JP2588612Y2 - ステータ - Google Patents

ステータ

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JP2588612Y2
JP2588612Y2 JP1991011476U JP1147691U JP2588612Y2 JP 2588612 Y2 JP2588612 Y2 JP 2588612Y2 JP 1991011476 U JP1991011476 U JP 1991011476U JP 1147691 U JP1147691 U JP 1147691U JP 2588612 Y2 JP2588612 Y2 JP 2588612Y2
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英二 田井
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Nok Corp
Tosoh Corp
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Nok Corp
Tosoh Corp
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、自動変速機などに用い
られるステータの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】公知のステータは、その本体を熱硬化性
樹脂の一種であるフェノール樹脂によって成形されてお
り、これに伴って、次の問題が指摘されている。すなわ
ち、当該ステータが高温雰囲気に晒された場合、本体に
大きな熱収縮が発生する。また環状を呈する本体の内周
側にクラッチなどの剛材部品を嵌合したステータにおい
ては、該ステータが高温雰囲気に晒された場合、本体が
熱収縮することに伴って該本体が剛材部品に抱き付くた
め、該本体に大きな内部応力が生じて該本体にクラック
が発生する。本体の内周側にスプラグタイプのワンウェ
イクラッチを嵌合したステータにおいて、本体とクラッ
チとの間に設定される間隙はその初期においても12〜
50μmに過ぎないからである。
【0003】上記問題に対して、本願考案者らは、先
に、樹脂材製の本体をポリフェニレンサルファイド樹脂
(以下、PPS樹脂とも称する)によって成形したステ
ータを考案している。熱可塑性樹脂の一種であるPPS
樹脂には、前記フェノール樹脂と比較して高温雰囲気下
における寸法変化が小さく、更に他の熱可塑性樹脂と比
較しても高温雰囲気下で充分な強度を維持し得る特徴が
あり、これにより、本体に熱収縮やクラックが発生する
のを防止することが可能である。なお、PPS樹脂には
その脆性を補強するために強化繊維が添加される。
【0004】ところが、前記PPS樹脂には、その摺動
特性の面でフェノール樹脂よりも劣る、という問題があ
る。摺動特性が劣るということは、この場合、具体的に
は摩擦係数が大きく、相手材の摩耗が大きいということ
であり、これに対しては、強化繊維を添加したPPS樹
脂に更に潤滑剤を単独で、または充填材とともに添加す
ることが考えられるが、これらの方法にはそれぞれ次の
ような問題がある。すなわち、潤滑剤を単独で添加した
場合には、摺動時、摺動面から強化繊維が掘り起こされ
る問題がある。また、潤滑剤を充填材とともに添加する
ことについては、特公昭61−37306号のように強
化繊維、固体潤滑性成分および特定量の樹脂を含む組成
物が提案されているが、配合量が適切でなく、充填材が
高価であるなどステータの材料として実用性に欠ける。
また、特開昭62−34956号のようにPPS樹脂1
00重量部に粒状のフェノール・ホルムアルデヒド樹脂
40〜200重量部を添加し、更にガラス繊維、テフロ
ン粉を添加可能としたものが提案されているが、配合比
が適切でないために流動性が低過ぎ、物性が不充分であ
るなどステータの材料として実用性に欠ける。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】本考案は以上の点に鑑
み、強度と摺動特性とのバランスが良い材料よりなるス
テータを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本考案は、樹脂材製の本体が、PPS樹脂100重
量部に対し、ガラス繊維50〜100重量部、弗素樹脂
粉2〜50重量部および平均粒径30μm以下の球状フ
ェノール樹脂2〜40重量部よりなる樹脂組成物によっ
て成形されていることを特徴とするステータを提供す
る。
【0007】
【作用】本考案において、PPS樹脂は特にその内容を
制限されるものではないが、溶融粘度が3000〜10
000poise程度のものであることが物性および加
工性のバランスが採れるために望ましい。溶融粘度が大
きくなると流動性は低下するが強度が向上する。PPS
樹脂の物性を損なわないものであれば、グラフトタイ
プ、ブロックタイプまたはランダムタイプなど他の成分
との共重合も可能である。
【0008】ガラス繊維については、特に制限はない
が、高い曲げ強度、高い曲げ弾性率および摺動特性を必
要とする場合には比較的細い径のものが望ましく、高い
圧縮強度を必要とする場合には比較的太い径のものが望
ましい。曲げ強度、圧縮強度および摺動特性の何れもが
重要である場合は11〜15μm程度の径のものが適し
ている。アスペクト比は100〜1000程度が物性お
よび加工性のバランスが採れている。これらのガラス繊
維にはバインダーの使用が可能である。バインダーとし
ては強度および耐熱性を向上させるために粒状フェノー
ルとの相性が良いエポキシ系のものが適している。ガラ
ス繊維の充填量は、PPS樹脂100重量部に対して5
0〜100重量部が適している。50部未満では強度が
不充分であり、100部を越えると強度の向上への寄与
