JP2586535B2 - 洗濯機の排水制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、洗濯機の排水制御装置に関するものであ
る。

従来の技術 従来、洗濯機の排水制御装置は、水位を検知する水位
検知装置からの信号により排水制御を行っていた。すな
わち、水位検知装置にはたとえば、洗濯槽内の水位に応
じた周波数に変換するものがあり、排水制御装置は水位
に対応した水位検知装置からの周波数が洗濯槽内の水位
が０になる周波数になれば、排水終了と判定し、次の工
程（たとえば脱水工程）に移行するものであった。

発明が解決しようとする問題点 このような、従来の排水制御装置においては、水位と
この水位に対応する電気信号（例えば周波数）との関係
は、バラツキの少ない精度の高い関係が必要とされる。
しかしながら、水位と電気信号との対応を精度よく、か
つ、バラツキの少ないようにするためには、水位検知装
置をバラツキの少ないように調整工程し、また、水位検
知装置に調整部品を必要とし、結果的に高価格の水位検
知装置を採用することになる問題点があった。

本発明は上記問題点に鑑み、検知精度を必要としない
水位検知装置を用いて排水終了を正確に判定することを
目的とする。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明は、洗濯槽の水位を
検知する水位検知装置と、前記洗濯槽内の水を排水する
排水弁と、前記水位検知装置からの信号に応じて排水弁
を制御する制御回路とを備え、前記制御回路は、排水中
における前記水位検知装置からの水位と水位変化率を検
知し、水位変化率が設定値以下でかつ水位が設定水位以
下の場合に排水終了とし、水位変化率が設定値以下でか
つ設定水位以上の場合には所定時間排水動作を続行し、
所定時間内に設定水位以下になれば排水終了とし、所定
時間経過しても設定水位以下にならないと排水異常とす
るものである。

作用 上記構成によれば、排水時において、水位に応じて水
位検知装置の出力信号が変化し、排水終了時（洗濯槽内
の水位が０になった状態）には、水位検知装置の出力信
号は水位０に近い信号を出力するとともに、その信号は
ほとんど変化しなくなるので、水位検知装置の検知した
水位が設定水位以下で、かつその水位変化率が設定値以
下であれば排水終了として判定することができる。ま
た、ホース倒し忘れ時には、洗濯槽内の水位は高い状態
なので、比較的精度の悪い水位検知装置においても、水
の有無を検知でき、しかも水位が全く低下しないので水
位検知装置の出力信号の変化がない。よって、水位検知
装置の検知した水位が設定水位以上で、水位変化率が設
定値以下の場合にはホース倒し忘れのような排水異常と
判定する。また、水位検知装置で検知した水位が設定水
位以上でかつその出力信号の変化率が小さいとき、すな
わち水位変化率が設定値以下のときには、排水速度が遅
いとして遅延時間を設け排水を続行し、その遅延時間内
で水位検知装置の水位が設定水位以下にならない場合に
は排水異常として判定する。以上のように、精度が比較
的悪く、バラツキの大きい水位検知装置を採用しても、
排水状態を確実に検出することが可能である。

実施例 以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説
明する。第１図に本実施例による全自動洗濯機の制御装
置を示している。すなわち、交流電源１より、制御装置
２に交流電圧を印加している。制御装置２は洗濯モータ
３及びその進相コンデンサ4,洗濯槽内の水を排水する排
水弁駆動用の排水弁用マグネット5,洗濯槽内に給水を行
う給水弁６を駆動制御するスイッチング装置22を有して
いる。７は脱水中ふたを開けた時の安全スイッチであ
り、８は水位を電気信号（たとえば、周波数信号）に変
換する水位検知装置である。制御装置２はマイクロコン
ピュータとその周辺回路，直流電源等からなる制御回路
20と、表示装置およびキースイッチ等からなる操作表示
装置21およびパワースイッチング装置22より構成され
る。パワースイッチング装置22は、洗濯モータ３の正反
転制御あるいは、排水弁用マグネット5,給水弁６の駆動
を制御する。

