JP2580807B2 - 電解ドレッシング方法および装置 - Google Patents

電解ドレッシング方法および装置

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JP2580807B2
JP2580807B2 JP1308522A JP30852289A JP2580807B2 JP 2580807 B2 JP2580807 B2 JP 2580807B2 JP 1308522 A JP1308522 A JP 1308522A JP 30852289 A JP30852289 A JP 30852289A JP 2580807 B2 JP2580807 B2 JP 2580807B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、導電性結合剤を使用した砥石に電解ドレッ
シングを施すための方法および装置に関する。
「従来の技術」 シリコン、フェライト、セラミックス等の硬質脆性材
料の切断または研削を行なう場合には、砥石の耐磨耗性
を高めるために、砥粒として超砥粒を使用するととも
に、結合剤として金属を使用したメタルボンド砥石また
は電鋳砥石等が使用されることが多い。
ところで、この種のメタルボンド砥石または電鋳砥石
では、上記のような硬質脆性材料の切断を行なうと、結
合剤の摩耗速度に比して超砥粒の摩耗が早く、研削開始
後の早期に研削面における超砥粒の切刃の平坦化が生じ
て突出量が小さくなり、切れ味の低下が著しいという問
題があった。
このため従来では、切れ味の回復を図るために、SiC
やAl2O3砥粒を用いたドレッシング砥石を、研削の合間
に頻繁にあるいは研削と同時に砥石の研削面に当て、ド
レッシングを行なう方法が採られていた。
しかし、この方法では、結合剤とともに超砥粒も破損
するため、砥粒層の摩耗が激しく、砥石寿命が大幅に短
縮するうえ、ドレッシング作業によって研削盤の稼働率
が制限され、作業効率の低下を招く欠点があった。
そこで、第5図に示すように、研削と並行して研削面
の電解ドレッシングを行なう方法が一部で提案されてい
る。
図中符号1は円板状の切断砥石で、研削盤のスピンド
ル軸2に装着され、この砥石1の外周の一部を覆って電
極3が配置されている。
この電極3は全体が銅などの金属で成形され、一対の
三日月状の側板3Aと、これら側板3Aを平行に固定する天
板部3Bとからなり、天板部3Bの中央には給液路4が接続
されている。
そして砥石1を回転させ、被削材Wを研削しつつ、砥
石1のスピンドル軸2に電源の陽極を、電極3に陰極を
接続し、同時に供給路4から電解液を提供することによ
り、回転する砥石1砥粒層の金属結合剤を徐々に溶出さ
せる。
この方法によれば、砥粒を残して結合剤だけを除去す
るから、超砥粒を損傷することなく、その発刃を促進し
て切れ味を良好に維持する効果が得られる。
「発明が解決しようとする課題」 ところが上記のドレッシング方法では、砥石1に陽極
を直接接続しているうえ、電極3が側板部3Aを有するた
め、これら側板部3Aと対向する砥石の側面部においても
ドレッシングが進行する。このため、この方法を特に半
導体素子の加工などに使用される極薄刃砥石に使用する
と、砥石の薄肉化が無視できず、切断幅の精度が低下す
る等の欠点があった。
また、上記の方法では、電極3と砥石1との間隙量は
数mmから数cm程度の比較的大きな値に設定せざるを得な
いから、砥石の研削面の凹凸を形状修正する効果は低
く、ツルーイングは別途行なわねばならなかった。
「課題を解決するための手段」 本発明は上記の各課題を解決するためになされたもの
