JP2584022Y2 - 変倍光学装置 - Google Patents

変倍光学装置

Info

Publication number
JP2584022Y2
JP2584022Y2 JP8818592U JP8818592U JP2584022Y2 JP 2584022 Y2 JP2584022 Y2 JP 2584022Y2 JP 8818592 U JP8818592 U JP 8818592U JP 8818592 U JP8818592 U JP 8818592U JP 2584022 Y2 JP2584022 Y2 JP 2584022Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mirror
carriage
lens
optical axis
single focus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP8818592U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0659854U (ja
Inventor
実 鈴木
Original Assignee
旭光学工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 旭光学工業株式会社 filed Critical 旭光学工業株式会社
Priority to JP8818592U priority Critical patent/JP2584022Y2/ja
Publication of JPH0659854U publication Critical patent/JPH0659854U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2584022Y2 publication Critical patent/JP2584022Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、結像レンズ及びミラ
ーを光軸方向に沿って移動させることにより、原稿像を
変倍した状態で結像させる変倍光学装置、特に、単焦点
レンズと、この単焦点レンズ及び結像面の間に介設され
たミラーとを、光軸方向に沿って移動して、原稿面から
単焦点レンズ迄の距離及び単焦点レンズから結像面迄の
距離を適宜変化させることによって、結像の原稿像に対
する比率を可変とする変倍光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法を利用して複写を行な
う所謂電子複写機は、原稿載置部に載置された原稿を蛍
光ランプ等の光源により照光すると共に、この光源によ
り照光された原稿面の像を、結像レンズ及びミラーによ
り構成される結像光学系によって感光ドラムの感光層上
に結像させるように構成されている。最近では、結像光
学系を構成する結像レンズを光軸方向に移動して原稿面
から結像レンズ迄の距離、及び、結像レンズから結像面
(即ち、感光ドラムの感光層表面)迄の距離を変化させ
ることによって、結像の原稿像に対する比率を可変とす
るよう構成した結像光学系が用いられている。この様な
結像光学系においては、原稿サイズと同じ大きさ(等
倍)から、拡大・縮小して複写できる所謂変倍機能を有
するものがある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ここで、この様な変倍
光学装置においては、結像レンズまたはこの結像レンズ
と感光ドラムとの間に介設された反射ミラーを、光軸に
対して正確に位置決めしなければならないが、その為の
位置決め動作が非常に面倒であり、改善が要望されてい
た。
【0004】また、この様な変倍光学装置においては、
結像レンズの焦点距離の誤差や、機構部品の製作上の誤
差等により、光学特性が設計上の値からずれてしまい、
その為の調整動作が非常に面倒であり、改善が要望され
ていた。
【0005】この考案は、上述した事情に鑑みなされた
もので、この考案の主たる目的は、レンズまたはミラー
の光軸に対する位置決めを簡単、且つ、確実に達成する
ことの出来る変倍光学装置を提供することである。
【0006】また、この考案の他の目的は、光学特性を
設計上の特性と一致する様に簡単に調整することの出来
る変倍光学装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成する為、この考案に係る変倍光学装置は、請
求項1の記載に従えば、単焦点レンズと、この単焦点レ
ンズ及び結像面の間に介設されたミラーとを、光軸方向
に沿って移動して、原稿面から単焦点レンズ迄の距離及
び単焦点レンズから結像面迄の距離を適宜変化させるこ
とによって、結像の原稿像に対する比率を可変とする変
倍光学装置において、ベースプレートと、このベースプ
レート上に固定され、光軸方向に沿って延出するガイド
シャフトと、前記単焦点レンズが搭載されるレンズキャ
リッジと、前記単焦点レンズが保持され、前記レンズキ
ャリッジにその取付位置を調整可能に取り付けられるレ
ンズホルダとを具備し、前記ベースプレートには、前記
レンズホルダをレンズキャリッジに取り付ける際に、前
記単焦点レンズの中心軸線が前記光軸に平行となる様に
位置決めする為の基準穴が形成されていることを特徴と
している。
【0008】また、この考案に係わる変倍光学装置は、
請求項6の記載に従えば、単焦点レンズと、この単焦点
レンズ及び結像面の間に介設されたミラーとを、光軸方
向に沿って移動して、原稿面から単焦点レンズ迄の距離
及び単焦点レンズから結像面迄の距離を適宜変化させる
ことによって、結像の原稿像に対する比率を可変とする
変倍光学装置において、ベースプレートと、このベース
プレート上に固定され、光軸方向に沿って延出するガイ
ドシャフトと、前記ミラーが搭載されるミラーキャリッ
ジと、このミラーキャリッジに固定され、前記ミラーの
一端を支持する一方のミラーサポートと、前記ミラーキ
ャリッジに前記光軸方向に沿って移動可能に取り付けら
れ、前記ミラーの他端を支持する他方のミラーサポート
とを具備し、前記ベースプレートには、前記他方のミラ
ーサポートをミラーキャリッジに取り付ける際に、前記
両ミラーサポートが夫々当接して、前記ミラーの延出軸
線が前記光軸に直交する様に位置決めする為の位置決め
部が形成されていることを特徴としている。
【0009】また、この考案に係わる変倍光学装置は、
請求項8の記載に従えば、単焦点レンズと、この単焦点
レンズ及び結像面の間に介設されたミラーとを、光軸方
向に沿って移動して、原稿面から単焦点レンズ迄の距離
及び単焦点レンズから結像面迄の距離を適宜変化させる
ことによって、結像の原稿像に対する比率を可変とする
変倍光学装置において、前記単焦点レンズを支持し、光
軸方向に沿って移動可能に配設されたレンズキャリッジ
と、前記ミラーを支持し、光軸方向に沿って移動可能に
配設されたミラーキャリッジと、前記レンズキャリッジ
及びミラーキャリッジとの相関関係を規定するカム手段
と、前記レンズキャリッジ及びミラーキャリッジの光軸
方向に沿う離間距離を調整する調整手段とを具備するこ
とを特徴としている。
【0010】
【考案の実施例】以下、この考案に係わる変倍光学装置
の一実施例の構成を、添付図面を用いて詳細に説明す
る。
【0011】図1はこの一実施例の変倍光学装置10が
適用される電子複写装置12の内部構造を正面視の状態
で概略的に示している。この電子複写装置12は、筐体
14と、この筐体14の上面に固定され、原稿Dが載置
される原稿載置台としてのプラテンガラス16と、この
プラテンガラス16上に載置された原稿Dの画像を図示
しない記録紙上に複写する為の電子写真プロセスを実行
する電子複写機構18と、原稿Dを光走査し、この原稿
Dからの反射光(即ち、像光)を電子複写機構18を構
成する感光ドラム20の感光層上に結像させる為の走査
光学系22とを概略備えて構成されている。尚、この一
実施例においては、電子複写機構18は周知の構成であ
り、本願考案の特徴を何ら構成しない為、単に図面上で
感光ドラム20を示すに留め、その構成の図示及び詳細
な説明を省略する。
【0012】また、上述した走査光学系22は、この一
実施例においては、プラテンガラス16上の原稿Dの下
面(原稿面)を幅方向の全域に渡り照明する為のランプ
24と、このランプ24から放出され原稿Dで反射され
た光(即ち、像光)を反射して、図中左方に導く為の第
1の反射ミラー26と、この第1の反射ミラー26から
の反射光(像光)を一旦下方に向けて反射する第2の反
射ミラー28と、この第2の反射ミラー28からの反射
光(像光)を更に反射して、図中右方に導く為の第3の
反射ミラー30と、この第3の反射ミラー30からの像
光を受けて、これを変倍した状態で結像面である感光層
上に結像させる為の、この考案の特徴をなす変倍光学装
置10とを備えて構成されている。
【0013】尚、上述したランプ24及び第1の反射ミ
ラー26は、図示する位置から図中左方に向けて走行駆
動される全速ユニット32に搭載され、一方、第2及び
第3の反射ミラー28,30は、図示する位置から全速
ユニット32の半分の速度で図中左方に向けて走行駆動
