JP2581948B2 - 油圧式倍力装置 - Google Patents

油圧式倍力装置

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JP2581948B2
JP2581948B2 JP63033355A JP3335588A JP2581948B2 JP 2581948 B2 JP2581948 B2 JP 2581948B2 JP 63033355 A JP63033355 A JP 63033355A JP 3335588 A JP3335588 A JP 3335588A JP 2581948 B2 JP2581948 B2 JP 2581948B2
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睦 清水
幸隆 宮川
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【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1)産業上の利用分野 本発明は、油圧式倍力装置に関し、特に車両用ブレー
キ装置に用いられる油圧式倍力装置に関する。
(2)従来の技術 従来、かかる油圧式倍力装置としては、たとえば特開
昭61-113549号公報等で開示されたものが知られてい
る。
(3)発明が解決しようとする課題 ところで、上記従来のものは、油圧ブースタのブース
タシリンダ内を摺動可能であってマスタシリンダの作動
ピストンに当接可能なブースタピストン内に、操作部材
に連なる弁ピストンを摺動可能に嵌合し、ブースタピス
トンの背面に臨む出力油圧室への油圧の供給および出力
油圧室からの油圧の解放を、ブースタピストンおよび弁
ピストンの相対作動に応じて切換えるようにしている。
このため、操作部材による操作初期においては、ブース
タピストンとブースタシリンダとのシール部の摩擦によ
りブースタピストンの作動開始が遅れがちとなり、した
がってマスタシリンダにおける作動ピストンの初期作動
が円滑とは言い難い。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、
マスタシリンダにおける作動ピストンの初期作動を円滑
ならしめるとともに小型化を可能とし、しかも油圧失陥
時の円滑な操作を可能とした油圧式倍力装置を提供する
ことを目的とする。
B.発明の構成 (1)課題を解決するための手段 本発明によれば、マスタシリンダのシリンダ本体後端
にブースタシリンダの先端部が結合され、ブースタシリ
ンダの先端部に固定的に設けられる案内筒部とブースタ
シリンダとには、油圧供給源に通じる入力油圧室を案内
筒部との間に形成するとともにブースタシリンダの後端
で後退限を規定されるピストンガイドが摺動可能に嵌合
され、入力油圧室に収納されたばねで後方側に付勢され
るピストンガイドには、後方側にばね付勢されるブース
タピストンが摺動可能に嵌合され、該ブースタピストン
の背面に臨んで形成された出力油圧室と、前記入力油圧
室との間には、操作部材に連なってブースタピストンに
摺動自在に嵌合された弁ピストンのブースタピストンに
対する前進作動に応じて開弁する入口弁が介設され、前
記出力油圧室と油槽に通じる出口室との間には、前記弁
ピストンのブースタピストンに対する前進作動に応じて
閉弁する出口弁が介設され、マスタシリンダにおける作
動ピストンの後端に臨んでブースト室が形成され、弁ピ
ストンには、前記入口弁の開弁に応じて入力油圧室およ
びブースト室間を連通するとともに前記出口弁の開弁に
応じてブースト室および出口室間を連通する給油路が穿
設され、弁ピストンに対するブースタピストンの前進作
動に応じて容積を縮小する反力室がブースタピストンの
前面に臨んで形成され、該反力室にはアキュムレータが
接続され、反力室および入力油室室間には差圧が一定値
以上になるのに応じて開弁して反力室の油圧を入力油圧
室に逃がす逆止弁が設けられ、案内筒部内面には、出口
室に通じる環状凹部が、ピストンガイドの案内筒部に対
する一定量以上の前進作動に応じて入力油圧室に連通す
