JP2583485Y2 - ボトルキャップの自動供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、折詰弁当に入れる醤油
やソース等を収容する小さなプラスチック容器、あるい
は液体化粧品等の硬質容器など、キャップ（蓋）を螺着
するタイプのボトルのキャップの自動供結装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、自動機械特に自動組立機械装置の
高速化に伴い、所定の作業時間内に目的とする生産量を
確保するため、複数の作業を同時に処理することで見掛
け上の作業時間を短縮する方法が講じられているが、か
かる場合に機械装置をいかに確実に運転するかが重要で
ある。この組立機械装置を確実に運転するためには、い
かにパーツの供給を安定させるかが重要であり、機械稼
働率の低下はパーツ供給部のトラブルに起因するのが大
半である。即ち、このパーツ供給部のトラブルをいかに
して防止し、組立機械装置の稼働率を向上させるかに苦
慮しているのが現況である。

【０００３】例えば、上記したようなボトルへのキャッ
プ付け装置は、キャップの整列供給部と容器移送部とキ
ャップ付け部とから構成されているが、パーツ供給部で
あるキャップ整列供給部のトラブルが極めて多く、作業
能率を低下させる一大原因となっていた。

【０００４】

【本考案が解決しようとする課題】本考案は、上記のよ
うな自動組立装置において、キャップ供給部のトラブル
を解消し、作業速度や信頼性および機械装置の稼働率を
向上させると共に、完全自動化を発現したボトルキャッ
プの自動供給装置を提案するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は、モータ軸に直
角に取付けて水平回転する円板にその円周上等間隔に３
個のローラを取付け固定し、該ローラ径とほぼ同寸法幅
で各ローラ出入口部にＲ軌跡を設けた溝を十字形に形成
し、上記円板より外径が若干大きくかつ上記ローラが溝
内に嵌入移動することにより間欠回転する溝付円板と、
該溝付円板の間欠回転によりギヤーとキャリヤー回転軸
を介して移動・停留を繰返して一定方向に間欠移動する
エンドレス状キャリヤーとからなり、該キャリヤーには
キャップ寸法より若干大きめのポケットが一列等間隔に
設けられ、かつ該キャリヤーの一方端にはキャップをポ
ケットに供給するキャップ供給用レールが付設され、更
に上記キャリヤーの各ポケットに整列把持された複数個
のキャップを同時に押上げて後記の回転駆動ヘッド先端
に設けたチャック部内のキャップ把持ポケットに押圧嵌
入させるエアシリンダ付プッシャーと、上記キャップ把
持ポケットに押圧把持されたキャップを上部から吸引す
る真空パット部を上部に設けて複数のキャップを把持し
たまま移動自在の回転駆動ヘッドとを備えてなることを
特徴とするボトルキャップの自動供給装置に関するもの
である。

【０００６】本考案によれば、キャリヤーのポケットに
キャップを連続的に整列把持させたエンドレス状のキャ
リヤーを円滑に移動・停留させながら、エアシリンダ付
プッシャーにより移動自在の回転駆動ヘッドのキャップ
把持ポケットに複数個のキャップを整列把持させ、更に
真空パット方式で吸引し、複数個のキャップを把持した
まま所定位置に設けられたキャップと同数のボトルを上
向きに整列把持したボトルホルダー上に移動し、あるは
ボトルホルダーを移動させて、複数個のキャップを相対
するボトルに対して各個別に同時に嵌合させることがで
きるのである。次に、本考案装置の実施例を図により説
明する。

【０００７】

【実施例】図１，２は、本考案装置の全体配置概要を示
す説明的側面図と平面図であり、１はキャップ供給用レ
ールで、キャップ３を連続的にエンドレス状キャリヤー
１３に設けられたポケット２に供給する。

【０００８】該キャリヤー１３にはキャップ３の寸法よ
り若干大きめのポケット２が一列に等間隔に設けられて
おり、上記キャップ供給用レール１はエンドレス状キャ
リヤー１３の一方端に配設されている。

【０００９】本考案に係るボトルキャップ自動供給装置
は、図１の点線内に示す間欠回転駆動部２３（図３にも
示す）と、該間欠回転駆動部２３により移動・停留の間
欠移動する上記エンドレス状キャリヤー１３と、エアシ
リンダ付プッシャー２２、および回転駆動ヘッド２０の
要部から構成されている。次に、これを順次説明する。

【００１０】図３は、本考案装置の間欠回転駆動部を示
す説明的断面側面図であり、垂直のモータ軸５に直角に
取付けて水平回転する円板６には、該円板６の円周上に
等間隔に３個のローラ７が並列下向きに取付け固定され
ている。

【００１１】８は円板６に従動する溝付円板で、該溝付
円板８には上記ローラ７の径とほぼ同寸法幅で各ローラ
７の出入口部に後記するＲ軌跡を設けた溝１０が十字形
に形成され、しかも上記円板６より外径が若干大きく、
上記ローラ７が溝１０内に嵌入移動することにより円板
６とは逆方向に間欠回転する（図４に示す）。

【００１２】上記溝付円板８に十字形に形成された溝１
０には、上記ローラ７の回転により設けられた円弧状軌
跡と同円形を溝付円板８に該ローラ７内接真円に相当す
るＲ軌跡（曲線）が設けられている（図５に示す）。

【００１３】上記円板６に並列状に取付け固定された３
個のローラ７が順次溝１０に嵌入して移動することによ
り、該ローラ７が溝１０の出入口部のＲ軌跡部に位置す
るときは溝付円板８は回転せずに停留し、更にローラ７
が溝１０内に移動することにより該溝付円板８は円板６
とは逆方向に回転する。即ち、モータ軸５に取付けた円
板６が右回転することによりローラ７が溝１０内を移動
し、溝付円板８を間欠的に左回転させる。この動作の繰
返しにより、溝付円板８はローラ付円板６に従動して、
回転と停止の動作のタイミングを３：１の割合で繰返し
間欠回転する。

【００１４】溝付円板８の間欠回転により、ギヤー１１
とキャリヤー回転軸１２を介してエンドレス状キャリヤ
ー１３は移動・停留を繰返し、一定方向に間欠移動す
る。

【００１５】また、エンドレス状キャリヤー１３には上
記の通りキャップ３を把持するポケット２が一列等間隔
に設けられており、該キャリヤー１３が移動・停留する
停留時間内にキャップ供給用レール１から確実にキャッ
プ３がポケット２に把持される。

【００１６】この場合、センサー２１を付設して間欠回
転駆動部２３と連動させておけば、ポケット２内のキャ
ップ３の有無を検知し、停止・移動の作業がコントロー
ルされるので、所定数のキャップ３を確実に一列に整列
させることができる。

【００１７】エアシリンダ付プッシャー２２は、図７に
示すように、エアシリンダ１９と弾性体の突き上げ棒
（プッシャー）１８とからなり、上記エンドレス状キャ
リヤー１３の各ポケット２に整列把持された複数個のキ
ャップ３を各別個に同時に押上げ、後記する回転駆動ヘ
ッド２０先端部に設けられたチャック１５内のキャップ
把持ポケット１６に押圧嵌入させる働きをなす。

【００１８】回転駆動ヘッド２０は、図６にその断面概
要で示すように、下端部にはキャップ把持ポケット１６
を内蔵した回転可能なチャック部１５が備えられ、上端
部にはキャップ３が脱落しないように吸引する真空パッ
ト部１７が具備されていて、回転駆動ヘッド２０全体が
移動自在に構成されている。

【００１９】図１に示すように、上記エアシリンダ付プ
ッシャー２２（本実施例では８本）をエンドレス状キャ
リヤー１３の下部に、一方上記回転駆動ヘッド２０（本
実施例では８本）を上部にそれぞれ対称に位置せしめ、
該キャリヤー１３のポケット２に整列把持された複数個
のキャップ３（本実施例では８個）をプッシャー２２に
より別個に同時に押上げ、上部に位置する回転駆動ヘッ
ド２０のチャック部１５内のキャップ把持ポケット１６
に押圧嵌入させた後、真空パット部１７により吸引し、
キャップ３が脱落しないようにキャップ把持ポケット１
６に把持させた状態で回転駆動ヘッド２０自体を近設さ
れたボトルホルダー２５上に移動させ、ボトル２４にキ
ャップ３をチャック部１５を回転させて嵌着させる。あ
るいは、ボトルホルダー２５を回転駆動ヘッド２０のチ
ャック部１５下に移動させて、該チャック部１５を回転
させてボトル２４にキャップ３を停付けて嵌着してもよ
い（図７参照）。