される半速ユニット34に搭載されている。この様な走
査構造は周知のものであり、この考案の特徴を何ら構成
するものでない為、その詳細な説明を省略する。
【0014】ここで、この考案の特徴となる変倍光学装
置10は、図2にその平面形状を、また、図3にその側
断面形状を夫々概略的に示される様に、この一実施例に
おいては、結像レンズとして単焦点レンズ36を備え、
この単焦点レンズ36から原稿までの光学距離aと単焦
点レンズ36から結像位置までの光学距離bとを、式
(1/a+1/b=1/f)、(但し、f:単焦点レン
ズ36の焦点距離)で表させる結像公式を満足する範囲
で適宜変更する事により所謂ミラー変倍される様に構成
されている。この変倍光学装置10の変倍率(b/a)
は、この一実施例においては、以下の構成を採用するこ
とにより、2.05倍(拡大)〜1.00(等倍)〜
0.48倍(縮小)で任意に変更することが出来る様に
設定されている。
【0015】図2及び図3に示す様に、この変倍光学装
置10は、上述した筐体14内に取り付け固定された状
態で、装置本体としてベースプレート38を備え、この
ベースプレート38は、図4にその平面形状を示す様
に、図中右側に、厚さ方向に貫通した開口40を備えて
いる。このベースプレート38の上面には、上述した単
焦点レンズ36をその光軸が上述した像光の光軸と一致
する様に保持するレンズキャリッジ42と、この単焦点
レンズ36から射出された像光を、順次反射する一対の
可動反射ミラー44,46を保持するミラーキャリッジ
48とが、夫々光軸方向に沿って移動可能な状態で配設
されている。
【0016】このミラーキャリッジ48は、上述した開
口40を貫通した状態で、ベースプレート38の上下に
夫々突出し、この開口40が形成された範囲内で移動可
能に配設されている。即ち、その取り付け態様は後に説
明するが、可動反射ミラー44はベースプレート38よ
りも上方に位置した状態で、また、可動反射ミラー46
はベースプレート38よりも下方に位置した状態で、夫
々ミラーキャリッジ48に取り付けられている。即ち、
上方の可動反射ミラー44は単焦点レンズ36から射出
された像光を下方に向けて反射し、下方の可動反射ミラ
ー46は上方の可動反射ミラー44で反射されてきた像
光を図中左方に向けて反射する様に、夫々の取り付け状
態を設定されている。また、このベースプレート38の
下面には、一対の可動反射ミラー44,46で順次反射
されて来た像光を、結像位置としての感光層上の所定位
置に向けて最終的に反射する為の固定反射ミラー50
(図1に示す)が配設されている。
【0017】一方、図2から明らかな様に、上述したベ
ースプレート38上には、光軸方向に沿って延出し、上
述したレンズキャリッジ42及びミラーキャリッジ48
を共に案内する為の、1本の断面円形状のガイドシャフ
ト52が取り付けられている。そして、レンズキャリッ
ジ42の一端には、このガイドシャフト52に摺動自在
に嵌合して、これを光軸方向に沿って移動する様に案内
する軸受部54が一体的に取り付けられている。また、
ミラーキャリッジ48の一端にも、このガイドシャフト
52に摺動自在に嵌合して、これを光軸方向に沿って移
動する様に案内する軸受部56が一体的に取り付けられ
ている。
【0018】この様にして、単焦点レンズ36及び両可
動反射ミラー44,46は、夫々を保持するレンズキャ
リッジ42及びミラーキャリッジ48がガイドシャフト
52を介して摺動自在に案内される事により、光軸方向
に沿って夫々移動自在な状態を達成される事になる。
尚、これら軸受部54,56については、後に詳細にそ
の構成及び軸支状態を説明する。
【0019】また、図2に示す様に、レンズキャリッジ
42とミラーキャリッジ48との間には、ベースプレー
ト38上に位置した状態で、変倍制御機構58が設けら
れている。この変倍制御機構58は図示しない制御ユニ
ットからの変倍率を指示する変倍信号に基づき、レンズ
キャリッジ42及びミラーキャリッジ48の光軸方向に
沿う位置を適宜変更駆動して、指示された変倍率を達成
する様に構成されている。この為、この変倍制御機構5
8は、単一の駆動源としての可逆転可能な駆動モータ6
0と、この駆動モータ60の回転駆動力をレンズキャリ
ッジ42に直線駆動力として伝達する第1の駆動力伝達
機構62と、この駆動モータ60の回転駆動力をミラー
キャリッジ48に直線駆動力として伝達する第2の駆動
力伝達機構64とを備えている。
【0020】以下に、これら第1及び第2の駆動力伝達
機構62,64の構成を説明する。尚、図2に示す状態
は、変倍率が等倍である状態を示しており、拡大の際に
は、この等倍の状態からレンズキャリッジ42(単焦点
レンズ36)が矢印Xの方向に(即ち、図中左方に)移
動され、縮小の場合には、これと反対の方向に移動され
るものである。
【0021】先ず、上述した駆動モータ60は、そのモ
ータ軸に駆動ギヤ66を同軸に備えている。一方、この
駆動ギヤ66に噛合した状態で、ギヤリング68が支軸
70回りに回動自在に軸支されている。このギヤリング
68は、駆動モータ60の起動に応じて、駆動ギヤ66
が回転駆動されることにより、支軸70回りに従動駆動
されることになる。
【0022】ここで、図5に示す様に、上述した第1の
駆動力伝達機構62は、このギヤリング68と同軸に、
これの上側に位置した状態で、駆動プーリ72を備えて
いる。この駆動プーリ72はギヤリング68に一体的に
接合されており、ギヤリング68の回転に応じて支軸7
0回りに回転駆動されることになる。また、この第1の
駆動力伝達機構62は、上述したガイドシャフト52の
両端に位置した状態で、一対の従動プーリ74,76を
備え、これら従動プーリ74,76と上述した駆動プー
リ72との間でには、伝達ワイヤ78が略8字状に掛け
渡されている。尚、この伝達ワイヤ78の両端は、レン
ズキャリッジ42に連結されている。
【0023】この様に第1の駆動力伝達機構62は構成
されている為、駆動モータ60の起動に応じて、駆動プ
ーリ72が回転駆動することにより、この駆動プーリ7
2の回転駆動力が伝達ワイヤ78を介してレンズキャリ
ッジ42に伝達され、この様にして、このレンズキャリ
ッジ42はガイドシャフト52に案内された状態で光軸
方向に沿って移動駆動されることになる。
【0024】一方、上述した第2の駆動力伝達機構64
は、駆動モータ60の駆動力を所定の相関関係で変換し
た状態でミラーキャリッジ48に伝達する為のカムプレ
ート80を備えている。換言すれば、この第2の駆動力
伝達機構64は、ミラーキャリッジ48を、レンズキャ
リッジ42の光軸方向に沿う移動に対して所定の相関関
係(具体的には、上述した式を満足させる相関関係)を
達成する様に、光軸方向に沿って移動駆動する様に構成
されている。
【0025】このカムプレート80は、上述したギヤリ
ング68の内周に一体成形されている。このカムプレー
ト80の下側面には、カム溝82が形成されている。こ
のカム溝82内には、図2に示す様に、レバー84の一
端に固定されたカムフォロア86が摺動可能に嵌合して
いる。このレバー84は、長短二本のアーム部84a,
84bを略直交させた状態のL字状に薄板から一体に形
成したものである。尚、アーム部84aはアーム部84
bよりも短く設定されている。この様に形成されたレバ
ー84は、これらの二本のアーム部84a,84bの交
点位置に於て、ベースプレート38に支軸88によって
揺動自在に枢支されている。カムプレート80のカム溝
82に摺動可能に嵌合するカムフォロア86は、短い方
のアーム部84aの先端に固定されているものである。
【0026】ここで、長い方のアーム部84bの先端に
は、これの長手方向に沿って延出する長孔90が厚さ方
向に貫通した状態で形成されている。この長孔90内に
は、摺動ピン92が摺動可能に貫通している。そして、
この摺動ピン92はミラーキャリッジ48のハウジング
140に一体的に連結されたミラー連結板94に嵌合固
定されている。
【0027】そして、上述した駆動モータ60の起動に
よりカムプレート80が回転して、カムフォロア86が
カム溝82に追従して移動すると、レバー84はその枢
支点(支軸88)を中心として揺動し、この揺動が、ア
ーム部84bの先端の長孔90に嵌合する摺動ピン92
を介して、ミラーキャリッジ48に伝達され、このミラ
ーキャリッジ48を光軸方向に沿ってを移動駆動するこ
とになる。即ち、カムプレート80の回転により、ミラ
ーキャリッジ48が光軸方向に沿って、レンズキャリッ
ジ42と所定の相関関係を保った状態で移動駆動される
ものである。
【0028】ここで、カム溝82の回転中心(支軸7
0)からの変位量に対するミラーキャリッジ48の移動
量は、レバー84の、枢支点からカムフォロア86迄の
距離(即ち、アーム部84aの長さ)と、枢支点からシ
ャフト迄の距離(即ち、アーム部84bの長さ)との比
率に従って拡大されることとなる。換言すれば、カム溝
82の変位量は小さくても、ミラーキャリッジ48の移
動量を大きく設定することができるものである。このカ
ム溝82の変位量に対するミラーキャリッジ48の移動
量は、アーム部84a,84bの長さの比(レバー比)