べく設けられる。
(2)作用 上記構成によれば、操作部材により弁ピストンを前方
側に押圧操作した初期には、出口弁が閉弁した後に入口
弁が開弁し、ブースト室に油圧が供給されるので、ブー
スタピストンの作動に拘らず作動ピストンの後端に油圧
が作用して作動ピストンが前方に押圧駆動される。した
がって、マスタシリンダにおける作動ピストンの初期作
動を円滑ならしめることができる。しかも出力油圧室の
油圧により前方に押圧されるブースタピストンにはアキ
ュムレータで定まる反力が前方から作用し、ブースタピ
ストンを後方側に付勢するばね力を小さくすることが可
能となり、したがってばねを小さくして小型化に寄与す
ることができる。また油圧失陥時には、弁ピストンの押
圧操作に応じてピストンガイドが前進し、その前進に応
じた反力室の油圧増大により逆止弁が開弁して反力室の
油圧が入力油圧室に逃がされ、その前進量が一定値を超
えると環状凹部を介して入力油圧室が出口室に連通する
ので、弁ピストンの押圧操作を容易とすることができ
る。
(3)実施例 以下、図面により本発明の一実施例について説明する
と、先ず第1図において、この油圧式倍力装置は、自動
車に搭載されるブレーキ装置用のものであり、マスタシ
リンダMの後部に油圧ブースタBが連結されて成り、ブ
レーキペダルPに連動、連結された操作部材としてのプ
ッシュロッド1がブレーキペダルPの踏込み操作に応じ
て前進作動することにより、油圧ブースタBの倍力作動
が生じ、それに応じてマスタシリンダMに制動油圧が発
生する。
マスタシリンダMは、タンデム型マスタシリンダであ
り、そのシリンダ本体2には、前端が閉塞したシリンダ
孔3が設けられており、このシリンダ孔3には前端壁と
の間に一方の油圧室を形成する前方側の作動ピストン4
と、該作動ピストン4との間に他方の油圧室5を形成す
る後方側の作動ピストン6とが摺動可能に嵌合され、シ
リンダ本体2の前端壁と前方側の作動ピストン4との間
には該作動ピストン4を後方側に付勢するばね(図示せ
ず)が介装され、前方側の作動ピストン4と後方側の作
動ピストン6との間には作動ピストン6を後方側に付勢
するばね7が介装される。したがって後方側の作動ピス
トン6を前方側に押圧することにより、前方側の油圧室
および後方側の油圧室5の容積が収縮し、それらの油圧
室5から制動油圧が出力される。
シリンダ本体2の後部には、シリンダ孔3との間に段
部8を形成する連結筒部9がシリンダ孔3と同軸に突設
される。一方、作動ピストン6には、後方側に延びるピ
ストンロッド10の前端部が固設されており、このピスト
ンロッド10の移動を案内すべくシリンダ本体2の後部に
は案内部材11が固定される。この案内部材11は、シリン
ダ孔3の後端に嵌合する嵌合筒部11aと、その嵌合筒部1
1aの後端から半径方向外方に張出した鍔状の当接受け部
11bとから成り、当接受け部11bは連結筒部9に油密的に
嵌合されるとともに段部8に当接される。しかも当接受
け部11bを段部8に当接した状態で当接受け部11bの外周
縁に係合する止め輪22が連結筒部9の内面に嵌着され、
これにより案内部材11がシリンダ本体2に固定される。
またピストンロッド10は該案内部材11を油密的にかつ移
動自在に貫通して油圧ブースタB側に延出される。
案内部材11と作動ピストン6との間には補給油室12が
画成され、シリンダ本体2には、該シリンダ本体2の上
部に形成されている油槽13内の油溜14を補給油室12に連
通させる油路15が穿設される。また作動ピストン6には
シリンダ孔3の内面に摺接するカップシール16が嵌着さ
れており、このカップシール16と作動ピストン6とは、
補給油室12よりも油圧室5が減圧されたときには補給油
室12から油圧室5への作動油の流通を許容すべく構成さ
れる。
作動ピストン6の前部には、ストッパピン17により開
閉駆動される弁機構18が、油圧室5および補給油室12間
を連通・遮断すべく配設されており、この弁機構18は作
動ピストン6が後退限に戻ったときにストッパピン17で
押圧されて開弁する。ストッパピン17は、軸方向に長く
