JP2582318B2 - 化合物半導体単結晶の製造方法 - Google Patents
化合物半導体単結晶の製造方法Info
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- JP2582318B2 JP2582318B2 JP3329774A JP32977491A JP2582318B2 JP 2582318 B2 JP2582318 B2 JP 2582318B2 JP 3329774 A JP3329774 A JP 3329774A JP 32977491 A JP32977491 A JP 32977491A JP 2582318 B2 JP2582318 B2 JP 2582318B2
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- Japan
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- orientation
- crystal
- compound semiconductor
- growth
- single crystal
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- Liquid Deposition Of Substances Of Which Semiconductor Devices Are Composed (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は垂直ブリッジマン法ある
いは垂直グラジエントフリーズ法により化合物半導体単
結晶を成長する方法に関し、特にCdTeなどの2−6
族化合物半導体単結晶を成長する方法に関するものであ
る。
いは垂直グラジエントフリーズ法により化合物半導体単
結晶を成長する方法に関し、特にCdTeなどの2−6
族化合物半導体単結晶を成長する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】垂直ブリッジマン法あるいは垂直グラジ
エントフリーズ法で種結晶を使用して化合物半導体単結
晶を成長する方法がある。この方法はGaAsなどの3
−5族化合物半導体の場合にはあまり問題はないが、C
dTeのような2−6族化合物半導体ではGaAsなど
と比べて積層欠陥エネルギーが低く、単結晶成長中に双
晶などの欠陥が入りやすいという欠点がある。特に種結
晶を用いた場合、成長初期に双晶などが発生しやすく、
発生した双晶によって成長方位が変わってしまうことが
多かった。成長方位は単結晶を歩留まり良く得るための
重要な条件であり、結晶の方位が変わってしまうことは
問題であった。さらに、成長方位が変わってしまうこと
によって単結晶化そのものが難しくなるという問題点も
あった。
エントフリーズ法で種結晶を使用して化合物半導体単結
晶を成長する方法がある。この方法はGaAsなどの3
−5族化合物半導体の場合にはあまり問題はないが、C
dTeのような2−6族化合物半導体ではGaAsなど
と比べて積層欠陥エネルギーが低く、単結晶成長中に双
晶などの欠陥が入りやすいという欠点がある。特に種結
晶を用いた場合、成長初期に双晶などが発生しやすく、
発生した双晶によって成長方位が変わってしまうことが
多かった。成長方位は単結晶を歩留まり良く得るための
重要な条件であり、結晶の方位が変わってしまうことは
問題であった。さらに、成長方位が変わってしまうこと
によって単結晶化そのものが難しくなるという問題点も
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決したもので、成長方位が安定した化合物半導体単
結晶の製造方法を提供するものである。
を解決したもので、成長方位が安定した化合物半導体単
結晶の製造方法を提供するものである。
【0004】[問題点を解決するための手段及び方法] すなわち、本発明は、垂直ブリッジマン法あるいは垂直
グラジエントフリーズ法により、種結晶を用いて、Cd
TeおよびCdTeを含む3元あるいは4元混晶のいず
れか1種の化合物半導体単結晶を成長する方法におい
て、種結晶を入れる小径部分と径が徐々に広がる部分と
直胴部分とからなるるつぼを使用し、種付け後の上記小
径部分内での初期の成長速度を直胴部分の成長速度より
速い1mm/h以上として、該化合物半導体の最も成長
速度の速い結晶方位である<111>方位を優先的に成
長させることを特徴とする化合物半導体単結晶の製造方
法を提供するものである。CdTeは閃亜鉛鉱型の結晶
構造をもち、結合手が<111>軸と平行にあり<11
1>軸を中心として60°回転したような回転双晶が入
りやすい。<111>方位と等価な方位は表裏の関係を
除けば他に3つあるので、双晶は4つの面方位に入るこ
とができ、それぞれが109.5°で交わっている。例
えば<111>方位で結晶を育成する場合、成長方位に
対して垂直な(111)面に入った双晶では成長方位に
は影響がないが、他の等価な双晶面に双晶が入ると成長
方位は双晶面を境にまったく異なった成長方位となる。
