JP2516783B2 - 油圧式倍力装置 - Google Patents

油圧式倍力装置

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JP2516783B2
JP2516783B2 JP62270023A JP27002387A JP2516783B2 JP 2516783 B2 JP2516783 B2 JP 2516783B2 JP 62270023 A JP62270023 A JP 62270023A JP 27002387 A JP27002387 A JP 27002387A JP 2516783 B2 JP2516783 B2 JP 2516783B2
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cylinder
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誠 堀内
睦 清水
幸隆 宮川
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Nissin Kogyo Co Ltd
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PPONDA GIKEN KOGYO KK
Nissin Kogyo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、油圧式倍力装置に関し、特に車両用ブレー
キ装置に用いられる油圧式倍力装置に関する。
(2) 従来の技術 従来、かかる油圧式倍力装置としては、たとえば特公
昭53−39953号公報で開示されているように操作部材の
ストロークが油圧制御用弁を開閉するだけのわずかなも
のである所謂ストロークレス型と、操作部材のストロー
クがマスタシリンダにおける作動ピストンと同じである
ストローク型とが知られている。
(3) 発明が解決しようとする問題点 ところが、上記ストロークレス型のものでは、操作部
材のストロークがわずかであり、操作量が作動量に対応
しないために違和感がある。また油圧失陥時にはストロ
ークが増大するので、油圧制御用弁のシートのレイアウ
ト等が困難になる。さらにストローク型のものは、操作
部材のストロークが大き過ぎ、これを短くするためにマ
スタシリンダにおけるシリンダ本体の内径を大きくする
ことがあるが、そうすると油圧失陥時に効きが悪くな
る。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、
任意のストロークを得られるようにした油圧式倍力装置
を提供することを目的とする。
B.発明の構成 (1) 問題点を解決するための手段 本発明によれば、マスタシリンダのシリンダ本体後端
にブーストシリンダが結合され、該ブーストシリンダに
設けられたピストンガイドに摺動可能に嵌合されるとと
もに後方側にばね付勢されるブースタピストンの背面に
臨んで形成された出力油圧室と、油圧供給源に通じる入
力油圧室との間には、操作部材に連なってブースタピス
トンに摺動自在に嵌合された弁ピストンのブースタピス
トンに対する前進作動に応じて開弁する入口弁が介設さ
れ、前記出力油圧室と油槽に通じる出口室との間には、
前記弁ピストンのブースタピストンに対する前進作動に
応じて閉弁する出口弁が介設され、マスタシリンダにお
ける作動ピストンと前記ブースタピストンの先端に当接
可能にして作動ピストンの後方側に配置されたガイド部
材との間には、作動ピストンの背面に臨むブースト室が
形成され、前記弁ピストンの先端は、前記ガイド部材を
油密的にかつ移動自在に貫通してブースト室に突入さ
れ、該弁ピストンには、前記入口弁の開弁に応じて入力
油圧室およびブースト室間を連通する給油路が穿設され
る。
(2) 作用 上記構成によれば、操作部材により弁ピストンを前方
側に押圧操作した初期には、出口弁が閉弁した後に入口
弁が開弁し、ブースト室に油圧が供給されるので先ず作
動ピストンが前方に移動してマスタシリンダに出力油圧
が生じるが、出力油圧室への油圧供給によりブースタピ
ストンがばね力に抗して前進し、ブースタピストンがガ
イド部材に当接するまでの間に、ブースタピストンおよ
び弁ピストンが相互に交代しながら相対移動し、この間
には操作部材のストロークに応じて作動ピストンが前進
するのでマスタシリンダの出力油圧が操作部材のストロ
ークに応じて増大する。次いでブースタピストンがガイ
ド部材に当接してからは、入口弁が開弁したままとな