第２図に、水位検知装置８の構成を示しており、第３
図にその回路構成を示し、第４図にその特性を示してい
る。まず、第２図において、水位に応じて上下動するダ
イヤフラム80上にダイヤフラム板81をのせ、そのダイヤ
フラム板81上にフェライトコア82を支持固定している。
フェライトコア82の上方同軸上に、銅線で巻かれたコイ
ル83を配置する。またフェライトコア82の上部にコイル
スプリング84を配置し、ダイヤフラム80が水位に応じて
変化する水圧により上部に移動すると、コイルスプリン
グ84の反発力により水圧に比例したストロークの移動と
なる。フェライトコア82がコイル83に接近すると、コイ
ルのインダクタンスは増加する。このコイル83のインダ
クタンスの変化を第３図に示す回路により周波数変化に
変換する。すなわち、CMOSインバータ85により発振回路
を構成しており、発振周波数はコイル83のインダクタン
スと、コンデンサ86a,86bの直列共振周波数とほぼ同じ
となる。抵抗87は、自己バイアス抵抗である。

上記構成における水位検知装置の水位（圧力）と周波
数の関係を第４図に示す。図中、Ａは特性バラツキの上
限、Ｂは標準、Ｃはバラツキの下限を示す。水位（圧
力）が零の周波数は、それぞれmax,o,minとし、
minより低い周波数_Ｓに空検知周波数を設定する。
高水位Ｈでの周波数_Ｈは、バラツキのないように調整
している。

次に、本発明による制御装置の排水制御を第５図によ
り説明する。排水開始後、周期的に排水制御サブルーチ
ン呼ぶようにしており、その間隔は通常３〜10秒程度
で、周波数を検知する。ステップ51で前回のデータと今
回のデータとの差、水位変化に相当する周波数Δを検
知する。ステップ52で水位変化すなわち周波数Δが所
定の値_Ｘより大きければ、ステップ53で排水を続行
し、Δが_Ｘより小さければ、ステップ54で検知周波
数が所定設定周波数_Ｓ（水位０近傍の周波数）より
大きいかを判断する。周波数がｓより高ければ、言換
れば水位が第４図中の設定水位H_Sより低ければ、ステッ
プ55で排水終了と判定し、周波数が_Ｓより低けれ
ば、ステップ56で排水タイマカウンタをカウントする。
タイマカウンタがステップ57で設定値４分より大きくな
れば、ステップ58で排水異常と判定し、設定値４分以下
であればステップ59で排水を続行する。通常の排水状態
であれば、排水完了前は、周波数変化Δは設定値より
も大きく、排水完了時点で、Δは設定値_Ｘよりも小
さくなり、かつ設定周波数_Ｓよりも高いので排水完了
時点が排水終了となり、次の脱水工程へ移行する。

排水状態が悪く、周波数変化Δが設定値より小さけ
れば、水位０状態の空検知周波数_Ｓすなわち設定水位
H_Sに達するまで、排水は最大４分間続行される。４分以
内に周波数_Ｓが高くなり、水位が洗濯槽の底近傍の水
位Hsになると強制的に排水終了とし、次の工程に移行す
る。洗濯槽底部に少々残水があっても脱水は問題ない。
排水ホースを倒し忘れた場合には、水位変化はほとんど
なく、周波数_Ｓよりも周波数は低く水位は高いので４
分後、排水異常判定し、排水異常報知および、すべての
半導体スイッチング装置を停止せしめる。

発明の効果 以上の実施例から明らかなように、本発明によれば、
水位検知装置の水位と出力信号の特性バラツキを有して
いても、排水検知が確実となり、ほとんど水のない状態
で排水終了判定が可能である。また、排水状態が悪い状
態においても排水を行ない、水位が洗濯槽底部に達する
まで、所定時間は排水を続行するので、必ず残水のほと
んどない状態で脱水を開始することができる。よって、
水位検知装置の調整は簡単でよく、構成部品も少なくて
すみ、安価な水位検知装置を使用でき、洗濯機の価格を
下げることが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例による洗濯機の排水制御装置
のブロック図、第２図は同水位検知装置の概略構成断面
図、第３図は同水位検知装置の電気回路図、第４図は同
水位検知装置の特性図、第５図は同排水制御装置による
排水制御のフローチャートである。 ５……排水弁用マグネット、８……水位検知装置、20…
…制御回路、22……パワースイッチング装置。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】洗濯槽の水位を検知する水位検知装置と、
   前記洗濯槽内の水を排水する排水弁と、前記水位検知装
   置からの信号に応じて排水弁を制御する制御回路とを備
   え、前記制御回路は、排水中における前記水位検知装置
   からの水位と水位変化率を検知し、水位変化率が設定値
   以下でかつ水位が設定水位以下の場合に排水終了とし、
   水位変化率が設定値以下でかつ設定水位以上の場合には
   所定時間排水動作を続行し、所定時間内に設定水位以下
   になれば排水終了とし、所定時間経過しても設定水位以
   下にならないと排水異常とする洗濯機の排水制御装置。