を変化させることにより任意に設定することができる。
【0029】この一実施例では、このアーム部84aの
長さとアーム部84bの長さとの比(レバー比)は略
1:2に設定されている。また、レンズキャリッジ42
とミラーキャリッジ48との、変倍率に対する夫々の移
動量の関係は図6に示す様に、カム溝82の形状は設定
されている。尚、図6において、縦軸は変倍率を、ま
た、横軸は移動量を夫々示し、実線はレンズキャリッジ
42の移動量の変化を、また、破線はミラーキャリッジ
48の移動量の変化を夫々示している。
【0030】換言すれば、このカム溝82の形状(軌
跡)は、前述のレバー84のレバー比との関係に於て、
カムプレート80の回転による単焦点レンズ36の移動
駆動に対して、ミラーキャリッジ48が図に示される移
動量となるよう設定されているものである。従って、図
2に示す状態が、変倍率が等倍である状態から、拡大・
縮小のどちらの方向に移動しても、ミラーキャリッジ4
8は単焦点レンズ36から遠ざかる方向に動く(移動率
は異るが)ようになっている。
【0031】カムプレート80のカム溝82の形状とレ
バー84の枢支点位置との関係は、図7A乃至図7Cに
示す様に設定されている。即ち、変倍率が等倍の時、図
7Aに示す様に、カム溝82の回転中心からの変位量が
最も大きくなるように設定されている。従って、等倍か
ら図7Bに示す拡大側、及び、図7Cに示す縮小側の何
れの側に移動する場合でも、カム溝82はより回転中心
に近づく(回転中心からの変位量が少なくなる)ように
設定されている。尚、図中、符号Aはカム溝82も沿う
カムフォロア86の軌跡を示しているものである。
【0032】その結果、特に、変倍率が等倍から拡大側
に移動する際には(図7Aに示す状態から図7Bに示す
状態に移動する場合)、カムプレート80の回転角に対
するミラーキャリッジ48の移動量が大きく(即ち、カ
ム溝82に対するカムフォロア86の接触角:θが大き
く)、従って、ミラーキャリッジ48の移動に力を要す
るようになる。しかしながら、この場合には、カム溝8
2が回転中心に近づく(回転半径が小さくなる)為に、
カムプレート80を回転させるトルクは同一であっても
より強力な移動駆動力を得ることができ、駆動モータ6
0を低出力とすることが出来ることになる
【0033】また、カムプレート80の回転角に対する
ミラーキャリッジ48の移動量が大きいと言うことは、
即ち、カム溝82を高精度にしなければ精度の良い移動
駆動はできないものであり、カム溝82が回転中心に近
づけば、より以上に精度を必要とすることになる。しか
しながら、この一実施例の光学系の場合には、変倍率が
拡大側に行くに従って焦点深度が深くなる為に、許容精
度が広くなり、特に高精度としなくとも良いようになっ
ている。
【0034】一方、変倍率が等倍から縮小側に移動する
場合には、焦点深度が浅くなることにより、カム溝を高
精度としなければならない。しかしながら、カムプレー
ト80の回転角に対するミラーキャリッジ48の移動量
は少なく(カム溝82に対するカムフォロア86の接触
角:θが小さく)なるので、従って、カム溝82の許容
精度が広くなり、両者が相殺されることから特に高精度
としなくとも良いものである。
【0035】即ち、この一実施例においては、カム溝8
2は、変倍率が等倍を挟む拡大・縮小のどちらの方向に
もほぼ同様の精度で良く、しかも、移動に力を要する方
向にはより強力に駆動できる形状となっているものであ
る。
【0036】尚、図2に示す様に、ベースプレート38
上の、等倍状態にあるレンズキャリッジ42の矢印Xで
示す方向に沿って隣接する位置であって、上述した半速
ユニット34に搭載された第3の反射ミラー30で反射
されてきた像光が入射する部位には、シェーディング補
正板96が倒れ込み自在に取り付けられている。このシ
ェーディング補正板96は、図8に示す様に、像光の光
路を所定の形状で遮る板状のシェーディング部96a
と、このシェーディング部96aの両端下部にそれと直
角に延出した舌片状の操作部96bとを備え、このシェ
ーディング部96aと操作部96bとの交点位置から側
方に突出形成されたシャフト部96cが、ベースプレー
ト38に回転可能に嵌合している。このシェーディング
補正板96は、変倍率が等倍以下の場合に周辺光量が増
大するという単焦点レンズ36の固有の特性を補正する
ために配設されている。
【0037】即ち、この単焦点レンズ36(即ち、レン
ズキャリッジ42)が等倍位置から縮小側に移動した
時、レンズキャリッジ42によって操作部96bが蹴ら
れることによって起き上がる様に回転し、シェーディン
グ部96aが起立して像光の光路を所定形状で遮って光
量を補正することが出来る様になされている。一方、変
倍率が等倍位置から拡大側にあり、光量を補正する必要
のないの場合には、拡大側に移動するレンズキャリッジ
42によってシェーディング部96aが蹴られて、ベー
スプレート38上に倒れて、像光の光路を何ら遮らない
様に設定されている。
【0038】また、単焦点レンズ36(レンズキャリッ
ジ42)のミラーキャリッジ48側の端面には、光漏れ
を防ぐ為の所定幅の遮光フィルム98が装着されてい
る。この遮光フィルム98は、レンズキャリッジ42の
移動に伴なって移動してシェーディング部96aが倒れ
ている状態で、このシェーディング部96aの上側に位
置し、これによってシェーディング補正板96の誤動作
(誤回転)を防ぐことができるようになっている。
【0039】次に、単焦点レンズ36を保持する為のレ
ンズキャリッジ42の構成を、図9を参照して説明す
る。このレンズキャリッジ42は、図9に示す様に、光
軸と直交する方向に沿って延出するキャリッジ本体10
0を備え、このキャリッジ本体100の一側(即ち、ガ
イドシャフト52が配設された側)には、上述した軸受
部54のハウジング102が一体的に形成されている。
また、このキャリッジ本体100の他側(即ち、ガイド
シャフト52が配設された側とは反対側)には、ベース
プレート38の上面に摺接して、レンズキャリッジ42
の光軸方向に沿う摺動を許容する摺接面を下面に有した
スライド軸受板104が一体的に形成されている。
【0040】このキャリッジ本体100上には、単焦点
レンズ36が取り付けられるレンズホルダ106が、そ
の取付位置を調整可能な状態で取着されている。このレ
ンズホルダ106の上面には、図10に示す様に、単焦
点レンズ36が固定されるレンズ固定部108が配設さ
れている。また、このレンズホルダ106には、このレ
ンズ固定部108の光軸に直交する方向に沿う両側に位
置した状態で、厚さ方向に貫通した一対の位置決め穴1
10a,110bと、これら位置決め穴110a,11
0bに夫々近接した状態で、レンズホルダ106をキャ
リッジ本体100に固定する為の取り付けねじ112
a,112b(図2に示す)が夫々貫通される取り付け
穴114a,114bが形成されている。
【0041】ここで、これら位置決め穴110a,11
0bの一方の穴110aは、光軸に直交する方向に沿っ
て延出する長穴から構成されている。また、両位置決め
穴110a,110bの夫々の中心を結ぶ線分L1は、
レンズ固定部108における単焦点レンズ36の取り付
け軸線(即ち、単焦点レンズ36の光軸)L2と正確に
直交する様に予め設定されている。尚、両取り付け穴1
14a,114bは、対応する位置決め穴110a,1
10bと、光軸方向に直交する方向に沿って隣接すると
共に、光軸方向に沿って延出する長穴から夫々構成され
ている。
【0042】一方、このキャリッジ本体100の上面に
は、図9に示す様に、両取り付け穴114a,114b
を夫々貫通した取り付けねじ112a,112bが夫々
螺着されるねじ穴116a,116bが形成されてい
る。また、キャリッジ本体100の上面には、両位置決
め穴110a,110bに夫々連通する状態で、後述す
る位置決めピン118a,118bが夫々貫通される貫
通穴120a,120bが形成されている。これら位置
決めピン118a,118bは、夫々の先端が対応する
位置決め穴110a,110b内に緊密な状態で(即
ち、がたつきのない状態で)嵌入される様に形成されて
いる。
【0043】尚、これら位置決めピン118a,118
bは、図4に示す様に、ベースプレート38上に予め形
成された基準穴122a,122bに挿通され、夫々の
取り付け状態を保持される様に設定されている。ここ
で、これら基準穴122a,122bは、夫々に取り付
けられた位置決めピン118a,118bが、変倍率が
等倍状態にあるレンズキャリッジ42の対応する貫通穴
120a,120bを貫通することが出来る様に設定さ
れている。また、これら基準穴122a,122bは、
両者の中心を結ぶ線分L3が設計上の光軸と正確に直交
する様に設定されている。
【0044】この様に単焦点レンズ36のレンズキャリ
ッジ42に対する取り付け態様(即ち、調整構造)が設
定されているので、この変倍光学装置10の組み立て時
において、ベースプレート38上に形成された基準穴1
22a,122bに位置決めピン118a,118bを
夫々取り付け、先ず、これら位置決めピン118a,1
18bが対応する貫通穴120a,120bを貫通する
様に、予めガイドシャフト52に摺動自在に取り付けら
