JP2583393B2 - 鉄道車両用ブレーキ制御弁装置及びそのスプール弁装置 - Google Patents

鉄道車両用ブレーキ制御弁装置及びそのスプール弁装置

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JP2583393B2
JP2583393B2 JP5324778A JP32477893A JP2583393B2 JP 2583393 B2 JP2583393 B2 JP 2583393B2 JP 5324778 A JP5324778 A JP 5324778A JP 32477893 A JP32477893 A JP 32477893A JP 2583393 B2 JP2583393 B2 JP 2583393B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非常ブレーキ制動中、
非常空気溜めの空気を車両ブレーキシリンダに連通し
て、達成可能な最大常用ブレーキ圧力よりも高い非常ブ
レーキ圧力を供給する主機能を有する、鉄道貨物車両用
の空気圧制御弁で使用されるようなスプール弁装置、特
に高圧スプール弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】長い使用寿命期間に亙って実質的に漏れ
のない動作を経済的に達成することが可能であるという
観点から、スプール型の弁が望ましいものであることは
一般に認められているが、このことを可能にする圧力シ
ールが、スプール弁の作動に対し抵抗を与える摩擦成分
を導入し得ることも認識されている。工業規格ABD/
W型貨物車両ブレーキ制御弁及びそれより新しいABD
X型弁においては、高圧スプール弁装置は、非常制動中
高い圧力を供給するという主たる機能に加えて、常用制
動に加え非常制動を行う際にも直通非常制動を行う場合
と同じ抑圧ブレーキ圧力を確保するように、非常制動
中、抑圧弁ピストンに加わる常用ブレーキ圧力を捕捉す
る機能と、列車の完全な停止を確実にし以て非常ブレー
キ制動の時期尚早の緩みを阻止するのに充分な時間、非
常ブレーキ制動後、車両ブレーキ管圧力の再充気を遅延
する急動室吹き出し機能とを行うように設計されてい
る。
【0003】このような幾つかの機能を単一のスプール
弁において組み合わせるために、適切な圧力接続もしく
は連通を形成する幾つかのスプール弁溝間における相互
漏洩(横漏れ)を阻止するために、多数のOリングシー
ルがスプールに設けられている。その結果、高圧スプー
ル弁装置は、これ等のOリングシールと該Oリングシー
ルが密封係合するスプールブッシュとの間の比較的強い
摩擦が原因で、緩め位置及び非常制動位置からの弁の作
動に対し相当程度に大きい始動抵抗を受けることがあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】例えば、高圧スプール
弁は、非常ブレーキ制動に応答して、通常の緩め位置か
ら制動位置へと圧力下で作動されて上述の機能を実現
し、その制動位置においては、弁を通常の緩め位置にリ
セットもしくは復帰するのに戻し弁により作動される。
制動位置或は緩め位置に対するこのような作動前におい
ては、スプール弁は、弁作動に対するOリングの摩擦、
従って摩擦抵抗が最大である静的状態に在る。従って、
この静摩擦に打ち勝ってスプール弁を制動位置から緩め
位置にリセットするためには、戻しばねの力を比較的大
きなものにしなければならない。しかし、そうした場合
には、緩め位置において比較的強い戻しばねにより及ぼ
される力は、非常制動中、非常に低い圧力状態下での高
圧スプール弁の非常制動作動が阻止されてしまう程に非
常制動時の圧力の作用力を相殺してしまうという問題が
生ずる。
【0005】本発明の目的は、緩め位置から離脱する際
に受けるOリングの静始動摩擦を克服するために、制限
された走程のブースタばね(booster spring)を利用し
たスプール弁装置を提供することにある。該ブースタば
ねを使用することにより、スプール弁の復帰時に対向方
向に作用するスプール弁戻しばねの作用を阻害すること
なく、スプール弁を非常制動位置に作動するのが容易に
なる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明によれば、鉄道車両用ブレーキ制御弁装置の
ためのスプール弁装置は、両端で圧力下の流体を受け且
つその周辺を囲繞する少なくとも1つのシールリングを
有するスプール部材と、該スプール部材が緩め位置と制
動位置との間で軸方向運動が可能なように往復動自在に
配置されたブッシュとを含み、該ブッシュは、緩め位置
及び制動位置の内の一方の位置においてスプール部材に
より相互に連通され且つ他方の位置において該スプール
部材により互いに分離される少なくとも2つの軸方向に
離間したポートを有し、更に緩め位置の方向にスプール
部材に作用する第1のばねと、2つのポートの連通状態
と分離状態との間の切換前に、スプール部材が緩め位置
から制動位置に向かい制限された距離に亙り移動する間
のみ制動位置の方向にスプール部材に作用する第2のば
ねとを有する。
【0007】本発明の上述の目的及び他の目的並びに利
点は、添付図面を参照しての以下の本発明の詳細な説明
から明らかになるであろう。
【0008】
【実施例】図1を参照するに、この図には、常用部分3
(一部分のみを示す)と、非常用部分5と、常用及び非
常用部分がボルト固定される管ブラケット7を有する標
準の周知のABDW型貨物車両用ブレーキ制御弁1とが
示してある。管9、11、13、15及び17を介して
管ブラケット7に接続されているのは、補助空気溜め1
9と、排気止め弁21と、非常空気溜め23と、ブレー
キシリンダ25と、車両ブレーキ管27である。
【0009】非常用部分5は、非常弁29、逃し弁3
1、抑圧弁33及び高圧弁35を含む。これ等の弁は全
て、ブレーキ管27の充気に応答してそれ等の弁が取る
位置で示してある。また、この充気により、補助空気溜
め19、非常空気溜め23及び管ブラケット7に形成さ
れている急動室37もブレーキ管内に保持されている運
転圧力に充気される。
【0010】高圧弁35においては、図示のように、ス
プール弁部材39が戻しばね41により緩め位置に向け
て付勢されている。また、ブレーキ管圧力は、通路43
を介してスプール弁部材39の上側の室42に供給され
て、上記戻しばね41を強める。この緩め位置において
は、スプール弁部材39は、非常空気溜め23及び管1
3からの通路13aを閉じ、ブレーキシリンダ25及び
管15からの通路15aを抑圧弁制御室に至る通路45
に接続し、そして非常弁29からの通路47を第1の流
路49aを介して逃し通路49に接続する。非常弁29
からの他の通路51は、スプール弁39の下側で室53
に、そしてそこから第2の絞り流路49bを介して逃し
通路49に接続されている。これ等の通路の内の遮断さ
れた通路間に相互漏洩が生ずるのを阻止するために、合
計5個のOリング55、57、59、61及び63がス
プール弁部材39の周辺部に設置されていて、スプール
弁部材39が動作する本体と共に圧力シールを形成して
いる。実際例においては、この本体は、図2〜図4に示
すようにブッシュ65であるが、図1の簡略図において
は図示を明瞭にするため省略してある。
【0011】図2〜図4を参照するに、スプール弁部材
39は、ブッシュ59の孔67内に動作可能に配置され
ており、複数個の離間配置された環状Oリングシール5
5〜63に加えて、Oリングシール57及び59間の第
1の環状の溝69と、Oリングシール61及び63間の
別の環状溝71とを有する。通路13a、15a、4
5、47及び49は、ブッシュ65に設けられた一連の
放射状の接続ポート13b、15b、45b、47b及
び49a'、49b'それぞれにより孔67に接続されて
いる。ここで接続ポート49a'、49b'は図1に示し
た既述の第1及び第2の流路49a及び49bに対応す
る。
【0012】常用ブレーキによる制動中は、ブレーキ管
圧力の減少は、高圧弁35の室42内の圧力並びに非常
弁29における圧力の減少となって反映する。しかし、
急動室圧力が周知のように変動するので、ブレーキ管圧
力の減少は非常弁29で相殺され、その結果、非常弁2
9は図示の緩め位置で安定化される。高圧弁35の室5
3に至る通路51は、非常弁29の緩め位置において急
動室圧力から遮断されて、高圧スプール弁部材39の作
動を阻止する。
【0013】非常ブレーキが掛けられると、ブレーキ管
圧力は、常用ブレーキを掛けた場合よりも速い速度で減
少し、その結果、急動室圧力の変動で、ブレーキ管圧力
の非常制動時減少を補償することは不可能になる。従っ
て、非常弁29を横切って圧力差が生じ、それにより、
該非常弁29は非常位置へと作動される。周知のよう
に、非常位置においては、急動室圧力は、高圧スプール
弁部材39による制御下で、逃し弁制御室(図1)及び
室53に至る通路51に接続される。高圧弁35におけ
る絞り流路49bを含む放射状接続ポート49a’を介
しての逃し通路49への急動室圧力の接続で、該急動室
圧力が通路51において立ち上がる。その結果、逃し弁
31が作動されてブレーキ管圧力は非常に急速に排出さ
れ非常制動が行われる。高圧スプール弁部材39の上側
の室42における下向きのブレーキ管圧力荷重は取り払
われる。同時に、通路51内の圧力は、室53におい
て、スプール弁部材39及び戻しばね41に対するOリ
ングの抵抗を克服するのに充分な程上昇し、それによ
り、スプール弁部材39は上向きに制動位置へと遷移さ
れる。高圧スプール弁35のこの作動は可能最低圧力で
生起するようにするのが望ましい。
【0014】緩め位置及び制動位置間におけるスプール
弁部材39の各種位置において、上述のスプール弁部材
による連通関係の遷移が生ずる。
【0015】制動位置においては、スプール弁部材39
は通路13aの非常空気溜め圧力を、抑圧弁33を介し
てブレーキシリンダ25に至る通路15aに接続し、常
用部分3に設けられている常用弁(図示せず)により与
えられる補助空気溜め圧力と相俟って、非常制動におい
て所望の高いブレーキシリンダ圧力を有効にし、通路4
5を閉じ、先行の常用ブレーキ制動から抑圧弁制御室内
に存在する補助空気溜め圧力を捕捉し、以て、常用制動
に加えての非常制動中、直通非常制動を行う際に得られ
るのと同じ抑圧弁圧力を確保し、通路47を逃し通路4
9から分離して急動室圧力の変動を止めると共に通路5
1及びスプール弁部材39の下方の室53内の急動室圧
力を、並行な流路49a及び49bを含む放射状ポート
49a’及び49b’を介して逃し通路49に接続し、
以て、逃し弁制御圧力の排出を抑制する吹き出し絞り弁
55(図1参照)介して急動室圧力の吹き出しを開始し
逃し弁31の閉弁を約60秒遅延する。この遅延期間が
経過するまで逃し弁は開いた状態に留どまり、ブレーキ
管27が再充気されてブレーキが緩むのを阻止する。
【0016】スプール弁部材39の下方の室53からの
急動室圧力の吹き出しに続いて、戻しばね41のばね力
でスプール弁39は元の緩め位置にリセットする点に注
目されたい。このスプール弁部材39の元の緩め位置へ
の復帰は、ブレーキ管圧力が、ブレーキ緩め及び再充気
中に、スプール弁部材39の上方の室42に供給される
前に行われるべきである。この理由から、戻しばね41
は、スプール弁部材39の運動に抵抗する比較的高いO
リングの摩擦を克服するのに充分な程に強力でなければ
ならない。従って明らかなように、制動位置から緩め位
置へのスプール弁部材39の復帰を確保するのに充分な
ほど戻しばね41を強くすると、この比較的強いばね力
でスプール弁部材39の反対方向、即ち、緩め位置から
制動位置へ向かう方向における運動に反抗する作用が生
ずる。
【0017】本発明の一実施例によれば、特に、スプー
ル弁Oリングの静摩擦が強い場合に、非常制動に応答し
てスプール弁部材39の迅速な作動を確保するために、
図2〜図4に示すように、螺旋コイル型のブースタばね
73が設けられる。上記のようなスプール弁Oリングの
強い静摩擦は、戻しばね41の力と相俟って、スプール
弁部材39の作動に対し望ましい抵抗よりも高い抵抗を
惹起し得る。そこで、このブースタばね73は、スプー
ルに対し下向きに作用するブレーキ管圧力の力によって
緩め位置で圧縮される。ブースタばね73は、スプール
弁部材の制限された距離の移動だけでスプール弁部材3
9の下側に当接する。このブースタばね73を収容する
ために、現存の標準高圧スプール弁部材39の外径を、
Oリング63とスプール弁部材39の下端との間におけ
る領域において減少する。ブースタばね73の自由高さ
は、スプール弁部材39の制限された移動距離で該スプ
ール弁部材39に上向きの力が加わり、それによりスプ
ール弁部材39の下側に作用する室53内の急動室圧力
の力を補強し、以て、非常制動中、戻しばね41及びス
プール弁Oリングの静摩擦による力に起因するスプール
弁部材の作動に対する上記の抵抗を克服し、それにより
高圧弁35の迅速で確実な開弁応答を実現している。図
2に示すように、スプール弁部材39は、ブレーキ制御
弁1の充気に続いて、室42内のブレーキ管圧力と戻し
ばね41の力との合成力により緩め位置に維持される。
この緩め位置においては、ブースタばね73は圧縮状態
にあり、その場合のブースタばねの自由高さからの圧縮
量は比較的小さく、従ってこのブースタばね73は、該
ばねが圧縮される緩め位置から圧縮されない制動位置に
向かうスプール弁部材39の比較的短い移動距離に亙っ
てのみ作用するだけである。ブースタばね73によって
スプール弁部材39に加えられる最大の力は、ブースタ
ばね73がほぼ完全に伸長するまで戻しばね41によっ
て加えられる反対方向の力よりも大きい。
【0018】既に述べたように、非常制動が行われる
と、急動室圧力は非常弁29により高圧スプール弁部材
39の下方の室53に接続され、同時に、スプール弁部
材39の上方の室42内のブレーキ管圧力は排出され
る。室42内のブレーキ管圧力の減少で、戻しばね41
だけではスプール弁部材39をその緩め位置に維持する
のに充分ではなくなる。その結果、ブースタばね73の
力とスプール弁部材の限定された距離に亙る移動による
室53内の圧力との合成力の作用下でスプール弁部材3
9の初期運動が生起し、この初期運動は、ブースタばね
73が全長もしくは自由高さに伸長するまで行われる。
このスプール弁部材39の制限された移動中、スプール
弁部材のポートによる連通もしくは連絡における遷移は
生ぜず、従って、ブースタばね73は、スプール弁部材
39の初期動作を遅延する傾向があるスプール弁Oリン
グの静摩擦を克服するのを容易にするように作用するだ
けに過ぎない。
【0019】ブースタばね73の自由高さにおけるスプ
ール弁部材39の位置が図4に示してある。この位置に
おいては、Oリング63はブッシュのポート49a’を
横切ってはおらず、この遷移は非常制動に伴うスプール
弁部材39の初期制御機能である。スプール弁部材39
が緩め位置からこの初期遷移位置に移動する上行距離は
0.105〜0.135インチ(2.667〜3.429m
m)であり、これは、ブースタばね73の緩め位置にお
ける圧縮状態から自由高さへの最大変形量に対応する。
スプール弁部材39のこの位置において、高圧弁35に
よる他のポート連通遷移を実現するためにはスプール弁
部材39を更に上向きに移動しなければならない。ここ
で重要なのは、ブースタばね73の力は、緩め位置から
制動位置へのスプール弁の運動中生起する初期ポート連
通遷移前においてのみスプール弁部材39に作用し、そ
れ以降はブースタばね73の作用力は存在しない点であ
る。ブースタばね73のこの限定された作用を除けば、
本発明の高圧弁は、現存の標準高圧弁と同じ仕方で動作
し、従って、スプール弁Oリングの配置及び(又は)ブ
ッシュ65の各接続ポートを変更する必要なく同じシー
ケンスで同じポート接続を行うことができる。
【0020】図3に示した状態においては、非常制動位
置におけるスプール弁部材39によって行われるポート
接続が、既に説明したようにして達成されており、スプ
ール弁部材39の下側に作用する室53内の急動室圧力
の吹き出し後に、戻しばね41が作用状態となって、ス
プール弁部材39を、緩め位置に向かい下方向に移動せ
しめる。スプール弁部材39は、初期遷移位置を越えて
移動するまではブースタばね73と再係合することはな
いでの、全ての元のポート接続は、ブースタばね73か
ら何ら影響を受けることなく再設定されることになる。
これと関連して、戻しばね41の力は、ブースタばね7
3の付加的な反作用力を考慮して増加する必要はない。
と言うのは、ブースタばねは、実効的に、全てのポート
遷移が行われるまでは作用しないからである。このよう
にして、元のポート接続が再設定されると、ブレーキ管
圧力は、非常制動の緩め時に、スプール弁部材39の上
方の室42に接続され、それによって、スプール弁部材
39には下向きに作用する圧力差が加わる。この下向き
に作用する圧力差は、戻しばね41のばね力と相俟っ
て、スプール弁部材39を、ブースタばね73の反対方
向の力に抗して完全緩め位置へと駆動する。この場合、
該ブースタばね73は自由高さから圧縮されて、スプー
ル弁部材39に対し補助作用力を及ぼし、次の非常制動
時に作用し得る状態となる。このようにして、スプール
弁部材39に上述の補助作用力を加える圧縮状態のブー
スタばね73に蓄積されるエネルギーは、戻しばね41
によるスプール弁の中間位置への移動後にスプール弁部
材39に作用するブレーキ管圧力から得られる。
【0021】次に、図5に示してある本発明の別の実施
例においては、一般に皿ばねとして知られている円板形
のブースタばね75が用いられている。このブースタば
ね75は、スプール孔の底部とスプール弁部材39の下
側との間で作用するにようにスプール孔67に形成され
た室53内に配置される。
【0022】図6には本発明の他の実施例が示してあ
り、この実施例においては、ブースタばねは波形ばね7
7である。このばね77もスプール孔67の底部とスプ
ール弁部材39との間に形成されている室53内に配置
される。
【0023】コイルばねからなるブースタばね73を用
いた場合と同様に、上記のばね75及び77は、図2に
示した位置に対応する通常の緩め位置において圧縮状態
に保持される。従って、スプール弁部材39には、スプ
ール弁Oリングシールの静摩擦を克服するのに充分な力
が作用し、それにより非常制動が要求される場合に、室
53に供給される急動室圧力を支援するスプール弁部材
39の迅速且つ確実な作動が確保される。これ等のばね
75及び77はスプール弁接続の初期遷移が生起する図
5及び図6に示した中間位置に達する直前に自由高さも
しくは弛緩状態に伸長する。
【0024】ブースタばね73を用いた構成とは異な
り、上記のばね75及び77の組み立てには、スプール
弁部材39或はスプール弁部材を収容する本体の変更や
変形は必要とされない。
【0025】
【発明の効果】上の説明から明らかなように、ブースタ
ばね73、75及び77は、高圧弁35のスプール弁部
材39に作用する積極的な補助力を与え、それにより、
非常制動に応答して、弁の作動を遅延したり或は阻止し
したりするような長期間に亙る非使用後或は過度のOリ
ング摩擦にも拘わらず迅速で信頼性のあるバルブ作動
が、高圧弁の機能要件に何ら悪影響を与えることなく確
保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来公知の貨物車両用ブレーキ制御弁装置の
簡略図であって、本発明が関与する高圧弁装置を示す図
である。
【図2】 スプール弁部材が緩め位置にある図1の高圧
弁装置であって、圧縮状態で示してあるコイルばね型の
ブースタばねが設けられている該高圧弁装置の部分断面
組立図である。
【図3】 ブースタばねから離脱している制動位置にお
いて本発明の高圧スプール弁を示す部分断面組立図であ
る。
【図4】 ブースタばねが、スプール弁部材からの離脱
直前に自由高さに伸長される中間位置で本発明の高圧ス
プール弁を示す部分断面組立図である。
【図5】 ブースタばねが、皿ばねのような円板状ばね
の形態にある本発明の別の実施例を示す部分断面組立図
である。
【図6】 ブースタばねが、波形ばねの形態にある本発
明の更に別の実施例を示す部分断面組立図である。
【符号の説明】
1…ブレーキ制御弁、13b、15b、45b、47
b、49a'、49b'…ポート、13a、15a、4
5、47、49、51…通路、23…非常空気溜め、2
5…ブレーキシリンダ、27…ブレーキ管、33…抑圧
弁、35…高圧弁、37…急動室、39…スプール部材
(スプール弁部材)、41…第1のばね(戻しばね)、
55、57、59、61、63…圧力シール(Oリン
グ)、65…ブッシュ、67…孔、73、75、77…
第2のばね(ブースタばね)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョン・ビー・キャロル アメリカ合衆国、ペンシルベニア州、ア ーウィン、ジャネット・サークル 22 (56)参考文献 特公 平4−18585(JP,B2)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄道車両ブレーキ制御弁装置のためのス
    プール弁装置であって、 a) 両端が圧力下の流体を受けるようになっていると
    共に、周辺を囲繞する少なくとも1個の環状の圧力シー
    ルを有する圧力作動式のスプール部材と、 b) 前記スプール部材が第1位置と第2位置との間で
    両方向に軸方向運動が可能なように往復動自在に配置さ
    れている孔と、 c) 前記孔内に開口すると共に、前記第1位置及び第
    2位置の内の一方の位置において前記スプール部材によ
    り互いに連通され、前記第1位置及び第2位置の内の他
    方の位置において前記スプール部材により互いに分離さ
    れて、ブレーキ制御機能を与える少なくとも2つの軸方
    向に離間したポートとを備え、 d) 前記スプール部材は、前記第1位置及び第2位置
    の中間の位置において、前記少なくとも2つのポートの
    前記のように連通された状態及び前記のように分離され
    た状態間の過渡状態をもたらし、更に e) 前記第1位置の方向に前記スプール部材に作用す
    る第1のばねと、 f) 前記スプール部材の前記第1位置から制限された
    距離のみにわたり且つ前記中間の位置へと延びることな
    く、前記第1のばねとは反対の方向に前記スプール部材
    に作用する第2のばねと、 を備える鉄道車両用ブレーキ制御弁装置のスプール弁装
    置。
  2. 【請求項2】 前記第2のばねは、前記第1位置である
    緩め位置において圧縮されると共に、前記スプール部材
    の前記緩め位置から前記第2位置である制動位置への運
    動中前記スプール部材が前記中間の位置に達する前に自
    由高さに伸長される請求項1に記載のスプール弁装置。
  3. 【請求項3】 前記第2のばねは、前記スプール部材の
    前記緩め位置において、自由高さから実質的に2.66
    7〜3.429mmだけ圧縮される請求項2に記載のス
    プール弁装置。
  4. 【請求項4】 前記第2のばねは、前記スプール部材の
    前記制限された距離の移動中、前記孔の一端及び前記ス
    プール部材に係合するように前記孔内に配置されると共
    に、前記第2のばねは、前記スプール部材の前記制限さ
    れた距離の移動後に、前記スプール部材及び前記孔の一
    端の一方から離脱可能である請求項3に記載のスプール
    弁装置。
  5. 【請求項5】 前記第2のばねがコイルばねである請求
    項2に記載のスプール弁装置。
  6. 【請求項6】 前記第2のばねが円板状の皿ばねである
    請求項2に記載のスプール弁装置。
  7. 【請求項7】 前記第2のばねが波形ばねである請求項
    2に記載のスプール弁装置。
  8. 【請求項8】 ブレーキ管と、ブレーキシリンダと、前
    記ブレーキ管内の圧力に充気される非常空気溜めとを有
    する鉄道車両のためのブレーキ制御弁装置において、 a) 前記ブレーキ管内に保持される圧力に充気された
    急動室と、 b) 非常ブレーキ制御機能を行う高圧弁手段と、 c) 前記高圧弁手段のパイロット圧力下での前記ブレ
    ーキ管の流体の非常時減少速度に応答するように動作す
    る応答手段とを備え、 d) 前記高圧弁手段は、 (i) 一端が前記ブレーキ管内の圧力下の流体を受
    け、他端が前記急動室内の圧力下の流体を受けるスプー
    ル部材を備え、該スプール部材はその周辺を囲繞する第
    1の圧力シールを有し、 (ii) 緩め位置と制動位置との間で軸方向運動可能な
    ように往復動自在に前記スプール部材が配置されたブッ
    シュを有し、前記ブッシュは、前記非常時空気溜め及び
    前記ブレーキシリンダがそれぞれ接続される第1及び第
    2のポートを備え、前記第1の圧力シールは、前記スプ
    ール部材の前記緩め位置において前記第1及び第2のポ
    ートの間に位置して該第1及び第2のポート間の流体圧
    連通を遮断すると共に、前記中間の位置から前記スプー
    ル部材の前記制動位置に変位して前記第1及び第2のポ
    ート間に流体圧の連通状態を確保し、以て前記非常ブレ
    ーキ制御機能の第1の局面を可能としており、 (iii) 前記緩め位置の方向に前記スプール部材に作用
    する第1のばねを有し、 (iv) 前記第1の圧力シールが前記第1及び第2のポ
    ート間の位置から変位する前に前記スプール部材が前記
    緩め位置から前記制動位置へと移動する間と、前記第1
    の圧力シールの前記第1及び第2のポート間における整
    列後に前記スプール部材が前記制動位置から前記緩め位
    置へ移動する間のみ、前記制動位置の方向に前記スプー
    ル部材に作用する第2のばねを有する、 鉄道車両用ブレーキ制御弁装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の鉄道車両用ブレーキ制
    御弁装置であって、 a) 加圧下の前記非常空気溜めの流体を前記ブレーキ
    シリンダに接続する抑圧弁手段を含み、 b) 前記ブッシュは更に、前記抑圧弁手段が接続され
    る第3のポートを備え、 c) 前記スプール部材はその周辺を囲繞する第2の圧
    力シールを備え、該第2の圧力シールは、前記スプール
    部材の前記制動位置において前記第2のポートと第3の
    ポートとの間に位置して該第2のポート及び第3のポー
    ト間の流体圧連通を遮断すると共に、前記緩め位置にお
    いて前記第2のポートと前記第3のポートとの間の位置
    から変位して前記第2のポート及び第3のポート間に流
    体圧の連通状態を確保し、以て前記非常ブレーキ制御機
    能の第2の局面を可能としており、 d) 前記第2のばねは、前記第2の圧力シールが前記
    第2及び第3のポート間で整列する前における前記スプ
    ール部材の前記緩め位置から前記制動位置への移動中
    と、前記第2の圧力シールの前記第2及び第3ポート間
    の整列位置から変位後に前記スプール部材の前記制動位
    置から前記緩め位置に向かう移動中のみ前記スプール部
    材に作用する、 鉄道車両用ブレーキ制御弁装置。
  10. 【請求項10】 前記スプール部材は、更に、前記第2
    の圧力シールに隣接してその周辺を囲繞する第3の圧力
    シールを含み、該第3の圧力シールは前記スプール部材
    の前記制動位置において前記第2の圧力シールと対向す
    る側で前記第3のポートに位置する、請求項9に記載の
    鉄道車両用ブレーキ制御弁装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の鉄道車両用ブレー
    キ制御弁装置であって、 a) 前記ブッシュは、更に、大気に連通する第4のポ
    ートを備え、 b) 前記スプール部材は、更に、その周辺を囲繞する
    第4の圧力シールを備え、該第4の圧力シールは、前記
    スプール部材が前記緩め位置にある時に、前記スプール
    部材の前記対向側に隣接し前記第4のポートの一側に配
    置されて該第4のポートを経る流体圧連通を遮断し、前
    記スプール弁が前記制動位置にある時には、前記第4の
    ポートの他側に位置して該第4のポートを経る流体圧連
    通を設定し、以て前記非常ブレーキ制御機能の第3の局
    面を可能にしており、 c) 前記第2のばねは、前記第4の圧力シールが前記
    第4のポートの前記他側に配置される前に前記スプール
    部材が前記緩め位置から前記制動位置に向かって移動す
    る間と、前記第4の圧力シールの前記第4ポートの前記
    一側への配置後に前記スプール部材が前記制動位置から
    前記緩め位置に向かい移動する間のみ、前記スプール部
    材に作用する、 請求項10に記載の鉄道車両用ブレーキ制御弁装置。
  12. 【請求項12】 前記第2のばねは、前記スプール部材
    の前記緩め位置においてその自由高さから実質的に2.
    667〜3.429mm圧縮され、それにより、前記第
    1、第2及び第4の圧力シールのいずれかが前記第1、
    第2、第3及び第4のポートのいずれかを横切る前に、
    前記スプール部材が前記緩め位置から前記制動位置に向
    かって移動する距離が少なくとも3.048mmであ
    る、請求項11に記載の鉄道車両用ブレーキ制御弁装
    置。
  13. 【請求項13】 前記第2のばねがコイルばねである請
    求項8に記載の鉄道車両用ブレーキ制御弁装置。
  14. 【請求項14】 前記第2のばねが円板状の皿ばねであ
    る請求項8に記載の鉄道車両用ブレーキ制御弁装置。
  15. 【請求項15】 前記第2のばねが波形ばねである請求
    項8に記載の鉄道車両用ブレーキ制御弁装置。
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