してピストンロッド10に穿設された長孔19に、ピストン
ロッド10の軸線と直交するようにして挿通されており、
ピストンロッド10の外面から突出したストッパピン17の
両端は、ピストンロッド10を囲繞して補給油室12に配置
された円筒状のホルダ20に固定される。しかもホルダ20
は、作動ピストン6との間に介装したばね21により案内
部材11に当接する方向に付勢されており、これによりス
トッパピン17は実質的にシリンダ本体2に固定されるこ
とになる。
シリンダ本体2の後端には、油圧ブースタBのブース
タシリンダ24が同軸に接合され、シリンダ本体2および
ブースタシリンダ24はボルト25により結合される。すな
わちブースタシリンダ24の前端に設けられたフランジ26
と、シリンダ本体2の後端に設けられたフランジ27とが
ボルト25により結合される。
ブースタシリンダ24には、前記マスタシリンダMのシ
リンダ孔3と同軸上にシリンダ孔28が穿設されており、
このシリンダ孔28には案内筒部29が嵌合される。この案
内筒部29の前部には、前記シリンダ本体2における連結
筒部9の後端に当接する段部29aを介して小径筒部29bが
同軸に突設されており、該小径筒部29bは連結筒部9内
に油密に嵌合される。またシリンダ孔28には、円筒状の
ピストンガイド30が摺動可能に嵌合され、このピストン
ガイド30の前部には、案内筒部29に摺動可能に嵌合する
小径筒部30aが段部30bを介して同軸に連設される。しか
も案内筒部29とピストンガイド30との間には両者を相互
に離反する方向のばね力を発揮するばね31が縮設され、
これにより案内筒部29がブースタシリンダ24の前端部に
実質的に固定される。さらにピストンガイド30の後端部
内には、該ピストンガイド30の後端に当接する受け筒32
が油密に嵌合され、この受け筒32は、ブースタシリンダ
24の後端で半径方向内方に張出した規制鍔33に係合され
る。したがってピストンガイド30の後退限はブースタシ
リンダ24の後端部で規定されることになる。
第2図を併せて参照して、ブースタシリンダ24、案内
筒部29およびピストンガイド30間には入力油圧室34が形
成され、ブースタシリンダ24には、図示しない油圧供給
源を入力油圧室34に連通させる入口油路35が穿設され
る。しかも前記ばね31は入力油圧室34に収納されてお
り、入力油圧室34に導入される油圧とばね31とにより、
ピストンガイド30は後方側に向けて付勢される。また案
内筒部29およびブースタシリンダ24間には環状の出口室
36が形成され、この出口室36を図示しない油槽に連通さ
せる出口油路37がブースタシリンダ24に穿設される。さ
らに案内筒部29の内面には環状凹部38が形成されてお
り、この環状凹部38を前記出口室36に連通させる油路39
が案内筒部29に穿設される。
一方、ピストンガイド30における小径筒部30aの外面
には、該ピストンガイド30が後退限にあるとき、環状凹
部38を挟んで案内筒部29の内面に摺接する一対の環状の
シール部材85,86が軸方向に間隔をあけて嵌着される。
しかも両シール部材85,86間で前記小径筒部30aの外面に
は環状凹部38に対応する環状溝87が設けられ、シール部
材86および段部30b間で小径筒部30aの外面には環状溝88
が設けられる。したがってシール部材86が環状凹部38に
対応する位置までピストンガイド30が前進すると、環状
凹部38および入力油圧室34間のシールが解除され、入力
油圧室34は環状凹部38、油路39、出口室36および出口油
路37を介して油槽に連通することになる。
ピストンガイド30には、その前端側の第1シリンダ孔
部41と、第1シリンダ孔部41よりも大径にして第1シリ
ンダ孔部41に同軸に連なる第2シリンダ孔部42とが穿設
されており、第1および第2シリンダ孔部41,42にはブ
ースタピストン43が摺動可能に嵌合される。すなわちブ
ースタピストン43は、第1シリンダ孔部41に摺動可能に
嵌合する小径部43aと、その小径部43aの後端で半径方向
外方に張出すとともに第2シリンダ孔部42に摺動可能に
嵌合する大径部43bとを有して基本的に円筒状に形成さ