れたキャリッジ本体100を移動させ、その後、これら
位置決めピン118a,118bに対応する位置決め穴
110a,110bが嵌入する様に、レンズホルダ10
6をキャリッジ本体100上に載置し、この載置状態を
維持したままの状態で、この一対の取り付けねじ112
a,112bを介して、レンズホルダ106をキャリッ
ジ本体100上に取り付け固定することが出来ることに
なる。この結果、この様にしてキャリッジ本体100上
に取り付け固定されたレンズホルダ106に保持された
単焦点レンズ36は、その中心軸線を設計上の光軸に正
確に平行に設定された状態で取り付けられることにな
る。
【0045】即ち、この一実施例においては、単焦点レ
ンズ36を直接に保持するレンズホルダ106を、基準
となるベースプレート38に対して正確にその位置を規
定された状態で、具体的には、単焦点レンズ36の中心
軸線が光軸に正確に平行となる様に設定している。この
結果、ガイドシャフト52の光軸に対する平行度や、こ
のレンズホルダ106が取り付けられるキャリッジ本体
100のガイドシャフト52に対する直交度を正確に規
定する必要がなくなり、この変倍光学装置10の組み立
て性が大幅に向上することになる。また、従来、単焦点
レンズ36の位置決めをレーザビーム等を用いて光学的
に規定していたことと比較して、この一実施例において
は、機械的に規定することが出来ることとなり、この位
置決め調整の作業性が簡素化され、高価な測定装置を無
用にすることと共に、作業能率の向上を図ることが出
来、装置の低廉化を達成することが出来ることになる。
【0046】尚、レンズホルダ106の取付に用いられ
た一対の位置決めピン118a,118bは、この位置
決め作業の終了後、ベースプレート38から取り外され
るものである。
【0047】この様に構成されるレンズキャリッジ42
は、上述した様に、キャリッジ本体100に一体的に取
り付けられた軸受部54を介して、ガイドシャフト52
に光軸方向に沿って摺動自在に案内されている。この軸
受部54は、上述した様に、キャリッジ本体100に一
体成形されたハウジング102を備えている。このハウ
ジング102は、下面が開放された断面略コ字状に形成
されている。即ち、このハウジング102は、キャリッ
ジ本体100から一体的に延出した天板部102aと、
この天板部102aの光軸に直交する方向に沿う両端縁
から一体的に垂直に立ち下がった側壁部102b,10
2cとから構成されている。
【0048】また、このハウジング102は、図2から
も明らかな様に、キャリッジ本体100の光軸方向に沿
う長さよりも僅かに長い程度の光軸方向に沿う短さを有
して形成されている。このハウジング102は、図11
に示す様に、その光軸方向に沿う両端に、ガイドシャフ
ト52の上半部分を受ける為の上ガイド部124a,1
24bが夫々形成され、両上ガイド部124の直内側に
は、ガイドシャフト52の下半分を受ける為の下ガイド
部126a,126bが夫々形成されている。
【0049】ここで、各上ガイド部124a,124b
には、図12Aに示す様に、底面が開放され、ガイドシ
ャフト52が挿通される凹部128が各々形成されてい
る。各凹部128は、ガイドシャフト52の下半分が挿
通されると共に、底面が開放された矩形状の下部分12
8aと、この下部分128aの上側に連接され、ガイド
シャフト52の上半分が挿通されると共に、開放された
(下部分128aの矩形状の上面に連通する)下面を斜
辺とする直角二等辺三角形を呈する上部分128bとか
ら構成されている。一方、各下ガイド部126a,12
6bには、図12Bに示す様に、ガイドシャフト52が
挿通される透孔130が各々形成されている。各透孔1
30は、ガイドシャフト52の上半分が挿通される矩形
状の上部分130aと、この上部分130aの下側に連
接され、ガイドシャフト52の下半分が挿通されると共
に、開放された(上部分130aの矩形状の下面に連通
する)上面を斜辺とする直角二等辺三角形を呈する下部
分130bとから構成されている。
【0050】この結果、このハウジング102の両端面
には、図12Cに示す様に、上ガイド部124a,12
4bと夫々に隣接する下ガイド部126b,126bと
が組み合わされた状態で、ガイドシャフト52が光軸方
向に沿って挿通される正方形状の開口132が夫々設け
られることになる。尚、この開口132の正方形状は、
各々の辺が水平軸線または垂直軸線に対して45度で傾
斜する様に構成されることになる。
【0051】ここで、この一実施例においては、上述し
た様に、軸受部54のハウジング102の光軸方向に沿
う長さは、比較的短く設定されている。この様に光軸方
向に沿って比較的短いガイド長さであっても、これが取
り付けられるレンズキャリッジ42を確実に光軸方向に
沿って移動する様に案内する為、この一実施例において
は、上ガイド部124a,124bをガイドシャフト5
2の外周に弾性的に当接させるべく、1本のトーション
コイルばね134が配設されている。このトーションコ
イルばね134は、ハウジング102の光軸方向に沿う
略中央部に配設されている。
【0052】この様にトーションコイルばね134の弾
性力を利用して上ガイド部126a,126bとガイド
シャフト52とが弾性的に当接することになり、詳細に
は、ガイドシャフト52の外周面は、各上ガイド部12
4a,124bに形成された凹部128の上部分128
bの互いに直交する斜面に夫々当接することになる。こ
の様にして、このガイドシャフト52は、2点で各上ガ
イド部126a,126bに弾性的に当接することにな
り、この結果、光軸に直交する面内におけるレンズキャ
リッジ42の二次元位置を一義的に規定することが出来
ることになる。
【0053】このトーションコイルばね134は、この
一実施例においては、図13に示す様に、3回だけ巻回
され、ガイドシャフト52の外周に遊嵌されるコイル部
134aと、このコイル部134aから直線的に延出す
る端部134b,134cとから構成されている。ここ
で、これら端部134b,134cは、図13に示す様
に、これに何ら外力が作用しない状態において、両者が
比較的小さい鋭角を構成する様に延出する様に設定され
ている。
【0054】一方、上述したハウジング102の両側壁
102b,102cには、ハウジング102の光軸方向
に沿う略中央に位置した状態で、このトーションコイル
ばね134の両端部134b,134cが挿通される開
口136a,136bが夫々形成されている。これら開
口136a,136bには、図13に示す自然姿勢のト
ーションコイルばね134の両端部134b,134c
を、図14に示す様に、これらがなす角度を広げる様に
弾性変形させた状態で、対応する開口136a,136
bに挿通されている。この様に両端部134b,136
cが対応する開口136a,136b挿通されることに
より、これら両端部134b,136cは互いに接近す
る(閉じる)方向に弾性付勢力を発揮することとなる。
この結果、このトーションコイルばね134のコイル部
134aに挿通されたガイドシャフト52に対して、ハ
ウジング102は相対的に下方に向けて押し下げられる
様に付勢されることになる。
【0055】換言すれば、この様にトーションコイルば
ね134を用いる(装着)することにより、上述した様
な、このガイドシャフト52への、各上ガイド部126
a,126bの互いに直交する下面が2点で弾性的に当
接して、光軸に直交する面内における二次元位置を一義
的に規定することが確実に達成されることになる。即
ち、上述した様に、この一実施例においては、例え、軸
受部54のガイドシャフト52に対する光軸方向に沿う
軸支長さが短く設定されていても、このトーションコイ
ルばね134を用いることにより、確実に光軸方向に沿
って移動案内される状態が達成されることになる。
【0056】ここで、この様なトーションコイルばね1
34による軸受部54のガイドシャフト52に対する弾
性支持状態において、図14に示す様に、トーションコ
イルばね134のコイル部134a内に挿通されたガイ
ドシャフト52は、その外周面の下部において、コイル
部134aの内周面の下部に接触することとなる。即
ち、ガイドシャフト52とコイル部134aとの接触状
態は、理想的には、点接触となる。この結果、レンズキ
ャリッジ42の光軸方向に沿う移動に伴い、ガイドシャ
フト52とトーションコイルばね134のコイル部13
4aとは互いに摺動することになるが、その際の摩擦抵
抗は可及的に抑制され、特に、レンズキャリッジ42の
移動速度が遅い状態においては、実質的に無視すること
が出来る程度となる。
【0057】次に、上述した可動反射ミラー44,46
を保持する為のミラーキャリッジ48の構成を、図15
乃至図19を参照して説明する。
【0058】このミラーキャリッジ48は、レンズキャ
リッジ42と同様に、図15に示す様に、光軸と直交す
る方向に沿って延出するキャリッジ本体138を備え、
このキャリッジ本体138の一側(即ち、ガイドシャフ
ト52が配設された側)には、上述した軸受部56のハ
ウジング140が一体的に形成されている。また、この
キャリッジ本体138の他側(即ち、ガイドシャフト5