が小さいばかりか流動性が低下する。
【0009】弗素樹脂粉については、テトラフルオロエ
チレン樹脂(PTFE)、クロロ三弗化エチレン樹脂、
弗化ビニル樹脂、弗化ビニリデン樹脂または四弗化エチ
レン−五フロロプロピレン共重合樹脂などが望ましく、
固体潤滑剤として作用するものが望ましい。粉径は10
〜100μm程度のものが取り扱いが容易であるために
適している。弗素樹脂粉の充填量は、PPS樹脂100
重量部に対して2〜50重量部が適している。2部未満
では摺動特性が不充分であり、50部を越えると強度お
よび耐熱性が低下する。更に好ましくは7〜10部が良
い。
【0010】球状フェノール樹脂については、乳化重合
により得られたフェノール−ホルムアルデヒド樹脂を3
00〜1000℃、酸素非存在下で焼成したものが望ま
しく、このようなフェノール樹脂には鐘紡社製の商品名
「ベルパール」R−タイプを前記温度で焼成したもの、
もしくは焼成済みの同H−タイプまたは同C−タイプを
用いることができる。フェノール樹脂の炭素含有量は9
3〜99%となる。球状フェノール樹脂の粒径は成形時
のウエルド部の材料の流動性・組織、すなわち製品のウ
エルド部の強度に関係し、その平均粒径は30μm以下
が望ましい。球状フェノール樹脂の充填量は、PPS樹
脂100重量部に対して2〜40重量部が適している。
2部未満では強度および摺動特性にその添加効果が現わ
れず、40部を越えると流動性および強度が低下する。
【0011】しかして、以上に述べたところにより、本
考案のステータは、強度、寸法安定性、耐熱性および摺
動特性に優れたものである。
【0012】
【実施例】つぎに本考案の実施例を図面にしたがって説
明する。
【0013】図1のステータは、環状の本体1、外環2
および羽根3を備えており、このうち少なくとも本体1
が以下の配合比よりなる樹脂によって成形されている。
すなわち、本体1が溶融粘度3000poiseのPP
S樹脂100重量部に対して13μm径のガラス繊維8
0重量部、PTFE粉6重量部、球状フェノール樹脂
(前記「ベルパール」C−600)20重量部を添加し
た樹脂によって射出成形されている。4が摺動面であ
る。また本願考案者らはこれと並行して比較例として以
下の配合比よりなる樹脂によって本体1を成形した。す
なわち、溶融粘度3000poiseのPPS樹脂10
0重量部に対して13μm径のガラス繊維65重量部の
みを添加した樹脂によって本体1を射出成形した。両者
の試験結果はつぎのとおりである。
【0014】A.曲げ強度(kgf/cm2 )について
は、実施例が2300のところ比較例は2600であっ
た。 B.曲げ弾性率(×103 kgf/cm2 )について
は、両者とも150であった。 C.圧縮強度(kgf/cm2 )については、実施例が
1850のところ比較例は1600であった。 D.摩耗係数(10-6cm・cm2 ・sec/kgf・
m・hr)については実施例が80のところ比較例は5
000であった。
【0015】しかして、この試験結果に示されるよう
に、実施例に係る本体1は比較例と略変わらぬ強度を備
えた上で優れた摺動特性を備えている。
【0016】また本考案は、図2または図3に示すよう
に、本体1の内周側にワンウェイクラッチのアウターレ
ース5をインサート成形したステータについても適用す
ることが可能である。
【0017】
【考案の効果】本考案のステータは以上説明したよう
に、樹脂製の本体について、先行技術と略変わらぬ強
度、寸法安定性および耐熱性を備えた上で優れた摺動特
性を発揮する。また配合材の一つである球状フェノール
樹脂の平均粒径を30μm以下に限定したために、これ
が成形時のウエルド部の材料の流動性・組織、すなわち
製品のウエルド部の強度に関係し、その結果として、製
品のウエルド部の強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例に係るステータの半裁断面
【図2】本考案の第2実施例に係るステータの半裁断面
【図3】本考案の第3実施例に係るステータの半裁断面
【符号の説明】
1 本体 2 外環 3 羽根4 摺動面 5 アウターレース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 安彦 忠 福島県二本松市宮戸30番地 エヌオーケ ー株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−65363(JP,A) 特開 昭62−34956(JP,A)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂材製の本体(1)が、ポリフェニレ
    ンサルファイド樹脂100重量部に対し、ガラス繊維5
    0〜100重量部、弗素樹脂粉2〜50重量部および
    均粒径30μm以下の球状フェノール樹脂2〜40重量
    部よりなる樹脂組成物によって成形されていることを特
    徴とするステータ。
JP1991011476U 1991-02-12 1991-02-12 ステータ Expired - Fee Related JP2588612Y2 (ja)

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JPS6234956A (ja) * 1985-08-06 1987-02-14 Showa Electric Wire & Cable Co Ltd 成形用樹脂組成物
JPS6465363A (en) * 1987-08-31 1989-03-10 Aisin Chem Stator wheel made of resin and manufacture thereof

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