JP2582977B2 - トロリ線塗油機 - Google Patents
トロリ線塗油機Info
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- JP2582977B2 JP2582977B2 JP3357750A JP35775091A JP2582977B2 JP 2582977 B2 JP2582977 B2 JP 2582977B2 JP 3357750 A JP3357750 A JP 3357750A JP 35775091 A JP35775091 A JP 35775091A JP 2582977 B2 JP2582977 B2 JP 2582977B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気鉄道におけるトロ
リ線に油を塗布する機械に関する。
リ線に油を塗布する機械に関する。
【0002】
【従来の技術】寒冷地では、冬期のある気象条件下にお
いて、トロリ線に氷又は霜が付着し、さらに、それが凍
結する場合がある。このような状態で電車を運転する
と、トロリ線と電車のパンタグラフ集電器の間にアーク
が発生し、そのアーク発生が時にはパンタグラフの破損
や、トロリ線の断線などの事故に繋がる場合がある。
いて、トロリ線に氷又は霜が付着し、さらに、それが凍
結する場合がある。このような状態で電車を運転する
と、トロリ線と電車のパンタグラフ集電器の間にアーク
が発生し、そのアーク発生が時にはパンタグラフの破損
や、トロリ線の断線などの事故に繋がる場合がある。
【0003】この対策として、従来、種々の着氷・霜の
除去方法が採られているが、その一つに、トロリ線に予
め油を塗っておくことにより、付着した氷霜が落ち易く
する方法がある。
除去方法が採られているが、その一つに、トロリ線に予
め油を塗っておくことにより、付着した氷霜が落ち易く
する方法がある。
【0004】そして、塗る油の種類に関しては、液体状
の油では、雨等で洗い流され、風により飛ばされ易く、
付着効果が薄いという問題があることから、実際は、付
着性の良好なグリス状の油が使用されている。
の油では、雨等で洗い流され、風により飛ばされ易く、
付着効果が薄いという問題があることから、実際は、付
着性の良好なグリス状の油が使用されている。
【0005】往時は、塗油方法として、グリス状の油を
手で掬ってトロリ線を握るようにして、トロリ線に沿っ
て手を移動しながら塗る方法や、グリス状の油をガスコ
ンロ等で溶解し、その溶解油をスポンジなどに浸し、そ
のスポンジをトロリ線に当て、横に移動しながら塗る方
法などの、手作業による方法が用いられていた。
手で掬ってトロリ線を握るようにして、トロリ線に沿っ
て手を移動しながら塗る方法や、グリス状の油をガスコ
ンロ等で溶解し、その溶解油をスポンジなどに浸し、そ
のスポンジをトロリ線に当て、横に移動しながら塗る方
法などの、手作業による方法が用いられていた。
【0006】しかし、上述の手作業による塗油方法は、
多大の労力と時間を要して、非能率的であり、作業者の
疲労度が高く、塗油の均一性に問題があるとともに、高
所での作業であるので危険が伴い、作業者は油で汚れる
ため、作業員の確保も難しい、など、種々の問題を含ん
でいる。
多大の労力と時間を要して、非能率的であり、作業者の
疲労度が高く、塗油の均一性に問題があるとともに、高
所での作業であるので危険が伴い、作業者は油で汚れる
ため、作業員の確保も難しい、など、種々の問題を含ん
でいる。
【0007】この点に着目して、これまでに、油タンク
をトロリ線に常に接近させて支持し、その油タンク内に
設けた回転ブラシで油タンク内の油をトロリ線に付着さ
せる塗油装置(特開昭61−247528号公報)、パ
ンタグラフの上端部に余剰油回収箱を兼ねる案内ケース
を取付け、その案内ケースの中に架台をトロリ線と直角
方向に移動自在を収容し、その架台にトロリ線に下側か
ら嵌合する滑車を設けるとともに、その架台にトロリ線
に対向させたノズルを取付け、そのノズルから凍結防止
剤を噴射させるようにした凍結防止剤塗布装置(特開昭
62−18337号公報)、さらに、支持台の上部に左
右方向に揺動自在に取付けたパンタグラフの上端部にユ
ニバーサルジョイントを介して受け箱を支持するととも
に、その受け箱をバネで常に上方に付勢して、受け箱内
に設けたV型滑車をトロリ線に嵌合押圧させ、受け箱に
取付けたノズルからトロリ線に向けて着氷防止剤を噴霧
するようにした着氷防止剤噴霧機(特開平3−2043
45号公報)などの自動塗布機が提案された。
をトロリ線に常に接近させて支持し、その油タンク内に
設けた回転ブラシで油タンク内の油をトロリ線に付着さ
せる塗油装置(特開昭61−247528号公報)、パ
ンタグラフの上端部に余剰油回収箱を兼ねる案内ケース
を取付け、その案内ケースの中に架台をトロリ線と直角
方向に移動自在を収容し、その架台にトロリ線に下側か
ら嵌合する滑車を設けるとともに、その架台にトロリ線
に対向させたノズルを取付け、そのノズルから凍結防止
剤を噴射させるようにした凍結防止剤塗布装置(特開昭
62−18337号公報)、さらに、支持台の上部に左
右方向に揺動自在に取付けたパンタグラフの上端部にユ
ニバーサルジョイントを介して受け箱を支持するととも
に、その受け箱をバネで常に上方に付勢して、受け箱内
に設けたV型滑車をトロリ線に嵌合押圧させ、受け箱に
取付けたノズルからトロリ線に向けて着氷防止剤を噴霧
するようにした着氷防止剤噴霧機(特開平3−2043
45号公報)などの自動塗布機が提案された。
【0008】
【解決しようとする技術課題】しかしながら、上記の従
来技術は、いずれも、自然温度の油、凍結防止剤、又は
着氷防止剤をブラシにより付着し、又はノズルから噴射
あるいは噴霧するものであるため、トロリ線に着氷・霜
する気候条件下では、グリス状の油、その他の凍結防止
剤や着氷防止剤が流動性を欠くに至り、ブラシによって
トロリ線に円滑かつ均一に塗布することができず、ま
た、凍結防止剤又は着氷防止剤がノズルに詰まって、所
望通りの塗布状態が得られないとか、圧送用ポンプのモ
ータの負荷が過大になり、焼損事故を起こすなどの、実
用上の不都合があった。
来技術は、いずれも、自然温度の油、凍結防止剤、又は
着氷防止剤をブラシにより付着し、又はノズルから噴射
あるいは噴霧するものであるため、トロリ線に着氷・霜
する気候条件下では、グリス状の油、その他の凍結防止
剤や着氷防止剤が流動性を欠くに至り、ブラシによって
トロリ線に円滑かつ均一に塗布することができず、ま
た、凍結防止剤又は着氷防止剤がノズルに詰まって、所
望通りの塗布状態が得られないとか、圧送用ポンプのモ
ータの負荷が過大になり、焼損事故を起こすなどの、実
用上の不都合があった。
【0009】本発明は、上記従来装置の問題点に鑑みて
なされたものであり、グリス状の油をノズルからトロリ
線に噴射する自動塗油機において、トロリ線に着氷・霜
する程度の厳しい気候条件下においても、油が流動性を
失ってノズルに詰まることなく、円滑かつ均一に、トロ
リ線に塗布されるようにすることを目的とする。
なされたものであり、グリス状の油をノズルからトロリ
線に噴射する自動塗油機において、トロリ線に着氷・霜
する程度の厳しい気候条件下においても、油が流動性を
失ってノズルに詰まることなく、円滑かつ均一に、トロ
リ線に塗布されるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係るトロリ線塗油機は、作業車に取付けら
れた上下伸縮自在のフレームと、そのフレームを常時上
方に付勢する付勢部材と、前記フレームに設けられた案
内枠と、その案内枠にトロリ線に対して直角方向に移動
自在に支持された受箱と、その受箱に回転自在に設けら
れ、前記トロリ線に嵌合して追従する案内輪と、前記受
箱に取付けられ、前記トロリ線に油を噴射するノズル
と、前記作業車に設けられ、前記ノズルに油を圧送する
給油機構とを有するトロリ線塗油機において、前記給油
機構を、固形状の油を溶解する溶解槽と、送油ホース
と、その送油ホースを保温する手段と、前記送油ホース
を用いて前記溶解槽の溶解油を前記ノズルまで圧送する
モータポンプと、前記ノズルから噴射されて前記トロリ
線に付着せずに受箱に受けられた油を前記溶解槽に回収
するためのヒータ付き戻りホースとで構成したことを特
徴としている。
め、本発明に係るトロリ線塗油機は、作業車に取付けら
れた上下伸縮自在のフレームと、そのフレームを常時上
方に付勢する付勢部材と、前記フレームに設けられた案
内枠と、その案内枠にトロリ線に対して直角方向に移動
自在に支持された受箱と、その受箱に回転自在に設けら
れ、前記トロリ線に嵌合して追従する案内輪と、前記受
箱に取付けられ、前記トロリ線に油を噴射するノズル
と、前記作業車に設けられ、前記ノズルに油を圧送する
給油機構とを有するトロリ線塗油機において、前記給油
機構を、固形状の油を溶解する溶解槽と、送油ホース
と、その送油ホースを保温する手段と、前記送油ホース
を用いて前記溶解槽の溶解油を前記ノズルまで圧送する
モータポンプと、前記ノズルから噴射されて前記トロリ
線に付着せずに受箱に受けられた油を前記溶解槽に回収
するためのヒータ付き戻りホースとで構成したことを特
徴としている。
【0011】
【作用】上下伸縮自在のフレームは付勢部材により常時
上方に付勢されているので、トロリ線と線路間の高さの
変化に対応して、フレームが上下移動する。また、受箱
がフレームの案内部材に沿って移動可能であり、その受
箱に取付けられた案内輪がトロリ線に嵌合していて、線
路を基準としたトロリ線の左右の位置ずれに応じて受箱
が左右に移動し、案内輪が常にトロリ線の下面に接触し
ながら移動する。従って、トロリ線と線路間の高さの変
化、線路を基準としたトロリ線の左右の位置ずれに係わ
りなく、ノズルが常にトロリ線に対して定位置になるよ
うに追従動作する。
上方に付勢されているので、トロリ線と線路間の高さの
変化に対応して、フレームが上下移動する。また、受箱
がフレームの案内部材に沿って移動可能であり、その受
箱に取付けられた案内輪がトロリ線に嵌合していて、線
路を基準としたトロリ線の左右の位置ずれに応じて受箱
が左右に移動し、案内輪が常にトロリ線の下面に接触し
ながら移動する。従って、トロリ線と線路間の高さの変
化、線路を基準としたトロリ線の左右の位置ずれに係わ
りなく、ノズルが常にトロリ線に対して定位置になるよ
うに追従動作する。
【0012】また、給油機構を、固形状の油を溶解する
溶解槽と、送油ホースと、その送油ホースを保温する手
段と、前記送油ホースを用いて前記溶解槽の溶解油を前
記ノズルまで圧送するモータポンプと、前記ノズルから
噴射されて前記トロリ線に付着せずに受箱に受けられた
油を前記溶解槽に回収するためのヒータ付き戻りホース
とから構成したので、グリス状の油は作業車に設けた溶
解槽で溶解され、モータポンプにより送油ホースを介し
てノズルに圧送され、ノズルからトロリ線に噴射され
る。従って、作業車の走行とともに、トロリ線に油が自
動的に塗布される。溶解されたグリス状の油は、保温手
段で保温されながら圧送されるので、外気温度が低い時
にも流動性が失われることがないため、ノズルに詰まる
ことなく、トロリ線に円滑かつ均一に塗布される。トロ
リ線に付着しなかった油は、受箱で受けられ、戻りホー
スを経て、溶解槽に回収され、再加熱されて再びノズル
に圧送される。
溶解槽と、送油ホースと、その送油ホースを保温する手
段と、前記送油ホースを用いて前記溶解槽の溶解油を前
記ノズルまで圧送するモータポンプと、前記ノズルから
噴射されて前記トロリ線に付着せずに受箱に受けられた
油を前記溶解槽に回収するためのヒータ付き戻りホース
とから構成したので、グリス状の油は作業車に設けた溶
解槽で溶解され、モータポンプにより送油ホースを介し
てノズルに圧送され、ノズルからトロリ線に噴射され
る。従って、作業車の走行とともに、トロリ線に油が自
動的に塗布される。溶解されたグリス状の油は、保温手
段で保温されながら圧送されるので、外気温度が低い時
にも流動性が失われることがないため、ノズルに詰まる
ことなく、トロリ線に円滑かつ均一に塗布される。トロ
リ線に付着しなかった油は、受箱で受けられ、戻りホー
スを経て、溶解槽に回収され、再加熱されて再びノズル
に圧送される。
【0013】
【実施例】次に、本発明を、図示の実施例について、図
面に基づいて説明する。図1は、本実施例に係るトロリ
線塗油機の作業中の状態における概略構成図、図2は、
フレームの上半部のみを前方から見た斜視図である。
面に基づいて説明する。図1は、本実施例に係るトロリ
線塗油機の作業中の状態における概略構成図、図2は、
フレームの上半部のみを前方から見た斜視図である。
【0014】一般に、トロリ線の設置位置は場所によ
り、線路を基準とした場合、左右方向及び高さ方向に常
に変化している。すなわち、トロリ線の位置は、線路の
中心に対して曲線区間で右又は左にずれるだけでなく、
直線区間においても、電車のパンタグラフ摺動板の偏摩
耗を防止する目的で、トロリ線は常に蛇行するように張
られている。一方、トロリ線の高さも、跨線橋や立体道
路など高さ制限を受ける場所などでは低くなり、トロリ
線と線路間の間隔(高さ)は、狭くなっている。本発明
に係るトロリ線塗油機は、このようなトロリ線の位置の
変化に係わりなく、トロリ線に対して確実に塗油できる
ようにするため、トロリ線に油を噴射するためのノズル
を、トロリ線に対して一定の高さに支持する支持機構
と、同ノズルをトロリ線に対して水平方向の一定位置に
保持する位置決め機構と、ノズルに油を供給する給油機
構とを有している。これらについて、順次、詳細に説明
する。
り、線路を基準とした場合、左右方向及び高さ方向に常
に変化している。すなわち、トロリ線の位置は、線路の
中心に対して曲線区間で右又は左にずれるだけでなく、
直線区間においても、電車のパンタグラフ摺動板の偏摩
耗を防止する目的で、トロリ線は常に蛇行するように張
られている。一方、トロリ線の高さも、跨線橋や立体道
路など高さ制限を受ける場所などでは低くなり、トロリ
線と線路間の間隔(高さ)は、狭くなっている。本発明
に係るトロリ線塗油機は、このようなトロリ線の位置の
変化に係わりなく、トロリ線に対して確実に塗油できる
ようにするため、トロリ線に油を噴射するためのノズル
を、トロリ線に対して一定の高さに支持する支持機構
と、同ノズルをトロリ線に対して水平方向の一定位置に
保持する位置決め機構と、ノズルに油を供給する給油機
構とを有している。これらについて、順次、詳細に説明
する。
【0015】支持機構 線路1上を走行する作業車2の荷台には、既知のエレベ
ータ3が設置されている。このエレベータ3は、上端部
に設けた取付台4を、液圧シリンダその他の駆動手段を
用いる昇降機構により、任意の高さまで昇降させること
ができるものである。
ータ3が設置されている。このエレベータ3は、上端部
に設けた取付台4を、液圧シリンダその他の駆動手段を
用いる昇降機構により、任意の高さまで昇降させること
ができるものである。
【0016】そして、取付台4には、例えば、パンタグ
ラフなどの上下伸縮自在のフレーム5が取付けられてい
る。フレーム5には、これを常に上方に付勢する付勢部
材の一例として、フレームのアーム5aとベース5b又
はエレベータ3の上端部である取付台4との間にばね1
6を張設して、フレーム5を昇降自在にしてある。これ
により、トロリ線9の高さの変化を吸収することができ
るようになっている。なお、ばね16の設置位置はフレ
ーム5の構造に応じて任意に決定することができる。フ
レーム5のアーム5aの上端部に左右の側板6aと、そ
の側板の間に水平方向に延びる複数本、図示の例では4
本の鉄パイプなどの案内部材6bからなる案内枠6が、
側板6aの重心点でアーム5aにボルト軸止めして設け
られている。
ラフなどの上下伸縮自在のフレーム5が取付けられてい
る。フレーム5には、これを常に上方に付勢する付勢部
材の一例として、フレームのアーム5aとベース5b又
はエレベータ3の上端部である取付台4との間にばね1
6を張設して、フレーム5を昇降自在にしてある。これ
により、トロリ線9の高さの変化を吸収することができ
るようになっている。なお、ばね16の設置位置はフレ
ーム5の構造に応じて任意に決定することができる。フ
レーム5のアーム5aの上端部に左右の側板6aと、そ
の側板の間に水平方向に延びる複数本、図示の例では4
本の鉄パイプなどの案内部材6bからなる案内枠6が、
側板6aの重心点でアーム5aにボルト軸止めして設け
られている。
【0017】位置決め機構 案内部材6bには、受箱7が車輪8を介して、案内部材
6bに沿って両側の側板6a間を移動自在に支持されて
おり、その受箱7には、その前端部に、トロリ線9に嵌
合してその下面に接触しうる案内輪10が回転自在に取
付けられている。案内枠6が側板6aの重心点でフレー
ムに軸支されているので、案内輪10にトロリ線9から
かかる荷重に応じて回動してバランスがとられる。ま
た、受箱7の上部には、案内輪10に接触しているトロ
リ線9に対向させて配置された、後述の給油機構の構成
要素の一つであるノズル11が取付けられている。位置
決め機構は、作業車の走行中に、ノズル11をトロリ線
9に対して左右方向の定位置に保持するためのものであ
り、次のように構成されている。すなわち、作業車に設
置されたフレーム5のアーム5aの先端部に上記のよう
に案内部材6bが設けられ、受箱7の下部に設けられた
車輪8を介してその受箱7が案内部材6bに沿ってトロ
リ線に対して直角な方向に容易に移動できる構造とされ
ている。そして、受箱7の前端部に案内輪10が取付け
られ、その案内輪がトロリ線9の下面に接触しながらト
ロリ線に沿って移動できるようにしてある。
6bに沿って両側の側板6a間を移動自在に支持されて
おり、その受箱7には、その前端部に、トロリ線9に嵌
合してその下面に接触しうる案内輪10が回転自在に取
付けられている。案内枠6が側板6aの重心点でフレー
ムに軸支されているので、案内輪10にトロリ線9から
かかる荷重に応じて回動してバランスがとられる。ま
た、受箱7の上部には、案内輪10に接触しているトロ
リ線9に対向させて配置された、後述の給油機構の構成
要素の一つであるノズル11が取付けられている。位置
決め機構は、作業車の走行中に、ノズル11をトロリ線
9に対して左右方向の定位置に保持するためのものであ
り、次のように構成されている。すなわち、作業車に設
置されたフレーム5のアーム5aの先端部に上記のよう
に案内部材6bが設けられ、受箱7の下部に設けられた
車輪8を介してその受箱7が案内部材6bに沿ってトロ
リ線に対して直角な方向に容易に移動できる構造とされ
ている。そして、受箱7の前端部に案内輪10が取付け
られ、その案内輪がトロリ線9の下面に接触しながらト
ロリ線に沿って移動できるようにしてある。
【0018】従って、案内輪10と噴射ノズル11の取
付位置が固定されているので、ノズル11はトロリ線9
に対して常に定位置を保持することができる。こうし
て、トロリ線9の線路1の中心に対する左右方向のずれ
及び線路からの高さの変化に係わりなく、常に案内輪1
0がトロリ線9の下面に接触して、噴射ノズル11をト
ロリ線9に対して定位置に保持することが可能となって
いる。
付位置が固定されているので、ノズル11はトロリ線9
に対して常に定位置を保持することができる。こうし
て、トロリ線9の線路1の中心に対する左右方向のずれ
及び線路からの高さの変化に係わりなく、常に案内輪1
0がトロリ線9の下面に接触して、噴射ノズル11をト
ロリ線9に対して定位置に保持することが可能となって
いる。
【0019】給油機構 受箱7には、ノズル11に、トロリ線9に塗る油を継続
的に供給するための給油機構が接続されている。この給
油機構は、作業車2の荷台に設置された、固形状の油を
溶解する溶解槽12と、溶解槽12からノズル11まで
延長する送油ホース13と、送油ホースの途中に設けら
れたモータポンプ14、及び、ニードル弁などの調整弁
15とから構成されている。そして、溶解槽12にグリ
ス状の材料油を供給し、ガス又は電熱ヒータで加熱溶解
する。溶解作業には、油の撹拌・加熱又は加熱停止など
の温度管理が伴うことはもちろんである。溶解後、モー
タポンプ14を駆動して、溶解油を送油ホース13を介
してノズル11まで圧送する。
的に供給するための給油機構が接続されている。この給
油機構は、作業車2の荷台に設置された、固形状の油を
溶解する溶解槽12と、溶解槽12からノズル11まで
延長する送油ホース13と、送油ホースの途中に設けら
れたモータポンプ14、及び、ニードル弁などの調整弁
15とから構成されている。そして、溶解槽12にグリ
ス状の材料油を供給し、ガス又は電熱ヒータで加熱溶解
する。溶解作業には、油の撹拌・加熱又は加熱停止など
の温度管理が伴うことはもちろんである。溶解後、モー
タポンプ14を駆動して、溶解油を送油ホース13を介
してノズル11まで圧送する。
【0020】塗油作業が冬期・夜間などの低温時に行わ
れる時に、油が冷えないように、電熱ヒータ付きの送油
ホースを用いて、電熱ヒータで送油ホース13を加熱し
て保温するか、送油ホースを外部から加熱して保温する
手段が備えられている。また、トロリ線9に対して均等
な塗布状態を得るため、トロリ線に対して両側より2個
のノズルを用いて噴射塗布する。調整弁15は、ノズル
に送られる油の量と圧力を調整するためのものである。
れる時に、油が冷えないように、電熱ヒータ付きの送油
ホースを用いて、電熱ヒータで送油ホース13を加熱し
て保温するか、送油ホースを外部から加熱して保温する
手段が備えられている。また、トロリ線9に対して均等
な塗布状態を得るため、トロリ線に対して両側より2個
のノズルを用いて噴射塗布する。調整弁15は、ノズル
に送られる油の量と圧力を調整するためのものである。
【0021】調整弁15を、図1に示すように、受箱7
付近に設けた場合は、エレベータ3の取付台に乗った作
業者が噴射ノズルからの噴射状態を見ながら調整を行う
ことができる。
付近に設けた場合は、エレベータ3の取付台に乗った作
業者が噴射ノズルからの噴射状態を見ながら調整を行う
ことができる。
【0022】噴射ノズル11からトロリ線9に油を塗布
する際に、トロリ線に付着しなかった油は、受箱7に受
けられ、その受箱7の底部からヒータ付き戻りホース1
3´を通って溶解槽12に回収され、再利用されるよう
になっている。溶解槽12では温度管理下で再加熱され
てポンプ14により圧送されるので、油は高い流動性を
保つことができる。また、調整弁15において絞られた
余剰油は、図示されていない分岐ホースを介して受箱7
内に送られ、噴射された余り油と合流されて戻りホース
13′により回収される。しかし、調整弁付きモータ・
ポンプを用いる3合は、上記調整弁15及び分岐ホース
は不要である。
する際に、トロリ線に付着しなかった油は、受箱7に受
けられ、その受箱7の底部からヒータ付き戻りホース1
3´を通って溶解槽12に回収され、再利用されるよう
になっている。溶解槽12では温度管理下で再加熱され
てポンプ14により圧送されるので、油は高い流動性を
保つことができる。また、調整弁15において絞られた
余剰油は、図示されていない分岐ホースを介して受箱7
内に送られ、噴射された余り油と合流されて戻りホース
13′により回収される。しかし、調整弁付きモータ・
ポンプを用いる3合は、上記調整弁15及び分岐ホース
は不要である。
【0023】フレーム5の伸縮量には限界があり、トロ
リ線と線路間の間隔が特に大きな場合には、案内輪10
及び噴射ノズル11がトロリ線9に届かない場合もあり
うる。フレーム5をエレベータ3に搭載した場合は、そ
の様な場所でも、エレベータを駆動し、フレームの高さ
を適宜設定し、そのフレームの上下移動可能な範囲で、
トロリ線に対する自動塗油を容易に行うことができる。
リ線と線路間の間隔が特に大きな場合には、案内輪10
及び噴射ノズル11がトロリ線9に届かない場合もあり
うる。フレーム5をエレベータ3に搭載した場合は、そ
の様な場所でも、エレベータを駆動し、フレームの高さ
を適宜設定し、そのフレームの上下移動可能な範囲で、
トロリ線に対する自動塗油を容易に行うことができる。
【0024】
【発明の効果】上記のように、本発明によれば、トロリ
線に塗布される固形状のグリス状の油は、溶解槽におい
て溶解された後、保温手段を備えた送油ホースによりノ
ズルに圧送されるので、冬季の外気温度が特に低い時に
も、油の流動性が失われず、従って、油をノズルに詰ま
らせることなく、トロリ線に円滑かつ均一に塗布するこ
とができる。また、トロリ線に付着しなかった油は、受
箱、ヒータ付き戻りホースを介して溶解槽に回収され、
温度管理の下で再加熱されて再利用されるので、油の循
環流動性が保証される。
線に塗布される固形状のグリス状の油は、溶解槽におい
て溶解された後、保温手段を備えた送油ホースによりノ
ズルに圧送されるので、冬季の外気温度が特に低い時に
も、油の流動性が失われず、従って、油をノズルに詰ま
らせることなく、トロリ線に円滑かつ均一に塗布するこ
とができる。また、トロリ線に付着しなかった油は、受
箱、ヒータ付き戻りホースを介して溶解槽に回収され、
温度管理の下で再加熱されて再利用されるので、油の循
環流動性が保証される。
【図1】本発明の実施例に係る塗油機の構成を概念的に
示す図である。
示す図である。
【図2】フレームの上半部のみを示す斜視図である。
1 線路 2 作業車 3〜8 支持機構 3 エレベータ 5 フレーム 6 案内枠 6a 側板 6b 案内部材 7 受箱 9 トロリ線 6b,7,16 位置決め機構 10 案内輪 11 ノズル(噴射ノズル) 12 溶解槽 13 送油ホース 13´ 戻りホース 14 モータポンプ 15 調整弁 16 付勢部材
Claims (1)
- 【請求項1】 作業車(2)に取付けられた上下伸縮自
在のフレーム(5)と、前記フレームを常時上方に付勢
する付勢部材(16)と、前記フレームに設けられた案
内枠(6)と、前記案内枠にトロリ線(9)に対して直
角方向に移動自在に支持された受箱(7)と、前記受箱
に回転自在に設けられ、前記トロリ線に嵌合して追従す
る案内輪(10)と、前記受箱に取付けられ、前記トロ
リ線に油を噴射するノズル(11)と、前記作業車に設
けられ、前記ノズルに油を圧送する給油機構とを有する
トロリ線塗油機において、 前記給油機構は、固形状の油を溶解する溶解槽(12)
と、送油ホース(13)と、前記送油ホースを保温する
手段と、前記送油ホースを用いて前記溶解槽の溶解油を
前記ノズルまで圧送するモータポンプ(14)と、前記
ノズルから噴射されて前記トロリ線に付着せずに受箱に
受けられた油を前記溶解槽に回収するためのヒータ付き
戻りホース(13′)とからなること、 を特徴とする請求項1記載のトロリ線塗油機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3357750A JP2582977B2 (ja) | 1991-12-26 | 1991-12-26 | トロリ線塗油機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3357750A JP2582977B2 (ja) | 1991-12-26 | 1991-12-26 | トロリ線塗油機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05178131A JPH05178131A (ja) | 1993-07-20 |
JP2582977B2 true JP2582977B2 (ja) | 1997-02-19 |
Family
ID=18455735
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3357750A Expired - Fee Related JP2582977B2 (ja) | 1991-12-26 | 1991-12-26 | トロリ線塗油機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2582977B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2540401B1 (es) * | 2014-01-02 | 2016-05-27 | Telefonos Lineas Y Centrales S A (Telice) | Dispositivo para mantenimiento de catenarias y vehículo que incorpora el mismo |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61247528A (ja) * | 1985-04-26 | 1986-11-04 | Japanese National Railways<Jnr> | 電車線塗油装置 |
JPS6218337A (ja) * | 1985-07-18 | 1987-01-27 | Daito Kogyo Kk | トロリ線の凍結防止剤塗布装置 |
JPH03204345A (ja) * | 1989-12-29 | 1991-09-05 | Tanabe Kogyo Kk | トロリー線の着氷防止剤噴霧機 |
-
1991
- 1991-12-26 JP JP3357750A patent/JP2582977B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05178131A (ja) | 1993-07-20 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |