JPH0790768B2 - 油圧式倍力装置 - Google Patents

油圧式倍力装置

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JPH0790768B2
JPH0790768B2 JP1044476A JP4447689A JPH0790768B2 JP H0790768 B2 JPH0790768 B2 JP H0790768B2 JP 1044476 A JP1044476 A JP 1044476A JP 4447689 A JP4447689 A JP 4447689A JP H0790768 B2 JPH0790768 B2 JP H0790768B2
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piston
booster
cylinder
valve
hydraulic
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誠 堀内
睦 清水
幸隆 宮川
一也 桜井
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Honda Motor Co Ltd
Nissin Kogyo Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
Nissin Kogyo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、マスタシリンダのシリンダ本体後端にブース
タシリンダが結合され、該ブースタシリンダには、油圧
供給源に連なる油圧源油圧室に前面を臨ませるシミュレ
ータピストンが油圧供給源の正常時には後退位置に保持
されるべくして摺動自在に嵌合され、該シミュレータピ
ストンに対して軸方向相対移動可能なブースタピストン
とシミュレータピストンとの間には該ブースタピストン
を後方側に付勢する戻しばねが介設され、ブースタピス
トンの背面に臨んで形成された出力油圧室と、油圧供給
源に通じる入力油圧室との間には、操作部材に連なって
ブースタピストンに摺動自在に嵌合された弁ピストンの
ブースタピストンに対する前進作動に応じて開弁する入
口弁が介設され、前記出力油圧室と油槽に通じる出口室
との間には、前記弁ピストンのブースタピストンに対す
る前進作動に応じて閉弁する出口弁が介設される油圧式
倍力装置に関する。
(2) 従来の技術 従来、かかる油圧式倍力装置は、たとえば特公昭52−18
7号公報等により知られている。
(3) 発明が解決しようとする課題 ところで、上記従来のものでは、シミュレータピストン
およびブースタピストン間に介装される戻しばねがブー
スタシリンダ内に配設されているので、戻しばねを配設
するだけのスペースを確保するためにブースタシリンダ
が軸方向に長くならざるを得ない。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ブ
ースタシリンダの軸方向長さを極力短縮可能とした油圧
式倍力装置を提供することを目的とする。
B.発明の構成 (1) 課題を解決するための手段 本発明によれば、ブースタピストンとの軸方向相対移動
可能にして受け部材がシミュレータピストンに連結さ
れ、戻しばねは少なくとも一部をブースタシリンダの後
端から突出させるようにしてブースタピストンの後端部
および前記受け部材間に介設される。
(2) 作用 上記構成によれば、戻しばねを配設するスペースが少な
くとも小さくなるのでブースタシリンダの軸方向長さを
短縮可能となる。
(3) 実施例 以下、図面により本発明の一実施例について説明する
と、先ず第1図において、この油圧式倍力装置は、自動
車に搭載されるブレーキ装置用のものであり、マスタシ
リンダMの後部に油圧ブースタBが連結されて成り、ブ
レーキペダルPに連動、連結された操作部材としてのプ
ッシュロッド1がブレーキペダルPの踏込み操作に応じ
て前進作動することにより、油圧ブースタBの倍力作動
が生じ、それに応じてマスタシリンダMに制動油圧が発
生する。
マスタシリンダMは、タンデム型マスタシリンダであ
り、そのシリンダ本体2には、前端が閉塞したシリンダ
孔3が設けられており、このシリンダ孔3には前端壁と
の間に一方の油圧室を形成する前方側の作動ピストン4
