全体の高さが大きくなり、自動車に搭載する場合、
ボンネット高さを低く抑えることが困難となる。
つまり、これら従来装置のように吸気マニホールドの
各ブランチ部をそれぞれ長く形成して拡大室に接続する
構造によると、コンパクト化(特に高さの低減)には限
界がある。
各ブランチ部をそれぞれ長く形成して拡大室に接続する
構造によると、コンパクト化(特に高さの低減)には限
界がある。
このような問題点を解決する手段として、上記拡大室
を廃止し、例えば、吸気順序が連続しない気筒を同一グ
ループとする2つの気筒グループの各吸気ポートにそれ
ぞれ、拡大室を有しない2つのパイプ状の吸気通路を、
短い枝管を介して接続し、この両吸気通路を上流側適宜
箇所で集合させてこの部分で圧力波を反転反射させるよ
うにすることが考えられる。しかしこの場合、吸気ポー
トと圧力波反転反射部との間の圧力波伝播経路の長さに
気筒毎の較差が生じ、とくに高速域での過給効果を期待
して上記吸気通路を短くすると、相対的に上記較差が大
きくなって、各気筒に対する圧力波の作用にアンバラン
スが生じるため、各気筒に充分な過給効果を及ぼすこと
が困難になる。
を廃止し、例えば、吸気順序が連続しない気筒を同一グ
ループとする2つの気筒グループの各吸気ポートにそれ
ぞれ、拡大室を有しない2つのパイプ状の吸気通路を、
短い枝管を介して接続し、この両吸気通路を上流側適宜
箇所で集合させてこの部分で圧力波を反転反射させるよ
うにすることが考えられる。しかしこの場合、吸気ポー
トと圧力波反転反射部との間の圧力波伝播経路の長さに
気筒毎の較差が生じ、とくに高速域での過給効果を期待
して上記吸気通路を短くすると、相対的に上記較差が大
きくなって、各気筒に対する圧力波の作用にアンバラン
スが生じるため、各気筒に充分な過給効果を及ぼすこと
が困難になる。
そこで本出願人は、多気筒エンジンにおいて、吸気順
序が連続しない気筒を同一グループとする2つの気筒グ
ループの各吸気ポートを、拡大室を有しない共通の共鳴
用環状通路に接続し、この共鳴用環状通路を、一方の気
筒グループの各吸気ポートに通じる通路と他方の気筒グ
ループの各吸気ポートに通じる通路とがそれぞれ二方向
に延びて両側で相互に連なる環状に形成したものを先に
提案している。この装置によると、各グループ毎に吸気
ポート付近に吸気終期に正圧となる圧力波が生じ、この
圧力波が共鳴用環状通路をほぼ一周して同一気筒グルー
プの吸気ポートに作用することにより共鳴効果が得られ
るとともに、両気筒グループ間で圧力波が互いに弱め合
うような干渉が生じることが避けられる。
序が連続しない気筒を同一グループとする2つの気筒グ
ループの各吸気ポートを、拡大室を有しない共通の共鳴
用環状通路に接続し、この共鳴用環状通路を、一方の気
筒グループの各吸気ポートに通じる通路と他方の気筒グ
ループの各吸気ポートに通じる通路とがそれぞれ二方向
に延びて両側で相互に連なる環状に形成したものを先に
提案している。この装置によると、各グループ毎に吸気
ポート付近に吸気終期に正圧となる圧力波が生じ、この
圧力波が共鳴用環状通路をほぼ一周して同一気筒グルー
プの吸気ポートに作用することにより共鳴効果が得られ
るとともに、両気筒グループ間で圧力波が互いに弱め合
うような干渉が生じることが避けられる。
ところが、この構造の場合、吸気方向の上流側に配置
された吸気ポートに比べ、下流側に配置された吸気ポー
トまでの通路が長いため、これらの吸気ポートに対して
は比較的吸気抵抗が大きく、空気充填効率の面では不利
となっている。そこで、エンジン全体の空気充填量を総
合的に向上させることができる装置の出現が望まれてい
た。
された吸気ポートに比べ、下流側に配置された吸気ポー
トまでの通路が長いため、これらの吸気ポートに対して
は比較的吸気抵抗が大きく、空気充填効率の面では不利
となっている。そこで、エンジン全体の空気充填量を総
合的に向上させることができる装置の出現が望まれてい
た。
(発明の目的) 本発明は上記の事情に鑑み、共鳴用環状通路を用いて
コンパクトな構造によりながら吸気の動的効果を発揮さ
せ、特に、共鳴時に通路内の圧力変動による動的効果が
良好に得られる状態を確保しつつ、吸気下流側の吸気ポ
