JP2584530Y2 - 対物距離計測装置 - Google Patents

対物距離計測装置

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JP2584530Y2
JP2584530Y2 JP1493793U JP1493793U JP2584530Y2 JP 2584530 Y2 JP2584530 Y2 JP 2584530Y2 JP 1493793 U JP1493793 U JP 1493793U JP 1493793 U JP1493793 U JP 1493793U JP 2584530 Y2 JP2584530 Y2 JP 2584530Y2
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雄四郎 新田
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、距離計測された物体
を同一物体か異物体か識別し、物体ごとに重心位置と幅
が計測できるようにした対物距離計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図4に示す対物距離計測装置1は、車間
距離計測用として車両2に装備されたものであり、スキ
ャナ3から一定角度範囲を走査しながら光や超音波或い
は電磁波等の測距信号を前方に送信し、前方車両4の後
部反射板(リフレクタ)或いはガードレール等の障害物
で反射された測距信号を受信し、受信方位θと送受信間
時間差Tとから前方の物体の位置を極座標出力する構成
とされている。スキャナ3は、測距信号を予め定めた所
定角度範囲に亙ってほぼ一定の速度で走査し、測距信号
が対象物体から反射されて戻るまでの往復時間Tを検出
する。検出された往復時間Tは、測距信号の速度Vを乗
算され、乗算結果を1/2倍することで対象物体までの
距離L(=VT/2)が求められる。前方物体は、多く
の場合、前を行く車両4であり、従ってスキャナ3の出
力から走査範囲内にある車両4までの距離と車幅などの
データを得ることができる。このため、こうした車間距
離データや車幅データ等を監視し、安全な車間距離が保
たれなくなったときに、異常接近を警告したり自動制動
をかけて衝突防止に役立てたりすることができる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】上記従来の対物距離計
測装置1は、前方の車両4で反射された測距信号を受信
したスキャナ12から前方車両までの距離Lが時々刻々
と得られる。従って、同一車両から得られる距離データ
をデータ処理し、平均値演算又は最大最小値差から車両
の重心位置や車幅等を常時把握することができる。しか
し、前方車両の窓ガラスを透過した光が、前方車両4の
前方の道路際に設置された反射板5で反射され、再び前
方車両の窓ガラスを透過してスキャナ3により受信され
たような場合、同一車両から得られたと思われる距離デ
ータのなかに当該車両とは全く無関係な外乱データが混
入することになる。こうした場合、スキャナ3の出力デ
ータをそのままデータ処理しても、外乱データの含まれ
る距離データの平均値をもって前方車両の重心位置を割
り出すことになるため、重心位置の誤差が極端に増えて
しまい、計測精度の異常な低下を招くといった問題点を
抱えていた。
【0004】また、平均値処理の過程で、母集団に含ま
れる突飛なデータを除外して平均値を求めることも可能
であるが、除外される突飛なデータは、前方車両の前方
に位置する障害物や或いは他の車両までの距離を表すデ
ータであり、仮に前方車両が自車の前方から進路を横に
ずらしたときは、新たな前方物体となる可能性の高い物
体についての貴重なデータでもある。このため、平均処
理の過程で当面不要なデータを廃棄してしまう従来の対
物距離計測装置1は、車両前方の状況把握に対する即応
性に欠けるといった課題を抱えていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】この考案は、上記課題を
解決したものであり、一定角度範囲を走査しながら測距
信号を送信するとともに、物体で反射された測距信号を
受信し、受信方位と送受信間時間差とから前記物体の位
置データを出力するスキャナと、該スキャナから1回の
走査期間内に時系列的に得られる前記位置データについ
て、初期出力値から直前の最新出力値までを相加平均し
て時系列の各時点で重心位置を更新し、そのさいに最新
の重心位置から一定距離を越えて逸脱する最新出力値が
与えられたときは、該最新出力値を異物体に関する位置
データの初期出力値として前記重心位置の更新を新規再
開し、走査範囲内に存在する物体ごとに重心位置を算定
する物体識別手段とを具備することを特徴とするもので
ある。
【0006】また、この考案は、前記スキャナが、物体
の位置データを極座標出力し、前記物体識別手段が、前
記極座標出力を直交座標データに変換したのち、直交軸
ごとに座標出力を相加平均して重心位置を求め、かつ該
直交軸ごとに最新出力値と重心位置を比較すること、或
いは物体識別手段が、識別された物体ごとに重心位置と
併せ物体の幅を算定すること、さらには物体識別手段
が、前記スキャナと前記座標変換器の間に並列接続さ
れ、前記スキャナの位置データ出力を走査のつど切り替
えて格納する少なくとも2個のフレームメモリを具備す
ること等を、その他の特徴とするものである。
【0007】
【作用】この考案は、一定角度範囲を走査しながら物体
までの距離を計測するスキャナから1回の走査期間内に
時系列的に得られる位置データについて、初期出力値か
ら直前の最新出力値までを相加平均して時系列の各時点
で重心位置を更新し、そのさいに最新の重心位置から一
定距離を越えて逸脱する最新出力値が与えられたとき
は、該最新出力値を異物体に関する位置データの初期出
力値として前記重心位置の更新を新規再開し、走査範囲
内に存在する物体ごとに重心位置を算定することによ
り、複数物体を正確に識別する。
【0008】
【実施例】以下、この考案の実施例について、図1ない
し図3を参照して説明する。図1は、この考案の対物距
離計測装置の一実施例を示す概略ブロック構成図、図2
は、図1に示した対物距離計測装置の距離計測動作を説
明するためのフローチャート、図3は、図1に示した対
物距離計測装置による物体識別原理を説明するための計
測例を示す図である。
【0009】図1に示す対物距離計測装置11は、自車
の前方に存在する複数の車両又は障害物を、スキャナ1
2の走査範囲に存在し測距信号を受信した物体につい
て、物体ごとに距離を正確に測定できるよう構成してあ
り、スキャナ12の1回の走査で得られる測距信号を、
直交座標処理にかけた後で同一物体処理にかけ、物体ご
とに距離を計測することができる。実施例の対物距離計
測装置11は、スキャナ12と、スキャナ12に切り替
えスイッチ13を介して並列接続した一対のフレームメ
モリ14,15と、フレームメモリ14,15から読み
出した極座標出力を直交座標系に変換する座標変換器1
6と、座標変換器16の出力から物体を識別し、物体ご
とに直交座標軸上で重心位置と幅を算定する物体識別器
17とからなり、フレームメモリ14,15と座標変換
器16と物体識別器17が物体識別手段を構成する。
【0010】スキャナ12は、一定角度範囲を走査しな
がら測距信号を送信するとともに、物体で反射された測
距信号を受信し、受信方位θと送受信間時間差Tとから
前記物体の位置を極座標出力するものである。18は、
測距信号送受信回路であり、制御回路19により一定角
度範囲を走査制御され、車両前方に向けて測距信号を送
信し、前方物体で反射されて戻った測距信号を受信す
る。測距信号送受信回路18は、制御回路19が指定す
るタイミングで反時計方向への走査を開始し、走査開始
と同時に計数回路20の計数値を零リセットし、また測
距信号の受信時点でラッチ回路21に対してラッチ指令
を発する。計数回路20は、周期τのクロック信号に同
期して歩進計数を行うため、ラッチ回路21がラッチし
た計数値は続くデータ処理回路22において送受信間時
間差Tに換算される。すなわち、計数回路20の計数値
Nに周期τを乗じた値が送受信間時間差T(=Nτ)で
あり、送受信間時間差Tに測距信号の速度Vを乗じ1/
2倍することで、物体までの距離L(=VT/2)が算
定される。従って、物体位置は、受信方位θと距離Lと
で規定される極座標データ(L,θ)としてスキャナ1
2から出力される。
【0011】スキャナ12に接続した切り替えスイッチ
13は、スキャナ12が1回の走査を完了するつど切り
替えられるようになっており、このためスキャナ12に
並列接続された一対のフレームメモリ14,15には、
奇数回走査又は偶数回走査の別に応じて交互に極座標デ
ータが格納される。一方、一対のフレームメモリ14,
15から読み出された極座標データは座標変換器16に
送り込まれ、ここで極座標系から直交座標系への座標変
換が行われる。座標変換器16に接続された物体識別器
17は、1回の走査期間内に時系列的に得られる位置デ
ータ(直交座標出力)について、初期出力値から直前の
最新出力値までを相加平均して時系列の各時点で重心位
置を更新し、そのさいに最新の重心位置から一定距離を
越えて逸脱する最新出力値が与えられたときは、該最新
出力値を異物体に関する位置データの初期出力値として
重心位置の更新を新規再開し、走査範囲内に存在する物
体ごとに重心位置と幅を算定する。
【0012】以下、上記の対物距離計測装置11の動作
につき、図2,3を参照して説明する。
【0013】まず、図2のステップ(101)におい
て、スキャナ12が出力する極座標データが一対のフレ
ームメモリ14,15に取り込まれる。取り込まれた極
座標データは、続くステップ(102)において、切り
替えスイッチ13を介して偶数回又は奇数回の走査に対
応してフレームメモリ14又は15に格納される。ステ
ップ(103)では、スキャナ12の走査方向が時計方
向であるか又は反時計方向であるか、すなわちデータ採
取期間に相当する時計方向への走査か或いはデータ処理
期間に相当する反時計方向への復帰走査かが判定され
る。
【0014】ステップ(103)において、走査方向が
反時計方向であることすなわちデータ採取期間であるこ
とが判明すると、続くステップ(104)において、一
方のフレームメモリ14又は15から読み出される極座
標データ(Ln,θn)を、座標変換器16が以下の算式
に従って1点ずつ直交座標データ(Xn,Yn)に変換す
る。
【0015】 Xn=Lncosθn Yn=Lnsinθn 座標変換器16から得られた直交座標データ(Xn,Y
n)は、物体識別器17に送り込まれ、ステップ(10
5)において異物体判断処理にかけられる。この異物体
かどうかの判断は、最新の位置データ(Xn,Yn)と、
直前の位置データ(Xn-1,Yn-1)までのデータを相加
平均して得られる最新の重心位置(Xg,Yg)とを比較
し、両者の差分の絶対値|Xn−Xg|,|Yn−Yg|が
それぞれ所定の基準値ΔXr,ΔYr以下であるかどうか
でなされる。すなわち、初期出力値(X0,Y0)から直
前の出力値(Xn-1,Yn-1)を相加平均して得られた最
新の重心位置(Xg,Yg)すなわち(ΣXn-1/n−
1,ΣYn-1/n−1)を基準に、次の最新出力値(X
n,Yn)がX軸方向とY軸方向にそれぞれ距離ΔXr,
ΔYrの範囲内にあるかどうかで、同一物体であるか又
は異物体であるかが識別される。
【0016】従って、判断ステップ(105)における
判断 |Xn−Xg|<ΔXr |Yn−Yg|<ΔYr の両方が肯定される場合は同一物体であり、いずれか少
なくとも一方が否定された場合は走査対象物体が異物体
に遷移したと判断される。具体的には、図3のX−Y座
標面に示したように、近距離物体23とこの近距離物体
23の一部を透過して観察される遠距離物体24の2個
の物体について、走査方向に沿う2箇所で、|Y5−Yg
|(ただし、Yg=Y0+Y1+Y2+Y3+Y4/5)と|
Y9−Yg|(ただし、Yg=Y5+Y6+Y7+Y8/4)
が、いずれもΔYrを越えており、そのことが判明した
時点で走査対象が異物体に遷移したことが分かる。
【0017】ステップ(105)において、同一物体判
断がなされた場合は、続くステップ(106)におい
て、データ数nの計数を行い、さらに次のステップ(1
07)において、横座標データと縦座標データについて
総加算値ΣXn,ΣYnが算出される。ここで得られた総
加算値ΣXn,ΣYnは、次のステップ(108)におい
てデータ数nで除算され、ΣXn/n,ΣYn/nのごと
く相加平均をとられ、それぞれ最新の重心位置(Xg,
Yg)として更新される。
【0018】一方、判断ステップ(105)において、
走査対象が異物体に遷移したことが判明すると、まずス
テップ(109)において、直前まで走査していた物体
番号mの物体について、最終的な重心位置(Xg,Yg)
と横方向の幅Wxと縦方向の幅Wyを、 Wx=Xmax−Xmin Wy=Ymax−Ymin のごとく、決定する。
【0019】次に、ステップ(110)において、物体
番号mを1だけ繰り上げたのち、続くステップ(11
1)において、新規再開に必要な重心位置(Xg,Yg)
として前記ステップ(105)において異物体のものと
判断された最新出力値(Xn,Yn)を充当する。従っ
て、こうした異物体判断がなされると、次回からは物体
番号m+1の物体についてステップ(104)以下が繰
り返されることになる。すなわち、ステップ(108)
と(111)に続く判断ステップ(112)において、
1フレーム分のデータ処理が終了したことが判明するま
で、ステップ(104)以下のステップがデータ数だけ
繰り返される。
【0020】こうして、1フレーム分のデータをすべて
処理し終えると、1回の走査で識別されたすべての物体
について、重心位置と幅が計上される。すなわち、例え
ば図3の例では、近距離物体23の左半分に関しては、 重心位置;(X0+X2+・・X4/5,Y0+Y2+・・Y4 /5) 幅; Wx=X4−X0,Wy=Y4−Y0 のごとく割り出され、遠距離物体24に関しては、 重心位置;(X5 +X6 +・・X8 /4,Y5 +Y6 +・・Y8 /4) 幅; Wx =X8 −X5 ,Wy =Y5 −Y8 として割り出される。また、近距離物体23の右半分に
関しては、 重心位置;(X9 +X10+X11/3,Y9 +Y10+Y11/3) 幅; Wx =X11−X9 ,Wy =Y11−Y9 として割り出される。
【0021】なお、2分割された物体23について同一
物体として処理する必要がある場合は、データ群(X0
,Y0 )〜(X4 ,Y4 )で構成される物体とデータ
群(X9 ,Y9 )〜(X11,Y11)で構成される物体と
が、直交座標上で近似的に同一直線上に存在するかどう
かを、数フレーム分にわたって判断することにより、同
一物体23が2分割されて計測されたかどうかを判定す
ることができる。その場合、データ群(X0 ,Y0 )〜
(X4 ,Y4 )で構成される物体とデータ群(X9 ,Y
9 )〜(X11,Y11)で構成される物体について、同じ
データ群に含めて前述の同一物体判断処理にかける方法
も有効である。ただし、同一物体23が2分割して計測
されても、衝突防止等への利用目的に災いするような被
害を蒙ることはなく、従ってこうした判定は必ずしも必
要不可欠のものではない。
【0022】このように、上記対物距離計測装置11に
よれば、走査順に時系列的に得られる複数の位置データ
(Xn ,Yn )について、直前までの出力値(Xn-1 ,
Yn-1)から相加平均ΣXn-1 /n−1,ΣYn-1 /n
−1により割り出された最新の重心位置(Xg ,Yg )
を中心に一定距離ΔXr ,ΔYrの範囲にあることを条
件に、最新出力値(Xn ,Yn )を重心位置の更新に供
し、一方でこの条件を満たさない最新出力値(Xn ,Y
n )についてはそれまでとは別物体に関する位置データ
であると認識して、重心位置の更新を新規再開する。こ
のため、1回の走査範囲内に複数の物体が存在しようと
も、所定の条件を満たすかどうかの判断を通じて同一物
体か又は異物体かの識別が正確に可能であり、これによ
り複数物体を同一物体と錯覚したために距離計測対象と
なる物体の重心位置や幅を誤って算定するといった不都
合を排除し、物体ごとに正確に重心位置や幅の計測が可
能である。
【0023】また、スキャナ12が出力する極座標出力
を直交座標データに変換したのち、直交軸ごとに座標出
力を相加平均して重心位置を求め、かつ直交軸ごとに最
新出力値と重心位置を比較する構成であるから、極座標
出力として得られる座標データ(L,θ)を直交2軸に
分解することで、相加平均による重心算定を容易にし、
また求められた重心位置(Xg ,Yg )と最新出力値
(Xn ,Yn )とを直交軸ごとに比較し、直交2軸のい
ずれか少なくとも一方で重心位置と最新出力値とが所定
距離ΔXr ,ΔYr を越えて乖離する場合は、異物体で
あると識別するため、汎用の算術アルゴリズムを使った
異物体判断が正確に可能である。
【0024】また、物体識別器17は、識別された物体
ごとに直交座標上で重心位置と併せ幅を算定するので、
スキャナ12の走査範囲内に複数の物体が存在しても、
最も近い位置にある物体23だけでなく、それよりも遠
い物体24についても、スキャナ12の出力から重心位
置や幅を求めることができ、これにより眼前の前方物体
23よりも遠方に存在するが、いつか新たな前方物体と
なり得る可能性のある物体24について、従来のよう当
面不要なデータとして廃棄してしまうのではなく、最前
の物体と並行して常に動向を監視することができる。こ
のため、対物距離計測装置11を車間距離計測装置等に
適用したときに、前方を行く複数の車両や前方の障害物
をスキャナ12の走査範囲に存在する限り計測し続け、
車両前方の状況を最大限的確に把握することができる。
【0025】さらにまた、スキャナ12と座標変換器1
6の間に少なくとも2個のフレームメモリ14,15を
並列接続し、スキャナ12の極座標出力を走査のつど交
互に切り替えて格納する構成としたから、一方のフレー
ムメモリ14又は15にスキャナ12の極座標出力を読
み込んでいる最中は、他方のフレームメモリ15又は1
4に格納済み極座標出力を読み出して、直交座標系への
座標変換或いは物体識別処理にかけることができ、これ
により格納データと処理データの効率的な運用が可能で
あり、物体識別中の無用の中断を排除し、常に対象物体
の重心位置や幅等をほぼリアルタイムで正確に把握する
ことができる。
【0026】
【考案の効果】以上説明したように、この考案は、一定
角度範囲を走査しながら物体までの距離を計測するスキ
ャナから1回の走査期間内に時系列的に得られる位置デ
ータについて、初期出力値から直前の最新出力値までを
相加平均して時系列の各時点で重心位置を更新し、その
さいに最新の重心位置から一定距離を越えて逸脱する最
新出力値が与えられたときは、該最新出力値を異物体に
関する位置データの初期出力値として前記重心位置の更
新を新規再開し、走査範囲内に存在する物体ごとに重心
位置を算定する構成としたから、走査順に時系列的に得
られる複数の位置データについて、直前までの出力値か
ら相加平均により割り出された最新の重心位置を中心に
一定距離範囲にあることを条件に最新出力値を重心位置
の更新に供し、一方でこの条件を満たさない最新出力値
についてはそれまでとは別物体に関する位置データであ
ると認識して、重心位置の更新を新規再開するため、1
回の走査範囲内に複数の物体が存在しようとも、所定の
条件を満たすかどうかの判断を通じて同一物体か又は異
物体かの識別が正確に可能であり、これにより複数物体
を同一物体と錯覚したために距離計測対象となる物体の
重心位置や幅を誤って算定するといった不都合を排除
し、物体ごとに正確に重心位置や幅の計測が可能である
等の優れた効果を奏する。
【0027】また、この考案は、スキャナが、物体の位
置データを極座標出力し、前記物体識別手段が、前記極
座標出力を直交座標データに変換したのち、直交軸ごと
に座標出力を相加平均して重心位置を求め、かつ該直交
軸ごとに最新出力値と重心位置を比較する構成としたか
ら、極座標出力として得られる座標データを直交2軸に
分解することで、相加平均による重心算定を容易にし、
また求められた重心位置と最新出力値とを直交軸ごとに
比較し、直交2軸のいずれか少なくとも一方で重心位置
と最新出力値とが所定距離を越えて乖離する場合は、異
物体であると識別するため、汎用の算術アルゴリズムを
使った異物体判断が正確に可能である等の効果を奏す
る。
【0028】また、物体識別手段が、識別された物体ご
とに重心位置と併せ物体の幅を算定する構成としたか
ら、スキャナの走査範囲内に複数の物体が存在するとき
に、最も近い位置にある物体だけでなく、それよりも遠
い物体についても、スキャナの出力から重心位置や幅を
求めることができ、これにより眼前の前方物体よりも遠
方に存在するが、いつか新たな前方物体となり得る可能
性のある物体について、従来のよう当面不要なデータと
して廃棄してしまうのではなく、最前の物体と並行して
常に動向を監視することができ、これにより車間距離計
測装置等に適用したときに、前方を行く複数の車両や前
方の障害物をスキャナの走査範囲に存在する限り計測し
続け、車両前方の状況を最大限的確に把握することがで
きる等の効果を奏する。
【0029】さらにまた、物体識別手段は、前記スキャ
ナと前記座標変換器の間に並列接続され、前記スキャナ
の位置データ出力を走査のつど切り替えて格納する少な
くとも2個のフレームメモリを具備するため、一方のフ
レームメモリにスキャナの位置データ出力を読み込んで
いる最中は、他方のフレームメモリに格納済み位置デー
タ出力を読み出して、直交座標系への座標変換或いは物
体識別処理にかけることができ、これにより格納データ
と処理データの効率的な運用が可能であり、物体識別中
の無用の中断を排除し、常に対象物体の重心位置や幅等
をほぼリアルタイムで正確に把握することができる等の
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の対物距離計測装置の一実施例を示す
概略ブロック構成図である。
【図2】図1に示した対物距離計測装置の距離計測動作
を説明するためのフローチャートである。
【図3】図1に示した対物距離計測装置による物体識別
原理を説明するための計測例を示す図である。
【図4】従来の対物距離計測装置の一適用例を示す図で
ある。
【符号の説明】
11 対物距離計測装置 12 スキャナ 14,15 フレームメモリ(物体識別手段) 16 座標変換器(物体識別手段) 17 物体識別器(物体識別手段) 18 測距信号送受信回路 19 制御回路 20 計数回路 21 ラッチ回路 22 データ処理回路 23 近距離物体 24 遠距離物体
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01S 3/00 - 17/95 G06T 1/00 - 17/50

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定角度範囲を走査しながら測距信号を
    送信するとともに、物体で反射された測距信号を受信
    し、受信方位と送受信間時間差とから前記物体の位置デ
    ータを出力するスキャナと、該スキャナから1回の走査
    期間内に時系列的に得られる前記位置データについて、
    初期出力値から直前の最新出力値までを相加平均して時
    系列の各時点で重心位置を更新し、そのさいに最新の重
    心位置から一定距離を越えて逸脱する最新出力値が与え
    られたときは、該最新出力値を異物体に関する位置デー
    タの初期出力値として前記重心位置の更新を新規再開
    し、走査範囲内に存在する物体ごとに重心位置を算定す
    る物体識別手段とを具備することを特徴とする対物距離
    計測装置。
  2. 【請求項2】 前記スキャナは、物体の位置データを極
    座標出力し、前記物体識別手段は、前記極座標出力を直
    交座標データに変換したのち、直交軸ごとに座標出力を
    相加平均して重心位置を求め、かつ該直交軸ごとに最新
    出力値と重心位置を比較することを特徴とする請求項1
    記載の対物距離計測装置。
  3. 【請求項3】 前記物体識別手段は、識別された物体ご
    とに重心位置と併せ物体の幅を算定することを特徴とす
    る請求項1記載の対物距離計測装置。
  4. 【請求項4】 前記物体識別手段は、前記スキャナと前
    記座標変換器の間に並列接続され、前記スキャナの位置
    データ出力を走査のつど切り替えて格納する少なくとも
    2個のフレームメモリを具備することを特徴とする請求
    項1記載の対物距離計測装置。
JP1493793U 1993-03-29 1993-03-29 対物距離計測装置 Expired - Fee Related JP2584530Y2 (ja)

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