り、したがってブースト室に油圧が供給されたままとな
るので、出力油圧が急激に増大する。
(3) 実施例 以下、図面により本発明の一実施例について説明する
と、先ず第1図において、この油圧式倍力装置は、自動
車に搭載されるブレーキ装置用のものであり、マスタシ
リンダMの後部に油圧ブースタBが連結されて成り、ブ
レーキペダルPに連動、連結された操作部材としてのプ
ッシュロッド1がブレーキペダルPの踏込み操作に応じ
て前進移動することにより、油圧ブースタBの倍力作動
が生じ、それに応じてマスタシリンダMに制動油圧が発
生する。
マスタシリンダMは、タンデム型マスタシリンダであ
り、そのシリンダ本体2には、シリンダ本体2の前端壁
との間に一方の油圧室を形成する前方側の作動ピストン
(図示せず)と、その前方側の作動ピストンとの間に他
方の油圧室3を形成する後方側の作動ピストン4とが摺
動可能に嵌合され、シリンダ本体2の前端壁と前方側の
作動ピストンとの間には該作動ピストンを後方側に付勢
するばね(図示せず)が介装され、前方側の作動ピスト
ンと後方側の作動ピストン4との間には作動ピストン4
を後方側に付勢するばね(図示せず)が介装される。し
たがって後方側の作動ピストン4を前方側に押圧するこ
とにより、前方側の油圧室および後方側の油圧室3の容
積が収縮し、それらの油圧室3から制動油圧が出力され
る。
シリンダ本体2の後端には、段部5を介して大径の嵌
合孔部6が設けられており、該段部5に当接する鍔部7
を中間部外面に有する円筒状の筒体8がシリンダ本体2
の後端部にシール部材9を介して嵌合される。この筒体
8の後部は、シリンダ本体2から後方側に突出されてお
り、筒体8の後端には半径方向内方に張出した規制鍔10
が全周にわたって設けられる。作動ピストン4には、相
互間に環状溝11を介在した一対のランド12,13が軸方向
に間隔をあけて設けられており、前方側のランド12には
シリンダ本体2の内面に摺接するカップシール14が嵌着
される。また後方側のランド13は筒体8内に挿入される
ものであり、このランド13には筒体8の内面に摺接する
カップシール15が嵌着される。これにより両ランド12,1
3間には環状の補給油室16が画成される。しかも前方側
のランド12およびカップシール14は、油圧室3が補給油
室16よりも減圧されたときには補給油室16から油圧室3
への作動油の流通を許容すべく構成され、シリンダ本体
2および筒体8には、補給油室16を図示しない油槽に連
通せしめる補給油路17が設けられる。
作動ピストン4には、そのランド12,13間にわたる部
分で一直径線に沿う長孔18が穿設されており、筒体8に
はその長孔18を貫通するストッパピン19の両端が固定さ
れる。また作動ピストン4の前部には、ストッパピン19
により開閉駆動される弁機構20が、油圧室3および補給
油室16間を連通、遮断すべく配設されており、この弁機
構20は作動ピストン4が後退限に戻ったとき、すなわち
作動ピストン4の後端が筒体8の後部に嵌合されている
ガイド部材21に当接したときにストッパピン19で押圧さ
れて開弁する。
ガイド部材21は、規制鍔10に内方側から当接する鍔部
22を前端に有して基本的に円筒状に形成されており、後
端部を筒体8の後端から後方側に突出させて筒体8内に
嵌合される。鍔部22の外面には、筒体8の内面に接触す
るシール部材23が嵌着される。これにより作動ピストン
4およびガイド部材21間で筒体8内には、作動ピストン
4の背面が臨むブースト室24が画成され、作動ピストン
4はそのブースト室24の油圧増大に応じて前進作動す
る。
シリンダ本体2の後端には、前記筒体8を同心に囲繞
する連結筒部25が前記嵌合孔部6との間に段部26を形成
して突設され、段部26には、前記嵌合孔部6内に突入し
て筒体8の鍔部7を段部5との間に挟持する円筒状押圧
部27aを一体に有する円環状の挟持部材27が当接され
る。
油圧ブースタBはブースタシリンダ28を備えており、
このブースタシリンダ28の前部には、前記連結筒部25を
内部に嵌合し得る連結筒部29が突設され、連結筒部25の
外面には連結筒部29の内面に接触するシール部材30が嵌
着される。また該連結筒部29の先端にはフランジ31が設
けられており、このフランジ31と、シリンダ本体2にお
ける連結筒部25の基端に設けたフランジ32とが複数のボ
ルト33により結合され、これによりマスタシリンダMお
よび油圧ブースタBが連結される。
ブースタシリンダ28には、前記作動ピストン4と同軸
上にシリンダ孔34が穿設されており、このシリンダ孔34
と前記連結筒部29との間にはマスタシリンダM側に臨む
段部35が設けられる。この段部35には、前端を前記挟持
部材27に当接するとともに外面には連結筒部29の内面に
接触するシール部材36を有する円筒状の案内筒体37の後
端が当接される。したがってシリンダ本体2およびブー
スタシリンダ28を相互に結合した状態で、挟持部材27お
よび案内筒体37は軸方向に当接しながらシリンダ本体2
およびブースタシリンダ28間に挟持され、それに応じて
筒体8もシリンダ本体2に固定される。
案内筒体37の内径D1は、シリンダ孔34の内径D2よりも
小さく(D1<D2)設定されており、基本的に円筒状のピ
ストンガイド38が案内筒体37およびブースタシリンダ28
に摺動可能に嵌合される。このピストンガイド38は、案
内筒体37内に摺動可能に嵌合するランド39を前端に有す
るとともに、シリンダ孔34に摺動可能に嵌合するランド
40を後端に有するものであり、ランド39には案内筒体37
の内面に摺接するカップシール41が嵌着され、ランド40
にはシリンダ孔34の内面に摺接するカップシール42が嵌
着される。これにより案内筒体37およびブースタシリン
ダ28と、ピストンガイド38との間には環状油圧室43が形
成される。一方、ブースタシリンダ28と案内筒体37との
間には環状の油室44が形成されており、この油室44は、
案内筒体37の後端に設けられた切欠きと段部35との間の
油路45を介して前記環状油圧室43に連通する。さらにブ
ースタシリンダ28には、図示しない油圧供給源を油室44
に連通させる入口油路46が穿設されており、環状油圧室
43には油圧供給源からの油圧が常時供給されている。し
かも前述のようにD1<D2であるので、環状油圧室43の油
圧によりピストンガイド38は後方側に向けて押圧されて
おり、油圧失陥がない限り、ピストンガイド38は、ブー
スタシリンダ28の後端に設けられた規制鍔部47にランド
40が当接する後退限位置にある。またピストンガイド38
の前端と、マスタシリンダMにおけるシリンダ本体2の
後端に押付けられている挟持部材27との間には、油圧失
陥が生じたときにピストンガイド38を後退限位置に向け
て押圧するための戻しばね48が縮設される。
ピストンガイド38には、内径D3の第1シリンダ孔部50
と、該シリンダ孔部50の後端部に同軸に連設されるとと
もに前記内径D3よりも小径の内径D4(D3>D4)を有する
第2シリンダ孔部51とが穿設されており、第1および第
2シリンダ孔部50,51にはブースタピストン52が摺動可
能に嵌合される。すなわちブースタピストン52は、第1
シリンダ孔部50に摺動可能に嵌合する大径部52aと、該
大径部52aの後端に連設されるとともに第2シリンダ孔
部51に摺動可能に嵌合する小径部52bとを有して基本的
に円筒状に形成される。またブースタピストン52におけ
る大径部52aには環状溝53が設けられており、この大径
部52aの軸方向に沿う環状溝53の両端縁には第1シリン
ダ孔部50の内面に摺接するカップシール54,55が嵌着さ
れ、ピストンガイド38における第2シリンダ孔部51には
ブースタピストン52の小径部52bに摺接するカップシー
ル56が嵌着される。
ピストンガイド38と、ブースタピストン52における大
径部52aとの間には、環状溝53により環状の入力油圧室5
7が画成され、この入力油圧室57を環状油圧室43に連通
させるための油路58がピストンガイド38に穿設される。
またピストンガイド38とブースタピストン52との間に
は、ブースタピストン52における大径部52aの背面に臨
む環状の出力油圧室59が画成される。
ブースタピストン52の後端には円筒状の受け部材60が
嵌着されており、この受け部材60とピストンガイド38の
後端との間には、ブースタピストン52を後方側に付勢す
るストローク調整ばね61が縮設される。さらにブースタ
ピストン52の前部には、半径方向外方に張出した規制鍔
62が、ピストンガイド38の前端に当接可能にして一体に
設けられ、これによりブースタピストン52のピストンガ
イド38に対する後退限が規定される。
ブースタピストン52には、前方側の小径シリンダ孔部
63と、後方側の大径シリンダ孔部64とが同軸に穿設され
ており、これらのシリンダ孔部63,64には、操作部材と
してのプッシュロッド1に連結された弁ピストン65が摺
動可能に嵌合される。すなわち弁ピストン65は、小径孔
部63にシール部材66を介して摺動可能に嵌合する小径部
65aと、大径孔部64に摺動可能に嵌合する大径部65bとが
同軸に連設されて成り、大径部65bの後端にプッシュロ
ッド1が同軸に連結される。また弁ピストン65における
小径部65aの先端は、ガイド部材21を摺動可能に貫通し
てブースト室24に突入される。しかもガイド部材21の内
面には前記小径部65aの外面に摺接するシール部材67が
嵌着される。
マスタシリンダMの挟持部材27および筒体8と、ブー
スタピストン52の前端との間には、案内筒体37で外周を
規定されて出口室68が画成される。また連結筒部25,29
および案内筒体37間には環状油路69が画成されており、
この環状油路69は連結筒部25に穿設された連通孔70を介
して出口室68に連通する。さらに連結筒部29には環状油
路69に連通する出口油路71が穿設されており、この出口
油路71は図示しない油槽に接続される。したがって出口
室68は油槽に通じることとなる。
前記入力油圧室57および出力油圧室59間の連通、遮断
を果たす入口弁72と、出力油圧室59および出口室68間の
連通、遮断を果たす出口弁73とが、ブースタピストン38
と弁ピストン65とで構成される。
入口弁72は、弁ピストン65の中間部外面に設けられた
環状凹部74と、入力油圧室57に連通してブースタピスト
ン52に穿設された入口弁孔75とで構成されるものであ
り、環状凹部74は弁ピストン65の軸線方向に比較的長く
設けられ、入口弁孔75はブースタピストン52の半径方向
に沿って穿設される。しかもブースタピストン52には、
弁ピストン65の軸方向相対移動に拘らず環状凹部74を出
力油圧室59に常時連通させるための連通孔76が穿設され
る。
かかる入口弁72は、入口弁孔75が環状凹部74に連通し
たときに開弁するものであり、弁ピストン65がブースタ
ピストン52に対して後退限にあるときには入口弁孔75が
環状凹部74よりも前方位置にあって閉弁状態となるよう
に、入口弁孔75および環状凹部74の位置が設定される。
また弁ピストン65には、その中間部から先端まで軸方
向に沿って穿設される給油路77が穿設されており、この
給油路77の後端は環状凹部74に常時連通される。したが
って入口弁72が開弁したときには給油路77にも油圧が供
給されるものであり、この給油路77の前端はブースト室
24に連通するので、入口弁72の開弁時にはブースト室24
にも油圧が供給されることになる。
出口弁73は、出口室68に連通すべくピストンガイド38
およびブースタピストン52の前端部間に形成された環状
室78に連通してブースタピストン52に穿設される第1出
口弁孔79と、前記給油路77に連通して弁ピストン65に穿
設される第2出口弁孔80とで構成されるものであり、両
出口弁孔79,80は、相互に対応する位置でブースタピス
トン52おおび弁ピストン65の半径方向に沿って穿設され
る。かかる出口弁73では、弁ピストン65がブースタピス
トン52に対して後退限にあるときには、第1および第2
出口弁孔79,80が相互に連通してわずかに開弁している
ものであり、弁ピストン65のブースタピストン52に対す
る前進作動が開始したときには、前記入口弁72が開弁す
る前に閉弁する。しかも出口弁73が開弁しているときに
は給油路77は出口室68に連通し、ブースト室24および出
力油圧室59の油圧が解放される。
ブースタピストン52の後端に螺着された受け部材60に
は、弁ピストン65の後端に当接して弁ピストン65の後退
限を規制するサークリップ81が嵌着される。また受け部
材60および弁ピストン65の後端間にはばね82が縮設さ
れ、このばね82により弁ピストン65は後方側に向けて付
勢される。
次にこの実施例の作用について説明すると、ブレーキ
ペダルPの非作動状態では、弁ピストン65はばね82のば
ね力によりブースタピストン52に対して後退限に保持さ
れており、ブースタピストン52はストローク調整ばね61
によりピストンガイド38に対する後退限に保持されてい
る。しかもピストンガイド38は、環状油圧室43に供給さ
れている油圧により、その後端のランド40がブースタシ
リンダ28の規制鍔部47に当接する後退限にある。かかる
状態では、入口弁72は閉弁しており、出口弁73は開弁し
ているので、出力油圧室59およびブースト室24は大気圧
状態となっている。
この状態で自動車を制動すべくブレーキペダルPを踏
込むと、ブレーキペダルPからプッシュロッド1を介し
て弁ピストン65が前方に押動され、先ず出口弁73が閉弁
し、次いで入口弁72が開弁する。このためブースト室24
には入力油圧室57から給油路77を介して油圧が導入さ
れ、作動ピストン4がその背面に油圧を受けて前進し、
マスタシリンダMの倍力作動が開始される。
ところで、入口弁72が開弁したときには、上述のよう
にブースト室24に油圧が供給されるとともに、出力油圧
室59にも油圧が供給され、ブースタピストン52もその背
面に油圧を受けることにより弁ピストン65に対して相対
的に前進移動するので、入口弁72が閉弁されるとともに
出口弁73が開弁される。而して、その入口弁72の閉弁お
よび出口弁73の開弁前にブースト室24に作用した油圧に
より作動ピストン4が前進し、第2図の実線で示す特性
線P0−P1のようにマスタシリンダMの出力油圧は急激に
増大する。これにより制動機端末までの各部遊隙が直ち
に除去されることになる。
出力油圧がP1に達してからは、ブレーキペダルPの踏
込みに応じて弁ピストン65が前進することにより、弁ピ
ストン65のブースタピストン52に対する前進移動、なら
びにブースタピストン52の弁ピストン65に対する前進移
動が交互に繰返され、入口弁72および出口弁73の開弁お
よび閉弁が交互に繰返され、したがって、ブースト室24
の油圧すなわち作動ピストン4の前進移動量も弁ピスト
ン65の前進移動量に応じて増大し、特性線P1−P2で示す
ように、マスタシリンダMの出力油圧がストロークに応
じて増大する。
ブースタピストン52の先端がその前進移動によりガイ
ド部材21に当接してからは、ブースタピストン52の前進
作動が阻止される。したがってそれ以降は、ブレーキペ
ダルPの踏込力により入口弁72を開弁したままで弁ピス
トン65のみが前進する。しかしブースト室24の油圧がブ
レーキペダルPの踏込力よりも大きくなると、弁ピスト
ン65が押し戻されて入口弁72が閉弁する。さらにブレー
キペダルPの踏込を続けると弁ピストン65が再度前進
し、入口弁72を開弁する。このような作用の繰返しによ
りブースト室24の油圧が第2図の特性線P2−P3で示すよ
うに急激に増大する。而してブレーキペダルPの踏込力
がブースト室24の油圧(給油圧)よりも大きくなると、
弁ピストン65は一気に前進するが、ブースタピストン52
における小径部52bの後端に弁ピストン65における大径
部65bが当接するので、第2図の特性線P3−P4で示すよ
うに弁ピストン65の前進はわずかで止まり、ストローク
作動が停止する。しかも前記弁ピストン65の前後動は、
入口弁72が開弁するか閉弁するかの極く微小な動きであ
るので、操作フィーリングを損なうことはない。
マスタシリンダMの作動を解除すべくブレーキペダル
Pを解放すると、ばね82のばね力により弁ピストン65は
先ず入口弁72を閉弁し、次いで出口弁73を開弁する。こ
れによりブースト室24の油圧が解放されて作動ピストン
4が後退限まで後退するとともに出力油圧室59の油圧が
解放されるので、ブースタピストン52はストローク調整
ばね61によりその規制鍔62がピストンガイド38の前端に
当接するまで速やかに後退する。
かかる油圧式倍力装置において、第2図の特性線P1
P2は、内径D3が内径D4よりも大(D3>D4)であることに
起因して出力油圧室59の油圧によりブースタピストン52
を前方側に押圧する油圧力と、ストローク調整ばね61に
よりブースタピストン52を後方側に付勢するばね力との
釣り合いにより定まるものであり、マスタシリンダMの
出力油圧をストロークに対応させる範囲は、前記内径D
3,D4およびストローク調整ばね61の荷重を調整すること
で任意に設定可能である。したがって第2図の鎖線Aで
示すストロークレス型のものに比べると、操作量を作動
量に任意の範囲で対応させて違和感を無くすことがで
き、また第2図の鎖線Bで示すストローク型のものと比
べると、ストロークを短くすることができる。
またこの油圧式倍力装置で油圧失陥が生じたときを想
定する。この場合、環状油圧室43の油圧が低下するの
で、ピストンガイド38は、戻しばね48により後退限に保
持されている。このため、ブレーキペダルPを踏込んで
制動操作をすると、弁ピストン65はばね82を収縮しなが
ら前進作動し、さらにストローク調整ばね61および戻し
ばね48を収縮しながらブースタピストン52およびピスト
ンガイド38が前進作動し、弁ピストン65は作動ピストン
4の後端に当接して該作動ピストン4を前方側に押圧移
動せしめる。これによりマスタシリンダMから出力油圧
が生じる。この弁ピストン65、ブースタピストン52およ
びピストンガイド38の前進移動は、ガイド部材21に当接
したブースタピストン52の先端がガイド部材21を筒体8
内に押込ながら筒体8の後端に当接するまで継続し、こ
れによりマスタシリンダMから充分な出力油圧を得るこ
とができ、油圧失陥時にも充分な制動油圧を得ることが
可能となる。しかもガイド部材21が筒体8内を摺動可能
であるので、油圧失陥時における弁ピストン65のストロ
ークを確保しながら、ガイド部材21を比較的長く設定す
ることができ、そのようにガイド部材21の長さを比較的
長くすることにより弁ピストン65のガイドを充分に果た
すことができる。
またこの油圧式倍力装置とアンチロックブレーキ装置
とを車両に搭載した場合にはアンチロックブレーキ装置
のキックバック現象を緩和することができる。すなわち
キックバックによるブースト室24の油圧上昇が出力油圧
室59の油圧上昇を生じせしめ、ブースタピストン52が前
方に移動して出口弁73を開弁させるからである。
C.発明の効果 以上のように本発明によれば、マスタシリンダのシリ
ンダ本体後端にブースタシリンダが結合され、該ブース
タシリンダに設けられたピストンガイドに摺動可能に嵌
合されるとともに後方側にばね付勢されるブースタピス
トンの背面に臨んで形成された出力油圧室と、油圧供給
源に通じる入力油圧室との間には、操作部材に連なって
ブースタピストンに摺動自在に嵌合された弁ピストンの
ブースタピストンに対する前進作動に応じて開弁する入
口弁が介設され、前記出力油圧室と油槽に通じる出口室
との間には、前記弁ピストンのブースタピストンに対す
る前進作動に応じて閉弁する出口弁が介設され、マスタ
シリンダにおける作動ピストンと前記ブースタピストン
の先端に当接可能にして作動ピストンの後方側に配置さ
れたガイド部材との間には、作動ピストンの背面に臨む
ブースト室が形成され、前記弁ピストンの先端は、前記
ガイド部材を油密的にかつ移動自在に貫通してブースト
室に突入され、該弁ピストンには、前記入口弁の開弁に
応じて入力油圧室およびブースト室間を連通する給油路
が穿設されるので、ブースタピストンを後方側に付勢す
るばねの荷重、ならびに出力油圧室に臨むブースタピス
トンの受圧面積を調整することにより、操作部材のスト
ロークと出力油圧とを対応させる範囲を任意に設定する
ことができ、操作部材のストロークを従来のストローク
レス型およびストローク型の中間範囲として、違和感の
解消を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すものであり、第1図は縦
断側面図、第2図は特性線図である。 1……操作部材としてのプッシュロッド、2……シリン
ダ本体、4……作動ピストン、21……ガイド部材、24…
…ブースト室、28……ブースタシリンダ、38……ピスト
ンガイド、52……ブースタピストン、57……入力油圧
室、59……出力油圧室、65……弁ピストン、68……出口
室、72……入口弁、73……出口弁、77……給油路、 M……マスタシリンダ
フロントページの続き (72)発明者 宮川 幸隆 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 桜井 一也 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マスタシリンダのシリンダ本体後端にブー
    スタシリンダが結合され、該ブースタシリンダに設けら
    れたピストンガイドに摺動可能に嵌合されるとともに後
    方側にばね付勢されるブースタピストンの背面に臨んで
    形成された出力油圧室と、油圧供給源に通じる入力油圧
    室との間には、操作部材に連なってブースタピストンに
    摺動自在に嵌合された弁ピストンのブースタピストンに
    対する前進作動に応じて開弁する入口弁が介設され、前
    記出力油圧室と油槽に通じる出口室との間には、前記弁
    ピストンのブースタピストンに対する前進作動に応じて
    閉弁する出口弁が介設され、マスタシリンダにおける作
    動ピストンと前記ブースタピストンの先端に当接可能に
    して作動ピストンの後方側に配置されたガイド部材との
    間には、作動ピストンの背面に臨むブースト室が形成さ
    れ、前記弁ピストンの先端は、前記ガイド部材を油密的
    にかつ移動自在に貫通してブースト室に突入され、該弁
    ピストンには、前記入口弁の開弁に応じて入力油圧室お
    よびブースト室間を連通する給油路が穿設されることを
    特徴とする油圧式倍力装置。
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