JP2583445Y2 - セラミック軸体と金属筒体との接合体 - Google Patents

セラミック軸体と金属筒体との接合体

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JP2583445Y2
JP2583445Y2 JP1991059748U JP5974891U JP2583445Y2 JP 2583445 Y2 JP2583445 Y2 JP 2583445Y2 JP 1991059748 U JP1991059748 U JP 1991059748U JP 5974891 U JP5974891 U JP 5974891U JP 2583445 Y2 JP2583445 Y2 JP 2583445Y2
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metal cylinder
ceramic
plunger
clearance
ceramic shaft
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岳志 前田
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Kyocera Corp
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、丸棒状のセラミック軸
体を金属筒体に内嵌めし、セラミック軸体と金属筒体と
の間のクリアランスに接着剤を介在させて接合するセラ
ミック軸体と金属筒体との接合構造で、特に、プランジ
ャポンプのプランジャと金属筒体との接合部に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】丸棒状のセラミック軸体を金属筒体に内
嵌めし、セラミック軸体と金属筒体との間のクリアラン
スに接着剤を介在させて接合するセラミック軸体と金属
筒体との接合構造の従来例として、プランジャポンプの
プランジャと金属筒体との接合部がある。その具体的な
例として実開昭62-97281号「往復動ポンプ用プランジ
ャ」公報があり、プランジャポンプのプランジャとして
は耐磨耗性に主眼をおきセラミック材が用いられてい
る。
【0003】しかし、プランジャポンプの構造上、駆動
部からの駆動力を伝達する部材としてセラミック材を使
用することは脆性材料であるため困難であり、摺動部を
セラミック材で構成させ駆動力の伝達する部位を金属材
で構成させ、セラミックプランジャを金属筒体に接着や
焼嵌めなどにより接合していた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかし、このようなセ
ラミックプランジャを金属筒体に内嵌め接合した構造で
あると、セラミックプランジャに稼動時の微振動や組み
込み時の軸芯のずれがあると、セラミックプランジャ先
端に曲げモーメントが付加され、それによりセラミック
プランジャの基端側のセラミックプランジャと金属筒体
との接合部に引っ張り応力が作用し、接合部でセラミッ
クプランジャが破損にいたることが頻繁に発生してい
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本考案は、上記
の事情に鑑み、セラミック軸体先端に曲げモーメントが
付加されてもセラミック軸体基端では変形を吸収しやす
いように設定してセラミック軸体基端側の破損を防止す
べく、セラミック軸体と接合される金属筒体のクリアラ
ンスを所定の適正な値に設定すると共に、クリアランス
に介在する接着剤の弾性率を適正な値に設定することに
より、外部から負荷される荷重に対し作用するセラミッ
ク軸体と金属筒体との接合部の引っ張り応力を緩和し、
稼動時の破損率を低下させるものである。具体的にはセ
ラミック軸体と接合される金属筒体とのクリアランスは
直径差で10μm以上が好ましく、接着剤の弾性率は 6.0
×105kgf/cm2以下が望ましい。
【0006】
【実施例】以下、本考案を図面に示す具体的実施例に基
づいて詳細に説明する。図1に示すように、丸棒状のセ
ラミックプランジャ1はAl2 3 純度99%のアルミ
ナセラミックからなり、ステンレス鋼材などの金属筒体
2に遊嵌して接着剤4で接合してある。なお、セラミッ
クプランジャ1の底面は金属筒体2に備えた底面と当接
させた状態で接合してなる。また、金属筒体2の基端側
の孔3はコネクテイングロッドを枢着するピン孔であ
る。
【0007】セラミックプランジャ1と金属筒体2との
間のクリアランスについて弾性率 6.0×105kgf/cm2以下
である接着剤4を、セラックプランジャ1と金属筒体2
との間のクリアランスを5μm、10μm、20μm、30μ
m、40μm、50μmに設定した接合部位に均一に介在し
接合させる。そのセラミックプランジャ1と金属筒体2
の接合体の金属筒体2を固定し、セラミックプランジャ
1の先端面付近の外周面にクロスヘッドスピード0.5mm/
secで一定静荷重を負荷し、セラミックプランジャ1がセ
ラミックプランジャ1と金属筒体2との接合部位に折損
にいたる荷重をオートグラフにて測定した。いずれの実
験ともサンプル数は5本とし、その平均値をもって各設
定値条件下で折損荷重値とした。なお、ここでいうクリ
アランスはセラミックプランジャ1の外径と金属筒体2
の内径との差をいう。
【0008】実験結果は表1に示すとおりであった。
【0009】
【表1】
【0010】この結果からセラミックプランジャ1と金
属筒体2との間のクリアランスと折損荷重との関係は、
クリアランスが5μmで92.5kgf、10μmで127.8kgf、2
0μmで135.2kgf、30μmで138.6kgf、40μmで135.4kg
f、50μmで137.3kgf、60μmで138.1kgfとなってお
り、クリアランスが10μm以上では若干の差はあるもの
のほぼ同じ折損荷重を示し、クリアランスが10μm以下
で折損荷重が小さいことを示している。したがって、ク
リアランスを10μm以上に設定することにより、大きな
折損強度の向上を図ることが可能となる。ただし、クリ
アランスは100μm以下が望ましく、これ以上になると
寸法精度が悪く、接着強度が低下する。
【0011】接着剤4の弾性率についてセラミックプラ
ンジャ1と金属筒体2との間のクリアランスを10μmに
設定し、弾性率の異なる5種のエポキシ系接着剤にて前
記同様の実験を行った。実験は表2に示すとおりであっ
た。
【0012】
【表2】
【0013】接着剤4の弾性率が6.0×108kgf/cm2で折
損荷重が128.1kgf、6.0×105kgf/cm2で165.9kgf、 3.0
×105kgf/cm2で175.5kgf、6.0×104kgf/cm2で180.2kg
f、3.0×104kgf/cm2で178.8kgfであり、6.0×105kgf/cm
2以下の弾性率を有する接着剤4を介在させることによ
り、大きな折損強度の向上を図ることが可能になる。こ
れは6.0×105kgf/cm2以下の弾性率を有する変形しやす
い接着剤4により変形を吸収させ引っ張り応力を緩和し
破損率を低下させるためである。
【0014】また、上記実施例では、セラミックプラン
ジャ1としてアルミナセラミックからなるものを示した
が、この他にジルコニア、炭化珪素、窒化珪素などさま
ざまなセラミックを用いることができる。
【0015】
【考案の効果】本考案は、セラミック軸体と金属筒体と
の間のクリアランスを適正に設定し、さらに、クリアラ
ンスに介在する接着剤の弾性率を適当な値に設定するこ
とにより、従来のセラミック軸体と金属筒体との接合体
の折損強度を向上させ、稼動による折損確率を低減させ
ることが可能となった。また、本考案ではセラミック軸
体と金属筒体との間のクリアランス設定と介在する接着
剤の弾性率設定は各々単独で適用してもその効果は期待
でき、同時に適用すればその効果は相乗的に反映され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案を示す具体的実施例でプランジャポンプ
の要部の縦断面図である。
【符号の説明】
1…セラミックプランジャ (セラミック軸体の例) 2…金属筒体 4…接着剤

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 丸棒状のセラミック軸体の底面を、金属
    筒体に備えた底面に当接させた状態で、上記セラミック
    軸体の基端側を金属筒体に遊嵌し、両者間のクリアラン
    スを直径差で10μm以上に設定すると共に、該クリア
    ランスに弾性率が6.0×105 kgf/cm2 以下の
    接着剤を充填して接合してなるセラミック軸体と金属筒
    体との接合体。
JP1991059748U 1991-07-30 1991-07-30 セラミック軸体と金属筒体との接合体 Expired - Lifetime JP2583445Y2 (ja)

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JPH0512672U JPH0512672U (ja) 1993-02-19
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JPS5842149A (ja) * 1981-09-04 1983-03-11 Jeol Ltd セシウムイオン源
JPH07115959B2 (ja) * 1986-10-20 1995-12-13 日産自動車株式会社 セラミツクスと金属との接合構造

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