JP2582018B2 - スパーブイの安定装置 - Google Patents

スパーブイの安定装置

Info

Publication number
JP2582018B2
JP2582018B2 JP4275537A JP27553792A JP2582018B2 JP 2582018 B2 JP2582018 B2 JP 2582018B2 JP 4275537 A JP4275537 A JP 4275537A JP 27553792 A JP27553792 A JP 27553792A JP 2582018 B2 JP2582018 B2 JP 2582018B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
buoy
arm
wing plate
pillar
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4275537A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0699884A (ja
Inventor
裕司 麻生
忠浩 有村
純一 原田
幹男 福冨
光昭 横峯
斉 中澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OYO CHISHITSU KK
ZENIRAITO BUI KK
Original Assignee
OYO CHISHITSU KK
ZENIRAITO BUI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by OYO CHISHITSU KK, ZENIRAITO BUI KK filed Critical OYO CHISHITSU KK
Priority to JP4275537A priority Critical patent/JP2582018B2/ja
Priority to US08/115,842 priority patent/US5387144A/en
Priority to GB9318443A priority patent/GB2270656B/en
Publication of JPH0699884A publication Critical patent/JPH0699884A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2582018B2 publication Critical patent/JP2582018B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63BSHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; EQUIPMENT FOR SHIPPING 
    • B63B22/00Buoys
    • B63B22/18Buoys having means to control attitude or position, e.g. reaction surfaces or tether

