JPH0977587A - 単結晶の成長方法 - Google Patents

単結晶の成長方法

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JPH0977587A
JPH0977587A JP23849395A JP23849395A JPH0977587A JP H0977587 A JPH0977587 A JP H0977587A JP 23849395 A JP23849395 A JP 23849395A JP 23849395 A JP23849395 A JP 23849395A JP H0977587 A JPH0977587 A JP H0977587A
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JP23849395A
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Hiroshi Okada
広 岡田
Takeo Kawanaka
岳穂 川中
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種結晶上で原料融液を固化させ単結晶を成長
させる場合、例えばZnSeのように室温と成長温度との間
に相転移を生じる物質では、種結晶が昇温中に相転移に
伴って多結晶化し、良質の単結晶を成長させることがで
きない。 【解決手段】 種結晶として配向性多結晶体1を使用す
る。この多結晶体1は、配向方向に垂直な面内での結晶
粒の平均粒径が0.5μm以上、200μm以下であり、
配向結晶軸方位のばらつきが±2.5度以内である。この
ような配向性多結晶体を種結晶として使用すると、これ
は、加熱昇温中に粒成長を起こして配向方位を保ったま
ま単結晶になり、この単結晶上に以降の結晶成長が行わ
れる。これにより、意図した結晶成長方位に制御された
良質の単結晶を成長させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばZnSeなどの
半導体材料や、光学用材料などの単結晶の成長方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】青色半導体レーザは、現有の赤色半導体
レーザの約1/2の波長であるため、コンパクトディス
クなどに代表される光記録の密度を4倍にできるといわ
れている。また、他の光源に比較して、コンパクト・低
消費電力などの利点があり、さらに、青色発光ダイオー
ドが実現すれば、現有の赤・緑色の発光ダイオードと合
わせて光の三原色が得られ、大型の高輝度カラーディス
プレイなどへの応用が考えられるため、その開発が切望
されている。
【0003】このような青色発光素子の製造には、青色
光のエネルギーに対応したバンドギャップを持つ半導体
材料、いわゆるワイドギャップ半導体材料が使用され
る。ワイドギャップ半導体材料の中では、ZnSe系II−VI
族化合物半導体が最も有望視されている。ところで、半
導体レーザや発光ダイオードなどのデバイス作製には、
高品質なエピタキシャル成長用単結晶基板が必要であ
る。しかしながら、現在、高品質なZnSe単結晶基板を工
業的に安価に製造できる製法は確立されておらず、一般
にはZnSeと格子定数の近いGaAsがエピタキシャル成長用
基板として使用されている。
【0004】しかしながら、GaAs基板(格子定数:5.65
4 Å)とZnSe(格子定数:5.668 Å)とは、格子定数が
近いとはいえ、なお0.25%の不整合がある。さらに熱膨
張係数の違いもあるために、エピタキシャル成長層と基
板界面との間に歪が残存し、転位などの欠陥の発生、ひ
いてはデバイス特性の劣化を引き起こすという欠点が避
けられず、青色素子開発の大きな壁となっている。
【0005】このため、例えば高圧ブリッジマン法など
により、高品質なZnSe単結晶を効率良く成長させる技術
の開発が行われている。上記のブリッジマン法や、回転
引上げ法などの融液から単結晶を成長させる方法、ある
いはフラックス法などの溶液系から結晶を成長させる方
法等では、従来、一般に単結晶体から成る種結晶を使用
する。ZnSeの場合、この種結晶として使用されるZnSe単
結晶も、例えば既存のブリッジマン法による融液成長で
作製されるが、このようなZnSe単結晶は双晶欠陥を多く
含み、種結晶として使用に耐える品質を有するものは、
これを入手するのが極めて困難である。
【0006】また、たとえ品質に優れたZnSe単結晶が入
手できたたとしても、次のような理由により種結晶とし
ての効果が得られない。つまり、ZnSe(融点1520℃)
は、融点の約 100℃下の1410℃付近に構造相転移を有す
る。すなわち、ZnSeの低温相は、立方晶系のzincblende
構造(3C)であり、相転移点以上の高温相は、六方晶系
のwurtzite構造(2H)を有することが知られている。こ
のため、所望の結晶方位に加工したZnSe単結晶を種結晶
としてるつぼ中に配したとしても、この種結晶は昇温途
中で3C→2H相転移を起こし、多結晶化するという難点が
ある。
【0007】このように相転移に伴い多結晶化する理由
は、3C→2H相転移においては結晶学的に等価な4方向の
原子移動が可能なため、結晶のいくつかの部分で相転移
が開始した場合、一般には各々の部分が異なる結晶方位
を持った2H層に変化するからである。このような種結晶
を使用した場合、その表面に接するZnSe融液を結晶化さ
せても所定の方位の単結晶とはならず、したがって、種
結晶としての効果を期待できないことになる。
【0008】そこで、種結晶を使わずにZnSe単結晶を成
長させようとする方法が提案されている。通常、種結晶
を使わずに、るつぼ底に設けた細径部での自発核発生に
任せようとする場合、例えばブリッジマン法では、ZnSe
の原料融液に大きな過冷却が起こりやすく、るつぼ中の
融液全体が急激に固化する結果、多結晶化して単結晶は
得られない。これに対し、例えば図5中の(a) に示すよ
うに、るつぼ21の下端部に核発生用のキャピラリー部21
a を設け、このキャピラリー部21a の長さを、同図(b)
の従来のるつぼ22の形状に比べて極めて長くし、このキ
ャピラリー部21a 内で融液から自然発生的に種用単結晶
を作り出す方法が提案されている(I. Kikuma et al.
J.Cryst.Growth 75(1986)609)。
【0009】また、図6に示す方法では、るつぼ31の下
部に核発生部32を設け、両者の間を細く絞ることによっ
て単一の結晶方位を選択する工夫がなされている(P.Ru
dolph et al.日本結晶成長学会誌、21(1994)38) 。この
ような方法によれば、自然に発生した核のうち、ある特
定の方位の結晶粒が種結晶となり、これに引き続く単結
晶成長が可能となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た各方法においては、結晶成長方位がその都度異なるも
のとなって所望の方位に制御し得ないため、成長結晶の
インゴットから工業的に必要な(100) 、(111) などの面
方位を持つウエハを効率良く切り出すことができないと
いう問題を有している。
【0011】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みな
されたものであって、例えばZnSeのように常温と結晶成
長温度との間に構造相転移が存在する場合や、種結晶と
して高品質の単結晶が得がたい場合でも、意図した結晶
成長方位に制御された良質の単結晶を成長させることが
可能な単結晶の成長方法を提供することを目的としてい
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の単結晶の成長方法は、種結晶上に結晶成
長用原料物質を結晶化させて単結晶を成長させる単結晶
の成長方法において、上記種結晶として結晶方位が配向
性を有する多結晶体を使用し、該多結晶体は、配向方向
に垂直な面内での結晶粒の平均粒径が0.5μm以上、2
00μm以下であり、配向結晶軸方位のばらつきが±2.
5度以内であることを特徴としている。
【0013】上記のように配向性多結晶体から成る種結
晶は、加熱昇温中に粒成長を起こし、配向方位を保った
まま実質的に単結晶となる。特に、例えばZnSeのように
相転移が起こる場合は、相転移時の原子移動を駆動力と
して上記した粒成長がむしろ起こり易い。これにより、
種結晶上に結晶化する物質は単結晶として成長し、しか
も、その結晶成長方位は上記の配向方位に沿うように制
御されることになる。
【0014】配向性多結晶体は、一般に微細な柱状晶か
らなる組織を有するが、上記した粒成長を起こし易くす
るためには、通常種結晶として用いられる場合の直径数
mm程度の棒状体形状を前提とすると、配向軸と垂直な面
内での粒径(短軸粒径)が、200 μm程度以下、好まし
くは100 μm以下であることが必要である。また、上記