と、該作動ピストン4との間に他方の油圧室5を形成す
る後方側の作動ピストン6とが摺動可能に嵌合され、シ
リンダ本体2の前端壁と前方側の作動ピストン4との間
には該作動ピストン4を後方側に付勢するばね(図示せ
ず)が介装され、前方側の作動ピストン4と後方側の作
動ピストン6との間には作動ピストン6を後方側に付勢
するばね7が介装される。したがって後方側の作動ピス
トン6を前方側に押圧することにより、前方側の油圧室
および後方側の油圧室5の容積が収縮し、それらの油圧
室5から制御油圧が出力される。
シリンダ本体2の後部には、シリンダ孔3との間に段部
8を形成する連結筒部9がシリンダ孔3と同軸に突設さ
れる。一方、作動ピストン6には、後方側に延びるピス
トンロッド10の前端部が固設されており、このピストン
ロッド10の移動を案内すべくシリンダ本体2の後部には
案内部材11が固定される。この案内部材11は、シリンダ
孔3の後端に嵌合する嵌合筒部11aと、その嵌合筒部11a
の後端から半径方向外方に張出した鍔状の当接受け部11
bとから成り、当接受け部11bは連結筒部9に油密的に嵌
合させるとともに段部8に当接される。しかも当接受け
部11bを段部8に当接した状態で当接受け部11bの外周縁
に係合する止め輪22が連結筒部9の内面に嵌着され、こ
れにより案内部材11がシリンダ本体2に固定される。ま
たピストンロッド10は該案内部材11を油密的にかつ移動
自在に貫通して油圧ブースタB側に延出される。
案内部材11と作動ピストン6との間には補給油室12が画
成され、シリンダ本体2には、該シリンダ本体2の上部
に形成されている油槽13内の油溜14を補給油室12に連通
させる油路15が穿設される。また作動ピストン6にはシ
リンダ孔3の内面に摺接するカップシール16が嵌着され
ており、このカップシール16と作動ピストン6とは、補
給油室12よりも油圧室5が減圧されたときには補給油室
12から油圧室5への作動油の流通を許容すべく構成され
る。
作動ピストン6の前部には、ストッパピン17により開閉
駆動される弁機構18が、油圧室5および補給油室12間を
連通・遮断すべく配設されており、この弁機構18は作動
ピストン6が後退限に戻ったときにストッパピン17で押
圧されて開弁する。ストッパピン17は、軸方向に長くし
てピストンロッド10に穿設された長孔19に、ピストンロ
ッド10の軸線と直交するようにして挿通されており、ピ
ストンロッド10の外面から突出したストッパピン17の両
端は、ピストンロッド10を囲繞して補給油室12に配置さ
れた円筒状のホルダ20に固定される。しかもホルダ20
は、作動ピストン6との間に介装したばね21により案内
部材11に当接する方向に付勢されており、これによりス
トッパピン17は実質的にシリンダ本体2に固定されるこ
とになる。
シリンダ本体2の後端には、油圧ブースタBのブースタ
シリンダ24が同軸に接合され、シリンダ本体2およびブ
ースタシリンダ24はボルト25により結合される。すなわ
ちブースタシリンダ24の前端に設けられたフランジ26
と、シリンダ本体2の後端に設けられたフランジ27とが
ボルト25により結合される。
ブースタシリンダ24には、前記マスタシリンダMのシリ
ンダ孔3と同軸上にシリンダ孔28が穿設されており、こ
のシリンダ孔28には案内筒体29が摺動可能に嵌合され
る。この案内筒体29と前部には、前記シリンダ本体2に
おける連結筒部9の後端に当接する段部29aを介して小
径筒部29bが同軸に突設されており、該小径筒部29bは連
結筒部9内に油密に嵌合される。またシリンダ孔28に
は、円筒状のシミュレータピストン30が摺動可能に嵌合
され、このシミュレータピストン30の前部には、案内筒
体29に摺動可能に嵌合する小径筒部30aが段部30bを介し
て同軸に連設される。しかも案内筒体29とシミュレータ
ピストン30との間には両者を相互に離反する方向のばね
力を発揮するばね31が縮設される。さらにシミュレータ
ピストン30の後端部内には、該シミュレータピストン30
の後端に当接する受け部材としての受け筒32が油密に嵌
合され、この受け筒32は、ブースタシリンダ24の後端で
半径方向内方に張出した規制鍔33に係合される。而して
シミュレータピストン30が後退限にあるときにシミュレ
ータピストン30と受け筒32とは実質的に一体化されてい
る。