2が配設された側とは反対側)には、ベースプレート3
8の上面に摺接して、ミラーキャリッジ48の光軸方向
に沿う摺動を許容する摺接面を下面に有したスライド軸
受板142(図2に示す)が一体的に取り付けられてい
る。
【0059】このキャリッジ本体138には、ベースプ
レート38より上方の可動反射ミラー44で反射された
像光が、これより下方の可動反射ミラー46に向けて通
過することを許容する開口144が形成されている。こ
の開口144の一側縁には、上下一対の可動反射ミラー
44,46の一側部を夫々支持する為の一方のミラー支
持板146が起立して固定された状態で取り付けられて
いる。また、この開口144の他側縁には、上下一対の
可動反射ミラー44,46の他側部を夫々支持する為の
他方のミラー支持板148が、光軸方向に沿ってその取
付位置を調整可能に起立した状態で取り付けられてい
る。
【0060】詳細には、図16に示す様に、一方のミラ
ー支持板146には、可動反射ミラー44,46の一側
部が夫々挿通される支持開口150,152が形成され
ている。これら支持開口150,152の周縁の可動反
射ミラー44,46の表面(反射面)に対応する側に
は、対応する可動反射ミラー44,46の反射面を両端
の2点で支持する為の支持突起150a,150b;1
52a,152bが突出形成されている。これら支持突
起150a,150b;152a,152bが形成され
た周縁部と対向する周縁部と可動反射ミラー44,46
の裏面との間には、支持突起150a,150b;15
2a,152bに夫々対応した状態で、弾性変形可能な
押圧保持片154が押し入られている。これら押圧保持
片154の弾性変形による弾性復帰力で、可動反射ミラ
ー44,46を支持突起150a,150b;152
a,152bに押圧付勢することによってミラーキャリ
ッジ48の一方のミラー支持板146に、可動反射ミラ
ー44,46の一側部を保持しているものである。
【0061】一方、他方のミラー支持板148には、図
17に示す様に、可動反射ミラー44,46の他側部が
夫々挿通される支持開口156,158が形成されてい
る。これら支持開口156,158の周縁の可動反射ミ
ラー44,46の表面(反射面)に対応する側には、対
応する可動反射ミラー44,46の反射面を中央の1点
で支持する為の支持突起156a,158aが突出形成
されている。これら支持突起156a,158aが形成
された周縁部と対向する周縁部と可動反射ミラー44,
46の裏面との間には、支持突起156a,158aに
夫々対応した状態で、弾性変形可能な押圧保持片160
が押し入られている。これら押圧保持片160の弾性変
形による弾性復帰力で、可動反射ミラー44,46を支
持突起156a,158aに押圧付勢することによって
ミラーキャリッジ48の他方のミラー支持板148に、
可動反射ミラー44,46の他側部を保持しているもの
である。
【0062】この様にして、各可動反射ミラー44,4
6は、一側部において支持突起150a,150b;1
52a,152bによる2点で、他側部において支持突
起156a,158aによる1点で支持されることとな
り、所謂三点支持となって安定的に保持されているもの
である。
【0063】ここで、上述した様に、他方のミラー支持
板148は、キャリッジ本体138に対して光軸方向に
沿ってその位置を調整可能に取り付けられている。詳細
には、開口144の他側縁には、キャリッジ本体138
から立ち上がる様に折曲された取り付け片162が一体
的に設けられている。一方、他方のミラー支持板148
の両側縁には、その高さ方向略中央部に、キャリッジ本
体138の開口144の光軸方向に沿う両方の周縁部が
夫々嵌入されるスリット164,166が光軸方向に沿
って延出した状態で形成されている。そして、両スリッ
ト164,166間の光軸方向に沿う離間距離D1は、
開口144の光軸方向に沿う形成長さD2よりも僅かに
短く設定されている。この様にして、他方のミラー取り
付け板148は、この距離の差分(D2−D1)だけ光
軸方向に沿って移動可能な状態で、キャリッジ本体13
8に取り付けられることになる。
【0064】一方、他方のミラー支持板148には、取
り付け用のねじ穴168が形成されている。また、取り
付け片162には、取り付けねじ172(図2に示す)
が挿通される取り付け穴170が形成されている。この
取り付け穴170は、光軸方向に沿って延出する長穴か
ら形成されている。この結果、後述する位置決め動作に
より、上下一対の可動反射ミラー44,46の長手軸が
光軸に対して直交する状態に正確に位置決めされた状態
で、取り付けねじ172を介して他方のミラー支持板1
46を取り付け片162に固定することにより、これら
可動反射ミラー44,46の位置決めの固定動作が達成
される。
【0065】次に、この可動反射ミラー44,46長手
軸が光軸に対して直交する様に位置決めする為の位置決
め構造について説明する。
【0066】先ず、図16に示す様に、一方のミラー支
持板146については、上下一対の可動反射ミラー4
4,46の夫々の一側部を支持開口150,152に夫
々挿入し、その挿入状態を押圧支持片154により弾性
的に保持することにより、一方の支持開口150のキャ
リッジ本体138への取り付け面からの傾斜角度が、図
中時計方向に沿って45度、他方の支持開口152のキ
ャリッジ本体138への取り付け面からの傾斜角度が、
図中反時計方向に沿って45度と、所定の精度内となる
様に正確に管理された状態で取り付けられる様に設定さ
れている。また、下側の可動反射ミラー46の所定の基
準位置から一方のミラー支持板146の図中右側端縁1
46aまでの光軸方向に沿う距離が、所定の精度内とな
る様に正確に管理した状態で形成される様に設定されて
いる。
【0067】また、他方のミラー支持板148について
は、一方のミラー支持板146と同様にして、図17に
示す様に、上下一対の可動反射ミラー44,46の夫々
の他側部を支持開口156,158に夫々挿入し、その
挿入状態を押圧支持片160により弾性的に保持するこ
とにより、他方の支持開口156のキャリッジ本体13
8への取り付け面からの傾斜角度が、図中時計方向に沿
って45度、他方の支持開口158のキャリッジ本体1
38への取り付け面からの傾斜角度が、図中反時計方向
に沿って45度と、所定の精度内となる様に正確に管理
された状態で取り付けられる様に設定されている。ま
た、下側の可動反射ミラー46の所定の基準位置から他
方のミラー支持板148の図中右側端縁148aまでの
光軸方向に沿う距離が、所定の精度内となる様に正確に
管理した状態で形成される様に設定されている。
【0068】一方、両ミラー支持板146,148の夫
々の図中右側端縁146a,148aは、このミラーキ
ャリッジ48が全体的に挿通される様にベースプレート
38に形成された開口40の図中右側端縁に当接可能に
設定されている。ここで、この開口40の、両ミラー支
持板146,148の夫々の図中右側端縁146a,1
48aが夫々当接する部分40a,40bは、図4に示
す様に、光軸に直交する方向に沿って互いに整合した状
態となる様に、所定の精度内となる様に正確に管理され
た状態で形成される様に設定されている。尚、これら被
当接部分(即ち、位置決め部分)40a,40bは、ミ
ラーキャリッジ48の変倍動作時における移動範囲から
外れた位置に形成されている。
【0069】この様に可動反射ミラー44,46のミラ
ーキャリッジ48に対する取り付け態様(即ち、調整構
造)が設定されているので、この変倍光学装置10の組
立作業時において、ミラーキャリッジ48に両ミラー支
持板146,148を介して上下一対の可動反射ミラー
44,46を取り付けた状態で、上述した取り付けねじ
172を弛め、ミラキャリッジ48を図中右方にむけて
一杯に移動させることにより、他方のミラー支持板14
8はミラーキャリッジ138に対して光軸方向に沿って
移動自在になされているので、図18に示す様に、両ミ
ラー支持板146,148の夫々の図中右側端縁146
a,148aが、光軸に対して正確に直交する様に形成
された位置決め部分40a,40bに夫々同時に当接す
ることになる。この結果、両ミラー支持板146,14
8に取り付け支持されている上下一対の可動反射ミラー
44,46は、夫々の延出軸線を光軸に対して正確に直
交した状態となる。そして、取り付けねじ172を締め
ることにより、この直交状態が固定された状態で、上下
一対の可動ミラーキャリッジ44,46が取り付けられ
たミラーキャリッジ48が組み上げられることになる。
【0070】即ち、この一実施例においては、上下一対
の可動反射ミラー44,46を直接に保持する両ミラー
支持板146,148を、基準となるベースプレート3
8に対して正確にその位置を規定された状態で、具体的
には、両可動反射ミラー44,46の延出軸線が光軸に
対して正確に直交するように設定している。この結果、
上述したレンズキャリッジ42の場合と同様に、ガイド
シャフト52の光軸に対する平行度や、これらのミラー
支持板146,148が取り付けられるキャリッジ本体
138のガイドシャフト52に対する直交度を正確に規
定する必要がなくなり、この変倍光学装置10の組み立