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Ocean & Marine Engineering (AREA)
  • Other Liquid Machine Or Engine Such As Wave Power Use (AREA)
  • Laying Of Electric Cables Or Lines Outside (AREA)
  • Revetment (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潮流や波浪などにより
水中に設置されたスパーブイが傾いたり動揺したりする
のを抑制もしくは防止するための装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】標柱体の途中に浮力体を設け、前記標柱
体の下端を係留具により水底に沈めた沈錘に係留し、前
記浮力体を水中に引き込んで水線が浮力体上方の標柱体
途中にくるようにし、浮力により水中に直立するように
した引き込み係留式スパーブイは、離出距離が少く、比
較的動揺が少いため、航路標識やボーリング装置等に利
用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、設置時にお
いて標柱体は水底近くから水上にわたって直立している
から、潮流や波浪の影響を直接受け、スパーブイは傾い
たり動揺したりする。比較的浅い水域で使用されている
場合ほど、その傾向が強い場合が多い。例えば、係留具
に係留索を用いた場合について説明すると、スパーブイ
は浮力により常に上方に付勢されているため、図5,図
6に示すように2つのモードの動揺運動をする可能性が
ある。モード1の動揺(図5)はスパーブイの重心点回
りのピッチング、モード2の動揺(図6)は係留点回り
のピッチングである。また、別の係留具を用いた場合に
は、スパーブイの中心軸回りに回転する動揺運動(ヨー
イング)が起ることもある。
【0004】スパーブイのこれらの動揺の固有周期は、
水深(換言すれば、スパーブイの大きさ)や係留具の長
さによって異なるが、例えば、水深20m 、係留索の長さ
2mでモード1のピッチングが2〜3秒、モード2のピ
ッチングが18〜20秒である。モード2の固有周期は、水
深が浅くなるほど短くなり、また、モード1の固有周期
は索長が短くなるほど短くなる。モード1のピッチング
(図5)は、係留具にユニバーサルジョイント等直結係
留式のもの(索長0)を用いた場合は発生しないが、水
深調節を容易ならしめたり、あるいはボーリング用とし
て設置、移設を容易ならしめるために、短い鎖のような
係留具を用いた場合には、発生する可能性がある。
【0005】また、スパーブイは潮流等の水流により抵
抗を受け、傾斜する。水流が遅く傾斜が少い時は良い
が、水流が少し速くなると傾斜が大きくなり、標識用ス
パーブイでは灯火が傾いて標識としての機能を損い、ま
た、ボーリング用スパーブイでは作業足場が傾いて作業
性が悪くなる。
【0006】また、標柱体や浮力体の円柱部に水流が当
ると、カルマン渦やフラッターが発生する場合がある。
カルマン渦の発生周期は標柱体の直径、流速により異な
るが、流速3ノット、標柱体の径0.6 〜0.8mで3〜4秒
である。また、フラッターの発生周期はモード2の固有
周期で発生する。これらは、スパーブイに起振力として
作用する。また、波浪も起振力として作用する。従っ
て、スパーブイの動揺の固有周期が外力である波浪の周
期や水流によるカルマン渦の発生周期に近づくと、モー
ド1(図5)およびモード2(図6)の動揺が発生し、
スパーブイとしての機能を損う。
【0007】スパーブイの動揺のうちモード1の動揺
(図5)を抑制する手段としては、標柱体の下端近くの
外周面に、該標柱体に対して平面十字状になるごとく都
合4枚の抵抗板a(図7参照)を取り付けることが考え
られる。このようにすると、モード1の動揺は止まり、
また、標柱体に抵抗板を取り付けたため、スパーブイが
傾くことは少い。
【0008】一方、モード2の動揺(図6)を抑制する
手段としては、動揺の中心点から離れた位置、例えば標
柱体の吃水位置の直下に、上記の場合と同様該標柱体に
対して平面十字状になるごとく都合4枚の抵抗板を取り
付けることが考えられる。このようにすると、減衰力は
大きくなるが、逆に、波浪による水の粒子運動を受けや
すく、かえって動揺が増すのみならず、水流の抵抗が標
柱体に取り付けた抵抗板にも掛りスパーブイがさらに傾
くことになり、抑制手段として適当とは言えない。
【0009】特に、水深20m より浅い海域に設置された
スパーブイはモード2の動揺(図6)の固有周期が小さ
くなるため、設計条件の波浪周期(例えば、8〜12秒)
に近づいて共振域に入ることになるが、このような場合
の動揺を抑制するための有効な手段が現時点では見当ら
ず、問題となっていた。
【0010】また、水流によるスパーブイの傾斜を抑制
あるいは防止する方法も未だ見い出されておらず、現
在、波に対しても流れに対しても傾斜の小さいスパーブ
イの実現は困難とされていた。
【0011】本発明は、簡素な装置をスパーブイに取り
付けることによってスパーブイの水流抵抗による傾きを
抑制もしくは防止すると共に、モード1(図5)および
モード2(図6)の動揺ならびにスパーブイの中心軸回
りに回転する動揺運動(ヨーイング)を抑制する安定装
置およびその取り扱いを容易ならしめ得る装置を提供す
ることを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の安定装置は、浮
力体1より下方の標柱体2から相反する方向に突出させ
た少くとも2本のアーム8,8と、各アーム8,8の先
端に、ブイの中央に向って正の迎え角αを有するごとく
取り付けた翼板9,9とで構成されている。
【0013】前記アーム8には、これを基部で折り畳む
ヒンジ10と、アーム8を側方に伸長した状態に該ヒンジ
10を固定する固定手段11を設けておくとよい。
【0014】前記翼板9は、その全体面積を可変として
おくとよい。
【0015】
【作用】本発明の作用を図1〜図4に基いて説明する。
図1は、従来例のスパーブイを水流中に設置した状況を
示す側面図で、浮力Pによる復元モーメントMP と水流
の抗力Fによる転倒モーメントMF とが倒れ角θ’で釣
り合っている場合を現わしている。
【0016】図2は、本発明による安定装置を装着した
スパーブイを水流中に設置した状況を示す側面図で、翼
板9に正の迎え角αを付けたことにより翼板9の揚力L
1,L2 による復元モーメントML1,ML2および浮力Pに
よる復元モーメントMP とスパーブイの抗力F、翼板9
の抗力D1,D2 による転倒モーメントMt とが釣り合っ
て小さな傾斜角θになるように復元され、図1の場合よ
りも安定している場合を現わしている。
【0017】図3は、アーム8の長さ、翼板9の面積、
アーム8に対する翼板9の迎え角αを適宜選択して転倒
モーメントMt と復元モーメントML とが釣り合って直
立状態で完全に安定している場合を現わしている。
【0018】一方、図4は、アーム8に対して迎え角を
付けずに翼板9’を取り付けたスパーブイを水流中に設
置した状況を示す側面図で、翼板9’の揚力L1,L2
上流側と下流側とでモーメントML1, L2が互いに打ち
消すように作用し、復元モーメントは生ぜず、翼板9’
の抗力D1,D2 によりさらに転倒モーメントを増加し、
図1の場合のようにスパーブイが大きく傾く(倒れ角
θ')ことを現わしている。この図は、アーム8に対して
迎え角を付けずに翼板9’を取り付けてもスパーブイの
傾斜を復元することができず、傾斜をさらに増加させる
ことを示しており、本発明のように翼板9に正の迎え角
αを付けて始めて復元モーメントとして作用させ得るこ
とがこの図から容易に理解できるであろう。
【0019】なお、図2〜図4においては、標柱体2か
ら相反する方向に突出させた2本のアーム8,8が流れ
方向に一致している場合を示し、以下この場合を例に挙
げて本発明の安定装置の原理を説明する。
【0020】アーム8に対する翼板9の迎え角をα、翼
板9の面積をAW 、水流の流速をV、アーム8の長さ
(翼板9の揚力中心と標柱体2の中心までの距離)を
l1、水面下のスパーブイの流れ方向への投影面積を
B 、翼板9の揚力係数をCL 、スパーブイの傾きθの
時の各翼板9の揚力係数をCL1,CL2、スパーブイの抗
力係数をCB 、抗力をF、抗力Fの働く中心と係留点と
の距離をl2とする。
【0021】各翼板9,9には揚力L1,L2 と抗力D1,
2 とが発生するが、抗力D1,D2は揚力L1,L2 に比
べて小さい。揚力は、上流側の翼板9には図2,図3に
おいてL2 で示すように鉛直下向きに、また、下流側の