れる。またブースタピストン43の後端部は、受け筒32を
油密にかつ移動自在に貫通して後方に突出される。この
ブースタピストン43の後端部外面には止め輪44が嵌着さ
れており、この止め輪44に係合する受け部材45と前記受
け筒32との間には戻しばね46が縮設される。したがって
ブースタピストン43は後方側に付勢されることになる。
ブースタピストン43における大径部43bと、受け筒32
との間には環状の出力油圧室47が画成されており、した
がってブースタピストン43の背面に臨んで出力油圧室47
が形成されることになる。またブースタピストン43にお
ける大径部43bとピストンガイド30における段部30bとの
間には環状の反力室48が画成されており、該反力室48は
ブースタピストン43の前面に臨むことになる。
前記反力室48には、アキュムレータ49が接続されるも
のであり、該アキュムレータ49はブースタシリンダ24に
付設される。このアキュムレータ49は、相互に結合され
る一対の半球体50,51間にブラダ52が挟持されて成り、
一方の半球体50にはブースタシリンダ24に螺着される接
続筒部53が一体に設けられる。しかもブラダ52と一方の
半球体50との間には油室54が画成され、ブラダ52および
他方の半球体51間にはガス室52が画成され、接続筒部53
には反力室48に連通すべくブースタシリンダ24に設けら
れた油路58と、前記油室54とを連通する油路56が設けら
れる。またアキュムレータ49は、その油室54が油槽13の
油溜14よりも下方に位置するようにしてブースタシリン
ダ24に取付けられる。
ピストンガイド30における段部30bには逆止弁90が設
けられる。この逆止弁90は、球状の弁体91と、該弁体91
を閉弁方向に付勢する弁ばね92とを備える。段部30bに
は、反力室48に通じる弁孔93と、入力油圧室34に通じる
収納孔94とが同軸に穿設され、該収納孔94の内面に嵌着
した止め輪95と、弁孔93の収納孔94側開口端を閉塞可能
な弁体91との間に弁ばね92が縮設される。尚、本実施例
では逆止弁90をピストンガイド30の段部30bに設けた
が、ここに限る必要はなく、反力室48および入力油圧室
34間であれば、本体外部に設けてもよい。
かかる逆止弁90によれば、反力室48の油圧が入力油圧
室34の油圧よりも一定値以上大きくなると、弁体91が弁
ばね92のばね力に抗して開弁作動し、反力室48の油圧が
入力油圧室34に逃がされる。
ブースタピストン43における小径部43aの中間部と、
ピストンガイド30における第1シリンダ孔部41の内面と
の間には軸方向両端を油密にシールされた環状油圧室60
が形成され、ピストンガイド30の小径筒部30aにはブー
スタピストン43の前進作動に拘らず環状油圧室60を前記
入力油圧室34に連通せしめる連通孔61が穿設される。ま
た該環状油圧室60よりも前方側でブースタピストン43に
おける小径部43aの外面には軸方向両端をシールされた
環状油圧室62を形成すべく環状凹部が設けられており、
この環状油圧室62をブースタピストン43の作動に拘らず
前記環状凹部38に常時連通せしめる連通孔63がピストン
ガイド30の小径筒部30aに穿設される。したがって環状
油圧室62は出口室36に常時連通されることになる。
ブースタピストン43には、前方側の小径シリンダ孔部
64と、後方側の大径シリンダ孔部65とが同軸に穿設され
ており、小径シリンダ孔部64にはプッシュロッド1に連
結される弁ピストン66が摺動可能に嵌合される。一方、
マスタシリンダMにおける作動ピストン6に同軸に連結
されているピストンロッド10の後端はブースタピストン
43の前端に対向してピストンガイド30の前端部に挿入さ
れており、このピストンロッド10の後端に臨むブースト
室67が、連結筒部9、案内部材11、案内筒部29、ピスト
ンガイド30、ブースタピストン43および弁ピストン66に
より画成され、このブースト室67に油圧が導入されるこ
とにより作動ピストン6が前進作動する。
ブースタピストン43の大径シリンダ孔部65には連結ロ
ッド68が油密にかつ摺動可能に嵌合されており、この連
結ロッド68の前端部が弁ピストン66の後端に連結され
る。また連結ロッド68の後端部にはプッシュロッド1の
前端が連結される。しかもブースタピストン43の後端部
内面には連結ロッド68の後端に当接して連結ロッド68す
なわち弁ピストン66の後退限を規制する止め輪69が嵌着
される。さらにブースタピストン43の前端部内面に嵌着
された止め輪70と、弁ピストン66の前端との間には弁ピ
ストン66を後方に向けて付勢するばね71が縮設される。
弁ピストン6には、その前端で開口してブースト室67
に連通する給油路73が同軸に穿設されており、この給油
路73の後端は、ブースタピストン43、弁ピストン66およ
び連結ロッド68で画成される環状室74に連通する。さら
にブースタピストン43には該環状室74を出力油圧室47に
連通せしめる油路75が穿設される。したがってブースト
室67と出力油圧室47とは給油路73を介して常時連通する
ことになる。
弁ピストン66とブースタピストン43との間には、環状
油圧室60および給油路73間の連通、遮断を果たす入口弁
76と、環状油圧室62および給油路73間の連通、遮断を果
たす出口弁77と、反力室48および給油路73間の連通、遮
断を果たす開閉弁78とが設けられる。
入口弁76は、給油路73に連通して弁ピストン66の中間
部外面に設けられる環状溝79と、環状油圧室60に連通し
てブースタピストン43に穿設される入口弁孔80とにより
構成されるものであり、環状溝79は弁ピストン66の軸線
方向に比較的長く設けられ、入口弁孔80はブースタピス
トン43の半径方向に沿って穿設される。かかる入口弁76
は、入口弁孔80が環状溝79に連通したときに開弁するも
のであり、弁ピストン66がブースタピストン43に対して
後退限にあるときには入口弁孔80が環状溝79よりも前方
位置にあって閉弁状態となるように、環状溝79および入
口弁孔80の位置が設定され、弁ピストン66がブースタピ
ストン43に対して前進作動したときに開弁する。
出口弁77は、給油路73に連通して弁ピストン66に穿設
される第1出口弁孔81と、環状油圧室62に連通してブー
スタピストン43に穿設される第2出口弁孔82とにより構
成されるものであり、両出口弁孔81,82は相互に対応す
る位置で弁ピストン66およびブースタピストン43の半径
方向に沿って穿設される。かかる出口弁77では、弁ピス
トン66がブースタピストン43に対して後退限にあるとき
には、第1および第2出口弁81,82が相互に連通してわ
ずかに開弁しているものであり、弁ピストン66のブース
タピストン43に対する前進作動が開始したときには前記
入口弁76が開弁する前に出口弁77が閉弁する。
開閉弁78は、前記環状溝79と、反力室48に連通してブ
ースタピストン43に穿設される弁孔83とにより構成され
るものである。この開閉弁78では、弁ピストン66がブー
スタピストン43に対して後退限にあるときには弁孔83が
環状溝79に連通してわずかに開弁しているものであり、
弁ピストン66のブースタピストン43に対する前進作動が
開始されたときには出口弁77が閉弁する前に閉弁する。
次にこの実施例の作用について説明すると、ブレーキ
ペダルPの非作動状態では、弁ピストン66はばね71のば
ね力によりブースタピストン43に対して後退限に保持さ
れており、ブースタピストン43はばね46によりピストン
ガイド30に対する後退限に保持されている。かかる状態
では、入口弁76は閉弁しており、出口弁77および開閉弁
78は開弁しているので、ブースト室67、出力油圧室47お
よび反力室48は大気圧状態となっている。したがってマ
スタシリンダMの作動ピストン6はばね7により後退限
まで後退している。
この状態で自動車を制動すべくブレーキペダルPを踏
込むと、ブレーキペダルPからプッシュロッド1および
連結ロッド68を介して弁ピストン66が前方に押動され
る。この弁ピストン66のブースタピストン43に対する前
進作動に応じて、先ず開閉弁78が閉弁した後に出口弁77
が閉弁し、次いで入口弁76が開弁する。このため環状油