のような配向性多結晶体はCVD などの方法により作製す
ることができるが、通常のCVD プロセスで良好な結晶性
と配向性を保つため、短軸粒径の下限値は、0.5μm以
上、好ましくは1μm以上であることが必要である。
【0015】一方、結晶軸配向性の程度に関しては、配
向軸と垂直な面内では全くランダムで良く、配向軸方向
でも粒成長後の単結晶化のためには概ね±2.5度の程度
で充分で、この程度の範囲内であれば単結晶化率には大
きな影響を与えることはない。また、配向軸方向のずれ
が大きいと、成長結晶の成長方位と結晶方位のずれがそ
の分大きくなり、成長結晶の歩留り低下につながるが、
上記の範囲であれば充分に実用的な単結晶を成長させる
ことができる。
【0016】このように、本発明法によれば、配向性多
結晶体から成る種結晶が加熱昇温中に粒成長を起こし、
配向方位を保ったまま単結晶になって以降の結晶成長が
行われるので、請求項2記載のようにII−VI族化合物半
導体、特に相転位を起こすZnSeであっても、結晶欠陥の
低減された良質の単結晶を得ることができ、さらに、請
求項3記載のように、配向方位が<111>の多結晶体
を種結晶として使用することにより、工業的に有用な単
結晶を得ることができる。
【0017】なお、上記のような配向性多結晶体は、融
液を一方向に温度勾配をつけた容器中で冷却、固化する
ことによっても得られるが、請求項4記載のようにCVD
法にて作製することによって、均質な粒径を持ち、配向
軸方向に長い柱状組織の多結晶体を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕初めに、垂直ブリッジマン法(VB法)に
よりZnSe単結晶の製造を行ったときの実施形態につい
て、図1および図2を参照して説明する。図1に、本実
施形態で種結晶として使用したZnSe多結晶体の結晶組織
を示している。これはCVD 法で作製されたもので、<1
11>方位に長く延びた柱状晶よりなる配向性を有する
組織になっている。平均短軸粒径は10μmである。この
多結晶体1から<111>方位が長手方向になるよう
に、直径1.5mm、長さ25mmの棒状体を切り出し、これを
種結晶としてるつぼ(図示せず)下端部のシードウエル
部に挿入した。
【0019】上記のるつぼは直径25mmのP-BN製であり、
上記のようい種結晶を挿入した後、ZnSe原料80gを入れ
て、高圧ブリッジマン炉(図示せず)にセットした。次
いで、以下のような操作を行ってZnSe単結晶を成長させ
た。まず、アルゴンガスを炉内に導入して圧力を10気圧
にした後、昇温を開始し、ZnSe原料を融解させた。この
とき、炉内の温度分布をZnSeの融点温度域が種結晶上端
よりやや下方に位置するように設定し、これによって、
種結晶の上端部側も融解させて、原料融液と種結晶とを
充分になじませた。その後、2mm/hの速度でるつぼを下
降させた。これにより、るつぼ内の原料融液が種結晶に
接する下側から上記の融点温度域を通過して順次固化す
る。原料融液全体を全て固化させた後、300 ℃/hで室温
まで冷却した。
【0020】このような成長操作で得られた結晶体を図
2に示している。図のように、種結晶2の部分は成長前
と異なり、下部のごく一部2aを除いて全体が単結晶化し
ていた。また、種付け界面(以下、種付け部という)3
より上方の成長結晶部4は、数個の双晶境界4a…を含む
ものの、種結晶2から成長を開始した部分4bは種結晶2
の方位を引き継いでおり、また、成長結晶4全体の成長
方位は<111>であった。このことから、配向性多結
晶体1を種結晶として使用することにより、意図した結
晶成長方位のZnSe単結晶の成長を行うことができた。
【0021】〔実施形態2〕次に、溶液成長法によって
ZnSe単結晶の製造を行ったときの実施形態について説明
する。結晶成長装置として高圧単結晶引き上げ装置(図
示せず)を用い、この装置内にセットしたグラファイト
るつぼ内に、Se70at%、Zn30at%組成物を結晶成長用原
料物質として充填した。一方、るつぼ上方に設けられて
いる回転引き上げ軸の下端部に、直径3mm、長さ50mm、
短軸粒径50μmの<111>配向性ZnSe多結晶体を種結
晶として装着した。
【0022】るつぼ内の原料を1380℃に加熱して融解さ
せ、原料融液を形成した後、種結晶が原料融液の直上に
近接する位置まで回転引き上げ軸を下降し、この状態で
30分間保持した。次いで、回転引き上げ軸を10rpm の回
転数で回転させながら、種結晶の下端部が原料融液中に
没入するまで下降させた。その後、融液温度を0.5℃/h
で降温させながら、回転引き上げ軸を0.1mm/hの速度で
引き上げる操作を行って、種結晶下端部に結晶を成長さ
せた。
【0023】得られた結晶は直径35mm、長さ20mmで、そ
の下端部は多結晶化しているものの、種結晶および種付
け部に引き続く結晶部は単結晶であり、結晶方位は種結
晶として用いた配向性多結晶体の配向方向と同じ<11
1>であった。 〔実施形態3〕次に、気相成長法(CVD法)によりZnSe単
結晶の製造を行ったときの実施形態について、図3を参
照して説明する。
【0024】本実施形態では、図3(a) に示す石英から
成る反応管5を内蔵する横形CVD 装置を使用し、上記反
応管5内のほぼ中央にZnSe原料6を配置する一方、反応
管5内の一端(図において左端)を覆う蓋板5aの内面に
沿って、板状の種結晶2をほぼ垂直に装着した。この種
結晶2は直径20mm、厚さ2mmで、厚さ方向に<111>
結晶配向を有する配向性ZnSe多結晶体から成っており、
平均短軸粒径は15μmである。なお、反応管5内におけ
る他端側には、Zn蒸気圧制御のためにZn粒7を配置し
た。
【0025】そして、同図(b) に示す温度分布を装置内
に形成して反応管5全体を加熱し、この加熱温度条件下
で 240時間保持して、種結晶2の表面にZnSe結晶を成長
させた。得られた結晶は、直径約20mm、厚さ10mmであ
り、周辺部に結晶方位の異なる部分が一部存在したが、
成長結晶の中央部、体積的には90%の部分が<111>
成長した単結晶であった。また、種結晶の部分を裏側か
ら観察したところ、周辺の一部を除き、面積的に95%以
上が(111)面方位をもつ単結晶になっており、成長
結晶はこの部分を種結晶にして成長していることが判明
した。
【0026】以上、垂直ブジッジマン法(VB法)、溶液
成長法、気相成長法(CVD法)の三種の結晶成長法に本発
明を適用した実施形態について説明したが、さらに、種
結晶および結晶成長の原料を変えた場合、また、垂直温
度勾配凝固法(VGF法)で結晶成長を行った場合での各条
件および結果を、表1にまとめて示す。
【0027】
【表1】
【0028】表1には、#9、#10、#11を比較例とし
て示している。すなわち、#11は、種結晶として従来同
様に単結晶体を使用したものである。一方、#9および
#10では、種結晶として配向性多結晶体を使用している
ものの、その短軸粒径が成長結晶の単結晶化率に影響
し、これらの場合には、低い単結晶化率しか得られてい
ない。そこで、上述の各結晶成長結果から、種結晶とし
て使用した配向性多結晶体の短軸粒径と成長結晶の単結
晶化率との関係についてまとめたグラフを図4に示す。
【0029】同図から明らかなように、短軸粒径が0.5
μm〜 200μmの範囲で良好な単結晶化率が得られ、特
に1μm〜 100μmの範囲で、ほぼ100 %の単結晶化率
が得られている。以上の説明のように、種結晶として粒
径の細かい配向性多結晶体を使用すると、この種結晶は
加熱昇温中に粒成長を起こし、配向方位を保ったまま、
例えばVB法では原料融液と接する先端部で実質的に単結
晶となる。これにより、融液から単結晶を成長させるこ
とが可能であると共に、その結晶成長方位を制御するこ
とができる。
【0030】特に、ZnSeのように相転移が起こる場合
は、相転移時の原子移動を駆動力として粒成長がむしろ
起こりやすく、最終的には、融液との接触部は最初の配
向軸と一定の方位関係にある単結晶粒となるので、引き
続く融液からの結晶成長方位を制御することが可能とな
る。なお、配向性多結晶体は、一般に前述のような微細
な柱状晶からなる組織を有している。一方、通常の種結
晶の形状は直径数mm程度の棒状体である。このような種
結晶として配向性多結晶体を用い、そして、この配向性
多結晶体における少なくとも融液に接する先端部が、粒
成長を起こして単結晶化するためには、例えば前述の図
4から明らかなように、短軸粒径が 200μm程度より好
ましくは 100μm以下であることが必要である。
【0031】また、上記のような配向性多結晶体は、CV
D などの方法により作製することができるが、通常のCV
D プロセスで良好な結晶性と配向性を保つため、短軸粒
径の下限値は、0.5μm以上、好ましくは1μm以上で
あることが必要である。一方、結晶軸配向性の程度に関
しては、配向軸と垂直な面内では全くランダムで良く、
配向軸方向でも粒成長後の単結晶化のためには概ね±2.
