JP2583654B2 - 低温靭性に優れた高ヤング率構造用鋼板の製造方法 - Google Patents

低温靭性に優れた高ヤング率構造用鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、低温靱性に優れ且つ、圧延方向に直角な方
向(以下C方向と称す)のヤング率を飛躍的に向上せし
めた構造用鋼板の製造方法に関するものである。
<従来の技術> 一般に鋼板の剛性は、形状が一定ならばヤング率に比
例する。
従来鋼においては、単結晶や電磁鋼板のような特殊な
例を除くとヤング率はほぼ21000kgf/mm2で一定と考えら
れ、特に注目すべき材質特性とは見なされていなかっ
た。
しかしながら近年、使用上の特定方向の剛性向上が求
められ、これにC方向高ヤング率鋼板のC方向を適用す
ることが検討されている。
この方法によると、板厚の増大や、形状の変更を行う
ことなしに構造物の剛性を高めることが可能である。
一方、高ヤング率鋼材の製造方法に関する提案は種々
あり、その何れもが二相域あるいはフェライト域での圧
延加工により圧延集合組織を発達させ、鋼板特定方向の
ヤング率を向上させるものである。
例えば特公昭58−14849号公報に、高ヤング率鋼材の
製造法が開示されている。ここに開示された高ヤング率
鋼材は、化学成分を規定した鋼を二相域圧延し、圧延仕
上げ後300℃までの冷却速度を制御し、次いで700℃以下
の温度で焼戻すことにより、C方向のヤング率を約10%
程度高めうることが示されている。
また、特公昭62−4448号公報には、Cを0.03重量%未
満とした鋼を、Ar3以下600℃以上の温度範囲での圧下率
を規定し、450℃以上720℃以下で巻取ることにより、最
高24300kgf/mm2までC方向のヤング率を高める方法が記
載されている。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、前記した提案は何れも実用時に次に述
べる様な問題点を内在しており、それぞれに改善が待た
れている。
即ち、特公昭58−14849号公報の提案による靱性の保
証温度は0℃である。これは、近年、安全性確保の強化
の点から、構造用鋼板の重要部材に要求されている−60
℃以下の靱性保証の要望を満たさないものである。
これは二相域圧延による加工フェライトの著しい生成
により靱性が劣化するからである。
加えて、熱間圧延後に700℃以下の温度に加熱して焼
戻し処理を行なうことを必須としており、このため多大
の熱エネルギーを必要として製造費の増大及び生産性の
低下が避けられない。
また、特公昭62−4448号公報は、C≦0.03%の成分限
定を必須要件と記載しており、実質的には極軟鋼の製造
法に関するものであり、構造用鋼の要求強度を満たすこ
とはできない。
また、二相域まで空冷により温度待ちを行なうとフェ
ライト粒及びオーステナイト粒が粒成長して目標のヤン
グ率は向上するが、−60℃を保証する低温靱性を得るこ
とが極めて困難であり、且つ二相域までの温度待ちによ
り生産性が低下する可能性が強い。
そこで、本発明では−60℃を保証する優れた低温靱性
を有し、かつヤング率が10%程度以上向上する、優れた
低温靱性を有する構造用鋼板を生産性良く低コストで製
造する方法を提供することを課題とするものである。
<課題を解決するための手段> 本発明は上記課題を達成するために、 (1) 温度がAr3点以上1250℃以下の構造用鋼々片を
再結晶終了温度以下Ar3点以上で圧下率≧20%の熱間圧
延を行ない、直ちに5℃/秒以上の冷却速度で冷却し、
Ar3点未満で圧下率≧50%の二相域圧延を行なうことを
特徴とする低温靱性の優れた高ヤング率構造用鋼板の製
造方法を第1の手段とし、 (2) 温度がAr3点以上1250℃以下の構造用鋼々片を
再結晶終了温度以下Ar3点以上で圧下率≧20%の熱間圧
延を行なって後、直ちに5℃/秒以上の冷却速度で冷却
を行い、Ar3点未満で圧下率≧50%の二相域圧延を行な
った後に、5℃/秒以上の冷却速度にて、600℃以下の
温度まで制御冷却することを特徴とする低温靱性に優れ
た高ヤング率構造用鋼板の製造方法を第2の手段とする
ものである。
本発明が対象とする構造用鋼は、例えば前記した特公
昭58−14849号公報に記載され、次記するように、通常
の溶接構造用鋼が所要の材質を得るために、従来から当
業分野での活用で確認されている作用・効果の関係を基
に定めている添加元素の種類と量を同様に使用して同等
の作用と効果が得られる。従って、これ等を含む鋼を本
発明は対象鋼とするものである。
これ等の各成分元素とその添加理由と量を以下に示
す。
Cは、鋼の強度を向上する有効な成分として添加する
ものであるが、0.20%を超える過剰な含有量では、二相
域圧延時の変形抵抗を増して圧延を困難にするばかり
か、溶接部に島状マルテンサイトを析出し、鋼の靱性を
著しく劣化させるので、0.20%以下に規制している。
Siは溶鋼の脱酸元素として必要であり、また強度増加
元素として有用であるが、1.0%を超えて過剰に添加す
ると、鋼の加工性を低下させ、溶接部の靱性を劣化させ
る。また、0.01%未満では脱酸効果が不十分なため、添
加量を0.01〜1.0%に規制している。
Mnも脱酸成分元素として必要であり、0.3%未満では
鋼の清浄度を低下し、加工性を害する。また鋼材の強度
を向上する成分として0.3%以上の添加が必要である。