このように双晶が一度入ると成長方位が変わってしまう
わけではあるが、この変わってしまった成長方位のとこ
ろに初めに入った双晶と同じ面方位の双晶が入ると成長
方位はもとの<111>方位に戻ってしまう。つまり双
晶が入ったとしてももう一度同じ面方位の双晶が入れば
元の面に戻ることになり、偶数回の双晶では双晶の部分
は欠陥となるとしても成長方位は変わらないことにな
る。本発明者は、この点に着目し、双晶が一度入ったと
しても再び双晶を入れることによって元の成長方位に戻
す方法を考えた。<111>方位は、成長速度が最も速
い。遅い成長速度で結晶を成長すれば、どの結晶方位に
も安定して結晶が成長できるが、成長速度を速くするこ
とにより、成長速度の最も速い<111>方位を優先的
に成長させれば、たとえ双晶によって成長方位が変わっ
たとしてもその方位は安定して成長できないため、再び
双晶が入りやすく最終的にはもとの<111>方位に戻
ることになる。本発明は、以上の着眼をもとに実験・研
究の結果得られたものである。
グラジエントフリーズ法により、種結晶を用いて、Cd
TeおよびCdTeを含む3元あるいは4元混晶のいず
れか1種の化合物半導体単結晶を成長する方法におい
て、種結晶を入れる小径部分と径が徐々に広がる部分と
直胴部分とからなるるつぼを使用し、種付け後の上記小
径部分内での初期の成長速度を直胴部分の成長速度より
速い1mm/h以上として、該化合物半導体の最も成長
速度の速い結晶方位である<111>方位を優先的に成
長させることを特徴とする化合物半導体単結晶の製造方
法を提供するものである。CdTeは閃亜鉛鉱型の結晶
構造をもち、結合手が<111>軸と平行にあり<11
1>軸を中心として60°回転したような回転双晶が入
りやすい。<111>方位と等価な方位は表裏の関係を
除けば他に3つあるので、双晶は4つの面方位に入るこ
とができ、それぞれが109.5°で交わっている。例
えば<111>方位で結晶を育成する場合、成長方位に
対して垂直な(111)面に入った双晶では成長方位に
は影響がないが、他の等価な双晶面に双晶が入ると成長
方位は双晶面を境にまったく異なった成長方位となる。
このように双晶が一度入ると成長方位が変わってしまう
わけではあるが、この変わってしまった成長方位のとこ
ろに初めに入った双晶と同じ面方位の双晶が入ると成長
方位はもとの<111>方位に戻ってしまう。つまり双
晶が入ったとしてももう一度同じ面方位の双晶が入れば
元の面に戻ることになり、偶数回の双晶では双晶の部分
は欠陥となるとしても成長方位は変わらないことにな
る。本発明者は、この点に着目し、双晶が一度入ったと
しても再び双晶を入れることによって元の成長方位に戻
す方法を考えた。<111>方位は、成長速度が最も速
い。遅い成長速度で結晶を成長すれば、どの結晶方位に
も安定して結晶が成長できるが、成長速度を速くするこ
とにより、成長速度の最も速い<111>方位を優先的
に成長させれば、たとえ双晶によって成長方位が変わっ
たとしてもその方位は安定して成長できないため、再び
双晶が入りやすく最終的にはもとの<111>方位に戻
ることになる。本発明は、以上の着眼をもとに実験・研
究の結果得られたものである。
【0005】
【実施例】図1に示すように内径8mmのるつぼ小径部
に長手方向が<111>方位の円柱型のCdTe種結晶
をエッチング洗浄した後入れ、内径80mmのるつぼ直
胴部にCdTe多結晶原料を入れ、このるつぼを石英ア
ンプルにいれて真空度10-6torrにて封じた。この石英
アンプルを図2に示す結晶成長炉に装填し、CdTeの
融点直下まで昇温しアンプル縦方向に2〜10℃/cm
の温度勾配を付け、温度を徐々に上げながら種結晶の途
中までをメルトバックし、その後30時間の均一化を行
った。種付け後のるつぼ小径部での初期の成長速度を
0.3mm/h,0.6mm/h,1mm/h,1.5
mm/hの4条件で、成長開始位置から1mmまでと2
0mmまでとを上記速度で成長した後、0.5mm/h
の成長速度にして直胴部分まで成長させた。
に長手方向が<111>方位の円柱型のCdTe種結晶
をエッチング洗浄した後入れ、内径80mmのるつぼ直
胴部にCdTe多結晶原料を入れ、このるつぼを石英ア
ンプルにいれて真空度10-6torrにて封じた。この石英
アンプルを図2に示す結晶成長炉に装填し、CdTeの
融点直下まで昇温しアンプル縦方向に2〜10℃/cm
の温度勾配を付け、温度を徐々に上げながら種結晶の途
中までをメルトバックし、その後30時間の均一化を行
った。種付け後のるつぼ小径部での初期の成長速度を
0.3mm/h,0.6mm/h,1mm/h,1.5
mm/hの4条件で、成長開始位置から1mmまでと2
0mmまでとを上記速度で成長した後、0.5mm/h
の成長速度にして直胴部分まで成長させた。
【0006】その結果、0.3mm/h及び0.6mm
/hで育成した結晶はいずれも成長初期に入った双晶に
よって成長方位が変わったままであった。一方、1mm
/h及び1.5mm/hで成長した結晶には複数回の双
晶の発生がみられたが、最終的な成長方位は種結晶と同
じ<111>方位となった。また、1mm/h及び1.
5mm/hで成長した場合でも、成長開始位置から1m
mまで成長した後成長速度を0.5mm/hにしたもの
は、多結晶化することがなかったのに対し、成長開始位
置から20mmまで成長した後に成長速度を0.5mm
/hとして成長したものは、成長方位はもとに戻ってい
たもののるつぼ壁から結晶粒が発生し多結晶化している
ものもあった。以上の結果から、種付け後のるつぼ小径
部分内での初期の成長速度を1mm/h以上とすること
で、化合物半導体の最も成長速度の速い結晶方位を優先
的に成長させることができた。なお、1mm/h以上で
成長させる範囲はそこで入る双晶の影響がるつぼ小径部
分内に収まる範囲内とする必要があり、るつぼ小径部の
大きさにもよるが、成長開始位置から15mm以内の範
囲が望ましい。
/hで育成した結晶はいずれも成長初期に入った双晶に
よって成長方位が変わったままであった。一方、1mm
/h及び1.5mm/hで成長した結晶には複数回の双
晶の発生がみられたが、最終的な成長方位は種結晶と同
じ<111>方位となった。また、1mm/h及び1.
5mm/hで成長した場合でも、成長開始位置から1m
mまで成長した後成長速度を0.5mm/hにしたもの
は、多結晶化することがなかったのに対し、成長開始位
置から20mmまで成長した後に成長速度を0.5mm
/hとして成長したものは、成長方位はもとに戻ってい
たもののるつぼ壁から結晶粒が発生し多結晶化している
ものもあった。以上の結果から、種付け後のるつぼ小径
部分内での初期の成長速度を1mm/h以上とすること
で、化合物半導体の最も成長速度の速い結晶方位を優先
的に成長させることができた。なお、1mm/h以上で
成長させる範囲はそこで入る双晶の影響がるつぼ小径部
分内に収まる範囲内とする必要があり、るつぼ小径部の
大きさにもよるが、成長開始位置から15mm以内の範
囲が望ましい。
【0007】
【発明の効果】本発明により、その化合物半導体の最も
成長速度の速い結晶方位に単結晶を安定して成長するこ
とができ、単結晶の歩留まりを向上させることができ
た。
成長速度の速い結晶方位に単結晶を安定して成長するこ
とができ、単結晶の歩留まりを向上させることができ
た。
図1はるつぼの構造を示す図である。図2は結晶成長炉
を示す図である。
を示す図である。
1 pBNるつぼ 2 CdTe多結晶原料 3 CdTe種結晶 4 結晶成長炉 5 石英アンプル 6 石英キャップ 7 るつぼ支持台
Claims (1)
- 【請求項1】 垂直ブリッジマン法あるいは垂直グラジ
エントフリーズ法により、種結晶を用いて、CdTeお
よびCdTeを含む3元あるいは4元混晶のいずれか1
種の化合物半導体単結晶を成長する方法において、種結
晶を入れる小径部分と径が徐々に広がる部分と直胴部分
とからなるるつぼを使用し、種付け後の上記小径部分内
での初期の成長速度を直胴部分の成長速度より速い1m
m/h以上として、該化合物半導体の最も成長速度の速
い結晶方位である<111>方位を優先的に成長させる
ことを特徴とする化合物半導体単結晶の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3329774A JP2582318B2 (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | 化合物半導体単結晶の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3329774A JP2582318B2 (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | 化合物半導体単結晶の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05139877A JPH05139877A (ja) | 1993-06-08 |
JP2582318B2 true JP2582318B2 (ja) | 1997-02-19 |
Family
ID=18225116
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3329774A Expired - Lifetime JP2582318B2 (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | 化合物半導体単結晶の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2582318B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2649052B2 (ja) * | 1988-02-17 | 1997-09-03 | 日本電信電話株式会社 | 結晶育成方法および育成装置 |
-
1991
- 1991-11-19 JP JP3329774A patent/JP2582318B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05139877A (ja) | 1993-06-08 |
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