圧室60およびブースト室67間が連通し、ブースト室67へ
の作動油圧の導入により作動ピストン6はその背面に油
圧を受けて前進し、マスタシリンダMの倍力作動が開始
される。
このような倍力作動の開始初期において、弁ピストン
66が入口弁76を開弁するまで前進するのに応じてブース
ト室67に油圧が供給されて作動ピストン6が前進作動せ
しめられるので、ブースタピストンで作動ピストンを押
圧作動せしめるようにしていた従来のものと比べると、
ブースタピストン43とピストンガイド30との間のシール
部の摩擦に拘らず作動ピストン6を速やかに押圧作動せ
しめることができ、作動ピストン6の初期作動を円滑な
らしめることができる。
ところで入口弁76が開弁したときには、上述のように
ブースト室67に油圧が供給されるとともに出力油圧室47
にも油圧が供給され、ブースタピストン43もその背面に
油圧を受けることにより弁ピストン66に対して相対的に
前進移動するので、入口弁76が閉弁されるとともに出口
弁77が開弁される。而して、その入口弁76の閉弁および
出口弁77の開弁前にブースト室67に作用した油圧により
作動ピストン6が前進し、第3図で示す特性線P0-P1
ようにマスタシリンダMの出力油圧は急激に増大する。
これにより制動機端末までの各部遊隙が直ちに除去され
る。
出力油圧がP1に達してからは、ブレーキペダルPの踏
込みに応じて弁ピストン66が前進することにより、弁ピ
ストン66のブースタピストン43に対する前進移動、なら
びにブースタピストン43の弁ピストン66に対する前進移
動が交互に繰返され、入口弁76および出口弁77の開弁お
よび閉弁が交互に繰返される。したがってブースト室67
の油圧および作動ピストン6の前進移動量も弁ピストン
66の前進移動量に応じて増大し、特性線P1-P2で示すよ
うに、マスタシリンダMの出力油圧がストロークに応じ
て増大する。
ところでかかる弁ピストン66の前進作動時に、出力油
圧室47の油圧により前進作動するブースタピストン43
は、戻しばね46を収縮させつつその前面の反力室48の容
積を収縮させながら前進するものであるが、このブース
タピストン43の前進時に開閉弁78は閉弁しており、反力
室48は密閉状態となる。このため反力室48の作動油はア
キュムレータ49におけるガス室55を収縮させながらピス
トン54を押圧する。したがってブースタピストン43はそ
の前面側でのばね31による反力とブラダ52による反力と
を受けながら前進することになる。
ブースタピストン43の前進に応じてその段部43bがピ
ストンガイド30における段部30bに当接すると、ブース
タピストン43の前進作動が阻止される。したがってそれ
以降は、ブレーキペダルPの踏込力により入口弁76を開
弁した状態で弁ピストン66のみが前進する。しかしブー
スト室67の油圧がブレーキペダルPの踏込力よりも大き
くなると、弁ピストン66が押し戻されて入口弁76が閉弁
する。さらにブレーキペダルPの踏込みを続けると、ま
た弁ピストン66が前進して入口弁76が開弁する。このよ
うな作動の繰返しにより、ブースト室67の油圧が第3図
の特性線P2-P3で示すように急激に増大する。而してブ
レーキペダルPの踏込力がブースト室67の油圧(給油
圧)よりも大きくなると、弁ピストン66は一気に前進す
る。しかし、ブースタピストン43の大径シリンダ孔部65
の後端に、弁ピストン66に連結されている連結ロッド68
の大径部68a前端が当接するので、第3図の特性線P3-P4
で示すように弁ピストン66の前進はわずかで止まり、ス
トローク作動が停止する。しかも前記弁ピストン66の前
後動は、入口弁76が開弁するか閉弁するかの極く微小な
動きであるので、操作フィーリングを損なうことはな
い。
マスタシリンダMの作動を解除すべくブレーキペダル
Pを解放すると、ばね71により弁ピストン66は先ず入口
弁76を閉弁し、次いで出口弁77を開弁する。これにより
ブースト室67の油圧が解放されて作動ピストン6が後退
限まで後退するとともに出力油圧室47および反力室48の
油圧が解放されるので、ブースタピストン43は戻しばね
46によりその後端が受け筒32に当接する後退限まで速や
かに後退する。
かかる油圧式倍力装置において、第3図の特性線P1-P
2は、出力油圧室47の油圧によりブースタピストン43を
前方に押圧する油圧力と、戻しばね46によりブースタピ
ストン43を後方に付勢するばね力ならびに反力室48によ
る反力との釣り合いにより定まるものであり、マスタシ
リンダMの出力油圧をストロークに対応させる範囲は、
戻しばね46およびばね31の荷重を調整することにより任
意に設定可能である。しかもマスタシリンダMの出力油
圧が大きくなるまでストロークに対応させようとする
と、戻しばね46およびばね31の荷重を大きくする必要が
あるが、その荷重の大部分をアキュムレータ49で負担す
ることにより戻しばね46の荷重を比較的小さくすること
ができ、したがって戻しばね46を比較的小さなものとし
てその配置スペースを小さくすることができ、油圧ブー
スタBの小型化に寄与することができる。
またこの油圧式倍力装置で油圧失陥が生じたときを想
定する。この場合、入力油圧室34の油圧が低下するの
で、ピストンガイド30はばね31により後退限に保持され
ている。このため、ブレーキペダルPを踏込んで制動操
作をすると、弁ピストン66はばね71を収縮しながら前進
作動し、連結ロッド68がブースタピストン43に当接して
からは、ブースタピストン43がばね31を収縮しながら前
進し、このブースタピストン43の前端が、作動ピストン
6に連なるピストンロッド10の後端に当接して作動ピス
トン6を前方側に押圧作動せしめ、マスタシリンダMに
出力油圧が生じる。さらにピストンガイド30が案内筒部
29に当接してからは、ブースタピストン43も前進作動
し、そのブースタピストン43がピストンガイド30に当接
するまで弁ピストン66およびブースタピストン43の前進
作動が継続し、これによりマスタシリンダMから充分な
出力油圧を得ることができ、油圧失陥時にも充分な制動
油圧を得ることができる。
しかもブースタピストン43の前進時に反力室48の容積
が収縮して該反力室48の油圧が増大するが、その油圧増
大に応じて逆止弁90が開弁し、反力室48の油圧が入力油
圧室34に逃がされる。したがって反力室48の油圧がブー
スタピストン43の前進作動を阻害することを回避するこ
とができ、しかもピストンガイド30が案内筒部29に対し
て一定値以上前進すると、入力油圧室34が出口室37に連
通するので、入力油圧室34の油圧も解放され、ブースタ
ピストン43の前進作動がさらに円滑となる。
ところでかかる油圧式倍力装置とアンチロックブレー
キ装置とを車両に搭載した場合には、アンチロックブレ
ーキ装置のキックバック現象を緩和することができる。
すなわちキックバックによるブースト室67の油圧上昇が
出力油圧室47の油圧上昇を生じせしめ、ブースタピスト
ン43が前方に移動して出口弁77が開弁するからである。
C.発明の効果 以上のように本発明によれば、マスタシリンダのシリ
ンダ本体後端にブースタシリンダの先端部が結合され、
ブースタシリンダの先端部に固定的に設けられる案内筒
部とブースタシリンダとには、油圧供給源に通じる入口
油圧室を案内筒部との間に形成するとともにブースタシ
リンダの後端で後退限を規定されるピストンガイドが摺
動可能に嵌合され、入力油圧室に収納されたばねで後方
側に付勢されるピストンガイドには、後方側にばね付勢
されるブースタピストンが摺動可能に嵌合され、該ブー
スタピストンの背面に臨んで形成された出力油圧室と、
前記入力油圧室との間には、操作部材に連なってブース
タピストンに摺動自在に嵌合された弁ピストンのブース
タピストンに対する前進作動に応じて開弁する入口弁が
介設され、前記出力油圧室と油槽に通じる出口室との間
には、前記弁ピストンのブースタピストンに対する前進
作動に応じて閉弁する出口弁が介設され、マスタシリン
ダにおける作動ピストンの後端に臨んでブースト室が形
成され、弁ピストンには、前記入口弁の開弁に応じて入
力油圧室およびブースト室間を連通するとともに前記出
口弁の開弁に応じてブースト室および出口室間を連通す
