JP2584666B2 - レトルト麺の製造法 - Google Patents

レトルト麺の製造法

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JP2584666B2 JP1006739A JP673989A JP2584666B2 JP 2584666 B2 JP2584666 B2 JP 2584666B2 JP 1006739 A JP1006739 A JP 1006739A JP 673989 A JP673989 A JP 673989A JP 2584666 B2 JP2584666 B2 JP 2584666B2
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和光 多賀
守男 谷口
善正 藤井
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本願発明は、褐変がほとんどなく加えて好適な弾力性
と食味を有したレトルト麺の製造法に関し、とりわけス
パゲッティーに適用して高品質のレトルトスパゲッティ
ーを提供することが可能である。
<従来の技術と問題点> 近時、家庭やレストラン等で電子レンジや熱湯により
加熱するだけで、乃至は該加熱の前後に別添ソースやス
ープと合せるだけで喫食に供し得る、いわゆるコンビニ
エンス食品が広く普及している。
なかでも茹スパゲッティーや茹ウドンあるいは茹中華
麺等の茹麺は、人気メニューの一つである。
ところが該茹麺に対して長期に亘る保存性を付与する
ことを意図して、これらをレトルト殺菌[加圧殺菌釜
(レトルト)を用いて100℃以上の温度で行なう殺菌
法]した場合、麺成分が加熱変性して褐変が起りその外
観を大きく損うとともに、その食感に関しても弾力性が
低減して茹麺の商品価値を低下させる結果となった。こ
の傾向は、デュラム小麦粉のセモリナを主原料とするス
パゲッティーにあって特に顕著なものであった。
また、茹で麺に保存性を付与する方法として、pH調整
した茹で麺を湯殺菌に付すことが行なわれているが、茹
で麺が酸味、酸臭を呈し食味上好ましくない。
<課題を解決するための手段> 本願発明者等は、叙上の問題点を解消せんものと鋭意
研究を進めた結果、茹麺をレトルト殺菌するに際して、
加熱温度として125℃以上といった高温条件を採択し、
しかもその加熱程度がF0値で3.1以上となるようにする
ことによって、比較的短時間で茹麺に長期の保存性を付
与するに充分なレトルト殺菌処理を為し得、以って茹麺
の褐変や弾力性の低減を有効に抑制し得、前記課題の解
消に成功した。
以下、本願発明の構成につき詳細に説明する。
本願発明がレトルト殺菌の対象とする茹麺とは、小麦
粉、水、食塩等の原料素材を混合、混捏後、圧延・切り
出し工程あるいは押出し工程を経て製麺された生麺、あ
るいはさらに乾燥工程に付された乾燥麺を沸騰水中で茹
で上げ得られた麺である。
又、本願発明は、スパゲッティー、マカロニ、ウド
ン、中華麺等麺の種類を問わず茹麺の全てに適用し得、
さらには別途調製された茹麺を容器内に充填、密封後レ
トルト殺菌する方法は勿論のこと、該殺菌容器内に生麺
あるいは乾燥麺と水を充填、密封し茹麺処理〜殺菌処理
まで連続的に該容器内で実施することも可能である。
さらに本願発明は、前述した種々茹麺のなかでもスパ
ゲッティーに適用して特に好適であり、褐変や弾力性の
低下をほとんど招くことなくレトルト殺菌を実施し得
る。
加えて本願発明は、茹後のほぐれの良さや好適な弾力
性を有する点で品質上優れている半面、加熱殺菌による
褐変が一層顕著である高温乾燥タイプのスパゲッティー
(押出し製麺後の乾燥工程を65〜75℃といった高温で行
なうタイプのスパゲッティー)に適用しても褐変をほと
んど生じることなくレトルト殺菌を実施し得る。
ここでスパゲッティーの茹条件についていえば、線経
1.4〜2mmを呈するスパゲッティーの場合、98〜100℃の
沸騰水中で約4〜13分の茹で上げを行ない58〜70%の水
分含量とするのが食感、食味上好ましい条件であるとい
える。
さらに該茹スパゲッティーは、水さらし〜水切り処理
に付され、さらに望ましくは、メタリン酸Naの0.5〜5
%溶液中に約20〜50秒浸漬される。
該浸漬処理は、レトルト殺菌時のスパゲッティーの褐
変をより効果的に抑制し得る点で有効である。
さらには、該浸漬処理後の茹スパゲッティーは、望ま
しくは、パーム油等の植物油を使用した油噴霧処理に付
される。該油噴霧処理は、茹麺スパゲッティーを調理す
る際のほぐれを良くするに効果があり、該噴霧量として
は、0.5〜3%(対スパゲッティー重量比)が好まし
い。
ここで該スパゲッティーの水分含量は、最終的に60〜
72%を呈している。
次に本願発明で使用する耐熱性容器としては、材質、
形状、あるいは袋状、成型容器の別を問わず、トレー型
容器等の合成樹脂製容器、金属性缶、瓶、レトルトパウ
チ等いずれのタイプの容器の使用も可能である。
但し、茹スパゲッティーをトレー型等成型容器に充填
する場合で、しかも該容器を食器としても兼用する場合
は、該スパゲッティーの充填量を適度なものに調整する
ことが望ましい。
即ち充填後の含気率(容器容量−充填スパゲッティー
容量/容器容量)でいえば、50〜80%とすることが好ま
しい。
即ち、該含気率が50%以上であるため、調理時スパゲ
ッティーソース等をスパゲッティー上に掛ける余裕があ
り、又スパゲッティー同志が緊密な状態になく食べ易い
とともに食感的にも良好である。さらには該含気率が80
%以下であるためレトルト殺菌時の殺菌効率も良好な点
で好ましい。
次に本願発明では、茹麺が充填、密封された耐熱製容
器をレトルト殺菌に付す。
ここで、本願発明は、該レトルト殺菌を125℃以上の
高温の加熱温度で行なうことを特徴とする。
該加熱温度でレトルト殺菌を実施することによって茹
スパゲッティー等の茹麺をレトルト殺菌時に褐変やある
いは弾力性の低下を招くことなく殺菌し得る。
さらに本願発明に於ける加熱程度としては、現行の容
器包装詰加圧加熱殺菌食品の規格基準に適合する加熱程
度、即ちF0値で3.1以上となるように加熱を実施するこ
とが必要であり、これによって茹麺に長期に亘る保存性
を付与することが可能となる。
さらに本願発明に於いてレトルト殺菌時の加熱温度を
130〜150℃にする場合は、茹麺の褐変と弾力性低減の防
止効果を一層有効に奏することが可能となる。
又、本願発明に於けるレトルト殺菌時の加熱条件の好
適例を示せば、125℃の場合で10〜16分、130℃の場合で
4〜10分、140℃の場合で20〜60秒、150℃の場合で1〜
10秒が挙げられる。
以上の方法により得られた本願発明に係るレトルト麺
は、容器ごと熱湯中で加熱して、又容器開封後電子レン
ジで加熱して、あるいは容器から茹麺を取り出してこれ
を炒める等種々加熱調理して、ミートスパゲッティー等
のスパゲッティー料理、焼きウドン、中華麺等のメニュ
ーとして喫食に供される。
<本願発明の効果> 本願発明によれば褐変や食感に於ける弾力性の低下を殆
ど招くことなく、長期保存の可能なレトルト茹麺が調製
し得る。
又、本願発明のレトルト麺は、通常の湯殺菌による茹
麺のようにpH調整の必要もなく、従って食味上も酸味、
酸臭がなく好ましい。
さらに本願発明は、加熱による褐変が特に顕著に見ら
れた茹麺スパゲッティーに適用して好適であり、好まし
い色調と食感を呈するレトルトスパゲッティーを提供し
得る。
次に実施例により本願発明を説明する。
<実施例> 実施例1 常法により調製されたスパゲッティー(線径1.7mm)
を98〜100℃の沸騰水中で茹で上げた後(水分含量;62.5
%)、約1分の水さらし後水切りする。
次にこれを1%のメタリン酸Na溶液中に約30秒浸漬し
然る後1%(対スパゲッティー重量比)のパーム油を均
一に噴霧する。(スパゲッティー水分含量;64.5%) 次に該茹麺スパゲッティーを合成樹脂製トレー型容器
(容量;580cc)に160g宛充填し(含気率;75%)これを1
40℃で30秒の加熱条件でレトルト殺菌に付して(F0値;
8)本願発明に係るレトルトスパゲッティーを得た。
実施例2 レトルト殺菌を130℃、8分の加熱条件で行なう(F0
値;8)以外は、実施例1と同一の方法によって本願発明
に係るレトルトスパゲッティーを得た。
比較例 レトルト殺菌を122℃、21分の加熱条件で行なう(F0
値;8)以外は、実施例1と同一の方法によって比較例に
係るレトルトスパゲッティーを得た。
以上調整したレトルトスパゲッティーについて、レト
ルト殺菌を実施していない茹スパゲッティー(調整法
は、実施例1に準拠)をコントロールとしてその色調、
及び食感に関し比較検査した結果を<表−1>に示す。
以上の結果からも明らかなように、本願発明に係るレ
トルトスパゲッティーは、比較例に比べL値、a値、b
値ともにコントロールに近いものであり、褐変の程度が
低く好適な外観を呈しており、さらのその食感に関して
もコントロールと何ら変らぬ好ましい弾力性を有しその
食味も満足のいくものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 茂木 健一 大阪府東大阪市御厨栄町1丁目5番7号 ハウス食品工業株式会社内 審査官 高堀 栄二 (56)参考文献 特開 昭61−181350(JP,A) 特開 昭56−164754(JP,A) 特開 昭51−106754(JP,A) 特開 昭54−41341(JP,A) 特公 昭48−4532(JP,B1)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メタリン酸Na溶液を含浸させた茹麺を耐熱
    性容器内に充填、密封した後、125℃以上の加熱温度
    で、しかも加熱程度がFO値で3.1以上になるようにレト
    ルト殺菌することを特徴とするレトルト麺の製造法。
  2. 【請求項2】茹麺をメタリン酸Naの0.5〜5%溶液中に2
    0〜50秒間浸漬することにより、該メタリン酸Naを茹麺
    に含浸させることを特徴とする請求項(1)記載のレト
    ルト麺の製造法。
  3. 【請求項3】茹麺が高温乾燥タイプのスパゲッティーを
    茹処理したものであることを特徴とする請求項(1)記
    載のレトルト麺の製造法。
JP1006739A 1989-01-13 1989-01-13 レトルト麺の製造法 Expired - Lifetime JP2584666B2 (ja)

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JPS5441341A (en) * 1977-09-06 1979-04-02 Fuso Kagaku Kogyo Method and agent for conditioning food quality
JPS56164754A (en) * 1980-05-19 1981-12-17 Hiroe Ogawa Boiled noodle
JPS61181350A (ja) * 1985-10-17 1986-08-14 Kanebo Shokuhin Kk レトルト麺の製法

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