て性が大幅に向上することになる。また、従来、両可動
反射ミラー44,46の位置決めをレーザビーム等を用
いて光学的に規定していたことと比較して、この一実施
例においては、基準面への当接という機械的に規定する
ことが出来ることとなり、この位置決め動作の作業性が
簡素化され、高価な測定装置を無用にすることと共に、
作業能率の向上を図ることが出来、装置の低廉化を達成
することが出来ることになる。
【0071】次に、上述した駆動モータ60の回転駆動
力をミラーキャリッジ48に直線駆動力として伝達する
為の第2の駆動力伝達機構64を構成するミラー連結板
94の、ミラーキャリッジ48への取り付け態様を説明
する。
【0072】先ず、図15に示す様に、上述したミラー
キャリッジ48のキャリッジ本体138の一側部に一体
的に連結された軸受部56のハウジング140には、ミ
ラー連結板94の図2における右側端部が取り付けられ
る一対の取り付け穴174a,174bが形成されてい
る。この取り付け穴174a,174bは、光軸方向に
直交する方向に沿って延出する長穴から夫々構成されて
いる。一方、ミラー連結板94の図中右側端部には、対
応する取り付け穴174a,174bを夫々挿通した取
り付けねじ176a,176b(図2に示す)が螺着す
るねじ穴が図示していないが形成されている。
【0073】この様にして、このミラー連結板94の図
中右側端部を軸受部56のハウジング140の下面に重
ね合わせた状態で、一対の取り付けねじ176a,17
6bを対応する取り付け穴174a,174bを夫々挿
通させた状態で、対応するねじ穴に螺着することによ
り、ミラー連結板94は軸受部56のハウジング140
に、換言すれば、ミラーキャリッジ48に一体的に接合
されることになる。一方、これら取り付けねじを弛める
ことにより、ミラー連結板94は、光軸に直交する方向
に沿って移動可能な状態となる。
【0074】以上の様にミラー連結板94のミラーキャ
リッジ48への取り付け態様が構成されているので、以
下に説明する様にして、単焦点レンズ36の焦点距離の
誤差や、機構部品の製作上の誤差等が発生した場合にお
いても、簡単な調整動作で、光学特性を設計上の特性に
正確に一致させることが出来ることになる。
【0075】即ち、上述した様に、単焦点レンズ36を
レンズキャリッジ42に搭載して、その中心軸線を光軸
と正確に平行となる様に調整し、また、上下一対の可動
反射ミラー44,46を左右のミラー支持板146,1
48を介してミラーキャリッジ48に搭載して、その長
手軸が光軸に対して正確に直交する様に調整した後、上
述した取り付けねじ176a,176bを弛めて、ミラ
ー連結板94を水平面内で光軸に直交する方向に沿って
移動可能とする。
【0076】この状態において、ミラー連結板94を例
えば作業者により手動で移動駆動することにより、この
ミラー連結板94の先端(図中左側端部)に嵌合固定さ
れた摺動ピン92の、レバー84の長い方のアーム部8
4bの先端に形成された長孔90への嵌入位置が変更さ
れることになる。
【0077】詳細には、このミラー連結板94を光軸に
直交する方向に沿って移動させようとすると、図7Aに
示す様に、変倍率が等倍である場合には、長孔90が光
軸に直交する方向に沿って延出しているので、例え、ミ
ラー連結板94が光軸に直交する方向に沿って移動した
としても、これが連結されるミラーキャリッジ48の光
軸方向の位置は変化しないことになる。一方、図7Bに
示す様に、変倍率が拡大側に移っている場合には、長孔
90が光軸に直交する方向に対して傾斜しており、且
つ、この長孔90が形成されたレバー84は、これに取
り付けられたカムフォロア86がカムプレート80のカ
ム溝82に嵌合しているので、その位置を固定された状
態となっているので、この長孔90の傾斜に沿って、ミ
ラー連結板94は斜めに移動する様に強制されることに
なる。この結果、このミラー連結板94が連結されたミ
ラーキャリッジ48は光軸方向に沿って移動させられる
ことになる。この様にして、この嵌入位置の変更に伴
い、レンズキャリッジ42とミラーキャリッジ48との
間の離間距離が微小に変更され、見かけ上のレバー比が
変更されることになる。また、図7Cに示す様に、変倍
率が縮小側に移っている場合にも、上述した様に拡大側
に移っている場合と同様に、見かけ上のレバー比が変更
されることになる。この様にして、この一実施例におい
ては、ミラー連結板94を光軸方向に沿って移動させる
ことにより、等倍時と拡大時、または、等倍時と縮小時
における光学位置関係が変更されることとなり、上述し
た光学特性が設計上の光学特性に正確に一致する様に調
整されることになる。
【0078】次に、ミラーキャリッジ48をガイドシャ
フト52を介して光軸方向に沿って摺動自在に軸支する
為の軸受部56の構成を、図19を参照して説明する。
【0079】この軸受部56は、図15を参照して上述
した様に、ミラーキャリッジ48のキャリッジ本体13
8に一体的に形成されたハウジング140を備えてい
る。このハウジング140は、図15から明らかな様
に、その光軸方向に沿う長さをこれが接合されたキャリ
ッジ本体138の軸方向に沿う長さよりも僅かに短くな
る様に設定されている。また、このハウジング140の
光軸方向に沿う両端部には、図19に示す様に、ガイド
シャフト52の上半部分を受ける為の上ガイド部178
a,178bが一体的に立ち下がった状態で夫々取り付
けられている。各上ガイド部178a,178bには、
底面が開放され、ガイドシャフト52が挿通される凹部
180が形成されている。各凹部180は、ガイドシャ
フト52の下半分が挿通されると共に、底面が開放され
た矩形状の下部分180aと、この下部分180aの上
側に連接され、ガイドシャフト52の上半分が挿通され
ると共に、開放された(下部分180aの矩形状の上面
に連通する)下面を斜辺とする直角二等辺三角形を呈す
る上部分180bとから構成されている。
【0080】ここで、この一実施例においては、上述し
た様に、軸受部56のハウジング140の光軸方向に沿
う長さは、比較的短く設定されている。この様に光軸方
向に沿って比較的短いガイド長さであっても、これが取
り付けられるミラーキャリッジ48を確実に光軸方向に
沿って移動する様に案内する為、この一実施例において
は、軸受部56のハウジング140をこれの中心を通る
垂直面内で、図3における斜め右下方向に付勢する為の
1本のコイルスプリング182が配設されている。即
ち、このコイルスプリング182は、ハウジング140
を光軸方向に沿って図2中右方に付勢する分力と、下方
に付勢する分力とを同時に発揮することになる。
【0081】尚、このコイルスプリング182の上端
は、図15に示すキャリッジ本体138の上面に形成さ
れた一対の係止溝184a,184bを介してハウジン
グ140に係止され、その下端は、ベースプレート38
の下面に一体的に取り付けられた係止片186に係止さ
れている。このコイルスプリング182は、光軸を通る
垂直面内で延出する様に、その係止位置を設定されてい
る。
【0082】この様にコイルスプリング182の下方に
作用する付勢力を利用して、上ガイド部178a,17
8bとガイドシャフト52とが弾性的に当接することと
なり、詳細には、ガイドシャフト52の外周面は、各上
ガイド部178a,178bに形成された凹部180の
上部分180bの互いに直交する斜面に夫々弾性的に当
接することになる。この様にして、このガイドシャフト
52は、2点で各ガイド部178に弾性的に当接するこ
ととなり、この結果、光軸に直交する面内におけるミラ
ーキャリッジ48の二次元位置を一義的に規定すること
が出来ることになる。
【0083】この様に、この一実施例においては、レン
ズキャリッジ42の軸受部54の光軸方向に沿う長さ
と、ミラーキャリッジ48の軸受部56の光軸方向に沿
う長さとを、共に、短く設定することが出来ることにな
る。この為、レンズキャリッジ42及びミラーキャリッ
ジ48が変倍制御機構58の変倍動作に応じて光軸方向
に夫々移動駆動されたとしても、両者が互いに干渉する
ことがなくなり、この結果、1本のガイドシャフト52
を共通に使用した状態で、夫々が光軸方向に沿って摺動
自在に案内される構成が達成されることになる。
【0084】この様に、この一実施例によれば、レンズ
キャリッジ42を光軸方向に沿って摺動自在に案内する
為のガイドシャフトと、ミラーキャリッジ48を光軸方
向に沿って摺動自在に案内する為のガイドシャフトと
を、夫々の軸受部54,56の光軸方向に沿う長さを短
く設定することにより、1本のガイドシャフト52で共
通化することが出来、この様に部品点数を減少させるこ
とにより、コストの低減を達成することが出来ることに
なる。
【0085】一方、このミラーキャリッジ48は、上述
したコイルスプリング182の光軸方向に沿って図中右
方に向かう付勢力により、常に、レンズキャリッジ42
から離れる方向に移動する様に付勢されることになる。
この結果、このミラーキャリッジ48に一体的に連接さ
れたミラー連結板94の先端に嵌合固定された摺動ピン
92は、レバー84の長い方のアーム部84bの先端に
形成された長孔90内で、常に図中右方に向かう付勢力