る給油路が穿設され、弁ピストンに対するブースタピス
トンの前進作動に応じて容積を縮小する反力室がブース
タピストンの前面に臨んで形成され、該反力室にはアキ
ュムレータが接続されるので、操作部材による操作初期
においては、入口弁を開弁させてブースト室に油圧を供
給し、作動ピストンを前進作動せしめてマスタシリンダ
で出力油圧を得ることができる。したがって、ブースタ
ピストンで作動ピストンを押圧するようにしていた従来
のものと比べると、ブースタピストンのシール部での摩
擦に拘らず作動ピストンを速やかに作動せしめることが
でき、円滑な初期作動を実現することができる。
また、反力室および入力油圧室間には差圧が一定値以
上になるのに応じて開弁して反力室の油圧を入力油圧室
に逃がす逆止弁が設けられ、案内筒部内面には、出口室
に通じる環状凹部が、ピストンガイドの案内筒部に対す
る一定量以上の前進作動に応じて入力油圧室に連通すべ
く設けられるので、油圧失陥時に反力室の油圧を解放し
て、該反力室の油圧がブースタピストンの前進作動に対
する抵抗となることを回避して油圧失陥時の円滑な作動
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すものであり、第1図は本
発明の一実施例の縦断側面図、第2図は第1図の要部拡
大図、第3図は本発明装置の出力特性線図である。 1……操作部材としてのプッシュロッド、2……シリン
ダ本体、6……作動ピストン、24……ブースタシリン
ダ、29……案内筒部、30……ピストンガイド、31……ば
ね、34……入力油圧室、36……出口室、38……環状凹
部、43……ブースタピストン、47……出力油圧室、48…
…反力室、49……アキュムレータ、66……弁ピストン、
67……ブースト室、73……給油路、76……入口弁、77…
…出口弁、90……逆止弁、M……マスタシリンダ
フロントページの続き (72)発明者 桜井 一也 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マスタシリンダのシリンダ本体後端にブー
    スタシリンダの先端部が結合され、ブースタシリンダの
    先端部に固定的に設けられる案内筒部とブースタシリン
    ダとには、油圧供給源に通じる入力油圧室を案内筒部と
    の間に形成するとともにブースタシリンダの後端で後退
    限を規定されるピストンガイドが摺動可能に嵌合され、
    入力油圧室に収納されたばねで後方側に付勢されるピス
    トンガイドには、後方側にばね付勢されるブースタピス
    トンが摺動可能に嵌合され、該ブースタピストンの背面
    に臨んで形成された出力油圧室と、前記入力油圧室との
    間には、操作部材に連なってブースタピストンに摺動自
    在に嵌合された弁ピストンのブースタピストンに対する
    前進作動に応じて開弁する入口弁が介設され、前記出力
    油圧室と油槽に通じる出口室との間には、前記弁ピスト
    ンのブースタピストンに対する前進作動に応じて閉弁す
    る出口弁が介設され、マスタシリンダにおける作動ピス
    トンの後端に臨んでブースト室が形成され、弁ピストン
    には、前記入口弁の開弁に応じて入力油圧室およびブー
    スト室間を連通するとともに前記出口弁の開弁に応じて
    ブースト室および出口室間を連通する給油路が穿設さ
    れ、弁ピストンに対するブースタピストンの前進作動に
    応じて容積を縮小する反力室がブースタピストンの前面
    に臨んで形成され、該反力室にはアキュムレータが接続
    され、反力室および入力油圧室間には差圧が一定値以上
    になるのに応じて開弁して反力室の油圧を入力油圧室に
    逃がす逆止弁が設けられ、案内筒部内面には、出口室に
    通じる環状凹部が、ピストンガイドの案内筒部に対する
    一定量以上の前進作動に応じて入力油圧室に連通すべく
    設けられることを特徴とする油圧式倍力装置。
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