JPH0676773B2 - エンジンの吸気装置 - Google Patents

エンジンの吸気装置

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JPH0676773B2
JPH0676773B2 JP19310187A JP19310187A JPH0676773B2 JP H0676773 B2 JPH0676773 B2 JP H0676773B2 JP 19310187 A JP19310187 A JP 19310187A JP 19310187 A JP19310187 A JP 19310187A JP H0676773 B2 JPH0676773 B2 JP H0676773B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は共鳴効果によって吸気の充填効率をめるよう
にしたエンジンの吸気装置に関するものである。
(従来技術) 従来から、吸気の動的効果によって充填効率をめるよ
うにしたエンジンの吸気装置は種々知られている。例え
ば、特公昭60−14169号公報に示された装置では、多気
筒エンジンにおいて、吸気順序が連続しない気筒を同一
グループとする2グループの気筒群にそれぞれ接続され
た2つの吸気通路を設け、この各吸気通路をそれぞれ、
吸気マニホールドブランチの上流端が接続された拡大室
(溶積大の集合室)と、この拡大室から上流に延びる共
鳴通路とを備えて構成するとともに、上記拡大室等に、
上記各吸気通路相互を連通遮断可能とする切替装置を設
け、各吸気通路の上流端を上流側集合室に接続してい
る。この装置によると、上記切替装置が上記各吸気通路
相互を遮断した状態にあるときは、上流側集合室で反転
して反射される吸気圧力波により、エンジン回転数が比
較的低い領域で慣性過給効果が得られ、上記切替装置が
上記各吸気通路を連通する状態となったときは、圧力波
の反転反射位置が吸気ポートに近づけられることによ
り、エンジン回転数が比較的い領域で慣性過給効果が
得られる。
ところが、この吸気装置によると、吸気マニホールドブ
ランチ部が集合する部分に大きな容積の拡大室を有する
とともに、この拡大室と各気筒との間のブランチ部に相
当の長さを持たせる必要があるため、吸気系が大型化
し、自動車に搭載する場合に大きな設置スペースが必要
となる等の不都合がある。
このような吸気系の大型化を避けつつ吸気の動的効果を
もたせるためには、上記拡大室を廃止し、例えば、吸気
順序が連続しない気筒を同一グループとする2つの気筒
グループの各吸気ポートにそれぞれ、拡大室を有しない
2つのパイプ状の吸気通路を、短い枝管を介して接続
し、この両吸気通路を上流側適宜箇所で集合させてこの
部分で圧力波を反転反射させるようにすることが考えら
れる。しかしこの場合、吸気ポートと圧力波反転反射部
との間を圧力波が伝わる時間に気筒毎の較差が生じ、と
くに高速域での過給効果を期待して上記吸気通路を短く
することにより圧力波伝播時間を短くすると、相対的に
上記較差が大きくなって、各気筒に対する圧力波の作用
にアンバランスが生じるため、各気筒に充分な過給効果
を及ぼすことが困難になる。
なお、このほかに吸気系の構造としては、特開昭56−52
522号公報に示されるように、吸気マニホールドにルー
プを形成し、空気が常にそのループを通って一方向に流
れるように構成するとともに、この流れの方向に鋭角に
分岐吸気管を取付けた構造のものがある。ただしこの構
造は、吸気マニホールド内で一定方向の空気の流れを維
持しようとしているだけで、吸気の圧力波による過給効
果を期待するものではない。
(発明の目的) 本発明は上記の事情に鑑み、環状の通路を介して気筒間
で圧力波を伝播させて共鳴効果をもたせることにより、
拡大室を不要にして吸気系をコンパクトにしつつ、高速
域でも充分に充填効率をめることができ、とくに、上
記環状通路において圧力波を弱めるような干渉が生じる
ことを避けて有効に共鳴効果を発揮させることができ、
しかも環状通路自体を充分にコンパクト化することが可
能なエンジンの吸気装置を提供するものである。
(発明の構成) 本発明の吸気装置は、多気筒エンジンにおいて、吸気順
序が連続しない気筒を同一グループとする2つの気筒グ
ループの各吸気ポートが、拡大室を有しない共通の共鳴
用環状通路に接続され、この共鳴用環状通路は、一方の
気筒グループの各吸気ポートに通じる通路と他方の気筒
グループの各吸気ポートに通じる通路とが両側で相互に
連なった環状に形成されるとともに、同一気筒グループ
の気筒を相互に連通する通路部分の隣接気筒間の流さl1
と、この通路部分の断面積f1と、両気筒グループの間の
連通路部分の長さl2と、この連通路部分の断面積f2との
関係が l1/f1>l2/f2 となるように設定されているものである。
この構成により、上記の各グループ毎に、吸気ポート付
近に吸気終期に正圧となる圧力波が生じ、この圧力波が
共鳴用環状通路をほぼ一周して同一気筒グループの吸気
ポートに作用することにより共鳴効果が得られる。ま
た、上記の関係(l1/f1>l2/f2)を満足する設定によ
り、両気筒グループ間で圧力波が互いに弱め合うような
干渉が生じることが避けられる。そして、連通路部分の
断面積f2を小さくすれば、上記の関係を満足する範囲で
連通路部分の長さl1を短くすることができる。
(実施例) 第1図は本発明の装置をV型6気筒エンジンに適用した
場合の一実施例を示しており、V型エンジンの一方のバ
ンク1には、1番、2番、3番の3つの気筒3a,3b,3cが
設けられ、他方のバンク2には、4番、5番、6番の3
つの気筒3d,3e,3fが設けられている。各気筒の点火順序
(吸気順序)は、例えば、1番気筒3a→4番気筒3d→2
番気筒3b→5番気筒3e→3番気筒3c→6番気筒3fとされ
て、一方のバンク1における各気筒3a〜3cが吸気順序の
連続しない第1気筒グループを構成し、他方のバンク2
における各気筒3d〜3fが吸気順序の連続しない第2気筒
グループを構成している。各気筒3a〜3fにはそれぞれ吸
気ポート4a〜4fおよび排気ポート5a〜5fが配設されてお
り、これら吸気ポート4a〜4fおよび排気ポート5a〜5f
は、図外の吸気弁および排気弁によってそれぞれ所定の
タイミングで開閉される。
上記各気筒の吸気ポート4a〜4fは、拡大室を有しない共
鳴用環状通路6に接続されている。この共鳴用環状通路
6は、第1気筒グループのの各吸気ポート4a〜4cに短い
枝管10a〜10cを介して通じる通路部分6a、および第2気
筒グループの各吸気ポート4d〜4fに短い枝管10d〜10fを
介して通じる通路部分6bが、上流側と下流側とでそれぞ
れ連通路部分6c,6dを介して互いに連なることにより、
全体が環状をなしている。この共鳴用環状通路6の上流
部分は共通吸気通路7に接続され、共鳴吸気通路7には
スロットル弁8が設けらている。
上記共鳴用環状通路6において、両気筒グループ間の上
流側連通路部分6cおよび同一気筒グループの気筒を連通
する通路部分6a,6bは、吸気の流通抵抗を小さくするた
め比較的大きな一定の通路断面積に形成されており、こ
れに対し、吸気の流通を要しない下流側の連通路部分6d
は、通路断面積が小さくされている。
また、上記通路部分6a,6bの隣接気筒間の長さl1と、こ
の通路部分6a,6bの断面積f1と、連通路部分6dの長さl2
と、この連通路部分6dの断面積f2とは、これらの関係が l2/f2>l1/f1 … となるように設定されている。下流側の連通路部分6cは
上記のように断面積f2が小さくされることにより、その
長さl2を比較的短くしつつ、通路部分6a,6bに対して上
記式の関係を満足するように形成されている。なお、
上流側の連通路部分6cは、その通路長さが通路部分6a,6
bの隣接気筒間長さより長くされることにより、上記関
係が満足されるように形成されている。
この実施例の装置による場合の作用を、第2図乃至第4
図を参照して説明する。
吸気順序が連続しない同一気筒グループの各吸気ポート
付近、例えば第1気筒グループの各吸気ポート4a〜4c付
近には、第1気筒グループの各気筒の作動によりそれぞ
の吸気行程途中で負圧となって吸気行程終期に正圧とな
る基本的圧力振動(第3図の線A)が生じる。この吸気
ポート付近に生じた圧力波は、第2図に矢印で示す(1
番気筒3aからの圧力伝播を例示する)ように、上流側と
下流側の二方向に分かれてそれぞれ共鳴用環状通路6を
周回するように伝播し、共鳴用環状通路6をほぼ一周し
て同一気筒グループの他の気筒の吸気ポートに作用す
る。この場合、共鳴用環状通路6は拡大室を有しないの
で、圧力波は反転することなく伝播される。
そして、圧力波が共鳴用環状通路6をほぼ一周する時間
と上記の基本的圧力振動の周期τとが一致する状態とな
ったときは、第3図に矢印で示すように1番気筒3aに生
じて共鳴用環状通路6を伝播した圧力波が2番気筒3bに
生じた圧力波と重なり、同様にして2番気筒3bから伝播
した圧力波が3番気筒3cに生じる圧力波と重なり、3番
気筒3cから伝播した圧力波が1番気筒3aに生じる圧力波
と重なる。こうして、第1気筒グループの気筒相互間で
圧力波が共振して第3図に線Bで示すように圧力振動が
強められ、同様に第2気筒グループの気筒相互間でも共
振が生じて圧力振動が強められる。この共鳴効果によ
り、各気筒の充填効率が高められることとなる。
このように反転を生じることなく共鳴用環状通路6を伝
播する圧力波によって共鳴効果をもたせた構造による
と、エンジンの回転域でも共鳴効果の気筒間較差を小
さくして有効に各気筒の充填効率をめることができ
る。つまり、仮に上記共鳴用環状通路6を用いずに、例
えば第1気筒グループの各吸気ポートに通じる吸気通路
と第2気筒グループの各吸気ポートに通じる吸気通路と
の上流側集合部を圧力反転部として、反転圧力波により
動的効果をもたせようとする場合には、上記基本圧力振
動の周期τの1/2に相当する時間に吸気ポートと上記集
合部との間の通路を圧力波が往復伝播する状態となった
ときに、同調状態(動的効果が得られる状態)となる。
これに対し、共鳴用環状通路6によって圧力波を反転さ
せずに伝播させる構造によると、前記のように伝播時間
が基本圧力振動の周期τに相当する時間となった場合に
同調状態となるので、この同調状態において伝播時間の
気筒毎の相対的な較差が、反転圧力波を利用する場合よ
りも小さくなる。従って、基本圧力振動の周期τが短く
なる高速域で同調状態が得られるように設定した場合で
も、気筒毎の共鳴効果の較差を小さくできることとな
る。
また、このように共鳴用環状通路6を用いて共鳴効果を
もたせる場合に、とくに下流側連通路部分6dは断面積f2
を小さくした状態で、通路部分6a,6bに対して前記の
式を満足するように設定されているため、通路長さl2
短くされつつ、上記共鳴効果が有効に発揮される。
つまり、通路部分6a,6bにおける隣接気筒間の通路長さ
を圧力波が伝播する時間とくらべて両気筒グループ間の
連通路部分を圧力波が伝播する時間が等しいかそれより
短いと、各気筒を2グループに分けた効果が失われて、
吸気順序が連続する気筒の相互間で圧力波を弱め合うよ
うな干渉が生じる。よってこのような干渉を避けるため
には、通路部分6a,6bと連通路部分の断面積が等しけれ
ば、連通路部分の長さを隣接気筒間の長さより大きくす
る必要がある。ところで、一般に通路途中で通路断面積
が小さくされると、それに応じてその部分を圧力波が通
過する時間は増大するので下流側連通路部分6dの断面積
をf2とした場合の長さl2、断面積がf1の場合(第4図の
二点鎖線)の長さl3との関係が l3=l2×f1/f2 となれば圧力波伝播時間からみて両者は等価となる。よ
って、上記の干渉を避けるには、 l2×f1/f2=l3>l1 とすればよく、これから、前記式の条件が得られる。
従って、下流側連通路部分6dの長さを短くしても、その
断面積f2を小さくすることによって式の条件を満足す
るように設定しておけば、上記の干渉による圧力波の減
衰が防止され、共鳴効果が有効に得られることとなる。
なお、上記実施例ではV型6気筒エンジンに本発明を適
用しているが、直列の多気筒エンジンにも本発明を適用
でき、つまりこの場合も、吸気順序が連続しない気筒を
同一グループとする2つの気筒グループに分けて、これ
らの吸気ポートを共鳴用環状通路に接続し、かつ、共鳴
用環状通路における同一気筒グループの各吸気ポートに
連通する通路部分の隣接気筒間の長さ、断面積と両気筒
グループ間の連通路部分の長さ、断面積の関係が前記
式を満足するように、共鳴用環状通路を形成しておけば
よい。その他本発明の装置の具体的構造は、本発明の要
旨を逸脱しない範囲で種々設計変更して差支えない。
(発明の効果) 以上のように本発明は、吸気順序が連続しない気筒を同
一グループとする2つの気筒グループの各吸気通路が共
鳴用環状通路に接続され、各気筒グループにおいてそれ
ぞれ、1つの気筒の吸気ポートから伝播して共鳴用環状
通路をほぼ一周した圧力波が同一グループの気筒の吸気
ポートに作用することにより、共鳴効果が得られるよう
にしているので、上記共鳴用環状通路に拡大室を有しな
いコンパクトな構造によりながら、上記共鳴効果で各気
筒の充填効率をめることができ、速域での充填効率
向上にも有利となる。また、とくに、共鳴用環状通路に
おける同一気筒グループの気筒を相互に連通する通路部
分の隣接気筒間の長さl1と、この通路部分の断面積f
1と、両気筒グループの間の連通路部分の長さl2と、こ
の連通路部分の断面積f2との関係が l2/f2>l1/f1 となるように設定されているため、両気筒グループ間で
圧力波を互いに弱め合うような干渉が生じることを防止
して上記の共鳴効果を有効に発揮させることができ、し
かも、上記連通路部分の断面積f2を小さくしておけばそ
の長さl2を短くすることができるので、共鳴用環状通路
自体を充分にコンパクト化することが期待できるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す吸気装置概略図、第2
図は圧力波伝播状態を示す図、第3図は吸気ポート付近
の圧力振動を示す図、第4図は共鳴用環状通路の通路部
分に対する連通路部分の長さ、断面積の設定条件を説明
するための要部拡大図である。 3a〜3c……第1気筒グループの各気筒、3d〜3f……第2
気筒グループの各気筒、4a〜4f……吸気ポート、6……
共鳴用環状通路、6a,6b……通路部分、6c,6d……連通路
部分。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多気筒エンジンにおいて、吸気順序が連続
    しない気筒を同一グループとする2つの気筒グループの
    各吸気ポートが、拡大室を有しない共通の共鳴用環状通
    路に接続され、この共鳴用環状通路は、一方の気筒グル
    ープの各吸気ポートに通じる通路と他方の気筒グループ
    の各吸気ポートに通じる通路とが両側で相互に連なった
    環状に形成されるとともに、同一気筒グループの気筒を
    相互に連通する通路部分の隣接気筒間の長さl1と、この
    通路部分の断面積f1と、両気筒グループの間の連通路部
    分の長さl2と、この連通路部分の断面積f2との関係が l2/f2>l1/f1 となるように設定されていることを特徴とするエンジン
    の吸気装置。
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