を受け、ミラーキャリッジ48側の端縁に弾性的に当接
する状態を維持されることになる。
【0086】この結果、この一実施例においては、各駆
動系を構成する部品の係合部に存在するクリアランス、
例えば、摺動ピン92の長孔90内への嵌入状態で発生
する両者の間のクリアランスが吸収されることとなり、
変倍動作がガタつきなく円滑に実行されることになる。
【0087】この考案は、上述した一実施例の構成に限
定されることなく、この考案の要旨を逸脱しない範囲
で、種々変形可能であることは言うまでも無い。
【0088】例えば、上述した一実施例において、レン
ズキャリッジ42をガイドシャフト52に対して摺動自
在に案内する軸受部54に用いられるトーションコイル
ばね134は、3巻のコイル部134aを備える様に説
明したが、この考案は、この様な構成に限定されること
なく、例えば、1巻でも良いし、その巻き数は幾つでも
良い。
【0089】また、上述した一実施例においては、上述
した軸受部54は上ガイド部124a,124bと共
に、下ガイド部126a,126bを備える様に説明し
たが、この考案は、この様な構成に限定されることな
く、例えば、下ガイド部を省略した構成、換言すれば、
ミラーキャリッジ48をガイドシャフト52に対して摺
動自在に案内する軸受部56の構成と同様に、ガイドシ
ャフト52の上半部分が当接する上ガイド部のみを備え
る様に構成しても良いものである。
【0090】
【考案の効果】以上詳述した様に、この考案に係る変倍
光学装置は、請求項1の記載に従えば、単焦点レンズ
と、この単焦点レンズ及び結像面の間に介設されたミラ
ーとを、光軸方向に沿って移動して、原稿面から単焦点
レンズ迄の距離及び単焦点レンズから結像面迄の距離を
適宜変化させることによって、結像の原稿像に対する比
率を可変とする変倍光学装置において、ベースプレート
と、このベースプレート上に固定され、光軸方向に沿っ
て延出するガイドシャフトと、前記単焦点レンズが搭載
されるレンズキャリッジと、前記単焦点レンズが保持さ
れ、前記レンズキャリッジにその取付位置を調整可能に
取り付けられるレンズホルダとを具備し、前記ベースプ
レートには、前記レンズホルダをレンズキャリッジに取
り付ける際に、前記単焦点レンズの中心軸線が前記光軸
に平行となる様に位置決めする為の基準穴が形成されて
いることを特徴としている。
【0091】また、この考案に係わる変倍光学装置は、
請求項6の記載に従えば、単焦点レンズと、この単焦点
レンズ及び結像面の間に介設されたミラーとを、光軸方
向に沿って移動して、原稿面から単焦点レンズ迄の距離
及び単焦点レンズから結像面迄の距離を適宜変化させる
ことによって、結像の原稿像に対する比率を可変とする
変倍光学装置において、ベースプレートと、このベース
プレート上に固定され、光軸方向に沿って延出するガイ
ドシャフトと、前記ミラーが搭載されるミラーキャリッ
ジと、このミラーキャリッジに固定され、前記ミラーの
一端を支持する一方のミラーサポートと、前記ミラーキ
ャリッジに前記光軸方向に沿って移動可能に取り付けら
れ、前記ミラーの他端を支持する他方のミラーサポート
とを具備し、前記ベースプレートには、前記他方のミラ
ーサポートをミラーキャリッジに取り付ける際に、前記
両ミラーサポートが夫々当接して、前記ミラーの延出軸
線が前記光軸に直交する様に位置決めする為の位置決め
部が形成されていることを特徴としている。
【0092】また、この考案に係わる変倍光学装置は、
請求項8の記載に従えば、単焦点レンズと、この単焦点
レンズ及び結像面の間に介設されたミラーとを、光軸方
向に沿って移動して、原稿面から単焦点レンズ迄の距離
及び単焦点レンズから結像面迄の距離を適宜変化させる
ことによって、結像の原稿像に対する比率を可変とする
変倍光学装置において、前記単焦点レンズを支持し、光
軸方向に沿って移動可能に配設されたレンズキャリッジ
と、前記ミラーを支持し、光軸方向に沿って移動可能に
配設されたミラーキャリッジと、前記レンズキャリッジ
及びミラーキャリッジとの相関関係を規定するカム手段
と、前記レンズキャリッジ及びミラーキャリッジの光軸
方向に沿う離間距離を調整する調整手段とを具備するこ
とを特徴としている。
【0093】従って、この考案によれば、レンズまたは
ミラーの光軸に対する位置決めを簡単、且つ、確実に達
成することの出来る変倍光学装置が提供されることにな
る。
【0094】また、この考案によれば、光学特性を設計
上の特性に一致する様に、簡単に調整することの出来る
変倍光学装置が提供されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に係る変倍光学装置の一実施例が適用
される電子写真装置の概略構成を示す正面断面図であ
る。
【図2】この考案に係わる変倍光学装置の一実施例の構
成を示す平面図である。
【図3】図2に示す変倍光学装置の構成を示す正面断面
図である。
【図4】変倍光学装置を構成するベースプレートの平面
形状を取り出して示す平面図である。
【図5】変倍光学装置を構成するギヤリング、駆動プー
リ、カムプレートの一体形成状態を示す斜視図である。
【図6】単焦点レンズ36とミラーキャリッジ48との
変倍率に対する移動量の関係を示す線図である。
【図7A】カム溝形状とレバーとの揺動関係を変倍率が
等倍状態で示す平面図である。
【図7B】カム溝形状とレバーとの揺動関係を変倍率が
拡大側にある状態で示す平面図である。
【図7C】カム溝形状とレバーとの揺動関係を変倍率が
縮小側にある状態で示す平面図である。
【図8】シェーディング補正板の構成を取り出して示す
斜視図である。
【図9】レンズキャリッジのキャリッジ本体の構成を示
す平面図である。
【図10】レンズホルダの構成を示す平面図である。
【図11】レンズキャリッジ用軸受部のハウジングの構
成を示す正面断面図である。
【図12A】上ガイド部の形成状態を示す為の、図11
におけるA−A線に沿って切断した状態で示す側断面図
である。
【図12B】下ガイド部の形成状態を示す為の、図11
におけるB−B線に沿って切断した状態で示す側断面図
である。
【図12C】レンズキャリッジ用軸受部へのガイドシャ
フトの挿通状態を示す側面図である。
【図13】トーションコイルばねを、これの自然状態で
示す正面図である。
【図14】トーションコイルばねを、レンズキャリッジ
用軸受部に装着した状態で示す側面図である。
【図15】ミラーキャリッジのキャリッジ本体の構成を
示す平面図である。
【図16】ミラーキャリッジに固定される一方のミラー
支持板の構成を示す正面図である。
【図17】ミラーキャリッジに固定される他方のミラー
支持板の構成を示す正面図である。
【図18】ミラーキャリッジ用の軸受部の構成を示す側
面図である。
【図19】ミラーキャリッジをガイドシャフトを介して
光軸方向に沿って摺動自在に軸支する為の軸受部の構成
を示す断面図である。
【符号の説明】
10 変倍光学装置 12 電子複写装置 14 筐体 16 プラテンガラス 18 電子複写機構 20 感光ドラム 22 走査光学系 24 ランプ 26 第1の反射ミラー 28 第2の反射ミラー 30 第3の反射ミラー 32 全速ユニット 34 半速ユニット 36 単焦点レンズ 38 ベースプレート 40 開口 40a;40b 被当接部分(即ち、位置決め部分) 42 レンズキャリッジ 44;46 可動反射ミラー 48 ミラーキャリッジ 50 固定反射ミラー 52 ガイドシャフト 54 レンズキャリッジ用軸受部 56 ミラーキャリッジ用軸受部 58 変倍制御機構 60 駆動モータ 62 第1の駆動力伝達機構 64 第2の駆動力伝達機構 66 駆動ギヤ 68 ギヤリング 70 支軸 72 駆動プーリ 74;76 従動プーリ 78 伝達ワイヤ 80 カムプレート 82 カム溝 84 レバー 84a;84b アーム部 86 カムフォロア 88 支軸 90 長孔 92 摺動ピン 94 ミラー連結板 96 シェーディング補正板 96a シェーディング部 96b 操作部 96c シャフト部 98 遮光フィルム 100 キャリッジ本体 102 ハウジング 102a 天板部 102b;102c 側壁部 104 スライド軸受板 106 レンズホルダ 108 レンズ固定部 110a;110b 位置決め穴 112a;112b 取り付けねじ 114a;114b 取り付け穴 116a;116b ねじ穴 118a;118b 位置決めピン 120a;120b 貫通穴 122a;122b 基準穴 124a;124b 上ガイド部 126a;126b 下ガイド部 128 凹部 130 透孔 132 開口 134 トーションコイルばね 134a コイル部 134b;134c 端部 136a;136b 開口 138 キャリッジ本体 140 ハウジング 142 スライド軸受板 144 開口 146 一方のミラー支持板 146a 右側端縁 148 他方のミラー支持板 148a 右側端縁 150;152 一方の支持開口 150a,150b;152a,152b 一方の支