ートへの空気充填量を増やすことにより総合的に充填効
率の向上を図ることができるエンジンの吸気装置を提供
するものである。
コンパクトな構造によりながら吸気の動的効果を発揮さ
せ、特に、共鳴時に通路内の圧力変動による動的効果が
良好に得られる状態を確保しつつ、吸気下流側の吸気ポ
ートへの空気充填量を増やすことにより総合的に充填効
率の向上を図ることができるエンジンの吸気装置を提供
するものである。
(発明の構成) 本発明は、多気筒エンジンにおいて、吸気順序が連続
しない気筒を同一グループとする2つの気筒グループの
各吸気ポートが共通の共鳴用環状通路に接続され、この
共鳴用環状通路は、一方の気筒グループの各吸気ポート
に通じる通路と他方の気筒グループの各吸気ポートに通
じる通路とがそれぞれ二方向に延びて両側で相互に連な
る環状をなし、かつ、この両側で連なった部分であって
両気筒グループのそれぞれ気筒列方向における同一方向
端部に位置する気筒の両吸気ポートをつなぐ通路部分の
略中央部にそれぞれ吸気を供給する吸気供給用通路が接
続されているものである。
しない気筒を同一グループとする2つの気筒グループの
各吸気ポートが共通の共鳴用環状通路に接続され、この
共鳴用環状通路は、一方の気筒グループの各吸気ポート
に通じる通路と他方の気筒グループの各吸気ポートに通
じる通路とがそれぞれ二方向に延びて両側で相互に連な
る環状をなし、かつ、この両側で連なった部分であって
両気筒グループのそれぞれ気筒列方向における同一方向
端部に位置する気筒の両吸気ポートをつなぐ通路部分の
略中央部にそれぞれ吸気を供給する吸気供給用通路が接
続されているものである。
この構成によると、共鳴用環状通路の両側から吸気が
供給されるので、各吸気ポートへの吸気抵抗が軽減さ
れ、エンジン全体としての空気充填量が総合的に向上す
る。しかも、吸気供給用通路は両グループに通ずる通路
が連なった部分の略中央部、すなわち共鳴時において圧
力変動の節となる部分に接続されているので、共鳴時に
関しては通路内の圧力変動に影響を与えることがなく、
従って、吸気ポート付近に吸気終期に正圧となる圧力波
が生じるとともにこの圧力波が共鳴用環状通路をほぼ一
周して同一気筒グループの吸気ポートに作用することに
より、高い共鳴効果が得られる。
供給されるので、各吸気ポートへの吸気抵抗が軽減さ
れ、エンジン全体としての空気充填量が総合的に向上す
る。しかも、吸気供給用通路は両グループに通ずる通路
が連なった部分の略中央部、すなわち共鳴時において圧
力変動の節となる部分に接続されているので、共鳴時に
関しては通路内の圧力変動に影響を与えることがなく、
従って、吸気ポート付近に吸気終期に正圧となる圧力波
が生じるとともにこの圧力波が共鳴用環状通路をほぼ一
周して同一気筒グループの吸気ポートに作用することに
より、高い共鳴効果が得られる。
(実施例) 第1図は本発明の装置をV型6気筒エンジンに適用し
た場合の一実施例を示しており、V型エンジンの一方の
バンク1には、1番、2番、3番の3つの気筒3a,3b,3c
が設けられ、他方のバンク2には、4番、5番、6番の
3つの気筒3d,3e,3fが設けられている。
た場合の一実施例を示しており、V型エンジンの一方の
バンク1には、1番、2番、3番の3つの気筒3a,3b,3c
が設けられ、他方のバンク2には、4番、5番、6番の
3つの気筒3d,3e,3fが設けられている。
各気筒の点火順序(吸気順序)は、例えば、1番気筒
3a→4番気筒3d→2番気筒3b→5番気筒3e→3番気筒3c
→6番気筒3fとされて、一方のバンク1における各気筒
3a〜3cが吸気順序の連続しない第1気筒グループを構成
し、他方のバンク2における各気筒3d〜3fが吸気順序の
連続しない第2気筒グループを構成している。各気筒3a
〜3fにはそれぞれ吸気ポート4a〜4fおよび排気ポート
(図示せず)が配設されており、これら吸気ポート4a〜
4fおよび排気ポートは、図外の吸気弁および排気弁によ
ってそれぞれ所定のタイミングで開閉される。
3a→4番気筒3d→2番気筒3b→5番気筒3e→3番気筒3c
→6番気筒3fとされて、一方のバンク1における各気筒
3a〜3cが吸気順序の連続しない第1気筒グループを構成
し、他方のバンク2における各気筒3d〜3fが吸気順序の
連続しない第2気筒グループを構成している。各気筒3a
〜3fにはそれぞれ吸気ポート4a〜4fおよび排気ポート
(図示せず)が配設されており、これら吸気ポート4a〜
4fおよび排気ポートは、図外の吸気弁および排気弁によ
ってそれぞれ所定のタイミングで開閉される。
上記各気筒の吸気ポート4a〜4fは、拡大室を有しない
共鳴用環状通路6に接続され、この共鳴用環状通路6
が、エアフローメータ8およびスロットル弁9を介して
吸気を導入する上流側吸気通路(吸気供給用通路)7に
接続されている。
共鳴用環状通路6に接続され、この共鳴用環状通路6
が、エアフローメータ8およびスロットル弁9を介して
吸気を導入する上流側吸気通路(吸気供給用通路)7に
接続されている。
上記共鳴用環状通路6は、第1気筒グループの各吸気
ポート4a〜4cに短い枝管10a〜10cを介して通じる通路6
a、および第2気筒グループの各吸気ポート4d〜4fに短
い枝管10d〜10fを介して通じる通路6bが、それぞれ上流
側と下流側の二方向に延び、上記上流側吸気通路7に接
続される側の端部とその反対側の端部とで互いに連なる
ことにより、環状をなしている。
ポート4a〜4cに短い枝管10a〜10cを介して通じる通路6
a、および第2気筒グループの各吸気ポート4d〜4fに短
い枝管10d〜10fを介して通じる通路6bが、それぞれ上流
側と下流側の二方向に延び、上記上流側吸気通路7に接
続される側の端部とその反対側の端部とで互いに連なる
ことにより、環状をなしている。
エンジン本体に対する配置としては、両バンク1,2間
の空間部において、共鳴用環状通路6を構成する上記通
路6a,6bが互いに平行に気筒配列方向に沿って延び、エ
ンジン本体の前後両側において互いに連なるように形成
される。この場合、図示はしないが、エンジン本体の両
端部よりも外方に延びる共鳴用環状通路6の上流側部分
および下流側部分は、エンジン本体に沿わせて適宜屈曲
させることにより、エンジン全高を高くすることなく、
コンパクトに吸気系が装備される。
の空間部において、共鳴用環状通路6を構成する上記通
路6a,6bが互いに平行に気筒配列方向に沿って延び、エ
ンジン本体の前後両側において互いに連なるように形成
される。この場合、図示はしないが、エンジン本体の両
端部よりも外方に延びる共鳴用環状通路6の上流側部分
および下流側部分は、エンジン本体に沿わせて適宜屈曲
させることにより、エンジン全高を高くすることなく、
コンパクトに吸気系が装備される。
さらに本発明の特徴とするところは、環状通路6にお
ける通路6a,6bが両側で連なった部分であって、両気筒
グループのそれぞれ気筒列方向における同一方向端部に
位置する気筒の両吸気ポートをつなぐ通路部分の略中央
部にそれぞれ、吸気供給用通路である上流側吸気通路7
及び下流側吸気通路12が接続されている。つまり、上記
上流側吸気通路7は、上記両通路6a,6bが一端側で連な
った部分であって両気筒グループの気筒列方向一端側の
気筒3a,3dの吸気ポート4a,4dをつなぐ通路部分の略中央
部に接続されており、また、上記両通路6a,6bが他端部
で連なった部分であって両気筒グループの気筒列方向他
端側の気筒3c,3fの吸気ポート4c,4fをつなぐ通路部分の
略中央部には、上記上流側吸気通路7と連通する下流側
吸気通路12が接続されている。
ける通路6a,6bが両側で連なった部分であって、両気筒
グループのそれぞれ気筒列方向における同一方向端部に
位置する気筒の両吸気ポートをつなぐ通路部分の略中央
部にそれぞれ、吸気供給用通路である上流側吸気通路7
及び下流側吸気通路12が接続されている。つまり、上記
上流側吸気通路7は、上記両通路6a,6bが一端側で連な
った部分であって両気筒グループの気筒列方向一端側の
気筒3a,3dの吸気ポート4a,4dをつなぐ通路部分の略中央
部に接続されており、また、上記両通路6a,6bが他端部
で連なった部分であって両気筒グループの気筒列方向他
端側の気筒3c,3fの吸気ポート4c,4fをつなぐ通路部分の
略中央部には、上記上流側吸気通路7と連通する下流側
吸気通路12が接続されている。
次に、この装置による場合の作用を、第2図および第
3図を参照して説明する。
3図を参照して説明する。
各吸気ポート4a〜4fの吸気行程において、上流側吸気
通路7および下流側吸気通路12により共鳴用環状通路6
の両側から吸気の供給が行われ、吸気順序が連続しない
同一気筒グループの各吸気ポート付近、例えば第1気筒
グループの各吸気ポート4a〜4c付近には、第1気筒グル
ープの各気筒の作動によりそれぞれの吸気行程途中で負
圧となって吸気行程終期に正圧となる基本的圧力振動
(第3図の線A)が生じる。この吸気ポート付近に生じ
た圧力波は、第2図に矢印で示す(1番気筒3aからの圧
力伝播を例示する)ように、上流側と下流側の二方向に
分かれてそれぞれ共鳴用環状通路6を周回するように伝
播し、共鳴用環状通路6をほぼ一周して同一気筒グルー
プの他の気筒の吸気ポートに作用する。この場合、共鳴
用環状通路6を周回する圧力波は反転することなく伝播
される。
通路7および下流側吸気通路12により共鳴用環状通路6
の両側から吸気の供給が行われ、吸気順序が連続しない
同一気筒グループの各吸気ポート付近、例えば第1気筒
グループの各吸気ポート4a〜4c付近には、第1気筒グル
ープの各気筒の作動によりそれぞれの吸気行程途中で負
圧となって吸気行程終期に正圧となる基本的圧力振動
(第3図の線A)が生じる。この吸気ポート付近に生じ
た圧力波は、第2図に矢印で示す(1番気筒3aからの圧
力伝播を例示する)ように、上流側と下流側の二方向に
分かれてそれぞれ共鳴用環状通路6を周回するように伝
播し、共鳴用環状通路6をほぼ一周して同一気筒グルー
プの他の気筒の吸気ポートに作用する。この場合、共鳴
用環状通路6を周回する圧力波は反転することなく伝播
される。
そして、エンジン回転数の変化により、圧力波が共鳴
用環状通路6をほぼ一周する時間と上記の基本的圧力振
動の周期τとが一致する状態となったとき、第3図に実
線矢印で示すように1番気筒3aに生じて共鳴用環状通路
6を伝播した圧力波が2番気筒3bに生じた圧力波と重な
り、同様にして2番気筒3bから伝播した圧力波が3番気
筒3cに生じる圧力波と重なり、3番気筒3cから伝播した
圧力波が1番気筒3aに生じる圧力波と重なる。こうし
て、第1気筒グループの気筒相互間で圧力波が共振して
第3図に線Bで示すように圧力振動が強められ、同様に
第2気筒グループの気筒相互間でも共振が生じて圧力振
動が強められる(破線C)。このような共鳴効果によ
り、各気筒の充填効率が高められることとなる。
用環状通路6をほぼ一周する時間と上記の基本的圧力振
動の周期τとが一致する状態となったとき、第3図に実
線矢印で示すように1番気筒3aに生じて共鳴用環状通路
6を伝播した圧力波が2番気筒3bに生じた圧力波と重な
り、同様にして2番気筒3bから伝播した圧力波が3番気
筒3cに生じる圧力波と重なり、3番気筒3cから伝播した
圧力波が1番気筒3aに生じる圧力波と重なる。こうし
て、第1気筒グループの気筒相互間で圧力波が共振して
第3図に線Bで示すように圧力振動が強められ、同様に
第2気筒グループの気筒相互間でも共振が生じて圧力振
動が強められる(破線C)。このような共鳴効果によ
り、各気筒の充填効率が高められることとなる。
しかも、従来の圧力反転型の装置に比べ、両気筒グル
ープ間の連通経路の長さを、同一グループの隣接する気
筒の吸気ポート間の長さよりも十分に長く設定できるの
で、圧力波伝播経路の長さの気筒間較差を小さくできる
とともに、各気筒グループの独立性が保たれて、吸気順
序が連続する気筒の相互間で圧力波を弱め合うような干
渉が避けられ、これらの作用により、共鳴効果は上記圧
力反転型のものよりも高くなる。
ープ間の連通経路の長さを、同一グループの隣接する気
筒の吸気ポート間の長さよりも十分に長く設定できるの
で、圧力波伝播経路の長さの気筒間較差を小さくできる
とともに、各気筒グループの独立性が保たれて、吸気順
序が連続する気筒の相互間で圧力波を弱め合うような干
渉が避けられ、これらの作用により、共鳴効果は上記圧
力反転型のものよりも高くなる。
なお、共鳴用環状通路6には、上述のように上流側吸
気通路7および下流側吸気通路12が連通しているが、こ
れらは両通路6a,6bが連なる部分の中央部B,B′、すなわ
ち共鳴時に圧力変動の節となる部分に接続されているの
で、上記共鳴効果には影響することがない。
気通路7および下流側吸気通路12が連通しているが、こ
れらは両通路6a,6bが連なる部分の中央部B,B′、すなわ
ち共鳴時に圧力変動の節となる部分に接続されているの
で、上記共鳴効果には影響することがない。
この圧力変動の様子を、第4図のグラフを用いて説明
する。この第4図は、環状通路6を形成する両通路6a,6
bにおいて、それぞれ中央の気筒3b,3eに連通する枝管10
b,10eとの接続点A,C点(第1図)と、両通路6a,6bが連
なる部分の中央部B,B′点(第1図)とにおける吸気の
圧力変化を示したもので、位置および時間に対応する圧
力が三次元的にプロットされている。なお、図におい
て、吸気圧力のレベルが二点鎖線40で示される基準レベ
ルよりも正圧側に大きい範囲は太い実線で記されてい
る。
する。この第4図は、環状通路6を形成する両通路6a,6
bにおいて、それぞれ中央の気筒3b,3eに連通する枝管10
b,10eとの接続点A,C点(第1図)と、両通路6a,6bが連
なる部分の中央部B,B′点(第1図)とにおける吸気の
圧力変化を示したもので、位置および時間に対応する圧
力が三次元的にプロットされている。なお、図におい
て、吸気圧力のレベルが二点鎖線40で示される基準レベ
ルよりも正圧側に大きい範囲は太い実線で記されてい
る。
この図に明らかなように、A点(またはC点)におい
ては、気筒3a,3b,3c(または気筒3d,3e,3f)の各吸気行
程の終期に発生した正の圧力波が環状通路6を周回して
同じ気筒群の他の気筒3a,3b,3c(または気筒3d,3e,3f)
の吸気行程に作用することにより、これらの気筒3a,3b,
3c(または気筒3d,3e,3f)の吸気行程終期の吸気圧力が
基準レベルよりも正圧側に変化して、吸気の共鳴過給効
果が得られるのに対し、B,B′点については、一方の気
筒群の各気筒3a,3b,3c(または気筒3d,3e,3f)から伝播
した圧力波と、他方の気筒群の各気筒3d,3e,3f(または
気筒3a,3b,3c)から伝播した圧力波とが打ち消し合って
圧力変動の節点となるため、その圧力変動は極めて小さ
く、略基準レベルに保たれることとなる。すなわち、こ
の共鳴効果に関しては両吸気通路7,12の接続による影響
はほとんどない。
ては、気筒3a,3b,3c(または気筒3d,3e,3f)の各吸気行
程の終期に発生した正の圧力波が環状通路6を周回して
同じ気筒群の他の気筒3a,3b,3c(または気筒3d,3e,3f)
の吸気行程に作用することにより、これらの気筒3a,3b,
3c(または気筒3d,3e,3f)の吸気行程終期の吸気圧力が
基準レベルよりも正圧側に変化して、吸気の共鳴過給効
果が得られるのに対し、B,B′点については、一方の気
筒群の各気筒3a,3b,3c(または気筒3d,3e,3f)から伝播
した圧力波と、他方の気筒群の各気筒3d,3e,3f(または
気筒3a,3b,3c)から伝播した圧力波とが打ち消し合って
圧力変動の節点となるため、その圧力変動は極めて小さ
く、略基準レベルに保たれることとなる。すなわち、こ
の共鳴効果に関しては両吸気通路7,12の接続による影響
はほとんどない。
以上のようにこの装置によると、各吸気ポート4a〜4f
の両側から吸気を供給するようにしているので、吸気ポ
ート4a,4d、および吸気ポート4c,4fのいずれの側にとっ
ても吸気抵抗の少ない状態となっており、よって、エン
ジン全体の空気充填量を向上させることができる。しか
も、上記吸気通路7,12は、いずれも共鳴時に圧力変動の
節となる部分に接続されているので、共鳴用環状通路6
の共鳴効果に影響することがなく、従ってこの共鳴効果
により、従来の圧力反転型の装置よりもさらに高い充填
効率を得ることができる。
の両側から吸気を供給するようにしているので、吸気ポ
ート4a,4d、および吸気ポート4c,4fのいずれの側にとっ
ても吸気抵抗の少ない状態となっており、よって、エン
ジン全体の空気充填量を向上させることができる。しか
も、上記吸気通路7,12は、いずれも共鳴時に圧力変動の
節となる部分に接続されているので、共鳴用環状通路6
の共鳴効果に影響することがなく、従ってこの共鳴効果
により、従来の圧力反転型の装置よりもさらに高い充填
効率を得ることができる。
なお、本発明の吸気装置は第1図に示されるような構
造に限るものではなく、例えば第5図のように、下流側
吸気通路12および環状通路6の下流側部分を上流側に折
曲げるようにすれば、エンジンの長手方向に関し、より
コンパクトな構造とすることができるし、さらに同図に
示されるように、互いに連動するバルブ13a,13bを設け
ることにより、このバルブ13a,13bの開閉により、環状
通路6全体を利用する状態と、両通路6a,6bを個別に利
用する状態とに切換が可能となる。
造に限るものではなく、例えば第5図のように、下流側
吸気通路12および環状通路6の下流側部分を上流側に折
曲げるようにすれば、エンジンの長手方向に関し、より
コンパクトな構造とすることができるし、さらに同図に
示されるように、互いに連動するバルブ13a,13bを設け
ることにより、このバルブ13a,13bの開閉により、環状
通路6全体を利用する状態と、両通路6a,6bを個別に利
用する状態とに切換が可能となる。
また第6図のように、直列型エンジンに対しても、そ
の気筒3′a〜3′dの数が偶数であれば互いに吸気順
序が連続しない2つのグループに分けることにより適用
が可能であるし、さらに同図に示されるように、上流側
吸気通路7と下流側吸気通路12との合流位置よりも下流
側の部分、および下流側吸気通路12と環状通路6の接続
部分の直上流側にそれぞれ別個にスロットル弁9を設け
るようにすれば、スロットル弁9下流側の容量を小さく
することにより、過渡時における吸気供給の応答性を向
上させることができる。
の気筒3′a〜3′dの数が偶数であれば互いに吸気順
序が連続しない2つのグループに分けることにより適用
が可能であるし、さらに同図に示されるように、上流側
吸気通路7と下流側吸気通路12との合流位置よりも下流
側の部分、および下流側吸気通路12と環状通路6の接続
部分の直上流側にそれぞれ別個にスロットル弁9を設け
るようにすれば、スロットル弁9下流側の容量を小さく
することにより、過渡時における吸気供給の応答性を向
上させることができる。
(発明の効果) 以上のように本発明は、吸気順序が連続しない気筒を
同一グループとする2つの気筒グループの各吸気ポート
を共通の共鳴用環状通路に接続した吸気装置において、
この共鳴用環状通路の2つの通路がそれぞれ二方向に延
びて上流側および下流側で相互に連なった部分の略中央
部、すなわち共鳴時に圧力変動の節となる部分に、それ
ぞれ吸気を供給する吸気供給用通路を接続したものであ
るので、このような吸気供給用通路の接続に影響を受け
ることなく優れた共鳴効果を得ることができ、これによ
って、コンパクトな構造によりながら上記共鳴効果で各
気筒の充填効率を高めることができる。しかも、上記吸
気供給用通路によって環状通路の両側から吸気が供給さ
れるので、各吸気ポートまについての吸気抵抗を軽減す
ることができ、これによって、エンジン全体の空気充填
量を総合的に向上させることができる。
同一グループとする2つの気筒グループの各吸気ポート
を共通の共鳴用環状通路に接続した吸気装置において、
この共鳴用環状通路の2つの通路がそれぞれ二方向に延
びて上流側および下流側で相互に連なった部分の略中央
部、すなわち共鳴時に圧力変動の節となる部分に、それ
ぞれ吸気を供給する吸気供給用通路を接続したものであ
るので、このような吸気供給用通路の接続に影響を受け
ることなく優れた共鳴効果を得ることができ、これによ
って、コンパクトな構造によりながら上記共鳴効果で各
気筒の充填効率を高めることができる。しかも、上記吸
気供給用通路によって環状通路の両側から吸気が供給さ
れるので、各吸気ポートまについての吸気抵抗を軽減す
ることができ、これによって、エンジン全体の空気充填
量を総合的に向上させることができる。
第1図は本発明の一実施例における吸気装置概略図、第
2図は同装置における圧力波伝播状態を示す図、第3図