【００２０】以上の動作を繰返すことにより、ボトルキ
ャップ上にキャップ３を確実に整列供給することができ
る。また、勿論上記した一連の全操作を自動化すること
もできるのである。

【００２１】

【考案の効果】本考案は、上記したように、比較的簡単
な構造の間欠回転駆動部により、エンドレス状キャリヤ
ーを移動・停留の間欠移動させながら、該キャリヤーに
設けられたポケットにキャップを連続的に整列把持さ
せ、この整列把持されたキャップを複数個同時にエアシ
リンダ付プッシャーにより回転駆動ヘッドのキャップ把
持ポケットに把持させたまま該回転駆動ヘッドをボトル
ホルダー上に、あるいはボトルホルダーを回転駆動ヘッ
ドのチャック部下に移動させることにより、キャップを
整列供給することができ、複数個のキャップを同時に確
実に複数個のボトルに螺着させることができるのであ
る。

【００２２】本考案によれば、従来のキャップ供給部の
トラブルを完全に解消し、高精度かつ確実に複数個のキ
ャップを整列供給することができるので、作業速度や信
頼性および装置の稼働率を著しく向上させると共に、完
全自動化することができる。

【００２３】しかも、本装置はボトルキャップの自動供
給のみならず、他のパーツの供給組立てにも応用するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案装置全体の配置概要を示す説明的側面図
である。

【図２】図１のＡ−Ａ矢視図である。

【図３】本考案装置の間欠回転駆動部を示す説明的断面
側面図である。

【図４】図３のＢ−Ｂ矢視図である。

【図５】本考案装置の間欠回転駆動部の間欠回転機構を
示す説明図である。

【図６】本考案装置の回転駆動ヘッドの説明的断面図で
ある。

【図７】回転駆動ヘッドをボトルホルダー上へ移動させ
る一例を示す説明的断面図である。

【符号の説明】

１−キャップ供給用レール ２−ポケット（キャリヤーの） ３−キャップ ４−モータ ５−モータ軸 ６−円板（ローラ付） ７−ローラ ８−溝付円板 ９−溝付円板回転軸 １０−溝 １１−ギヤー １２−キャリヤー回転軸 １３−エンドレス状キャリヤー １４−スプロケット １５−チャック部 １６−キャップ把持ポケット １７−真空式パット部 １８−プッシャー １９−エアシリンダー ２０−回転駆動ヘッド ２１−センサー ２２−エアシリンダ付プッシャー ２３−間欠回転駆動部 ２４−ボトル ２５−ボトルホルダー θ−停留角

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 モータ軸に直角に取付けて水平回転する
   円板にその円周上等間隔に３個のローラを取付け固定
   し、該ローラ径とほぼ同寸法幅で各ローラ出入口部にＲ
   軌跡を設けた溝を十字形に形成し、上記円板より外径が
   若干大きくかつ上記ローラが溝内に嵌入移動することに
   より間欠回転する溝付円板と、該溝付円板の間欠回転に
   よりギヤーとキャリヤー回転軸を介して移動・停留を繰
   返して一定方向に間欠移動するエンドレス状キャリヤー
   とからなり、該キヤリヤーにはキャップ寸法より若干大
   きめのポケットが一列等間隔に設けられ、かつ該キャリ
   ヤーの一方端にはキャップをポケットに供給するキャッ
   プ供給用レールが付設され、更に上記キャリヤーの各ポ
   ケットに整列把持された複数個のキャップを同時に押上
   げて後記の回転駆動ヘッド先端に設けたチャック部内の
   キャップ把持ポケットに押圧嵌入させるエアシリンダ付
   プッシャーと、上記キャップ把持ポケットに押圧把持さ
   れたキャップを上部から吸引する真空パット部を上部に
   設けてキャップを把持したまま移動自在の回転駆動ヘッ
   ドとを備えてなることを特徴とするボトルキャップの自
   動供給装置。
2. 【請求項２】 前記溝付円板に十字形に形成した溝部に
   は、前記ローラの回転により設けられる円弧状軌跡と、
   同円径を溝付円板に該ローラ内接真円に相当するＲ軌跡
   をローラ出入口部に設けてなり、上記溝付円板は前記円
   板に対して回転・停止のタイミングが３：１の割合で間
   欠回転するように構成されてなることを特徴とする請求
   項１記載のボトルキャップの自動供給装置。