5度程度で充分で、この程度の範囲内であれば単結晶化
率には大きな影響を与えることはない。
【0032】ところで、このような種結晶から成長させ
る単結晶は、その後の加工工程によりウエハ状にスライ
スされるのが一般的であり、その際、種結晶軸が成長軸
とずれていると、ウエハ面と成長固液界面が一致せず、
このため、ウエハ面内での不純物分布などに不均一を生
じやすく、ひいては特性の不均一の原因となる。また、
結晶配向方位のずれが大きいと、成長結晶の成長方位
と、結晶方位のずれがその分大きくなり、ウエハ面を特
定の結晶面となるようにスライス加工したときに、結晶
歩留りが低下することにもなる。
【0033】このように、多結晶体の結晶軸配向性に関
しては、結晶成長方位の制御という観点での制限も生じ
てくるが、これについては、従来一般に使用されている
単結晶体から成る種結晶に求められる角度程度の配向性
を有しておればよく、特に、高効率を追及する場合を除
き、5度以内(±2.5度)であれば充分実用的であると
いえる。
【0034】なお、上記のような配向性多結晶体は、CV
D などの方法により得ることができるものであり、配向
性を有する結晶学的方位、および相転移を有する物質で
は、相転移前後の結晶方位の関係を考慮して、成長結晶
の結晶方位を制御することができる。また、このような
配向性多結晶体は、CVD 法のほか、例えば前記の表1
中、#7に示すように、融液を一方向に温度勾配をつけ
た容器中で冷却、固化することによっても得ることがで
きる。しかしながら、均質な粒径を持ち、配向軸方向に
長い多結晶体を得るときにはCVD プロセスが優れてい
る。
【0035】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明の単結晶の
成長方法によれば、配向性多結晶体から成る種結晶が加
熱昇温中に粒成長を起こし、配向方位を保ったまま単結
晶になって以降の結晶成長が行われるので、例えばII−
VI族化合物半導体、特に相転位を起こすZnSeなどであっ
ても、結晶欠陥の低減された良質の単結晶を成長させる
ことが可能となり、しかも、配向性多結晶体の配向方位
に応じて、意図した結晶成長方位に制御された単結晶を
成長させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態で使用した配向性多結晶体
の結晶組織を概略的に示す模式図である。
【図2】上記配向性多結晶体から切り出した棒状体を種
結晶としてZnSe単結晶を成長させたときの結晶体を示す
模式図である。
【図3】本発明の他の実施形態での結晶成長操作状態を
示すもので、同図(a) はCVD 装置における反応管を示す
模式図、同図(b) は結晶成長時における上記反応管に対
する加熱温度分布を示すグラフである。
【図4】種結晶に使用した配向性多結晶体の短軸粒径と
成長結晶の単結晶化率との関係を示すグラフである。
【図5】従来の単結晶成長法の説明図である。
【図6】従来の他の単結晶成長法の説明図である。
【符号の説明】
1 多結晶体 2 種結晶 4 成長結晶部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01S 3/18 H01S 3/18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 種結晶上に結晶成長用原料物質を結晶化
    させて単結晶を成長させる単結晶の成長方法において、 上記種結晶として結晶方位が配向性を有する多結晶体を
    使用し、該多結晶体は、配向方向に垂直な面内での結晶
    粒の平均粒径が0.5μm以上、200μm以下であり、
    配向結晶軸方位のばらつきが±2.5度以内であることを
    特徴とする単結晶の成長方法。
  2. 【請求項2】 結晶成長用原料物質がII−VI族化合物半
    導体であることを特徴とする請求項1記載の単結晶の成
    長方法。
  3. 【請求項3】 多結晶体から成る種結晶の配向方位が<
    111>であることを特徴とする請求項1又は2記載の
    単結晶の成長方法。
  4. 【請求項4】 多結晶体がCVD法により作製されてい
    ることを特徴とする請求項1、2又は3記載の単結晶の
    成長方法。
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