は同装置の吸気ポート付近の圧力振動を示すグラフ、第
4図は同装置の環状通路内における吸気の圧力変化を示
すグラフ、第5図および第6図は他の実施例における吸
気装置の概略図である。 3a〜3c……第1気筒グループの各気筒、3d〜3f……第2
気筒グループの各気筒、4a〜4f……吸気ポート、6……
共鳴用環状通路、7……上流側吸気通路(吸気供給用通
路)、12……下流側吸気通路(吸気供給用通路)。
2図は同装置における圧力波伝播状態を示す図、第3図
は同装置の吸気ポート付近の圧力振動を示すグラフ、第
4図は同装置の環状通路内における吸気の圧力変化を示
すグラフ、第5図および第6図は他の実施例における吸
気装置の概略図である。 3a〜3c……第1気筒グループの各気筒、3d〜3f……第2
気筒グループの各気筒、4a〜4f……吸気ポート、6……
共鳴用環状通路、7……上流側吸気通路(吸気供給用通
路)、12……下流側吸気通路(吸気供給用通路)。
Claims (1)
- 【請求項1】多気筒エンジンにおいて、吸気順序が連続
しない気筒を同一グループとする2つの気筒グループの
各吸気ポートが共通の共鳴用環状通路に接続され、この
共鳴用環状通路は、一方の気筒グループの各吸気ポート
に通じる通路と他方の気筒グループの各吸気ポートに通
じる通路とがそれぞれ二方向に延びて両側で相互に連な
る環状をなし、かつ、この両側で連なった部分であって
両気筒グループのそれぞれ気筒列方向における同一方向
端部に位置する気筒の両吸気ポートをつなぐ通路部分の
略中央部にそれぞれ吸気を供給する吸気供給用通路が接
続されていることを特徴とするエンジンの吸気装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62276701A JP2589710B2 (ja) | 1987-10-30 | 1987-10-30 | エンジンの吸気装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62276701A JP2589710B2 (ja) | 1987-10-30 | 1987-10-30 | エンジンの吸気装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01117918A JPH01117918A (ja) | 1989-05-10 |
JP2589710B2 true JP2589710B2 (ja) | 1997-03-12 |
Family
ID=17573123
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62276701A Expired - Fee Related JP2589710B2 (ja) | 1987-10-30 | 1987-10-30 | エンジンの吸気装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2589710B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3932738A1 (de) * | 1989-09-30 | 1991-04-11 | Porsche Ag | Luftansauganlage einer brennkraftmaschine |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5652522A (en) * | 1979-10-06 | 1981-05-11 | Nissan Diesel Motor Co Ltd | Air suction device for internal combustion engine |
-
1987
- 1987-10-30 JP JP62276701A patent/JP2589710B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01117918A (ja) | 1989-05-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |