JP2584152Y2

JP2584152Y2 - ガス排気用口栓体

Info

Publication number: JP2584152Y2
Application number: JP1152193U
Authority: JP
Inventors: 美和佐藤; 忠祐小嶋
Original assignee: Toppan Inc
Current assignee: Toppan Inc
Priority date: 1993-03-16
Filing date: 1993-03-16
Publication date: 1998-10-30
Anticipated expiration: 2008-03-16
Also published as: JPH0671463U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、プラスチックボトル、
紙製容器等に内容物として液体や粉体などを収容し、特
にこの内容物が発生するガスによって容器内の圧力が限
度以上に上昇することを防ぐガス排気用口栓体に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、収容した内容物が発生するガ
スによる容器内の圧力を調整する専用のガス排気用の容
器口栓は、様々な関連において用いられている。例え
ば、ガスを発生し易い物質を収容し、容器の内圧が上昇
したらその圧力により弁部材が開き、ガスの排出が終り
内圧が弱くなると閉じるガス排気用の口栓体が知られて
いる。上記の一例として、塩素ガス、塩酸ガスの発生す
る次亜塩素酸などによる漂白剤を収容したポリタンク
に、ガス排気用口栓に気泡体と可撓性フィルムによる弁
座が設けられており、ガス圧で気泡体が伸縮することを
利用して、排気、密閉を繰り返し容器内の圧力を調整す
るガス排気用の口栓が特開平２−２６９６６６号公報で
提案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ガス排気用の口栓は、弁座に設けた気泡体の可撓性フィ
ルムへの付勢する力が弱いためガス排気効率が低い。更
に、これら内容物を充填した容器の流通過程において出
荷する際、ガスが抜けているかが不明のまま小売店、家
庭に販売されていた。このため使用の際、キャップを開
けると一気にガスが排出する恐れがあるため、これらの
改良が求められていた。

【０００４】そこで本考案は、容器のキャップを開ける
前に、一旦容器内のガスを強制的に排出することで、安
全性を高めると共に、充満したガスの排気効率を向上さ
せ、更に、収容した内容物が漏れないよう密封性を確実
にしたガス排気用口栓を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本考案は、オーバーキャップ(10)と中栓(11)と押圧
板(15)とバネ部材(14)と閉鎖弁(13)と溝軸(16)と、突起
軸(12a) を有する押圧ボタン(12)との部材構成からなる
ガス排気用口栓体(25)であって、前記キャップ天蓋(10
a) の凹部(10b) 軸孔(E) に押圧板(15)の突起(15a) を
嵌入し、該押圧板に溝軸(16)とバネ部材(14)を挿入し、
前記キャップ天蓋の内周壁に連通孔(18)を有する中栓体
を嵌合し、該中栓体の連通孔下方から閉鎖弁を挿入して
溝軸と嵌合すると共に連通孔を閉鎖して、前記キャップ
天蓋の凹部軸孔に突起軸を有する押圧ボタンを嵌入した
構成である。また、前記押圧板と中栓の間のバネ部材(1
4)が、常に押圧板を上方に付勢するスプリングからな
り、前記押圧ボタンを押すことで容器内のガスを強制的
に排気する機構を備えたものである。

【０００６】

【作用】本考案のガス排気用口栓体(25)は、図２に示す
ように、容器本体(20)にオーバーキャップ(10)を螺合し
押圧ボタン(12)を押すと、押圧板(15)が下方に押し下げ
られて、溝軸(16)で連結された閉鎖弁(13)が同時に下が
り中栓体(11)の連通孔(18)が開放される。この時、容器
内のガスは連通孔下側まで下がった溝軸の通気溝(K) を
通って上昇して中栓体の内側に入り、更に、突起軸(12
a) の通気溝(K) と押圧ボタンの排気溝(12b) を通って
容器外に排気される。また、押圧をやめると付勢するス
プリングにより押圧板が上方に押しあげられると同時
に、溝軸で連結された閉鎖弁が上昇し中栓体の連通孔を
密閉する。

【０００７】

【実施例】本考案の実施例を図に基づき説明する。図１
は、本考案の一実施例におけるガス排気用口栓体の部材
構成を示す説明図である。また、図２は、上記の部材に
より組み立てられたガス排気用口栓体の一例を示す断面
図であり、図３は、上記のガス排気用口栓体の斜視図で
ある。

【０００８】本考案のガス排気用口栓体の構成部材は図
１に示すように、中央の凹部(10b)に軸孔(E) を設けた
オーバーキャップ(10)と、下方の中央に容器(20)内と通
ずる連通孔(18)を有する中栓(11)と、この中栓の連通孔
に嵌入する筒状突起(13a) を有する閉鎖弁(13)と、バネ
部材(14)を介して前記閉鎖弁を下方に押し下げる突起(1
5a) を有する押圧板(15)と、前記閉鎖弁と押圧板を連結
する通気溝(K₁)を形成した溝軸(16)と、押圧板を上方よ
り押し込む通気溝(K) を形成した突起軸(12a)と、この
突起軸上端に設けた、端縁に排気溝(12b) と下端に突起
を有する押圧ボタン(12)の部材から構成されたものであ
る。上述した溝軸(16)と突起軸(12a) に形成した複数本
の通気溝(K₁,K)はガスの排気路としたもので、形状や本
数はこれに限定するものではないが、前記閉鎖弁や押圧
ボタンがこの溝軸や突起軸によって上下動するので、こ
の外周縁は円柱状の軸になるようにして滑り易くする
（図１ｂ断面図を参照）。

【０００９】上記の素材としては、オーバーキャップ(1
0)は、ポリプロピレンなどの剛性の優れた樹脂材料がよ
く、また中栓、押圧板、閉鎖弁は耐薬品性の優れたポリ
エチレンなどのポリオレフィン系の樹脂材料が適してい
る。また、バネ部材(14)としては、ポリプロピレンなど
の樹脂材料又は金属製で弾力性の強い材質による螺旋状
のスプリングが最適である。また溝軸(16)においては、
キャップと同様にポリプロピレンなどの樹脂材料を用い
て成形したものである。

【００１０】本考案のガス排気用口栓体(25)は、図２に
示すように、上述した部材を用いて組み立てたもので、
天蓋(10a) の中央に軸孔(E) を形成した凹部(10b) と側
面内周壁に螺子部(10c) を設けたオーバーキャップを成
形し、このキャップの軸孔に押圧板(15)の上面に設けた
突起(15a) を嵌入し、この押圧板の下側中央に溝軸(16)
を差し込み、更に溝軸を囲むようにスプリング(14)を組
み込み、その外側から押さえ込むように中栓(11)をキャ
ップ天蓋の内側の周壁に嵌め込み、この中栓の連通孔(1
8)下方から閉鎖弁(13)を挿入し溝軸(16)と嵌合して押圧
板と閉鎖弁を連結する。この押圧板と閉鎖弁を連結した
ことでキャップと中栓体内に組み込まれた押圧板とスプ
リングが固定される。更に、キャップ中央の凹部軸孔
(E) に上方より突起軸(12a) 付の押圧ボタン(12)を挿入
することで、ガス排気機構を備えた口栓体となる。尚こ
の押圧ボタンの突起軸先端と接する押圧板の突起先端を
接着させると、押圧ボタンが抜け落ちることがなくな
る。

【００１１】図４は、本考案の他の実施例におけるガス
排気用口栓体の断面図である。また図５は、上記のガス
排気用口栓体の斜視図である。図４に示すように、この
ガス排気用口栓体(25)は押圧ボタン(12)の上面を平らに
大きくして、押圧面積を広くし、ガス排気用の排気溝(1
2b) をボタン側面に複数個設けたもので、ガスの強制排
気の際、ガスの臭気が手に触れないようにしたものであ
る。

【００１２】本考案のガス排気用口栓体の排気機構は、
図２、図４に示すように、容器本体にオーバーキャップ
を螺合し、このキャップに嵌入した押圧ボタンを押す
と、押圧板が下方に押し下げられて、溝軸で連結された
閉鎖弁が同時に下がり中栓体の連通孔が開放される。こ
の時、容器内のガスは連通孔下側まで下がった溝軸の通
気溝を通って上昇して中栓体の中に入り、更に、突起軸
の通気溝と押圧ボタンの排気溝を通って外に排気され
る。また、押圧をやめると付勢するスプリングにより押
圧板が上方に押しあげられると同時に、溝軸で連結され
た閉鎖弁が上昇し中栓体の連通孔を密閉する機構となっ
ている。

【００１３】

【考案の効果】本考案のガス排気用口栓体は、収容した
内容物をキャップとキャップに嵌合した中栓によって、
漏らさない通常機能の口栓であることに加えて、収容し
た内容物により発生するガスを、押圧ボタンを押すこと
で強制的に排気し、容器内の圧力を安定させると共に、
押圧ボタンを離すことで、内装された排気機構が付勢す
るスプリングにより密閉作動をする、排気及び密封機構
を備えた口栓である。更に、製造においても口栓を構成
する部材数が少ないのでコストを下げることができ、外
観もすっきりと仕上がる。また、このガス排気用口栓
は、薬品ばかりでなく揮発物、食品などあらゆるガス強
制排気用と内容物漏洩防止の用途に対応でき種々の優れ
た機能と効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例におけるガス排気用口栓体の
部材構成を示す説明図である。

【図２】上記の部材構成により組み立てたガス排気用口
栓体の断面図である。

【図３】上記のガス排気用口栓体の斜視図である。

【図４】本考案の他の実施例におけるガス排気用口栓体
の断面図である。

【図５】上記のガス排気用口栓体の斜視図である。

【符号の説明】

１０ …オーバーキャップ１０ａ …天蓋１０ｂ …凹部１０ｃ …螺子部１１ …中栓１２ …押圧ボタン１２ａ …突起軸１２ｂ …排気溝１３ …閉鎖弁１３ａ …筒上突起１４ …バネ部材（スプリング）１５ …押圧板１５ａ …突起１６ …溝軸１８ …連通孔２０ …容器本体２５ …ガス排気用口栓Ｋ，Ｋ₁…通気溝

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】容器本体を密封する、中央に軸孔を有する
凹部を形成したオーバーキャップと、下方の中央に連通
孔を有する中栓体と、該中栓の連通孔に嵌入する筒状突
起を有する閉鎖弁と、バネ部材を介して前記閉鎖弁を押
し下げる押圧板と、前記閉鎖弁と押圧板を連結する通気
溝を有する溝軸と、該押圧板を上方より押し込む通気溝
を有する突起軸と、該突起軸上端に設けた、下面に突起
と端縁に排気溝を有する押圧ボタンとの部材構成からな
るガス排気用口栓体であって、前記キャップ天蓋の凹部
軸孔に押圧板の突起を嵌入し、該押圧板に溝軸とバネ部
材を挿入し、前記キャップ天蓋の内周壁に連通孔を有す
る中栓体を嵌合し、該中栓体の連通孔下方から閉鎖弁を
挿入し溝軸と嵌合すると共に連通孔を閉鎖して、前記キ
ャップ天蓋の凹部軸孔に突起軸を有する押圧ボタンを嵌
入したことを特徴とするガス排気用口栓体。
【請求項２】前記押圧板と中栓体の内側に組こまれたバ
ネ部材が、常に押圧板を上方に付勢するスプリングで構
成されていることを特徴とする請求項１に記載のガス排
気用口栓体。