JP2583995B2 - テープレコーダ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、磁気テープをピンチローラによりキャプス
タンに圧接して駆動するテープレコーダに関するもので
ある。

従来の技術 近年、テープレコーダにおいては、録音した曲等の頭
出しを行うために磁気ヘッドを磁気テープに接触させ、
録音された信号を検出しながら早送り、巻戻し操作を行
うことが多くなっている。

以下図面を参照しながら従来のテープレコーダについ
て説明する。

第３図は従来のテープレコーダを示し、ａ図はピンチ
ローラがキャプスタンに圧接された状態、ｂ図はピンチ
ローラがキャプスタンより離間した状態を示している。
ここで１は基板、２はピンチローラアーム、３はピンチ
ローラ、４はヘッド基板、５は磁気ヘッド、６はキャプ
スタン、７はピンチアームばね、８はカセットテープで
ある。第３図ａにおいてヘッド基板４上に設けられたピ
ンチローラアーム２との当接部4aはピンチローラアーム
２の当接部2aとわずかなすき間をもって配置され、ピン
チローラ３はヘッド基板４上に設けられたピンチローラ
付勢部材4bがピンチアームばね７を撓ませることにより
ピンチローラ３を磁気テープ8aを介してキャプスタン６
に圧接させている。第３図ｂはヘッド基板４を同ａ図で
示した位置より下方へ移動させた状態でヘッド基板４上
に設けた当接部4aはピンチローラアーム２の当接部2aと
当接し、ピンチローラ３をキャプスタン６より離間させ
るようになっている。

発明が解決しようとする課題 しかし、従来装置では、磁気ヘッドが磁気テープより
離れない程度のわずかなヘッド基板の移動でピンチロー
ラをキャプスタンより十分に離間させることが困難であ
る。そのため磁気ヘッドを磁気テープに接触させ、録音
された信号を検出しながらピンチローラをキャプスタン
から離間し早送り、巻戻し操作を行う曲等の頭出しが難
しいという欠点があった。

課題を解決するための手段 上記の課題を解決するために本発明のテープレコーダ
は、基板に回動可能に取付けられたピンチローラアーム
と、前記ピンチローラアームの先端付近に回動可能に支
持されたピンチローラと、磁気ヘッドを支持し磁気テー
プ面と略垂直方向に摺動するよう前記基板に支持された
ヘッド基板とを備え、前記ヘッド基板には、前記磁気ヘ
ッドが前記磁気テープより離間する方向の移動で前記ピ
ンチローラアームの当接し前記ピンチローラを前記キャ
プスタンより離間させるように当接部を設け、前記ピン
チローラアームの前記ヘッド基板との当接部は前記ピン
チローラの前記キャプスタンよりの離間量を増加させる
ように前記ヘッド基板当接部方向に突出した傾斜部で構
成したものである。

作用 上記の構成によれば、磁気ヘッドが磁気テープより離
れない程度の少ないヘッド基板の動きでピンチローラを
キャプスタンより十分に離すことが出来るため、録音さ
れた信号を検出しながらもリール台による早送り、巻戻
し操作が安定して行なえる。これにより録音された曲等
の頭出しが確実に行なえる。さらに製造工程において
も、ピンチローラのキャプスタンからの離間量が多いの
で部品ばらつきによる離間不良が防止出来る。またヘッ
ド基板とピンチローラアームが直接当接するため別部品
を利用して離間量を増大させることが不要でシンプルな
構成となりコストダウンが可能となる。

実 施 例 以下、本発明の一実施例について図面に基き説明す
る。第１図に本発明の一実施例を示す。第１図において
基板１にピンチローラアーム２が回転中心2bを中心に回
動可能に取付けてある。ピンチローラアーム２の先端部
2cには回転可能にピンチローラ３が取付けてある。ヘッ
ド基板４は上下方向に摺動出来るよう基板１のガイド部
1bによって支持されており、ヘッド基板４が上下に摺動
することにより磁気ヘッド５を磁気テープ8aに接離可能
にしている。第２図は第１図で示した本発明の部分拡大
図である。第２図ａはヘッド基板４が上がっている状態
を示している。この時、ヘッド基板４に設けられたピン
チローラ付勢部材4bがピンチアームばね７を撓ませるこ
とによりピンチローラ３を磁気テープ8aを介してキャプ
スタン６に圧接させている。キャプスタン６を一定速度
で回転させることにより磁気テープ8aは駆動され、信号
の再生，録音が行なわれる。第２図ｂは同ａ図の状態か
らヘッド基板４が下がった状態を示している。この時、
ヘッド基板４に設けられたピンチローラ３をキャプスタ
ン６から離間させるための当接部4aがピンチローラアー
ムの当接部2aと当接し、ピンチローラ３をキャプスタン
６から離間させるようになっている。ピンチローラアー
ム２の等接部2aは斜面となっているため、ヘッド基板４
がわずかに下がっただけでもピンチローラアーム２は大
きく回動させられ、ピンチローラ３のキャプスタン６の
離間量は大きくなる。この状態で磁気ヘッド５は磁気テ
ープ8aに接触しており、磁気テープ8aの信号を検出しな
がら早送り、巻き戻しが行なわれる。

発明の効果 以上のように本発明は、磁気テープをピンチローラに
よりキャプスタンに圧接して駆動するテープレコーダに
おいて、基板に回動可能に取付けられたピンチローラア
ームと、このピンチローラアームの先端付近に回動可能
に支持されたピンチローラと、磁気ヘッドを支持し磁気
テープ面と略垂直方向に摺動するよう基板に支持された
ヘッド基板とを備え、ヘッド基板には磁気ヘッドが磁気
テープより離間する方向の移動でピンチローラアームと
当接しピンチローラをキャプスタンより離間させるよう
に当接部を設け、ピンチローラアームのヘッド基板との
当接部はピンチローラのキャプスタンよりの離間量を増
加させるようにヘッド基板当接部方向に突出した傾斜部
によって形成してあるので、磁気ヘッドが磁気テープよ
り離れない程度の少ないヘッド基板の動きでピンチロー
ラをキャプスタンより十分に離すことが出来る。このた
め、録音された信号を検出しながらもリール台による早
送り、巻戻し操作が安定して行なえる。これにより録音
された曲等の頭出しが確実に行なえる。さらに製造工程
においても、ピンチローラのキャプスタンからの離間量
が多いので部品ばらつきによる離間不良を防止出来る。
またヘッド基板とピンチローラアームが直接当接するた
め部品品を利用して離間量を増大させることが不要でシ
ンプルな構成とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のテープレコーダの一実施例を示す平面
図、第２図a,bは同テープレコーダの部分拡大図、第３
図a,bは従来のテープレコーダの要部平面図である。 １……基板、２……ピンチローラアーム、2a……当接
部、３……ピンチローラ、４……ヘッド基板、4a……当
接部、５……磁気ヘッド、６……キャプスタン、７……
ピンチアームばね、８……カセットテープ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気テープをピンチローラによりキャプス
   タンに圧接して駆動するテープレコーダであって、基板
   に回動可能に取付けられたピンチローラアームと、前記
   ピンチローラアームの先端付近に回動可能に支持された
   ピンチローラと、磁気ヘッドを支持し磁気テープ面と略
   垂直方向に摺動するよう前記基板に支持されたヘッド基
   板とを備え、前記ヘッド基板には、前記磁気ヘッドが前
   記磁気テープより離間する方向の移動で前記ピンチロー
   ラアームと当接し前記ピンチローラを前記キャプスタン
   より離間させるように当接部を設け、前記ピンチローラ
   アームの前記ヘッド基板との当接部は前記ピンチローラ
   の前記キャプスタンよりの離間量を増加させるように前
   記ヘッド基板当接部方向に突出した傾斜部によって形成
   したことを特徴とするテープレコーダ。