JP2587287Y2 - 空調設備の加湿装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、ホテルの客室用などと
して最適なファンコイルユニットなどの空調設備の加湿
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ホテルにおける空気調和に際しては、単
に温度の調節のほか、湿度の調節が居住性を確保する上
で重要である。

【０００３】一方で、空気の加湿方法としては、エア
ワッシャによって断熱加湿する、エアワッシャ内に温
水を噴霧する、少量の水または温水を噴霧する、蒸
気を噴霧する、加湿パンの水面より蒸発した水蒸気を
用いるなどの態様がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかし、ホテルの客室
などの比較的面積の小さい部屋を対象にしたファンコイ
ルユニットによる空気調和方式では、効果的なものがな
く、特に制御性およびメンテナンス性に優れたものがな
いのが現状である。

【０００５】したがって、本考案の課題は、装置構成が
簡素でありながら、制御性およびメンテナンス性に優れ
たものとすることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本考
案は、対象の空間に設置されたファンコイルユニットを
備えた空調設備において、前記ファンコイルユニット内
にその送風方向に向けて温湯吹き出しノズルを設け、こ
の吹き出しノズルと給湯配管とを連結するとともに、そ
れらの間に加圧ポンプおよび加熱手段を設け、加湿時前
記給湯配管からの温水を加圧および加熱した加湿用高温
水を前記吹き出しノズルから大気解放して水蒸気を吹き
出すようにしたことを特徴とする空調設備の加湿装置で
ある。

【０００７】

【作用】本考案に従って、給湯配管からの温水を加圧お
よび加熱した高温水を、吹き出しノズルから大気解放し
て、減圧・気化させると、その吹き出しノズルから水蒸
気が噴出される。この水蒸気をファンコイルユニットに
おける送風機からの送風空気に乗せることにより、室内
に送り込むことができ、加湿が可能となる。

【０００８】本考案においては、水蒸気として対象空間
に噴出させるので、ドレンが発生し難く、かつ加湿能力
（したがって加湿制御性）が高いものとなる。

【０００９】また、ホテルなどにおいては、年間を通じ
て利用されている給湯配管からの温水を取出し、これを
利用するので、単独の加湿用水配管を行う必要がなくな
る。

【００１０】また、温度の低い水を加熱するよりも、当
初から温度レベルの高い温水を加熱するので、加熱器の
容量を小さくできる利点がある。さらに、暖房用の温水
配管の水質に問題がない場合には、ファンコイルユニッ
トまで温水配管が接続されているので、配管を設置する
距離を短くできる。

【００１１】

【実施例】以下本発明を図面を参照しながらホテルの場
合を例に採った実施例によりさらに詳説する。

【００１２】１は給湯配管で、２はファンコイルユニッ
トである。これらの間には、加圧ポンプ３、加熱ヒータ
ー４を有する温水タンク５が設けられ、かつ分岐経路に
オンオフ兼用流量調整弁６が設けられている。また、フ
ァンコイルユニット２内には、加熱冷却コイル２１、送
風機２２および本考案に係る吹き出しノズル２３が設け
られている。

【００１３】前記流量調整弁６は、送風機２２のオンオ
フ、したがって当該ファンコイルユニット２のオンオフ
信号に基づいて、ならびに湿度計２４の湿度信号に基づ
いてコントローラー７を介して動作するようになってい
る。また、温水タンク５には圧力計８が設けられ、その
圧力信号に基づいて、圧力指示調節計９により加圧ポン
プ３が運転される構成とされている。

【００１４】このように構成された装置においては、給
湯配管１内の温水が加圧ポンプ３により昇圧された状態
で、温水タンク５内に貯留され、そこで加熱ヒーター４
により加熱され、高温昇圧された温水となって、流量調
整弁６を介して吹き出しノズル２３から噴出される。噴
出された温水は大気解放により水蒸気となり、送風機２
２の送風流れに乗って、室内に吹き出される。これによ
って、室内の加湿が行われる。

【００１５】送風機２２の停止時、あるいは所定湿度以
上の場合には、流量調整弁６は閉止状態にある。温水タ
ンク５内の圧力は、圧力指示調節計９により加圧ポンプ
３を動作させて調節するようになっている。

【００１６】加圧ポンプ３および加熱ヒーター４は、各
ファンコイルユニット２，２…に対して共用化するのが
好ましい。吹き出しノズル２３としては、二重管の構造
とすることができる。この例を図２および図３に示し
た。

【００１７】すなわち、取付フランジ５０に蒸気管５１
が取付けられ、この蒸気管５１の途中には、横断面四角
の外函５２が設けられ、その外函５２の両端は閉塞され
ている。さらに、蒸気管５１の他端は、キャップ５３に
より閉塞されている。一方、外函５２の一側はパンチン
グメタルなどにより形成され、加湿蒸気を透過する透気
板５２Ａとされ、その外方には、上部に開口するドレン
案内函５４が連設されている。さらに、図３のθで示す
たとえば４５度の範囲に蒸気噴出口５１Ａが形成されて
いる。この例では、蒸気管５１に供給された蒸気が、蒸
気噴出口５１Ａから噴出するとき、図３の矢印で示す流
れでドレン案内函５４の開口から流出する。ドレンはド
レン案内函５４の下部の適宜の位置において抜き出され
る。

【００１８】なお、本考案においては、吹き出しノズル
２３を加熱コイル２１の下流側に設けたが、加湿水が室
内に飛散する虞れがある場合には、加熱コイル２１の上
流側に設けてもよい。

【００１９】

【考案の効果】以上の通り、本考案によれば、装置構成
が簡素でありながら、本考案においては、高温水を減圧
・気化させることにより得た水蒸気を対象空間に噴出さ
せるので、ドレンが発生し難く、かつ加湿能力（したが
って加湿制御性）が高いものとなる。また、給湯配管か
らの温度が高い温水を利用するので、加熱手段の負担が
小さく、コスト高の要因とならないなどの利点がもたら
される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す概要図である。

【図２】蒸気吹き出しノズル例の正面図である。

【図３】その３−３線矢視図である。

【符号の説明】

１…給湯配管、２…ファンコイルユニット、３…加圧ポ
ンプ、４…加熱ヒーター、５…温水タンク、６…流量調
整弁、２２…送風機、２３…吹き出しノズル。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】対象の空間に設置されたファンコイルユニ
   ットを備えた空調設備において、 前記ファンコイルユニット内にその送風方向に向けて温
   湯吹き出しノズルを設け、 この吹き出しノズルと給湯配管とを連結するとともに、
   それらの間に加圧ポンプおよび加熱手段を設け、 加湿時前記給湯配管からの温水を加圧および加熱した加
   湿用高温水を前記吹き出しノズルから大気解放して水蒸
   気を吹き出すようにしたことを特徴とする空調設備の加
   湿装置。