ブースタシリンダ24、案内筒体29およびシミュレータピ
ストン30間には、シリンダピストン30の前面を臨ませる
ようにして環状の油圧源油圧室34が形成され、ブースタ
シリンダ24には、図示しない油圧供給源を油圧源油圧室
34に連通させる入口油路35が穿設される。しかも前記ば
ね31は油圧源油圧室34に収納されており、油圧源油圧室
34に導入される油圧とばね31とにより、シミュレータピ
ストン30は後方側に向けて付勢され、案内筒体29は前方
側に付勢される。また案内筒体29およびブースタシリン
ダ24間には環状の油室36が形成され、この油室36を図示
しない油槽に連通させる出口油路37がブースタシリンダ
24に穿設される。さらにシミュレータピストン30の小径
筒部30aおよび案内筒体29間には環状油路38が形成され
ており、この環状油路38を前記油室36に連通させる油路
39が案内筒体29に穿設される。
シミュレータピストン30には、その前端側の第1シリン
ダ孔部41と、第1シリンダ孔部41よりも大径にして第1
シリンダ孔部41に同軸に連なる第2シリンダ孔部42とが
穿設されており、第1および第2シリンダ孔部41,42に
はブースタピストン43が摺動可能に嵌合される。すなわ
ちブースタピストン43は、第1シリンダ孔部41に摺動可
能に嵌合する小径部43aと、その小径部43aの後端で半径
方向外方に張出して第2シリンダ孔部43に摺接する大径
部43bとを有して基本的に円筒状に形成される。またブ
ースタピストン43の後端部は、受け筒32を油密にかつ移
動自在に貫通して後方に突出される。このブースタピス
トン43の後端部外面には止め輪44が嵌着されており、こ
の止め輪44に係合する受け部材45と前記受け筒32との間
には、シミュレータピストン30が後退限にある状態では
少なくとも一部をブースタシリンダ24の軸方向外方に突
出させるようにして戻しばね46が縮設される。したがっ
てブースタピストン43は後方側に付勢されることにな
る。
ブースタピストン43における大径部43bと、受け筒32と
の間には環状の出力油圧室47が画成されており、したが
ってブースタピストン43の背面に臨んで出力油圧室47が
形成されることになる。またブースタピストン43におけ
る大径部43bとシミュレータピストン30における段部30b
との間には環状の反力室48が画成されており、該反力室
48はブースタピストン43の前面に臨むことになる。しか
も前記段部30bおよび大径部43bは、相互に当接すること
によりシミュレータピストン30に対するブースタピスト
ン43の所定値以上の前進動作を規制する規制手段として
の機能を果たすことになる。
前記反力室48には、前記戻しばね46とともに弾発手段RB
を構成してブースタピストン43を後方側に付勢するため
のアキュムレータ49が接続されるものであり、該アキュ
ムレータ49はブースタシリンダ24に付設される。このア
キュムレータ49は、ブースタシリンダ24に螺着される有
底円筒状の取付体50と、該取付体50に油密に嵌合して螺
着される有底円筒状のシリンダ体51と、取付体50の閉塞
端との間に油室52を形成するとともにシリンダ体51の閉
塞端との間にばね室53を形成してシリンダ体51に油密に
かつ摺動自在に嵌合されるピストン54と、油室52を収縮
する方向にピストン54を付勢すべくばね室53に収納され
るばね55とから成る。しかも油室52に臨むピストン54の
受圧面積は、反力室48に臨むブースタピストン43の受圧
面積よりも小さく設定される。またアキュムレータ49
は、その油室52が油槽13の油溜14よりも下方に位置する
ようにしてブースタシリンダ24に取付けられる。
取付体50は、ブースタシリンダ24の外面との間にシール
部材56を介在させてブースタシリンダ24に螺着されるも
のであり、この取付体50の閉塞端には油室52に通じる油
路57が穿設され、ブースタシリンダ24には該油路57を前
記反力室48に連通させる油路58が穿設される。
ブースタピストン43における小径部43aの中間部と、シ
ミュレータピストン30における第1シリンダ孔部41の内
面との間には軸方向両端を油密にシールされた環状の入
力油圧室60が形成され、シミュレータピストン30の小径
筒部30aにはブースタピストン43の前進作動に拘らず力
油圧室60を前記油圧源油圧室34に連通せしめる連通孔61
が穿設される。また該入力油圧室60よりも前方側でブー
スタピストン43における小径部43aの外面には軸方向両
端をシールされた環状の出口室62を形成すべく環状凹部
が設けられており、この出口室62をブースタピストン43
の作動に拘らず前記環状油路38に常時連通せしめる連通
孔63がシミュレータピストン30の小径筒部30aに穿設さ
れる。したがって出口室62は油槽に常時連通させること
になる。
ブースタピストン43には、前方側の小径シリンダ孔部64
と、後方側の大径シリンダ孔部65とが同軸に穿設されて
おり、小径シリンダ孔部64にはプッシュロッド1に連結
される弁ピストン66が摺動可能に嵌合される。一方、マ
スタシリンダMにおける作動ピストン6に同軸に連結さ
れているピストンロッド10の後端はブースタピストン43
の前端に対向してシミュレータピストン30の前端部に挿
入されており、このピストンロッド10の後端に臨むブー
スト室67が、連結筒部9、案内部材11、案内筒体29、シ
ミュレータピストン30、ブースタピストン43および弁ピ
ストン66により画成され、このブースト室67に油圧が導
入されることにより作動ピストン6が前進作動する。
ブースタピストン43の大径シリンダ孔部65には連結ロッ
ド68が油密にかつ摺動可能に嵌合されており、この連結
ロッド68の前端部が弁ピストン66の後端に連結される。
また連結ロッド68の後端部にはプッシュロッド1の前端
が連結される。しかもブースタピストン43の後端部内面
には連結ロッド68の後端に当接して連結ロッド68すなわ
ち弁ピストン66の後退限を規制する止め輪69が嵌着され
る。さらにブースタピストン43の前端部内面に嵌着され
た止め輪70と、弁ピストン66の前端との間には弁ピスト
ン66を後方に向けて付勢するばね71が縮設される。
弁ピストン66には、その前端で開口してブースト室67に
連通する給油路73が同軸に穿設されており、この給油路
73の後端は、ブースタピストン43、弁ピストン66および
連結ロッド68で画成される環状室74に連通する。さらに
ブースタピストン43には該環状室74を出力油圧室47に連
通せしめる油路75が穿設される。したがってブースト室
67と出力油圧室47とは給油路73を介して常時連通するこ
とになる。
弁ピストン66とブースタピストン43との間には、入力油
圧室60および給油路73間の連通、遮断を果たす入口弁76
と、出口室62および給油路73間の連通、遮断を果たす出
口弁77と、反力室48および給油路73間の連通、遮断を果
たす開閉弁78とが設けられる。
入口弁76は、給油路73に連通して弁ピストン66の中間部
外面に設けられる環状凹部79と、入力油圧室60に連通し
てブースタピストン43に穿設される入口弁孔80とにより
構成されるものであり、環状凹部79は弁ピストン66の軸
線方向に比較的長く設けられ、入口弁孔80はブースタピ
ストン43の半径方向に沿って穿設される。かかる入口弁
76は、入口弁孔80が環状凹部79に連通したときに開弁す
るものであり、弁ピストン66がブースタピストン43に対
して後退限にあるときには入口弁孔80が環状凹部79より
も前方位置にあって閉弁状態となるように、環状凹部79
および入口弁孔80の位置が設定され、弁ピストン66がブ
ースタピストン43に対して前進作動したときに開弁す
る。
出口弁77は、給油路73に連通して弁ピストン66に穿設さ
れる第1出口弁孔81と、出口室62に連通してブースタピ
ストン43に穿設される第2出口弁孔82とにより構成され
るものであり、両出口弁孔81,82は相互に対応する位置
で弁ピストン66およびブースタピストン43の半径方向に
沿って穿設される。かかる出口弁77では、弁ピストン66
がブースタピストン43に対して後退限にあるときには、
第1および第2出口弁孔81,82が相互に連通してわずか
に開弁しているものであり、弁ピストン66のブースタピ
ストン43に対する前進作動が開始したときには前記入口
弁76が開弁する前に閉弁する。
開閉弁78は、前記環状凹部79と、反力室48に連通してブ
ースタピストン43に穿設される弁孔83とにより構成され
るものである。この開閉弁78では、弁ピストン66がブー
スタピストン43に対して後退限にあるときには弁孔83が
環状凹部79に連通してわずかに開弁しているものであ
り、弁ピストン66のブースタピストン43に対する前進作
動が開始されたときには出口弁77が閉弁する前に閉弁す
る。
次にこの実施例の作用について説明すると、ブレーキペ
ダルPの非作動状態では、弁ピストン66はばね71のばね
力によりブースタピストン43に対して後退限に保持され
ており、ブースタピストン43は戻しばね43によりシミュ
レータピストン30に対する後退限に保持されている。か
かる状態では、入口弁76は閉弁しており、出口弁77およ
び開閉弁78は開弁しているので、ブースト室67、出力油
圧室47および反力室48は大気圧状態となっている。した
がってマスタシリンダMの作動ピストン6はばね7によ
り後退限まで後退している。
この状態で自動車を制動すべくブレーキペダルPを踏込
むと、ブレーキペダルPからプッシュロッド1および連
結ロッド68を介して弁ピストン66が前方に押動される。
この弁ピストン66のブースタピストン43に対する前進作
動に応じて、先ず開閉弁78が閉弁した後に出口弁77が閉
弁し、次いで入口弁76が開弁する。このため入力油圧室
60およびブースト室67間が連通し、ブースト室67への作
動油圧の導入により作動ピストン6はその背面に油圧を
受けて前進し、マスタシリンダMの倍力作動が開始され
る。
このような倍力作動の開始初期において、弁ピストン66
が入口弁76を開弁するまで前進するのに応じてブースト
室67に油圧が供給されて作動ピストン6が前進作動せし
められるので、ブースタピストンで作動ピストンを押圧
作動せしめるようにしたものと比べると、ブースタピス
トン43とシミュレータピストン30との間のシール部の摩
擦に拘らず作動ピストン6を速やかに押圧作動せしめる
ことができ、作動ピストン6の初期作動を円滑ならしめ
ることができる。
ところで入口弁76が開弁したときには、上述のようにブ
ースト室67に油圧が供給されるとともに出力油圧室47に
も油圧が供給され、ブースタピストン43もその背面に油
圧を受けることにより弁ピストン66に対して相対的に前
進移動するので、入口弁76が閉弁されるとともに出口弁
77が開弁される。而して、その入口弁76の閉弁および出
口弁77の開弁前にブースト室67に作用した油圧により作
動ピストン6が前進し、第2図に示す特性線P0−P1のよ
うにマスタシリンダMの出力油圧は急激に増大する。こ
れにより制動機端末までの各部遊隙が直ちに除去され
る。
出力油圧がP1に達してからは、ブレーキペダルPの踏込
みに応じて弁ピストン66が前進することにより、弁ピス
トン66のブースタピストン43に対する前進移動、ならび
にブースタピストン43の弁ピストン66に対する前進移動
が交互に繰返され、入口弁76および出口弁77の開弁およ
び閉弁が交互に繰返される。したがってブースト室67の
油圧および作動ピストン6の前進移動量も弁ピストン66
の前進移動量に応じて増大し、特性線P1−P2で示すよう
に、マスタシリンダMの出力油圧がストロークに応じて
増大する。
ところでかかる弁ピストン66の前進作動時に、出力油圧
室47の油圧により前進作動するブースタピストン43は、
戻しばね46を収縮させつつその前面の反力室48の容積を
収縮させながら前進するものであるが、このブースタピ
ストン43の前進時に開閉弁78は閉弁しており、反力室48
は密閉状態となる。このため反力室48の作動油はアキュ
ムレータ49におけるばね55を収縮させながらピストン54
を押圧する。したがってブースタピストン43はその前面
側でのばね55による反力と戻しばね46による反力とを受
けながら前進することになる。
ブースタピストン43の前進に応じてその段部43bがシミ
ュレータピストン30における段部30bに当接すると、ブ
ースタピストン43の前進作動が阻止される。したがって
それ以降は、ブレーキペダルPの踏込力により入口弁76
を開弁したままで弁ピストン66のみが前進する。しかし
ブースト室67の油圧がブレーキペダルPの踏込力よりも
大きくなると、弁ピストン66が押し戻されて入口弁76が
閉弁する。さらにレーキペダルPの踏込みを続けると、
また弁ピストン66が前進して入口弁76が開弁する。この
ような作用の繰返しにより、ブースト室67の油圧が第2
図の特性線P2−P3で示すように急激に増大する。而して
ブレーキペダルPの踏込力がブースト室67の油圧(給油
圧)よりも大きくなると、弁ピストン66は一気に前進す
る。しかし、ブースタピストン43の大径シリンダ孔部65
の後端に、弁ピストン66に連結されている連結ロッド68
の大径部68a前端が当接するので、第2図の特性線P3−P
4で示すように弁ピストン66の前進はわずかで止まり、
ストローク作動が停止する。しかも前記弁ピストン66の
前後動は、入口弁76が開弁するか閉弁するかの極く微小
な動きであるので、操作フィーリングを損なうことはな
い。
マスタシリンダMの作動を解除すべくブレーキペダルP
を解放すると、ばね71により弁ピストン66は先ず入口弁
76を閉弁し、次いで出口弁77を開弁する。これによりブ
ースト室67の油圧が解放されて作動ピストン6が後退限
まで後退するとともに出力油圧室47および反力室48の油
圧が解放されるので、ブースタピストン43は戻しばね46
によりその後端が受け筒32に当接する後退限まで速やか
に後退する。
かかる油圧式倍力装置において、第2図の特性線P1−P2
は、出力油圧室47の油圧によりブースタピストン43を前
方に押圧する油圧力と、弾発手段RBによる後方への付勢
力すなわち戻しばね46によりブースタピストン43を後方
に付勢するばね力ならびに反力室48による反力との釣り
合いにより定まるものであり、マスタシリンダMの出力
油圧をストロークに対応させる範囲は、戻しばね46およ
びばね55の荷重を調整することにより任意に設定可能で
ある。しかもマスタシリンダMの出力油圧が大きくなる
までストロークに対応させようとすると、戻しばね46お
よびばね55の荷重を大きくする必要があるが、その荷重
の大部分をアキュムレータ49で負担することにより戻し
ばね46の荷重を比較的小さくすることができ、したがっ
て戻しばね46を比較的小さなものとしてその配置スペー
スを小さくすることができ、油圧ブースタBの小型化に
寄与することができる。またアキュムレータ49の負担を
大きくしたとしても、反力室48に臨むブースタピストン
43の受圧面積よりも油室52に臨むピストン54の受圧面積
を小さくしているので、ばね55の荷重も比較的小さなも
のですみ、したがってアキュムレータ49も比較的小型の
ものでよい。
またこの油圧式倍力装置で油圧供給源の油圧欠陥が生じ
たときを想定する。この場合、油圧源油圧室34の油圧が
低下するので、シミュレータピストン30はばね31のばね
力のみにより後退限に保持されている。このため、ブレ
ーキペダルPを踏込んで制動操作をすると、弁ピストン
66はばね71を収縮しながら前進作動し、連結ロッド68が
ブースタピストン43に当接してからは、ブースタピスト
ン43がばね31を収縮しながら前進し、このブースタピス
トン43の前端が、作動ピストン6に連なるピストンロッ
ド10の後端に当接して作動ピストン6を前方側に押圧作
動せしめ、マスタシリンダMに出力油圧が生じる。
この間、ブースタピストン43は戻しばね46を圧縮しよう
とするが、その圧縮力は実質的に自由状態にあるシミュ
レータピストン30を前進せしめる。さらにシミュレータ
ピストン30が案内筒体29に当接してからはブースタピス
トン43が相対的に前進作動し、そのブースタピストン43
がシミュレータピストン30に当接するまで弁ピストン66
およびブースタピストン43の前進作動が継続し、これに
よりマスタシリンダMから充分な出力油圧を得ることが
でき、油圧失陥時にも充分な制動油圧を得ることができ
る。
ところで、かかる油圧源失陥状態でのブレーキ操作時
に、ブースタシリンダ24に対してはシミュレータピスト
ン30が滑るのみでブースタピストン43は滑りを生じな
い。したがって滑り摩擦によるブレーキペダルP踏込力
の損失が小さく抑えられる。
しかもブースタピストン43はシミュレータピストン30に
摺動可能に嵌合されており、シミュレータピストン30お
よびブースタピストン43はその軸方向に少なくとも一部
を重ねるようにして配置されているので、その分だけブ
ースタシリンダ24の軸方向長さを短縮することができ
る。さらにシミュレータピストン30およびブースタピス
トン43間に介設される戻しばね46は、その一部がブース
タシリンダ24の軸方向外方に突出するようにして配設さ
れるので、戻しばね46を収納するスペース分だけブース
タシリンダ24を軸方向に短縮することができ、ブースタ
ピストン43のシミュレータピストン30への嵌合による軸
方向短縮と相俟って、ブースタシミュレータ24の軸方向
長さをより一層短縮することができる。
かかる油圧式倍力装置とアンチロックブレーキ装置とを
車両に搭載した場合には、アンチロックブレーキ装置の
キックバック現象を緩和することができる。すなわちキ
ックバックによるブースト室67の油圧上昇が出力油圧室
47の油圧上昇を生じせしめ、ブースタピストン43が前方
に移動して出口弁77が開弁するからである。
以上の実施例では、シミュレータピストン30にブースタ
ピストン43が摺動自在に嵌合された油圧式倍力装置につ
いて説明したが、本発明は、シミュレータピストン30に
ブースタピストン43が嵌合されていない場合にも適用可
能である。すなわちブースタピストン43をその軸方向に
相対移動自在に貫通するロッド等の基端をシミュレータ
ピストン30に連結し、該ロッドの先端に設けた受け部材
とブースタピストン43との間に戻しばね46を介設するよ
うにしてもよい。
C.発明の効果 以上のように本発明によれば、ブースタピストンとの軸
方向相対移動可能にして受け部材がシミュレータピスト
ンに連結され、戻しばねは少なくとも一部をブースタシ
リンダの後端から突出させるようにしてブースタピスト
ンの後端部および前記受け部材間に介設されるので、戻
しばねを配置するためのスペースをブースタシリンダ内
に設ける場合に比べると、ブースタシリンダの軸方向長
さを短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すものであり、第1図は本
発明の一実施例の縦断側面図、第2図は本発明装置の出
力特性線図である。 1……操作部材としてのプッシュロッド、2……シリン
ダ本体、13……油槽、24……ブースタシリンダ、30……
シミュレータピストン、32……受け部材としての受け
筒、34……油圧源油圧室、43……ブースタピストン、46
……戻しばね、47……出力油圧室、60……入力油圧室、
62……出口室、66……弁ピストン、76……入口弁、77…
…出口弁、 M……マスタシリンダ
フロントページの続き (72)発明者 宮川 幸隆 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 桜井 一也 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−163050(JP,A) 特開 昭59−134042(JP,A) 特公 昭52−187(JP,B2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マスタシリンダのシリンダ本体後端にブー
    スタシリンダが結合され、該ブースタシリンダには、油
    圧供給源に連なる油圧源油圧室に前面を臨ませるシミュ
    レータピストンが油圧供給源の正常時には後退位置に保
    持されるべくして摺動自在に嵌合され、該シミュレータ
    ピストンに対して軸方向相対移動可能なブースタピスト
    ンとシミュレータピストンとの間には該ブースタピスト
    ンを後方側に付勢する戻しばねが介設され、ブースタピ
    ストンの背面に臨んで形成された出力油圧室と、油圧供
    給源に通じる入力油圧室との間には、操作部材に連なっ
    てブースタピストンに摺動自在に嵌合された弁ピストン
    のブースタピストンに対する前進作動に応じて開弁する
    入口弁が介設され、前記出力油圧室と油槽に通じる出口
    室との間には、前記弁ピストンのブースタピストンに対
    する前進作動に応じて閉弁する出口弁が介設される油圧
    式倍力装置において、ブースタピストンとの軸方向相対
    移動可能にして受け部材がシミュレータピストンに連結
    され、戻しばねは少なくとも一部をブースタシリンダの
    後端から突出させるようにしてブースタピストンの後端
    部および前記受け部材間に介設されることを特徴とする
    油圧式倍力装置。
  2. 【請求項2】シミュレータピストンおよびブースタピス
    トン間には、シミュレータピストンに対するブースタピ
    ストンの所定値以上の前進動作を規制する規制手段が設
    けられることを特徴とする第(1)項記載の油圧式倍力
    装置。
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