しかし、Mnは変態温度を下げるので、過剰の添加により
二相域圧延温度が下がりすぎ、変形抵抗の上昇をきたす
ので、2.0%を上限としている。
Al及びNは、Al窒化物による鋼の微細化の他、圧延過
程での固溶、析出により、鋼の結晶方位の整合及び再結
晶に有効な働きをさせるために添加する。しかし、添加
量が少ないときにはその効果がなく、過剰の場合には鋼
の靱性を劣化させるので、Al:0.001〜0.20%、N:0.020
%以下に限定している。
以上が、本発明が対象とする鋼の基本成分であるが、
母材強度の上昇あるいは、継手靱性の向上の目的のた
め、要求される性質に応じて、合金元素を添加する場合
は、変態温度を下げ過ぎると、二相域での変形抵抗が増
して圧延が困難になるので合金の添加量としては、Ni,C
r,Mo,Cu,W,P,Co,V,Nb,Ti,Zr,Ta,Hf,希土類元素,Y,Ca,M
g,Te,Se,Bを1種類以上添加してよいが、添加量は合計
で4.5%以内に規制している。
<作用> 本発明者等は、前記従来技術が有する課題を達成する
ために、下記の化学成分を有する一般的な構造用鋼を用
いて種々実験検討を繰り返した。
C:0.10〜0.15% Si:0.15〜0.25% Mn:0.8〜1.6% Al:0.01〜0.05% N:0.0020〜0.0050% 結果を第1図に示す。
第1図は、未再結晶域での圧下量が25%、二相域での
圧下量が50%の場合の途中制御冷却速度とvTrsで表す低
温靱性の関係を示す。
図に示すように、制御冷却速度が5℃/秒以上になる
と−60℃以下での靱性保証が可能なレベルに靱性が改善
されることを知見した。
これは高温での滞留時間が短くなるためフェライト
粒、またはオーステナイト粒の粒成長が抑制されるため
に靱性が向上するものと思われる。
本発明は上記知見を基に成されたものである。
<実施例> (1) 供試鋼 本発明の鋼成分は、前記した一般的な構造用鋼の元素
と添加量であれば何れの組合せでも良いのであるが、表
1に実施例に用いた化学成分を比較例と共に示す。
これは、構造用鋼の分野で強度レベルが異なる代表的
な構造用鋼の化学成分でもある。
(2) 製造条件及び材質結果 製造条件及び得られた材質を表2に示す。
表1に示す供試鋼は鋼番1、2が40キロ級鋼、鋼番3
〜6が50キロ級鋼、鋼番7が60キロ級鋼である。又、供
試鋼は必要に応じてV,Nb,Ni,Ti,Cu,Ni,Cr,Mo等の合金元
素を添加している。
No.A1〜A7の本発明例は、何れも圧延後の熱処理をす
ることなく、生産性良く製造できた。
C方向のヤング率は、低温靱性の低下を見ることな
く、従来の21,000kgf/mm2レベルに対して10%〜16%の
向上が得られ、十分目標を満足しする構造用鋼板が得ら
れた。
特に、A6,A7の直送圧延材は、その熱履歴の影響と思
われる作用により、同温度レベルの加熱材に比較して優
れた低温靱性を発揮した。
これ等に対し、比較例のNo.B1〜B7はそれぞれに問題
があり、前記要望を満たす構造用鋼板が得られなかっ
た。
即ち、Ar3点以下の二相域圧下率が50未満の比較例No.
B1は、ヤング率の向上が所要の域に到達しなかった。
加熱温度が1300℃と高い比較例のNo.B2、未再結晶圧
下率が20%未満の比較例No.B4〜B7は、靱性が不良で計
画した用途には使用できなかった。
途中冷却を行なわなかったもの、及び途中冷却の冷却
速度が5℃/秒未満のものの比較例No.B3,B5,B7の靱性
は−60℃レベルに達しなかった。
<発明の効果> 以上説明した本発明は、未再結晶域の圧延、途中制御
冷却及び二相域の圧延工程の技術的条件を限定的に組み
合わせることによって、低温靱性に優れ、且つ特定方向
の剛性(ヤング率)が10%程度以上向上した構造用鋼板
を、圧延後の焼戻し処理を省略した極めて高い生産性の
下で円滑に安定して製造することを可能としたもので、
当該分野を中心に、産業界にもたらす経済的効果は極め
て大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は途中制御冷却速度とvTrsで表示す低温靱性の関
係を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−141518(JP,A) 特開 昭62−47430(JP,A) 特公 昭60−4887(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】温度がAr3点以上1250℃以下の構造用鋼々
    片を再結晶終了温度以下Ar3点以上で圧下率≧20%の熱
    間圧延を行ない、直ちに5℃/秒以上の冷却速度で冷却
    し、Ar3点未満で圧下率≧50%の二相域圧延を行なうこ
    とを特徴とする低温靱性に優れた高ヤング率構造用鋼板
    の製造方法。
  2. 【請求項2】温度がAr3点以上1250℃以下の構造用鋼々
    片を再結晶終了温度以下Ar3点以上で圧下率≧20%の熱
    間圧延を行ない、直ちに5℃/秒以上の冷却速度で冷却
    し、Ar3点未満で圧下率≧50%の二相域圧延を行なった
    後に、5℃/秒以上の冷却速度にて、600℃以下の温度
    まで制御冷却することを特徴とする低温靱性に優れた高
    ヤング率構造用鋼板の製造方法。
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