JP2587426B2 - 薄膜サ−ミスタの製造方法 - Google Patents

薄膜サ−ミスタの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は薄膜サーミスタの薄膜形成方法、特に、低温
での薄膜形成を可能にした薄膜サーミスタの製造方法に
関する。
〔従来の技術〕
従来における薄膜サーミスタとして、金属酸化物によ
る薄膜サーミスタがある。この薄膜サーミスタは、Mn,C
o,Ni等のサーミスタ材料となる遷移金属酸化物の中の2
〜5成分で焼結体ターゲットを作り、これをアルゴンガ
ス雰囲気中でスパッタリングしてアルミナ等の基板上に
薄膜を形成し、さらに大気中で熱処理することによって
サーミスタとしての特性を有する薄膜サーミスタを製作
するものであった。
ところで、前記した方法によって製作された薄膜の電
気特性は、熱処理温度に依存するため熱処理条件の設定
が難しく、かつ、熱処理温度も高いために電極や基板の
選択が限られてしまうという問題点があった。
そこで、このような問題点を改善して比較的低温で薄
膜を形成し、熱処理を行うことにより高温での安定性の
高い薄膜サーミスタも提案されている。すなわち、焼結
体ターゲットを使用し、アルゴンガス雰囲気中でのスパ
ッタリングにより形成した薄膜は、酸素が不足する傾向
にあることを考慮し、アルゴンに酸素を混合したガス雰
囲気により、ターゲットと同一の結晶構造を有する薄膜
を比較的低い基板温度(400〜600℃)で形成できるよう
にしたものである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、前記した混合ガスを用いた反応性スパッタ
リングは、成膜速度が遅いと言う欠点を有し、また、比
較的低い基板温度であるとしても400〜600℃に基板温度
を加熱するために、熱膨張係数の大きな金属は基板材料
として不適当であり、また、ポリイミドやテフロン等の
有機材料からなる基板の場合には、前記温度に耐えられ
ないために使用することが難しく、従って、薄膜を形成
できないという問題があった。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は前記した問題点を解決せんと、より低温での
成膜、熱処理加工を可能となし、あらゆる材質の基板へ
の成膜を可能にすると共に成膜速度が速い薄膜サーミス
タの製造方法を提供せんとするもので、その手段は、M
n,CoにNi,Fe,Cu等を添加した酸化物からなる複合酸化物
ターゲットを使用し、アルゴンガス雰囲気中で基板上に
複合酸化物薄膜を高周波スパッタリングにより蒸着し、
その後、該薄膜を酸化ガス雰囲気中でプラズマ処理して
酸化した薄膜サーミスタの製造方法によってなされる。
〔作 用〕
前記した薄膜サーミスタの製造方法は、Mn,CoにNi,F
e,Cu等を添加した複合酸化物からなるターゲットを用
い、アルゴンガス雰囲気中でスパッタリングを行う。そ
して、この状態においては、この薄膜は酸素が不足して
いるので、薄膜中の酸素を補うために酸素プラズマ中で
処理する。この処理により薄膜に酸素が注入され、ター
ゲットと等しい比抵抗を有する薄膜を低い基板温度で形
成できるものである。
〔発明の実施例〕
以下、本発明の薄膜サーミスタの製造方法の一実施例
を図面と共に説明する。
第1図は本発明の方法によって製作された薄膜サーミ
スタの断面図を示し、1は基板、2は該基板1の上に形
成されたMn,Co,Niの酸化物薄膜からなる感温抵抗体、3
は該感温抵抗体2の上に形成された電極である。なお、
感温抵抗体2と電極3とは上下逆に形成しても良い。
次ぎに、前記した薄膜サーミスタを製造するための方
法について説明する。
スパッタ用ターゲットは、室温から1000℃以上の高温
まで立方晶スピネル型の単一結晶構造で、熱的に極めて
安定な材料組成であるMn:Co:Niのモル比が3:2:1である
ような、酸化物の焼結体からなるターゲットを用意す
る。このターゲットは、通常のサーミスタの製造方法に
よって製造できるが、これに限定されるものではなく、
均一な焼結体であれば他の方法で製造したものであって
も良い。
薄膜の形成には、高周波スパッタリング装置を用いて
アルゴンガス雰囲気中で、基板温度300℃、高周波電力8
00W、成膜速度5μm/hの条件で、上記組成からなるター
ゲットを用いてアルミナ基板上に薄膜を形成する。
この条件で形成された薄膜の抵抗率は、1KΩ・cmであ
った。この薄膜に、電極を形成して薄膜サーミスタとし
て使用することも可能であるが、長期間使用環境温度に
置かれると経時変化が大きく熱的に不安定で薄膜サーミ
スタとしては信頼性に欠ける。
そこで、薄膜を安定化させるために低温プラズマで処
理し酸化する。このプラズマ処理は、プラズマ反応装置
を用い、高周波電力500W、0.5Torrの酸素ガス雰囲気中
でプラズマを発生させて行なう。このとき雰囲気温度は
200℃程度で、基板の加熱は行なわない。
第2図はプラズマ処理した薄膜の抵抗率と処理時間の
関係を示す図である。実線が本発明実施例を示し、点線
が800℃、大気中熱処理の従来例を示す。図から明らか
なように、本発明の方法によれば、約30分間のプラズマ
処理によって抵抗率は一定値に収束し熱的に安定とな
る。プラズマ処理後の抵抗率は300Ω・cm、B定数は343
0Kであった。これはターゲットの特性と等しいものであ
る。これに対し従来の熱処理方法は、一定値の抵抗率に
収束するのに、本発明方法より倍以上の処理時間が必要
である。
以上の如く本発明によれば、300℃以下の低い温度で
薄膜の形成および安定化処理ができるため、基板に熱膨
張係数の大きな材料やポリイミドやテフロン等の有機材
料基板にも薄膜を形成することができ、熱的安定性が高
く、応答性の速い、適用用途の広い薄膜サーミスタを得
ることができる。ポリイミド基板に形成した薄膜は、ポ
リイミドの使用温度範囲内では経時変化は認められなか
った。
なお、前記した実施例では、プラズマ処理のとき基板
を加熱しない例について説明したが、セラミック等の基
板で加熱することができるものを使用する場合には、該
基板を加熱することによりプラズマ処理時間を短縮する
こともできる。例えば基板を300℃に加熱してプラズマ
処理を行えば処理時間は7〜10分間で良い。
なお、前記した実施例にあっては、Mn,Co,Niの複合酸
化物からなるターゲットを用いたものについて説明した
が、Mn,CoにNi,Fe,Cu等を単独で、あるいは多成分系で
添加したものであっても良い。
〔発明の効果〕
本発明は前記したように、Mn,CoにNi,Fe,Cu等を添加
した複合酸化物からなるターゲットを用い、アルゴンガ
ス雰囲気中でスパッタリングを行い、かつ、この薄膜中
の酸素を補うために酸素プラズマ中で処理したので、タ
ーゲットと等しい比抵抗を有する薄膜を低い基板温度で
形成でき、従って、薄膜サーミスタの使用用途、使用温
度により基板の材料を適切に選択し、使用環境温度より
やや高めの温度に基板を加熱してプラズマ処理すれば、
経時変化のない安定した薄膜サーミスタを得ることがで
きる等の効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の製造方法により製造した薄膜サーミス
タの断面図、 第2図は薄膜の抵抗率と処理時間との関係を示す線図で
ある。 1……基板、2……低抗体、3……電極。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Mn,CoにNi,Fe,Cu等を添加した酸化物から
    なる複合酸化物ターゲットを使用し、アルゴンガス雰囲
    気中で基板上に複合酸化物薄膜を高周波スパッタリング
    により蒸着し、その後、該薄膜を酸化ガス雰囲気中でプ
    ラズマ処理して酸化したことを特徴とする薄膜サーミス
    タの製造方法。
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