翼板9には図2,図3においてL1 で示すように上向き
に発生する。従って、これらの揚力L1,L2 によりスパ
ーブイには、傾斜するのを打ち消す方向に復元モーメン
トML1, L2が働くことになる。なお、流れに対し直角
方向の相反する方向にもアームが突出させてあってその
先端にアームに対し角度αで翼板がそれぞれ取り付けら
れている場合、水流に対する両翼板の迎え角は0(スパ
ーブイが直立の状態と同じ)に相当し、両翼板には抗力
のみが作用(揚力は発生しない)するが、受圧面積およ
び抗力係数が小さいため、流れ方向側の翼板9,9の抗
力D1,D2 による転倒モーメントを合せても転倒モーメ
ントは復元モーメントML に対して大幅に小さい。従っ
て、流れ方向側の翼板9,9に働く流体力はスパーブイ
に対し復元力として作用し、傾斜角は低減される。
【0022】スパーブイの抗力F、流れ方向側の翼板
9,9の揚力L1,L2 、スパーブイの転倒モーメントM
t および復元モーメントML の関係は、次式のようにな
り、翼板9の面積AW 、アーム8の長さl1、迎え角αの
数値を適宜選定することによって転倒モーメントMt
復元モーメントML とをほぼ釣り合うようにすると、流
速にかかわらずスパーブイの傾斜を復元もしくは防止す
ることができる。
【0023】
【数1】
【数2】
【数3】
【数4】
【数5】
【0024】次に、波浪による縦揺れおよびスパーブイ
に潮流等の水流が当った場合に発生するカルマン渦やフ
ラッター現象の起振力による流れに直角方向の横揺れに
対しては、翼板9,9が動揺の回転中心から離れた所に
位置し、かつ、水面からも下方へ離れた所に位置してい
るため、ダンピング(減衰)効果があり、また、波の水
分子運動も小さいため、波力は小さく、結局ピッチング
運動も抑制され、モード1(図5)およびモード2(図
6)の動揺は起らない。この運動の一般式は次の通りで
ある。
【0025】
【数6】 ここに、X:ピッチング角変位
【外1】 :ピッチング角速度
【外2】 :ピッチング角加速度 I:ブイ自身の慣性モーメント J:付加質量による慣性モーメント N:線形化した減衰係数 K:復元力係数 M:外力モーメント
【0026】前記翼板9によって、JとNとが増加す
る。この時、Mはわずかしか増えないため、ピッチング
運動量は小さくなる。また、スパーブイの標柱体2を軸
とした回転動揺(ヨーイング)に対しても、上記の場合
と同じ理由で抑制効果があり、ヨーイングは起こらな
い。
【0027】前記アーム8に、これを基部で折り畳むヒ
ンジ10と、アーム8を側方に伸長した状態に該ヒンジ10
を固定する固定手段11を設けておくと、ヒンジ10部分を
固定手段11により固定しておくことにより、スパーブイ
の設置中は図8において実線で示すようにアーム8を側
方に伸長させた状態にしておくことができる。逆に、ヒ
ンジ10に対して固定手段11を外すと、図8において鎖線
で示すように長いアーム8をヒンジ10部分で折り畳むこ
とができるので、この状態でブイを水面に浮かべながら
設置点まで曳航することができるなど輸送の面で都合が
良い。
【0028】翼板9の全体面積を可変としておくと、ス
パーブイの設置後において翼板9の面積を適宜選定する
ことにより、スパーブイの傾斜を復元もしくは防止する
ための1つの要素である揚力L1,L2 を容易に増減させ
ることができる。
【0029】
【実施例】本発明の実施例を図8〜図16に基いて説明
する。本発明の安定装置は、ボーリング櫓用スパーブ
イ、標識灯用スパーブイ、海上観測用プラットホーム、
海釣り公園や展望台等のレジャー用プラットホームとし
てのスパーブイなどに広く適用することができるが、図
8には、ボーリング櫓用スパーブイに本発明の安定装置
を取り付けた場合を例示する。
【0030】図8に示すボーリング櫓用スパーブイは、
海底の地質調査あるいはボーリング工事等を行う場合に
使用するものであり、浮力体1および標柱体2を貫通す
るようにセンターパイプ3が設けられており、該センタ
ーパイプ3の下端は標柱体2の底板に達して水中に開口
させ、また、センターパイプ3の上端は少くとも水線よ
り上方に位置させてある。このセンターパイプ3中には
図面符号4で示すようにボーリング用パイプ(例えば、
ボーリング用ケーシングパイプ、ロッドもしくはサンプ
ラーなど)が挿通されている。そして、標柱体2とセン
ターパイプ3とは2重のパイプ構造であり、センターパ
イプ3の外方は水密中空状となっていてスパーブイの浮
力を増し、センターパイプ3内は吃水線まで水が浸入す
る。一方、標柱体2の頂部には、作業用プラットホーム
5が設けてある。
【0031】このスパーブイは図8に示すように、標柱
体2の下端を適当な係留具6により海底に沈めた1個の
沈錘7に係留し、浮力体1を水中に引き込んでそれより
上方である標柱体2の途中に水線がくるように設置され
る。そして、センターパイプ3の中に挿通されているボ
ーリング用パイプ4は、このスパーブイを係留するため
の沈錘7をも上下に貫通して海底である地盤Gに達し、
さらにその地中に延びることになり、ボーリングやサン
プリングを行うことができる。
【0032】浮力体1より下方の標柱体2から相反する
方向に少くとも2本のアーム8,8を外方に向け突出さ
せる(図8参照)。そして、各アーム8,8の先端に
は、ブイの中央に向って正の迎え角αを有するごとく翼
板9をそれぞれ取り付ける。本発明の安定装置とは、こ
こにいう少くとも2本のアーム8,8と、各アーム8,
8の先端に、ブイの中央に向って正の迎え角αを有する
ごとく取り付けた翼板9,9とから構成されるものであ
る。
【0033】標柱体2から相反する方向に突出させるア
ーム8は、少くとも2本でよいが、図9に詳示するよう
に標柱体2に対して90度隔てて4本配置してもよい。ま
た、その数は6本、8本というように増やしてもよい。
【0034】図9に示すようにアーム8を標柱体2に対
して90度隔てて4本配置し、各アーム8の先端に翼板9
を取り付けたスパーブイと、このような安定装置を備え
ていない従来のスパーブイとを水深18m の所に設置し、
その効果確認試験を実施した。その結果を図10に示
す。図10のうち(a) は、耐潮流特性を示すグラフで、
縦軸をブイ傾斜角(単位度)、横軸を潮流の流速(単位
ノット)としたものである。この図から明らかなよう
に、本発明の安定装置を備えた場合では、潮流2ノット
でブイの傾斜角は1度となり、安定装置を備えていない
場合に比べて傾斜が大幅に抑制もしくは防止されている
ことが分る。また、図10(b) は、波高3m の場合耐波
浪特性を示すグラフで、縦軸をブイ動揺角(単位
度)、横軸を波周期(単位 秒)としたものである。こ
の図から明らかなように、本発明の安定装置を備えた場
合では、波高3メートル、波周期8秒でブイ動揺角は4
度となり、安定装置を備えていない場合に比べて動揺が
大幅に低減されていることが分る。
【0035】図8、図14〜図16に示す翼板9は、平
面的に見ると方形状であって側方から見ると中央部分が
厚肉の流線形の板であるが、その形は特に限定されるも
のではなく、また、図11に示すように平面的に見ると
円形である鏡板を翼板9として利用することもできる。
【0036】前記アーム8には、図12、図13に示す
ようにこれを基部で折り畳むヒンジ10と、アーム8を側
方に伸長した状態に該ヒンジ10を固定する固定手段11を
設ける。このようにすると、ヒンジ10部分を固定手段11
により固定しておくことにより、スパーブイの設置中
は、図8、図12、図13においていずれも実線で示す
ようにアーム8を側方に伸長させた状態にしておくこと
ができる。逆に、ヒンジ10に対して固定手段11を外す
と、図8、図12、図13においていずれも鎖線で示す
ように長いアーム8をヒンジ10部分で折り畳むことがで
きるので、この状態でブイを水面に浮かべながら設置点
まで曳航することができるなど輸送の面で都合が良い。
【0037】図12に示す固定手段11は、アーム8の基
端に当て板のような固定板12を溶接により固定する一
方、標柱体2側にも別の固定板13を溶接により固定し、
両固定板12,13を当接させた上でボルトとナットなどの
固定具によって固定する、いわゆるフランジ方式と呼ば
れるものである。アーム8を側方に伸長した状態で固定
板12と13とが当接するようにしておけば、固定具によっ
て両者を固定するだけで、アーム8を標柱体2から側方
に伸長した状態に保持することができる。逆に、固定具
を外すと、上記固定状態を解くことができ、鎖線で示す
ように長いアーム8をヒンジ10部分で折り畳むことがで
きる。
【0038】また、図13に示す固定手段11は、アーム
8の外周に筒体14を嵌着した、いわゆるカラー方式と呼
ばれるものであり、筒体14を鎖線で示すようにヒンジ10
部分の外側にくるようスライドさせると、アーム8を標
柱体2から側方に伸長した状態に保持することができ
る。逆に、筒体14を鎖線の位置から実線で示すようにス
ライドさせると、上記固定状態を解くことができ、鎖線
で示すように長いアーム8をヒンジ10部分で折り畳むこ
とができる。
【0039】なお、アーム8を側方に伸長した状態にヒ
ンジ10を固定する手段として、2通りの場合を例に挙げ
て説明したが、その固定手段はこれらのみに限定される
ものではない。
【0040】一方、アーム8の先端に取り付けるべき翼
板9は、その全体面積を変えることができるようにして
おくことが望ましい。これは、スパーブイの設置後にお
いて、その傾斜を復元もしくは防止するための1つの要
素である揚力L1,L2 を、容易に増減させ得るようにす
るためである。
【0041】翼板9の面積を変えることができるように
するには、図14〜図16に示すように翼板9を9a,9b
で示すように2枚に分割し、鞘状の翼板9aに対してもう
一方の翼板9bがスライドするようにしてやれば良い。鞘
状の翼板9aに対して翼板9bをスライドさせるためには、
例えば図14に示すように1本のワイヤ15を鞘状の翼板
9a内と中空状のアーム8内とに配置し、その途中をもう
一方の翼板9bのロッド9cに固定するとよい。ワイヤ15の
内側15a, 15bのいずれかを引っ張ると、鞘状の翼板9aに
対して翼板9bをスライドさせることができ、翼板9の全
体の面積を容易に変えることができる。
【0042】また、図15に示すように鞘状の翼板9a側
にシリンダ16を固定しておき、そのロッド16a をもう一
方の翼板9b側に固定することによっても、鞘状の翼板9a
に対して翼板9bをスライドさせることができる。すなわ
ち、シリンダ16を遠隔操作で作動させることにより、鞘
状の翼板9aに対して翼板9bをスライドさせることがで
き、翼板9全体の面積を容易に変えることができる。
【0043】また、図16に示すようにワイヤ17とスプ
リング18とを組み合わせることによっても、鞘状の翼板
9aに対して翼板9bをスライドさせることができる。すな
わち、1本のワイヤ17を図16(a) に示すように鞘状の
翼板9a内と中空状のアーム8内とに配置し、その外端
(図の右端)をもう一方の翼板9bに固定するとともに、
図16(b) に示すように前記ワイヤ17に対して左右両側
に相当する所の翼板9a,9b間にスプリング18, 18を介装
する。ワイヤ17の内側を引っ張ると、スプリング18の弾
発力に逆らって翼板9bが鞘状の翼板9aの中に引っ込むよ
うにスライドし、逆に、ワイヤ17を緩めると、スプリン
グ18の弾発力によって翼板9bが鞘状の翼板9aから出っ張
るごとくスライドし、それによって翼板9全体の面積を
容易に変えることができる。
【0044】なお、図8において6で示す係留具は、標
柱体2の下端の直径方向における2個所にシャックルを
介して取り付けられた2本の係留索6a, 6aと、両係留索
6a,6aに対して平面的に見て90度隔てた2個所において
海底の沈錘7の2つの係留環7a, 7aにシャックルを介し
て取り付けられた2本の係留索6b, 6bと、上下2本づつ
の係留索6a, 6a、6b, 6bを間接的に連結する1個の係留
リング6cとで構成されている。このような係留具を用い
た場合において、水深20m より浅い海域に設置されたス
パーブイは、モード2(図6に示す動揺)の固有周期が
小さくなるため、設計条件の波浪周期(例えば、8〜12
秒)に近づいて共振域に入ることになり、動揺が増す場
合が有る。
【0045】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、設置時に
おけるスパーブイの水流抵抗による傾きを容易に抑制も
しくは防止することができるのみならず、モード1およ
びモード2の動揺ならびにスパーブイの中心軸回りに回
転する動揺運動(ヨーイング)を容易に抑制し得る効果
がある。
【0046】請求項2記載の発明によれば、長いアーム
8をヒンジ10部分で折り畳むことができるので、この状
態でブイを水面に浮かべながら設置点まで曳航すること
ができるなど輸送の面できわめて都合が良いという効果
がある。
【0047】請求項3記載の発明によれば、スパーブイ
設置後において翼板9の面積を適宜選定することによ
り、必要時のみスパーブイの傾斜が容易に抑制もしくは
防止されるよう調整することができる効果があり、構造
物も小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例のスパーブイを水流中に設置した状況を
示す側面図である。
【図2】本発明による安定装置を装着したスパーブイを
水流中に設置した状況を示す側面図である。
【図3】本発明による安定装置を装着したスパーブイが
水流中において直立状態で完全に安定している状況を示
す側面図である。
【図4】アームに対して迎え角を付けずに翼板を取り付
けたスパーブイを水流中に設置した状況を示す側面図で
ある。
【図5】スパーブイの重心点回りの動揺を説明するため
の側面図である。
【図6】スパーブイの係留点回りの動揺を説明するため
の側面図である。
【図7】スパーブイの重心点回りの動揺を抑制するため
の従来例を説明するための側面図である。
【図8】本発明による安定装置を装着したスパーブイの
一例をより具体的に示す側面図である。
【図9】標柱体に対して90度隔てて4本のアームが突出
せしめられ、各アームの先端に翼板がそれぞれ取り付け
られている状態を示す平面図である。
【図10】本発明による安定装置の効果確認試験の結果
を示すグラフで、(a) は耐潮流特性を、(b) は耐波浪特
性を示す。
【図11】翼板の変形例を示す図である。
【図12】アームを基部で折り畳むための機構と、アー
ムを側方に伸長した状態に固定する機構の一例を示す概
略図である。
【図13】図12に示す機構と異なる別の例を示す概略
図である。
【図14】翼板の面積を可変とする機構の一例を示す概
略図である。
【図15】図14に示す機構と異なる別の例を示す概略
図である。
【図16】図14、図15に示す機構とはさらに異なる
別の例を示す概略図である。
【符号の説明】
1…浮力体、 2…標柱体、 6…係留具、 7…沈
錘、 8…アーム、9…翼板、 10…ヒンジ、 11…固
定手段、 α…迎え角。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 純一 大阪府池田市豊島南2丁目176番地の1 株式会社ゼニライトブイ内 (72)発明者 福冨 幹男 東京都千代田区九段北4丁目2番6号 応用地質株式会社内 (72)発明者 横峯 光昭 東京都千代田区九段北4丁目2番6号 応用地質株式会社内 (72)発明者 中澤 斉 東京都千代田区九段北4丁目2番6号 応用地質株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−15184(JP,A) 実開 昭49−58292(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】標柱体2の途中に浮力体1を設け、前記標
    柱体2の下端を係留具6により水底の沈錘7に係留し、
    前記浮力体1を水中に引き込んで水線が浮力体1上方の
    標柱体2途中にくるようにしたスパーブイ用の安定装置
    であって、浮力体1より下方の標柱体2から相反する方
    向に突出させた少くとも2本のアーム8,8と、各アー
    ム8,8の先端に、ブイの中央に向って正の迎え角αを
    有するごとく取り付けた翼板9,9とからなることを特
    徴とするスパーブイの安定装置。
  2. 【請求項2】前記アーム8には、これを基部で折り畳む
    ヒンジ10と、アーム8を側方に伸長した状態に該ヒンジ
    10を固定する固定手段11を設けたことを特徴とする請求
    項1記載のスパーブイの安定装置。
  3. 【請求項3】前記翼板9の全体面積を可変としたことを
    特徴とする請求項1記載のスパーブイの安定装置。
JP4275537A 1992-09-19 1992-09-19 スパーブイの安定装置 Expired - Lifetime JP2582018B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4275537A JP2582018B2 (ja) 1992-09-19 1992-09-19 スパーブイの安定装置
US08/115,842 US5387144A (en) 1992-09-19 1993-09-02 Stabilizer for spar buoy
GB9318443A GB2270656B (en) 1992-09-19 1993-09-06 Stabilizer for spar buoy

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4275537A JP2582018B2 (ja) 1992-09-19 1992-09-19 スパーブイの安定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0699884A JPH0699884A (ja) 1994-04-12
JP2582018B2 true JP2582018B2 (ja) 1997-02-19

Family

ID=17556834

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4275537A Expired - Lifetime JP2582018B2 (ja) 1992-09-19 1992-09-19 スパーブイの安定装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US5387144A (ja)
JP (1) JP2582018B2 (ja)
GB (1) GB2270656B (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101456416B1 (ko) * 2014-05-21 2014-11-04 (주)씨테크알엔디 등부표용 파력 발전장치
JP6180385B2 (ja) * 2014-08-12 2017-08-16 公立大学法人大阪府立大学 姿勢安定装置付スパーブイ及びその設計方法
JP6440597B2 (ja) * 2015-08-11 2018-12-19 公立大学法人大阪府立大学 傾斜スパーブイ
KR101675431B1 (ko) * 2016-04-07 2016-11-11 한국해양과학기술원 관측 수심 조절이 가능한 해류 관측용 표류 부이

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3953905A (en) * 1974-07-15 1976-05-04 Western Geophysical Company Of America Stabilized, towable spar buoy
US3952680A (en) * 1974-09-30 1976-04-27 Griffin Edward N Roll stabilizer for vessels at rest
US4004308A (en) * 1976-03-11 1977-01-25 The Bendix Corporation Hydrodynamic stabilizing device
JPS5579788A (en) * 1978-12-11 1980-06-16 Zeniraito V:Kk Spar buoy
JPS56157683A (en) * 1980-05-07 1981-12-04 Zeniraito V:Kk Spar buoy
JPS56157684A (en) * 1980-05-07 1981-12-04 Zeniraito V:Kk Spar buoy
JP2514454B2 (ja) * 1990-05-09 1996-07-10 株式会社ゼニライトブイ スパ―ブイの減揺装置

Also Published As

Publication number Publication date
GB2270656A (en) 1994-03-23
GB9318443D0 (en) 1993-10-20
JPH0699884A (ja) 1994-04-12
US5387144A (en) 1995-02-07
GB2270656B (en) 1995-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7900571B2 (en) Buoy
EP0096446B2 (en) System for maintaining a buoyant body in position in relation to another body
JP6180385B2 (ja) 姿勢安定装置付スパーブイ及びその設計方法
US9849941B2 (en) Arrangement for a self-propelled watercraft supported by articulated clusters of spar buoys for the purpose of providing a mobile, wave motion-isolated, floating platform
US3487484A (en) Tuned floating bodies
JP2582018B2 (ja) スパーブイの安定装置
US4676183A (en) Ring paravane
JP6966393B2 (ja) 係留システム
US5108326A (en) Flexible surface drogue/stabilizer for drifter buoys
US3829919A (en) Buoy
EP0105976A1 (en) A single point mooring tower structure with rigid arm
JP4562235B2 (ja) 半没水体
US3781780A (en) Neutrally buoyant instrument suspension
JP6440597B2 (ja) 傾斜スパーブイ
JP2514454B2 (ja) スパ―ブイの減揺装置
CN1108950C (zh) 中心拖曳池
JP2988948B2 (ja) スパーブイ型作業足場
CN115472041B (zh) 一种新型海上船舶会遇预警提示系统
JPWO2016148060A1 (ja) フロート取付装置、サイドフロート装置及びサイドフロート装置を含む船舶
JPS632839B2 (ja)
JPH0733152B2 (ja) 浮体係留装置
JPH03213492A (ja) 水上ヘリポート
JPS5921111Y2 (ja) シ−アンカ−
JPH08104290A (ja) 浮構造物および浮漁礁
US3201118A (en) Floating towing device

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081121

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081121

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091121

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091121

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101121

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101121

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101121

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111121

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111121

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121121

Year of fee payment: 16

EXPY Cancellation because of completion of term