持突起 154 一方の押圧支持片 156;158 他方の支持開口 156a;158a 他方の支持突起 160 他方の押圧支持片 162 取り付け片 164;166 スリット 168 ねじ穴 170 取り付け穴 172 取り付けねじ 174a;174b 取り付け穴 176a;176b 取り付けねじ 178 ガイド部 180 凹部 182 コイルスプリング 184a;184b 係止溝 186 係止片である。

Claims (9)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】単焦点レンズと、この単焦点レンズ及び結
    像面の間に介設されたミラーとを、光軸方向に沿って移
    動して、原稿面から単焦点レンズ迄の距離及び単焦点レ
    ンズから結像面迄の距離を適宜変化させることによっ
    て、結像の原稿像に対する比率を可変とする変倍光学装
    置において、 ベースプレートと、 このベースプレート上に固定され、光軸方向に沿って延
    出するガイドシャフトと、 前記単焦点レンズが搭載されるレンズキャリッジと、 前記単焦点レンズが保持され、前記レンズキャリッジに
    その取付位置を調整可能に取り付けられるレンズホルダ
    とを具備し、 前記ベースプレートには、前記レンズホルダをレンズキ
    ャリッジに取り付ける際に、前記単焦点レンズの中心軸
    線が前記光軸に平行となる様に位置決めする為の基準穴
    が形成されていることを特徴とする変倍光学装置。
  2. 【請求項2】前記基準穴は、光軸に対して所定の精度内
    で直交する方向に沿って互いに離間した一対の穴から構
    成されていることを特徴とする請求項1に記載の変倍光
    学装置。
  3. 【請求項3】前記レンズホルダには、前記一対の基準穴
    に連通する一対の位置決め穴が形成され、 この一対の位置決め穴は、このレンズホルダに保持され
    る前記単焦点レンズの中心軸線に対して所定の精度内で
    直交する方向に沿って互いに離間して配設されることを
    特徴とする請求項2に記載の変倍光学装置。
  4. 【請求項4】前記両基準穴には、位置決め時に、位置決
    めピンが挿入され、 両位置決めピンを対応する位置決め穴内に挿入すること
    により、前記レンズホルダを光軸に対して所定の精度内
    で位置決めすることを特徴とする請求項3に記載の変倍
    光学装置。
  5. 【請求項5】前記レンズキャリッジには、前記位置決め
    ピンが夫々遊嵌される挿通孔が形成されていることを特
    徴とする請求項4に記載の変倍光学装置。
  6. 【請求項6】単焦点レンズと、この単焦点レンズ及び結
    像面の間に介設されたミラーとを、光軸方向に沿って移
    動して、原稿面から単焦点レンズ迄の距離及び単焦点レ
    ンズから結像面迄の距離を適宜変化させることによっ
    て、結像の原稿像に対する比率を可変とする変倍光学装
    置において、 ベースプレートと、 このベースプレート上に固定され、光軸方向に沿って延
    出するガイドシャフトと、 前記ミラーが搭載されるミラーキャリッジと、 このミラーキャリッジに固定され、前記ミラーの一端を
    支持する一方のミラーサポートと、 前記ミラーキャリッジに前記光軸方向に沿って移動可能
    に取り付けられ、前記ミラーの他端を支持する他方のミ
    ラーサポートとを具備し、 前記ベースプレートには、前記他方のミラーサポートを
    ミラーキャリッジに取り付ける際に、前記両ミラーサポ
    ートが夫々当接して、前記ミラーの延出軸線が前記光軸
    に直交する様に位置決めする為の位置決め部が形成され
    ていることを特徴とする変倍光学装置。
  7. 【請求項7】前記位置決め部は、前記両ミラーサポート
    が夫々当接する一対の当接面を備え、 これら当接面は、前記光軸に対して所定の精度内で直交
    する面内で延出する様に配設されていることを特徴とす
    る請求項6に記載の変倍光学装置。
  8. 【請求項8】単焦点レンズと、この単焦点レンズ及び結
    像面の間に介設されたミラーとを、光軸方向に沿って移
    動して、原稿面から単焦点レンズ迄の距離及び単焦点レ
    ンズから結像面迄の距離を適宜変化させることによっ
    て、結像の原稿像に対する比率を可変とする変倍光学装
    置において、 前記単焦点レンズを支持し、光軸方向に沿って移動可能
    に配設されたレンズキャリッジと、 前記ミラーを支持し、光軸方向に沿って移動可能に配設
    されたミラーキャリッジと、 前記レンズキャリッジ及びミラーキャリッジとの相関関
    係を規定するカム手段と、 前記レンズキャリッジ及びミラーキャリッジの光軸方向
    に沿う離間距離を調整する調整手段とを具備することを
    特徴とする変倍光学装置。
  9. 【請求項9】前記カム手段は、カム溝が形成され、回転
    駆動されるカムプレートと、 このカム溝に係合するカムフォロアを一端に備え、他端
    に長溝が形成され、折曲部で揺動自在に支持された略L
    字状のレバーと、 前記レンズキャリッジ及びミラキャリッジの一方に取り
    付けられ、先端に前記長溝に嵌合し、これの延出方向に
    沿って摺動するピンが取り付けられた連結部材とを備
    え、 前記調整手段は、前記レンズキャリッジ及びミラキャリ
    ッジの一方への前記連結部材の取り付け部を、光軸に略
    直交する方向に沿って移動自在とすることを特徴とする
    請求項8に記載の変倍光学装置。
JP8818592U 1992-11-30 1992-11-30 変倍光学装置 Expired - Fee Related JP2584022Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8818592U JP2584022Y2 (ja) 1992-11-30 1992-11-30 変倍光学装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8818592U JP2584022Y2 (ja) 1992-11-30 1992-11-30 変倍光学装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0659854U JPH0659854U (ja) 1994-08-19
JP2584022Y2 true JP2584022Y2 (ja) 1998-10-30

Family

ID=13935850

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8818592U Expired - Fee Related JP2584022Y2 (ja) 1992-11-30 1992-11-30 変倍光学装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2584022Y2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5515802B2 (ja) * 2010-02-02 2014-06-11 セイコーエプソン株式会社 読取装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0659854U (ja) 1994-08-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5430516A (en) Driving apparatus of camera
US8026972B2 (en) Picture-taking lens unit
US6437911B1 (en) Objective changing-over apparatus
JP2002236247A (ja) バリフォーカルレンズ鏡筒及びレンズ繰出機構
JP2003156670A (ja) 調節可能なレンズアセンブリ
JP2584022Y2 (ja) 変倍光学装置
JP2584023Y2 (ja) 変倍光学装置
JPS6057335A (ja) 複写機の変倍装置
JP4245907B2 (ja) カメラ
JP4274778B2 (ja) カメラ
JPH0618962A (ja) ファインダの視野調整装置
JP2783482B2 (ja) 画像読取装置
JPH058595Y2 (ja)
JP2563200B2 (ja) 複写機の変倍光学装置
JPH10111593A (ja) 複写機の変倍光学装置
JP2606943Y2 (ja) ファインダの視差調整機構
JPH073373Y2 (ja) ピント調整機構
JP3473126B2 (ja) ズーム照明装置
JPS59218414A (ja) 原稿変倍読取装置
JPH08201673A (ja) レンズの偏心調整装置及びそれを用いた視差調整装置
JPH07219063A (ja) ズームレンズ装置
JP2520247Y2 (ja) 光量調整装置
JP3601725B2 (ja) 移動部材のガイド軸固定構造
US5313250A (en) Movement controlling device
JPH0933678A (ja) ステージ装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees