JP2586417B2 - 内燃機関の空燃比学習制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比学習制御装置

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JP2586417B2
JP2586417B2 JP61286428A JP28642886A JP2586417B2 JP 2586417 B2 JP2586417 B2 JP 2586417B2 JP 61286428 A JP61286428 A JP 61286428A JP 28642886 A JP28642886 A JP 28642886A JP 2586417 B2 JP2586417 B2 JP 2586417B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、吸気管内の圧力と機関回転数等に応じて決
定される燃料量の調節により空燃比を学習制御する内燃
機関の空燃比学習制御装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、この種の空燃比制御装置は、スロットル弁より
も下流の吸気管内の圧力を検出する圧力センサと、機関
回転数を検出する回転センサとを備え、両センサからの
検出信号に応じた基本燃料量を演算し、さらにこの基本
燃料量を吸気温度等により補正して空燃比のずれを押
え、更に機関の経時変化や構成部品のばらつき、あるい
は高度変化による空燃比のずれに対して、空燃比センサ
の出力に応じて空燃比の学習制御を行って燃料量を補正
していた。
このような装置においては、機関の運転状態が安定し
た定常状態即ち、機関回転数の変動が少なく、冷却水温
も高く、高負荷運転が行われていない状態には空燃比の
フィードバック制御と共に適正な学習が行われ、学習補
正量が演算され、この学習補正量をオープンループ制御
時にも反映することで空燃比を理想的なものにしてい
る。そして例えば、機関が加速中で、スロットル弁が大
きく開き、急に吸気管内の圧力が上昇した時や、再び減
速してスロットル弁が閉じ、吸気管内の圧力が下がった
時や、運転状態が不安定な状態であるので学習値は更新
されない。
また、このように吸気管圧力が急激に変化した時に学
習補正量の演算を禁止するのみではなく、例えば特開昭
60−17240号公報のように、過渡運転が終了して吸気管
圧力が安定しても、吸気管内壁に付着している燃料の蒸
発量の変化等の影響により一時的に空燃比がずれる機関
を考慮して学習値の更新を禁止したものが知られてい
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、過渡時での空燃比の狂いは、実際には
吸気管内に付着した燃料の蒸発量に起因することも確か
であるが、むしろ、燃焼状態によって変わるシリンダ壁
温変化に起因するところが大きい。例えば、加速減速運
転がなされて第8図(a)のように一定回転数のまま吸
気管内圧力が変化した場合、第8図(b)のように、シ
リンダ壁付近の空気温度変化と、吸気管内あるいはエア
クリーナ部での空気温度変化とには違いがある。空気密
度補正用の吸気温センサは、エアクリーナと吸気管内の
いずれかに配置されているため、シリンダ壁付近の温度
変化による空気密度補正を行うことができず、第8図
(c)に図示したように空燃比A/Fは加速時にはリー
ン、減速時にはリッチ側に数十秒間に渡りずれるという
問題があった。即ち、加速状態において、吸気管内は高
速の吸入空気により温度が低下し、またエアクリーナ部
はほぼ外気温と等しい温度が保たれるのに対し、シリン
ダ付近の空気はシリンダ内の激しい燃焼により徐々に高
温となり、またこの時の高負荷運転が急に解除された減
速状態にあっては、吸気管内の流速が元に戻り、吸気管
内の温度も元の温度にまで上昇する。ここで、加速時に
おけるシリンダ部空気温度の上昇度合は、スロットル弁
の動きに即座に反応する吸気管内の圧力の上昇度合に比
較して、非常に緩やかであり、加速後にシリンダ部空気
温度が安定するまで数十秒もかかり、又減速時における
シリンダ部空気温度の下降度合も、吸気管内の圧力の下
降度合と比較して、非常に緩やかであり、減速後、吸気
管内圧力が元に戻ってからシリンダ部空気温度が下がる
までにやはり数十秒も要する。この理由は、シリンダ内
の燃焼状態の強弱によりシリンダが加熱又は冷却される
のに時間がかかるからである。
上述したように、第8図(a)に示された吸気管内の
変化に較べ、第8図(b)に示されたシリンダ部空気温
度の変化が緩慢であるため、第8図(c)のごとく、吸
気管圧力が高い高負荷状態が続いてシリンダ部空気温度
が安定している時には理想空燃比が得られるが、シリン
ダ部空気温度が上昇過渡状態の時には、シリンダ部空気
温度が低いため、空気密度が大きく、即ち、吸気管内圧
力に応じて設定された燃料に対し、空気量が多すぎるた
め、加速時にはリーン側に数10秒間ずれていた。また、
減速完了時においては、スロットル弁が戻されて吸気管
内の圧力が戻り、燃料量が少なくなっているにもかかわ
らず、シリンダ部空気温度がまだ高いために空気密度が
小さく、即ち燃料に対しての空気量が少なすぎるために
空燃比はリッチ側に数10秒間ずれていた。
そして、前記特開昭60−17240号公報に示された付着
燃料の蒸発量による空燃比の変動は、第8図と同様の運
転状態の際にも、加速時、減速時ともわずか数秒間であ
るから、特開昭60−17240号公報の構成はシリンダ部で
の空気密度変化により空燃比がずれる。非常に長い期間
にわたって学習値の更新を禁止するものではないため、
やはり運転状態の過渡時において、誤った学習値に更新
されてしまうという問題があった。
そこで本発明では、以上の問題に鑑み、信頼性の高い
学習を行うことの可能な内燃機関の空燃比学習制御装置
を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
そのために本発明では、第1図のように、シリンダ20
内に吸入空気を送りこむ吸気管2内のスロットル弁4の
下流側の圧力を検出する圧力検出手段1000と、 内燃機関1の回転数を検出する回転検出手段2000と、 内燃機関への混合気の空燃比を検出する空燃比検出手
段3000と、 前記圧力検出手段1000と前記回転検出手段2000のそれ
ぞれの検出信号に応じて決定される供給燃料量を、前記
空燃比検出手段3000の検出信号に応じて学習した内燃機
関1の空燃比の学習値で補正する学習制御手段4000とを
有した内燃機関の空燃比学習制御装置において、 前記学習制御手段4000は、前記シリンダ部の温度の変
化量が所定値以上である時、学習値の更新を禁止する学
習値更新禁止手段5000を備え、前記学習値更新禁止手段
5000は、前記圧力検出手段1000の検出した圧力値をなま
した関数を演算するシリンダ温度演算手段と、この関数
と前記圧力値との差から前記変化量を推定する温度変化
量推定手段とを含む内燃機関の空燃比学習制御装置とし
ている。
〔作用〕 この構成により、学習値更新禁止手段5000において、
圧力検出手段1000により検出された圧力値をなました関
数をシリンダ温度演算手段により演算し、この関数と圧
力値との差から温度変化量推定手段によりシリンダ温度
の変化量を推定する。そして、吸気管2を通して内燃機
関1に送りこまれる吸入空気が、内燃機関1の運転状態
により温度変化するシリンダ20からの熱影響により大き
な密度の変化を起こす間は、学習値更新禁止5000によ
り、空燃比制御のための学習値の更新が禁止されるよう
になり、学習制御手段4000は、適切な学習制御をするこ
とができるようになる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例について説明する。
第2図は本発明の空燃比学習制御装置の全体構成図で
あり、1は内燃機関を示し、機関1には吸気管2が接続
され、吸気管2内の途中には、運転者のアクセル操作に
応じて回動するスロットル弁4およびスロットル弁の下
流側の空気の圧力を検出する圧力検出手段1000としての
圧力センサ3が設けられている。スロットル弁4にはス
ロットルポジションセンサ5が設けられ、スロットル弁
4の開度を電気的信号に変換して学習制御手段4000とし
ての電子制御回路(以下ECUという)6に供給する。ま
た、スロットル弁4の上流の吸気管2の入口には、エア
クリーナ7が設けられ、エアクリーナ7には吸気温セン
サ8が取付けられており、吸気温センサ8はエアクリー
ナ7を通して吸入される空気温に対して相関を持つ電気
信号を生じ、この検出信号もまたECU6に入力される。内
燃機関1のシリンダ20の外壁には冷却水温を検出してこ
の検出値をECU6に入力する水温センサ9が設けられてい
る。内燃機関1のカム軸に取付けられたディストリビュ
ータ10には、機関1の回転数Neを検出する回転検出手段
2000としての回転角センサ11と、クランク角センサ12が
取付けられており、前者は、内燃機関1のクランク軸の
30゜回転毎に、後者は、180゜回転毎に所定のクランク
角度位置で、それぞれ1パルスを出力するものであり、
これらのパルスもまたECU6に入力される。14は空燃比検
出装置3000として排気管に設けられ、排ガス中の酸素濃
度から空燃比のリッチ・リーンを検出する酸素濃度セン
サで、ECU6に検出信号を入力する。
内燃機関1とスロットル弁4との間の吸気管2には、
インジェクタ13が各気筒毎に設けられており各インジェ
クタ13は図示しないフューエルポンプに接続されている
と共にECU6に電気的に接続されており前記各センサから
の検出信号によりECU6内にて算出される噴射信号により
インジェクタ13の駆動時間TAUが制御される。
インジェクタ13の駆動時間TAUは次式から演算され
る。
TAU=TP*KGi*FTC+TAUV …… ここで、TPは圧力センサ3および回転角センサ11、ク
ランク角センサ12で検出された圧力PMと回転数Neからマ
ップ検索により求めた基本噴射量であり、FTCは内燃機
関の状態および運転条件により前記各種センサ、即ちス
ロットルポジションセンサ5、吸気温センサ8、水温セ
ンサ9、の出力から設定空燃比と実空燃比の偏差を縮め
るよう演算される噴射量のフィードバック補正値であ
る。KGiはフィードバック制御時の前記偏差を学習して
求められる噴射量の学習補正値である。また、TAUVはイ
ンジェクタ13の開弁応答遅れ時間を補償する補正値であ
り、バッテリー電圧をもとにしたテーブル検索にて求め
られている。なお、前記TP、前記補正値KGi、FCT、TAUV
および最終燃料噴射量TAUはECU6にて演算される。
第3図は第2図のECU6の内部構成を図示したもので、
ECU6は、上述した各センサにより検出された各信号を制
御プログラムに従って入力および演算すると共に既述し
た各機器を制御するための処理も行うCPU6a、上記制御
プログラムおよび初期データが予め記憶されているROM6
b、ECU6に入力される各種信号や演算制御に必要なデー
タが一時的に記憶されるRAM6c、内燃機関1のキースイ
ッチが運転者によりOFFされても以後の内燃機関1の制
御に必要な各種データを記憶保持可能なようにバッテリ
によってバックアップされたバックアップRAM6d等を有
する。これらはモコンバス6eを介して入力ポート6f、入
出力ポート6g、出力ポート6hに接続されて外部機器との
入出力を行う。即ち、ECU6内には既述した吸気管内圧力
センサ3、水温センサ9、吸気温センサ8、スロットル
ポジションセンサ5からの出力信号それぞれ用のバッフ
ァ6i、6j、6k、6lが設けられており、上記各センサから
の出力信号をCPU6aに選択的に出力するマルチプレクサ6
nおよびアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変
換器6pも配設されている。これらの各信号は入出力ポー
ト6gを介してCPU6aに入力される。また、ECU6は、酸素
濃度センサ14の出力信号用のバッファ6q、該バッファ6q
の出力電圧が理論空燃比に対応した所定電圧以上となっ
た場合に信号を出力するコンパレータ6rや、クランク角
センサ12、回転角センサ11の両出力信号の波形を整形す
る波形整形回路6sを有する。これらの各信号は、入力ポ
ート6fを介してCPU6aに入力される。さらにECU6は、既
述したインジェクタ13および第2図には図示されないイ
グナイタ15に駆動電流を通電する駆動回路6t、6uを有
し、CPU6aは出力ポート6hを介して上記両駆動回路6t、6
uに制御信号を出力する。尚、ECU6はCPU6a、ROM6b、RAM
6c等に対して所定の間隔で制御タイミングとなるクロッ
ク信号CKを送るクロック回路6vも備えている。
次に本実施例でECU6により実行される空燃比学習制御
処理について説明する。
前述したように第8図に示したような加減速時におけ
るシリンダ20の温度の変化量は、運転負荷状態を示すパ
ラメータの1つである吸気管内圧力変化に対し追随に遅
れは見られるが、シリンダ温度も吸気管内圧力と同様に
運転負荷状態に応じて変わるものであるから、吸気管内
圧力の変化からシリンダ部の温度の変化量を算出するこ
とが可能である。本実施例では圧力センサ3の検出する
吸気管内圧力値PMから、シリンダ部の温度の変化量を算
出し、この変化量が大きい場合にも新たに学習を禁止す
ることをねらいとしている。
まず第4図に示されたルーチン100は、吸気管内圧力P
Mの値からシリンダ部の温度変化量を求めるリーチン
で、機関1が始動後アイドリング状態となった後安定す
るまでの所定時間が経過してから250ms毎に実行され
る。まずステップ110にて今回の圧力値PMから前回の圧
力なまし値PMN-1を減じた値であるDPMを求める。なお圧
力なまし値の計算は後述のステップ120にてなされる。
このDPMの大きさを第7図に示す。DPMは、シリンダ部空
気温度(第8図(b))の変化量に該当している。前述
したように吸気管内圧力PMが変化しても、PMの変化に対
してシリンダ部での空気温度の変化は遅れるけれど、運
転負荷状態の変化が急で大きい場合ほど、PMの変化量の
大きいと同様に、シリンダ部の温度の変化量は大きい。
次のステップ120は、今回の圧力値PMを前回の圧力なま
し値PMN-1にてなますステップで、今回の圧力なまし値
やPMNを(PMN-1*63+PM)/64の式にて求める。そして
次のステップ130にて本ルーチンを終了する。
なお、前記圧力なまし値PMN(第7図)の変化は、シ
リンダ部空気温度(第8図(b))の変化に非常に良く
似ているため、前記DPMをシリンダ部の温度変化量とす
るのではなく、PMNを微分してPMNの変化量を求めてこれ
をシリンダ部の温度変化量としてもさしつかえない。
さて、第7図上段のように、一定回転数を維持したま
ま加速減速運転をした場合には、吸気管内圧力は加速状
態の時点t1から時点t2の期間上昇し、定速状態の時点t3
から時点t4までの間は一定で、減速状態の時点t4からt5
の期間は下降する。一方、PMのなまし値PMNは加速時に
は時点t2の後の時点t3までPMに遅れながら上昇し、また
減速時にも、時点t5の後の時点t6までPMに対し遅れなが
ら下降する。よってシリンダ部の温度変化量を表すDPM
の大きさ|DPM|も時点t1から時点t3、時点t4から時点t6
の期間は零とならず、シリンダ部の温度は変化し続ける
ことになる。
しかし、既に述べたように、吸気管内圧力PMが変化中
の時点t1から時点t2における時点t4から時点t5の期間
は、従来の、学習条件の不成立期間に該当しているのに
対し、加速時にPMが上昇しきった時点t2からシリンダ部
の温度変化が時点t3で終了するまでの期間、および減速
時にPMが時点t5で下がりきった後にシリンダ部の温度変
化が時点t6で終了するまでの時間は従来は学習条件が成
立してしまうので、これらの期間に学習の禁止をするフ
ラグをセットする必要がある。
第5図は、シリンダ部の温度変化量を表す既に求めた
DPMの大きさに応じて、学習禁止フラグをセットしてお
く時間を決定するルーチン200で、一回毎の特定のクラ
ンク角時に実行される。ステップ210において、加速時
には正、減速時には負であるDPMの値の大きさ|DPM|を所
定値α倍してシリンダ部の温度変化量の大きさを示す1
つのパラメータCGRST1とする。このCGRST1は第7図下段
に示されている。前述したように運転負荷の変化量が大
きい場合ほど|DPM|の変化の幅は大きいため、CGRST1も
また負荷変化量が大きければ、大きな山形を示す。
ステップ213は、シリンダ部での温度変化量が最大と
なったかどうかを判別するステップで、そのためにCGRS
T1がピークとなったかどうかを判別している。CGRST1が
最大値となればステップ214に進み、このときのCGRST1
の値をCGRST1maxとする。CGRST1が最大となっていない
から、ステップ260に進み本ルーチンを終了する。
前記ステップ214の実行後には次のステップ215に進
み、CGRST1maxの値を増加関数fにより変換したAの値
を求める。Aの値は、CGRST1maxの値の正数倍、あるい
はCGRST1maxに応じたマップ等により求められる。なお
Aは後にシリンダ部での温度変化量が大きい時に学習を
禁止するための学習禁止フラグのセット時間を決める1
つのパラメータである。ただし、AはCGRST1max以下の
値で、かつ加速終了時点t2あるいは減速終了時点t3にお
けるCGRST1の値よりも大きくなるよう設定される。
次のステップ220で、学習禁止フラグのセット状態を
判別し、学習禁止フラグがセットされていない時はステ
ップ230に進み、その時のCGRST1の値をCGRST2に格納す
る。そして次のステップ240で、このCGRST2の値とAの
値とを比較する。CGRST2≦Aであればステップ250にて
学習禁止フラグをセットし、ステップ250で本ルーチン
を終了する。前述したステップ215で決定されるAの値
はCGRTST1maxの値よりも小さいため、本ルーチンが何度
か繰返されるうちにステップ240でCGRST2≦Aとなる時
点がある。この時点でステップ250により学習禁止フラ
グがセットされる。前述したようにこの学習禁止フラグ
のセットはPMが上昇しきる加速終了時点t2あるいは下降
しきる減速終了時点t5より手前の時点にて2セットされ
る。
一方、前記ステップ220にて、学習禁止フラグがセッ
トされていると判別された時は、前記ステップ230,240,
250は実行されないため、CGRST2の値は更新されずにス
テップ260に進んでルーチンを終了する。またステップ2
40にてCGRST2>Aであると判別された時はまだ加速減速
が終了する時点t2あるいは時点t5に到達していないの
で、学習禁止フラグをセットする必要がないので、ステ
ップ250を回避することでCGRST2≦Aとなるまで、何回
もステップ230を実行してCGRST2を更新する。
以上のように、本ルーチン200では、急加速あるいは
急減速状態のようにシリンダ部での温度変化量が大きい
ほど、CGRSTおよびCGRST1maxが大きくなり、ステップ21
5においてセットされるAの値も大きくなる。後に述べ
るが、Aの値がCGRST2以上となってステップ250にて学
習禁止フラグがセットされた時から、CGRST2の値は1ル
ーチン毎に一定値ずつ減衰されていき、CGRST2の値が所
定値となるまでこの減衰は繰返される。このようなCGRS
T2が所定値となるまで減衰され続けていく時間が、学習
禁止フラグのセット時間となる。よって学習禁止フラグ
のセットの開始時期は時点t2あるいは時点t5となるよう
にAの値は設定される。また、Aの値は内燃機関の負荷
変化量が大きい時ほど大きくなり、即ちシリンダ部の温
度変化量が大きい時ほど大きくなるものであり、またス
テップ240にてCGRST2の値がCGRST2≦Aとなった時のCGR
ST2の値は、Aに極めて近傍の値となるから、運転負荷
変化量が大きい時ほど減衰されるCGRST2の値が所定値に
到達するまでの時間は長く、学習禁止フラグのセット時
間(時点t2から時点t3)が長くなるようにしている。次
にその作用をするルーチンについて述べる。
第6図は、一回転毎の特定クランク角にて実行される
ルーチン300で、第5図に示したルーチンに連続して実
行され、学習値の更新をするべきかを判別するものであ
る。ステップ310は、学習条件が成立しているか否かを
判別するステップで、従来から、学習値の更新を行うた
めの条件である、空燃比のフィードバック制御の実行時
であること、即ち加速時における燃料の高負荷増量補正
値FOTP=0であること、あるいは機関1の暖機完了を示
す水温センサ9からの信号値THW>70℃であること等が
満足されているかどうかを判別する。前述したように第
7図の変化においては時点t1から時点t2の期間は学習条
件は成立していない。そして学習条件が成立しない時
は、ステップ320に進み、フラグがセットされている場
合はこれを解除してからステップ380にてルーチンを終
える。この理由については後述する。
ステップ310で学習条件が成立していると判断された
場合には、次のステップ330に進み、学習禁止フラグが
セットされているか否かをチェックする。即ちステップ
330は、従来の学習条件が成立する時点t1から時点t2
よび時点t4からt5の期間であっても、シリンダ部温度変
化量が大きく学習禁止フラグがセットされている場合に
は学習値の更新を行わないようにするためのものであ
る。そして学習禁止フラグがセットされていなければス
テップ370に進み、空燃比の検出値に応じて、公知の方
法で噴射量の学習補正値KGiが新しい学習補正量KGiNEW
に置換される。
一方、ステップ330にて学習禁止フラグがセットされ
ていると判別された場合はステップ340に進み、前述し
たようにCGRST2の値を所定値Bずつ減じていく。次のス
テップ350では、CGRST2が所定値Bより大か否かを判別
する。
ステップ350にて、CGRST2<Bであれば、次のステッ
プ360にて学習禁止フラグが解除され、次に前記ステッ
プ370を実行して学習値が更新され、次のステップ380に
て本ルーチンを終了する。前述したように、CGRST2の値
は、ステップ250で学習禁止フラグがセットされると、
ステップ220からステップ230に進むことはないためホー
ルドされるもので、そのときのホールドされたCGRST2の
値はステップ240におけるAの値により定まることから
内燃機関の負荷変化が大きくシリンダ部の温度変化量が
大きい時ほど大きな値に設定され、このCGRST2の値をス
テップ340で所定値Bずつ減じ、これをステップ350でCG
RST2が所定値Bより小さくなるまで繰り返すので、減衰
前のCGRST2の値が大きいほど減衰時間が長く、即ち学習
禁止フラグをセットしておく時間(時点t2から時点t3
るいは時点t5から時点t6)が長くなるよう設定されてい
る。
一方、ステップ350でCGRST2≧Bの間は、ステップ250
で学習禁止フラグをセットしてからの時間がまだ短いの
で即ち、加速や減速の終了後のシリンダ部の温度が、ま
だ十分安定したものとなっていない時点t2から時点t3
るいは時点t5から時点t6の状態であるとみなし、ステッ
プ370で学習値更新を行わずにステップ380にて本ルーチ
ンを終了する。
前述したように、時点t2から時点t3あるいは時点t5
ら時点t6の期間中に学習禁止フラグをセットするために
は、加速時や減速時にPMが収束してしまう時点t2あるい
は時点t5までに、ステップ250にて学習禁止フラグがセ
ットされるように、ステップ215にてAの値を設定する
必要がある。ただし、ステップ250にて一旦学習禁止フ
ラグがセットされても、PMの変化が大きく学習条件が成
立しない時点t1から時点t2あるいは時点t4から時点t5
期間、即ちPMが収束するまでの間はステップ320により
もしも学習禁止フラグがセットされていればこのフラグ
が解除される。これはCGRST2の値をCGRST2≦Aとなるま
でステップ230により更新させることで、最終的にCGRST
2の値を、Aの値に近づけるためである。またCGRST2の
値はPMが安定した時点t2あるいは時点t5以前にてホール
ドされ、学習禁止フラグはこの時点から、ステップ340
にて1回につきCGRST2がBずつ減算され、ステップ350
にてCGRST2≦Bと判定されステップ360にて解除される
までの間セットされている。このようなCGRST2の値の減
衰演算は、ステップ210で毎回求められるCGRST1とは無
関係なメモリ内にて行われることから、学習禁止フラグ
が解除されるまでCGRST2の値はステップ230にて更新さ
れることはなく、よって学習禁止フラグのセット期間
は、所定の減衰値βと所定値Bによってのみ決定され
る。よってこれらのβとBを、シリンダ部の温度変化量
が零となる即ちPMNが収束する時点t3あるいは時点t6
ステップ360を実行して学習禁止フラグが解除されるよ
うな値に設定すれば良い。
なお、本実施例中のα、β、Bは固定値とせずとも良
く、例えば、加速時、減速時についてそれぞれ異なる値
としたり、また機関回転数や吸気管圧力PMに応じて設定
される値としても良い。
また、PMNが、加減速後に収束するのと同時にステッ
プ360にて学習禁止フラグが解除されるように設定しな
くても良く、たとえばその後も更に所定時間中、何らか
の手段で学習値の更新を禁止するようにしても良い。
また、本実施例では、シリンダ部温度変化量の大きさ
を表すPMとPMNとの偏差|DPM|が所定値以上である時に学
習禁止フラグをセットし、その後所定時間が経過したの
を|DPM|がほとんど零になったものとみなしてこのフラ
グを解除したが、|DPM|がある所定値以下となったのを
検出する手段を設けて学習禁止フラグを解除しても良
い。
なお、本実施例において、ステップ110、210が本発明
の温度変化量推定手段に相当し、ステップ120が本発明
のシリンダ温度演算手段に相当し、ステップ110、120、
210〜250、330〜350が本発明の学習値更新禁止手段に相
当する。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明の構成としたことから、吸
気管を通して内燃機関を送りこまれる吸入空気が、内燃
機関の運転状態により温度変化するシリンダからの熱影
響により大きな密度の変化を起こす間は、学習値更新手
段により、空燃比制御のための学習値の更新が禁止され
るようになるため、学習制御手段は、内燃機関の空燃比
が常に理想値となるような空燃比の学習制御を行うこと
ができるようになる。よって信頼性の高い空燃比の学習
制御が実現され、排気ガスの浄化、ドライバビリティの
向上に貢献できる。さらに、圧力値をなました関数と圧
力値との差からシリンダ温度の変化量を推定するため、
燃料供給量を決定するために用いられる圧力検出手段に
より検出された圧力値を有効に利用して、シリンダ部の
温度を検出する温度センサを省略することができるとい
う優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の特許請求の範囲構成図、第2図は本発
明に係る一実施例を示した概略全体構成図、第3図は第
2図中電子制御回路6の内部構成図、第4図ないし第6
図は学習値の更新を禁止する期間を決定するルーチン
で、第7図は吸気管内圧力PM、圧力なまし値PMNおよ
び、第5図中ステップ210により算出されるCGRST1を示
したグラフ、第8図は、従来装置の特性を示したグラフ
である。 1……内燃機関,2……吸気管,4……スロットル弁, 20……シリンダ,1000……圧力検出手段,2000……回転検
出手段,3000……空燃比検出手段, 4000……学習制御手段,5000……学習値更新禁止手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 利雄 刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電装株 式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−53433(JP,A) 特開 昭60−17240(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダ内に吸入空気を送りこむ吸気管内
    のスロットル弁の下流側の圧力を検出する圧力検出手段
    と、 内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、 内燃機関への混合気の空燃比を検出する空燃比検出手段
    と、 前記圧力検出手段と前記回転数検出手段のそれぞれの検
    出信号に応じて決定される供給燃料量を、前記空燃比検
    出手段の検出信号に応じて学習した内燃機関の空燃比の
    学習値で補正する学習制御手段とを有した内燃機関の空
    燃比学習制御装置において、 前記学習制御手段は、前記シリンダ部の温度の変化量が
    所定値以上である時、学習値の更新を禁止する学習値更
    新禁止手段を備え、 前記学習値更新禁止手段は、前記圧力検出手段の検出し
    た圧力値をなました関数を演算するシリンダ温度演算手
    段と、この関数と前記圧力値との差から前記変化量を推
    定する温度変化量推定手段とを含むことを特徴とする内
    燃機関の空燃比学習制御装置。
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