で、まず本発明の電解ドレッシング方法は、電極の少な
くとも先端部を絶縁体で被覆し、この絶縁体の先端部に
ドレッシングすべき砥石の外周部が入りうるスリットを
形成して、このスリットの底面に電極の先端面を露出さ
せてなるドレッシング治具を、前記スリットに砥石の外
周部を差し入れ電極の前記先端面が砥石の研削面と一定
間隔を空けて対向するように配置し、 電極と研削面との間に電解研削液を供給するととも
に、電極と砥粒層との抵抗値あるいは極間電圧を測定
し、この値が一定範囲に入るように前記ドレッシング治
具を砥石に対し進退させつつ、電極を電極陰極、砥粒層
を電極陽極に接続して通電することを特徴とする。
なお、電解ドレッシングに先立ち電極の先端を絶縁体
で覆っておき、この絶縁体に対しドレッシングすべき砥
石で切り込むことにより前記スリットを形成してもよ
い。
一方、本発明の電解ドレッシング装置は、電極の先端
部を絶縁体で被覆し、この絶縁体の先端部にドレッシン
グすべき砥石の外周部が入りうるスリットを形成して、
このスリットの底面に電極の先端面を露出させてなるド
レッシング治具と、前記電極および砥粒層の間の抵抗値
あるいは極間電圧を測定する離間量検出機構と、電極の
先端面が砥石の研削面と対向するようにドレッシング治
具を支持するとともに、前記離間量検出機構からの出力
信号に応じてドレッシング治具を砥石に向けて進退させ
る離間量調整機構と、電極と研削面との間隙に電解研削
液を供給するための給液手段と、電極を陰極、砥粒層を
陽極として通電する給電機構とを具備したことを特徴と
する。
なお、前記ドレッシング治具は、供給手段として前記
スリット内に開口する給液路を具備していてもよい。
「作 用」 上記の電解ドレッシング方法および装置によれば、ド
レッシング速度は通電量を調整することによりフィード
バック制御可能なので、研削と同時進行してドレッシン
グを行なうことにより、研削面での砥粒摩耗速度とドレ
ッシング速度を均衡させることが可能で、長期に亙って
良好な研削効率を維持できる。
また、スリットの両側壁面で砥石の砥粒層の側面が電
気的に遮蔽されるため、砥粒層の側面部分には電流が殆
ど流れず、砥粒層の側面がドレッシングされることが少
ない。したがって砥粒層の薄肉化を防いで、長期に亙っ
て一定の切断精度が維持できる。
また、砥粒層と電極との間の抵抗値あるいは極間電圧
を検出してドレッシング治具の位置を制御するので、研
削面と電極の間隙量を正確な極く小さい一定値に保つこ
とが容易である。このため、研削面の凹凸に対応して鋭
敏に結合剤の溶出速度が変化し、研削面の形状修正効果
が高い。
さらに、ドレッシング治具にスリットの内部に開口す
る給液路を形成し、この給液路を通じて電解研削液を供
給した場合には、電極と研削面との狭い間隙にも効果的
に電解研削液が供給でき、ドレッシング効率が高められ
るとともに、研削面から溶出した金属イオンが速やかに
排出され、結合剤が電極表面に再度析出してドレッシン
グを阻害することが防げる。
「実施例」 第1図は、本発明に係わる電解ドレッシング装置の一
実施例を示す概略図である。
図中符号10は、導電性結合剤を使用したメタルボンド
砥石、電鋳砥石あるいは電着砥石等の切断砥石であり、
研削盤のスピンドル軸11に固定され、ワークテーブル12
上に固定されたワークWをノズル13から研削液を供給し
つつ切断する。
一方、符号14はドレッシング治具で、これは第2図に
示すように直方体状の絶縁体15と、この絶縁体15の内部
に水平に埋設された細長い板状の電極16から構成されて
いる。また絶縁体15の中心には電極16と平行に給液孔17
が形成されるとともに、絶縁体15の先端面の中央には、
砥石10の外周部がほぼ隙間なく入る幅のスリット18が上
下に向けて形成され、このスリット18の底面において前
記電極16の先端面の一部が露出している。
このようなスリット18を形成するには、第4図に示す
ように、電極16を基端部のみが露出した状態で絶縁体15
の内部に埋設した後、この電極16の先端が露出する位置
までドレッシングすべき砥石10で研削する。この方法に
よれば、砥石肉厚に適合した幅を有するスリット18の形
成が容易である。
なお、絶縁体15の材質としては、各種のプラスチッ
ク、セラミックス、その他いかなる絶縁材を用いてもよ
いが、被削性の良いものが好ましい。また電極16の材質
としては、Ni,Ni基合金,ステンレス,Ta等の高耐食性金
属、あるいはカーボン、グラファイト等が好適である。
なお、図示の電極16は細長い板状であるが、この形状に
限る必要はなく、丸棒状や管状、端子状としてもよい。
また電極16の厚さは、砥石径や砥石厚さに応じて決定さ
れる。
ドレッシング治具14は離間量調整機構19の駆動部20に
固定され、スリット18に砥石10の外周部を奥まで挿入し
た状態で支持されている。
この離間量調整機構19は駆動源として高精度ステッピ
ングモータ等を具備し、後述する離間量検出機構24から
の出力信号に応じてドレッシング治具14を砥石10に向け
て進退させる。
そして、電極16とスピンドル軸11の間には、電極16を
陰極、スピンドル軸11を陽極として電流計21を介して給
電装置22が接続され、設定可能な一定電流が供給され
る。給電装置22の出力容量は、砥石10の種類、必要なド
レッシング速度等を考慮して決定すべきであるが、通常
の砥石に対しては50V×10A程度であればよい。
また、給電装置22の両極間には電圧計23が接続され、
この電圧計23はさらに離間量検出機構24に接続されてい
る。この離間量検出機構24は、両極間の電圧が所定の上
限値を上回る(電極16と砥石10間の抵抗が増大する)と
離間量調整機構19を作動させ、極間電圧が上限値を下回
る位置までドレッシング治具14を前進させる。また、両
極間電圧が下限値を下回る(電極と16と砥石10間の抵抗
が減少する)と、離間量調整機構19を作動させて下限値
を上回る位置までドレッシング治具14を後退させる構成
となっている。
以上の装置を使用するには、給液孔17を給液ポンプ
(図示略)に接続し、一定流量で電解研削液をスリット
18と砥石10の間隙に供給する。そして給電装置22、離間
量検出機構24、離間量調整機構19をそれぞれ作動させ、
ドレッシング治具14を動かして、電極16と砥石10の研削
面との間隔が一定範囲となるように調節する。
両者の最適離間量では砥石10の種類によって異なり、
例えば電鋳薄刃砥石の場合には1〜500μm、望ましく
は5〜200μm程度に設定される。1μm未満では電極1
6と砥石10との短絡がドレッシング開始当初に生じてド
レッシング効率が低下したり、切粉の通過により電極16
の損耗が進んで好ましくない。一方、500μmより大で
は形状修正効果が低下するとともに、砥石側面がドレッ
シングされる割合が相対的に増加し、砥石研削面のドレ
ッシング効率が相対的に低下する問題が生じる。
また、電極16の先端面での電流密度は0.1〜100、望ま
しくは0.5〜50A/cm2とされる。0.1A/cm2未満では十分な
ドレッシングが行なえず、100A/cm2より大では電解液の
電気分解速度が増大し、電流増に見合うドレッシング効
果が期待できない。
電極16への通電は連続的に行なうことが望ましいが、
研削中に断続的に行なってもほぼ同様な効果が得られ
る。また、電流は図示のように直流であっても、直流バ
イアスをかけた交流電流、パルス電流等であってもよ
い。
電解研削液としては、砥石10と電極16との間隔が小さ
いことから、通常使用されている電気伝導度の低い研削
液も使用可能であるが、ドレッシング効率を高めるため
には、電気伝導度を向上するためにNO3 -,Cl-,SO4 2-等を
含む電解質を適度に添加することが望ましい。また、こ
れらの電解質の添加による装置本体の腐食を防止するた
め、併せてインヒビターを添加してもよい。
上記構成からなる電解ドレッシング装置および方法に
よれば、ドレッシング速度は電極16への通電量を調整す
ることによりフィードバック制御可能なので、研削と同
時進行してドレッシングを行なえば、研削面での砥粒摩
耗速度とドレッシング速度を均衡させることが可能で、
長期に亙って適正な砥粒突出量を維持できる。
また、絶縁体15に形成されたスリット18の両側壁面で
砥石10の砥粒層の側面を電気的に遮蔽するため、砥粒層
の側面部分はドレッシングされることが少ない。したが
って、砥粒層の薄肉化を防いで、薄肉化による切断代減
少などの精度低下が防止できる。
また、給電装置22の両極間の電圧を計測してドレッシ
ング治具14の位置を制御するので、研削面と電極16との
間隙を正確な極く小さい一定値に保つことが容易であ
る。このため、研削面の凹凸に対応して鋭敏に結合剤の
溶出速度が変化し、研削面の形状修正効果が高く、ツル
ーイングを別に行なう必要性が低減できる。同時に、砥
石10と電極16の間の抵抗値を直接計測する構成に比して
装置が単純化できる。
さらに、上記実施例では、ドレッシング治具14に電極
16の間に給液孔17を形成し、この給液孔17を通じてスリ
ット18内に電解研削液を供給しているので、電極16と砥
石10との狭い間隙に効果的に電解研削液が供給でき、ド
レッシング効率が高められるとともに、研削面から溶出
した金属イオンが速やかに排出され、電極16の露出面に
析出しにくいという利点も得られる。
なお、本発明は上記実施例に限定されず、必要に応じ
て以下のように各部構成を変更してもよい。
例えば、上記実施例では定電流型の給電装置22の両極
間の電圧を測定することにより、電極16と砥石10との抵
抗を間接的に検出していたが、その代わりに、砥石10の
スピンドル軸11と電極16間の抵抗値を直接計測して治具
位置を制御してもよい。
また、ドレッシング治具14の内部に給液路17を形成せ
ず、外部から給液する構成としてもよいし、さらに、カ
ップ型砥石や内周刃型砥石など円板形砥石以外の砥石に
本発明を適用することも可能である。
「実験例」 次に、実験例を挙げて本発明の効果を実証する。
(実験例1) 第1図と同様の装置を作成し、研削と平行して下記の
ダイヤモンド電鋳砥石(電析Niボンド)のドレッシング
を行なった。
外径101mm×厚さ0.3mm×内径40mm ダイヤモンド砥粒径:20/30μm 砥粒含有率32vol%、刃先突出量5mm ドレッシング治具としては、厚さ2.0mm×幅5mmのSUS3
04板を電極として基端のみ露出させてエポキシ樹脂中に
埋設し、樹脂硬化後、電極の上部に電極と平行に6mmφ
の給液孔を形成した。さらに電極の基端にリード線を接
続した後、基端を絶縁材で被覆した。
次に、このドレッシング治具を、マイクロメータを備
えた離間量調整機構を介してスライシングマシンに固定
し、砥石の中心に向けて進退可能として砥石の外周部に
対向させた。さらに、電極と砥石との間に抵抗計を接続
した。
次いでスライシングマシンを作動させ、電鋳薄刃砥石
を回転させつつ、離間量調整機構によりドレッシング治
具を砥石に向けて移動し、その先端面に切り込んだ。そ
して抵抗計が短絡を示した時点で切り込みを停止し、そ
の位置からマイクロメータを用いドレッシング治具を5
μm後退させた。
次いで、電極を直流定電流電源の陰極に、スピンドル
を陽極にそれぞれ接続し、給液孔の先端に給液ノズルを
固定したうえ、給液孔の基端に給液ポンプを連結した。
以上の準備が完了した後、以下の研削条件およびドレ
ッシング条件で研削実験を行なった。
被削材:Al2O3・TiC材、 縦75mm×横75mm×厚さ4mm 送り速度:30mm/min. 切込深さ:4.5mm ピッチ:1mm 総研削距離:5.25m 研削液:市水+インヒビター少量+NaNO310g/ ドレッシング電流:0.09A 電極と研削面の距離:5〜50μm その結果、法線方向の切断抵抗は切断処理で1.1kgWを
示した後、0.6kgWで一定化した。5.25m切断後の電鋳薄
刃砥石の半径摩耗は34μm、被削材表面における各切断
ラインでの最大チッピングのばらつき範囲は20〜25μm
の非常に狭い範囲にあった。
また、刃先の形状変化を別の同材質の被削材にハーフ
カットで切り込んで、形成された溝の端面形状から調べ
たところ、刃先先端から200μmの位置での摩耗による
砥石の薄肉化量は僅か12μmであった。
次に、砥石切り込み量を摩耗分補正した後、ドレッシ
ング治具の位置を適正化し、再び新たな前記と同材質の
被削材の切断を、前記と同じ研削条件で行ない、これら
の操作を繰り返して被削材を5回切断した。
各切断終了後のカーフ幅、切断抵抗、最大チッピン
グ、刃先先端から200μmの位置での薄肉化量および半
径方向の累積摩耗量をそれぞれ測定した。その結果を第
1表に示す。なお、測定を行なったのは、各被削材の最
終切断ラインの中央部である。
(比較例1) 前記実験例1におけるドレッシング治具の代わりに、
幅15mm×厚さ15mmの矩形状のドレッシング砥石(WC400
・ビトリファイド砥石)を前記と同じ被削材の前端に沿
って配置し、前記と同じ切断条件で被削材の切断を行な
うとともに、各切断ライン毎にドレッシング砥石を切断
した。このようにして被削材1枚を加工し終わる毎に切
り込み量を補正しつつ、5枚の被削材を切断した。
前記実験例と同じ項目について測定した結果を第1表
に示す。
(実験例2) 第1図と同様の装置を作成し、研削と平行して下記の
ダイヤモンドメタルボンド砥石(ボンド:85wt%Cu+15w
t%Sn)のドレッシングを行なった。
外径101mm×厚さ1.0mm×内径40mm ダイヤモンド砥粒径:40/60μm 砥粒含有率25vol%、刃先突出量10mm ドレッシング治具としては、厚さ5.0mm×幅5mmのカー
ボン板を電極として基端のみ露出させてエポキシ樹脂中
に埋設し、樹脂硬化後、電極の上部に電極と平行に6mm
φの給液孔を形成した。さらに電極の基端にリード線を
接続した後、基端を絶縁材で被覆した。
次に、このドレッシング治具を、マイクロメータを備
えた離間量調整機構を介してスライシングマシンに固定
し、砥石の中心に向けて進退可能として砥石の外周部に
対向させた。さらに、電極と砥石の間に抵抗計を接続し
た。
次いでスライシングマシンを作動させ、メタルボンド
砥石を回転させつつ、離間量調整機構によりドレッシン
グ治具を砥石に向けて移動し、その先端面に切り込ん
だ。そして抵抗計が短絡を示した時点で切り込みを停止
し、その位置からマイクロメータを用いドレッシング治
具を300μm後退させた。
次いで、電極を直流定電流電源の陰極に、スピンドル
を陽極に接続し、給液孔の先端に給液ノズルを固定した
うえ、給液孔の基端に給液ポンプを連結した。
次に、砥石を回転させ、給液ポンプを作動して給液ノ
ズルから研削液を供給し、直流安定化電源の電流値を0.
15Aに設定して電極間に通電し、電極間の電圧を測定し
た。得られた電圧値12Vに対して直流電源の電圧上限を1
4V、下限を11Vに設定し、研削中はこれら上限・下限値
に従って離間量調整機構を作動させ、砥石の研削面と電
極との離間量を一定化する構成とした。
以上の準備が完了した後、以下の研削条件およびドレ
ッシング条件で研削実験を行なった。
被削材:Al2O3材、 縦200mm×横120mm×厚さ5mm 送り速度:30mm/min. 切込深さ:6.5mm ピッチ:2mm 総研削距離:10m 研削液:市水+インヒビター少量+NaCl5g/ ドレッシング電流:0.15A その結果、法線方向の切断抵抗は切断初期で2.1kgWを
示した後、約1.5kgWで一定化した。10m切断後のメタル
ボンド砥石の半径摩耗量は368μm、被削材表面におけ
る各切断ラインでの最大チッピングのばらつき範囲は30
〜35μmの非常に狭い範囲にあった。
また、刃先の形状変化を別の同材質の被削材にハーフ
カットで切り込んで、形成された溝の断面形状から調べ
たところ、刃先先端から500μmの位置での摩耗による
砥石の薄肉化量は僅か22μmであった。
(比較例2) 前記実験例2におけるドレッシング治具の代わりに、
幅15mm×厚さ15mmの矩形状のドレッシング砥石(WC220
・ビトリファイド砥石)を前記と同じ被削材の前端に沿
って配置し、前記と同じ切断条件で被削材の切断を行な
うとともに、各切断ライン毎にドレッシング砥石を切断
した。
前記実験例と同じ項目について測定した結果、法線方
向の切断抵抗は切断初期で2.4kgWを示した後、切断距離
3mで3.1kgW、6mで4.8kgW、10mで5.9kgWと切断距離の増
加に従い徐々に増加した。
10m切断後のメタルボンド砥石の半径摩耗量は580μm
だった。被削材表面における各切断ラインでの最大チッ
ピングのばらつき範囲は35〜50μmだった。また刃先先
端から500μmの位置での摩耗による砥石の薄肉化量は4
5μmだった。
(実験例3) 第1図と同様の装置を作成し、研削と平行して下記の
ダイヤモンド電鋳砥石(電析Niボンド)のドレッシング
を行なった。
外径76.2mm×厚さ0.13mm×内径40mm ダイヤモンド砥粒径:8/16μm 砥粒含有率32vol%、刃先突出量3mm ドレッシング治具としては、厚さ1.0mm×幅5mmのNi板
を電極として基端のみ露出させてエポキシ樹脂中に埋設
し、樹脂硬化後、電極の上部に電極と平行に6mmφの給
液孔を形成した。さらに電極の基端にリード線を接続し
た後、基端を絶縁材で被覆した。
次に、このドレッシング治具を、マイクロメータを備
えた離間量調整機構を介してスライシングマシンに固定
し、砥石の中心に向けて進退可能として砥石の外周部に
対向させた。
次に、直流安定化電源に対し前記と同様に電極および
スピンドルを接続し、電流値を0.04A、電圧値を16Vに合
わせ、両極間に通電しつつスライシングマシンを作動さ
せ、電鋳薄刃砥石を回転させつつ、離間量調整機構によ
りドレッシング治具を砥石に向けて移動し、その先端面
に切り込んだ。そして両極間に電流が流れて両極間の電
圧が降下し、短絡を示した時点で切り込みを停止し、そ
の位置からマイクロメータを用いドレッシング治具を50
μm後退させた。次いで、給液孔の先端に給液ノズルを
固定したうえ、給液孔の基端に給液ポンプを連結した。
以上の準備が完了した後、以下の研削条件およびドレ
ッシング条件で研削実験を行なった。
被削材:鏡面研摩されたHIPフェライト(ワックスでテ
ーブルに接合) 縦20mm×横50mm×厚さ2mm 送り速度:20mm/min. 切込深さ:2.5mm ピッチ:0.5mm 総切断ライン数:90(ライン)×100(被削材) 研削液:市水+インヒビター少量+NaNO350g/ ドレッシング電流:0.04A 前記試験を5回実施したが、いずれも被削材の台金か
らの剥離・飛散を生じることなく、それぞれ設定値であ
る9000ラインの切断が行なえた。
(比較例3) 前記実験例3におけるドレッシング治具を用いず、他
の条件は実験例3と同一にして、切断試験を5回実施し
た。
その結果、いずれの切断試験においても、設定値に至
る前に被削材が台金から剥離・飛散し、平均的な被削材
の飛散を生じるまでの切断ライン数は826ラインだっ
た。
「発明の効果」 以上説明したように、本発明に係わる電解ドレッシン
グ方法および装置によれば、以下のような優れた効果が
得られる。
ドレッシング速度は通電量を調整することによりフ
ィードバック制御可能なので、研削と同時進行してドレ
ッシングを行なうことにより、研削面での砥粒摩耗速度
とドレッシング速度を均衡させることが可能で、長期に
亙って良好な研削効率を維持できる。
スリットの両側壁面で砥石の砥粒層の側面が電気的
に遮蔽されるため、砥粒層の側面部分には電流が殆ど流
れず、砥粒層の側面がドレッシングされることが少な
い。したがって、砥粒層の薄肉化を防いで、長期に亙っ
て良好な研削精度が維持できる。
砥粒層と電極との間の抵抗値を検出してドレッシン
グ治具の位置を制御するので、研削面と電極の間隙量を
正確な極く小さい一定値に保つことが容易である。この
ため、研削面の凹凸に対応して鋭敏にドレッシング強度
が変化し、研削面の形状修正効果が高い。
ドレッシング治具にスリットの内部に開口する給液
路を形成し、この給液路を通じて電解研削液を供給した
場合には、電極と研削面との狭い間隙にも効果的に電解
研削液が供給でき、ドレッシング効率が高められるとと
もに、研削面から溶出した金属イオンが速やかに排出さ
れ、電極表面に析出しにくいという利点も得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係わる電解ドレッシング装置の一実施
例を示す概略図、第2図および第3図は同装置のドレッ
シング治具を示す縦断面図および正面図、第4図はスリ
ット形成前のドレッシング治具を示す縦断面図である。 一方、第5図は従来の電解ドレッシング方法を示す概略
図である。 W……被削材、10……砥石、11……スピンドル軸、14…
…ドレッシング治具、15……絶縁体、16……電極、17…
…給液孔(給液路)、18……スリット、19……離間量調
整機構、20…駆動部、21……電流計、22……給電機構、
23…電圧計、24……離間量検出機構。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性結合剤を使用した砥粒層を有する砥
    石を軸回りに回転しつつ、前記砥粒層の研削面を電解ド
    レッシングする方法であって、 電極の少なくとも先端部を絶縁体で被覆し、この絶縁体
    の先端部にドレッシングすべき砥石の外周部が入りうる
    スリットを形成して、このスリットの底面に電極の先端
    面を露出させてなるドレッシング治具を、前記スリット
    に砥石の外周部を差し入れ電極の前記先端面が砥石の研
    削面と一定間隔を空けて対向するように配置し、 電極と研削面との間に電解研削液を供給するとともに、
    電極と砥粒層との抵抗値あるいは極間電圧を測定し、こ
    の値が一定範囲に入るように前記ドレッシング治具を砥
    石に対し進退させつつ、電極を電源陰極、砥粒層を電源
    陽極にそれぞれ接続して通電することを特徴とする電解
    ドレッシング方法。
  2. 【請求項2】前記電解ドレッシングに先立ち、前記電極
    の先端を絶縁体で覆っておき、この絶縁体に対しドレッ
    シングすべき砥石で切り込むことにより、前記スリット
    を形成することを特徴とする請求項1記載の電解ドレッ
    シング方法。
  3. 【請求項3】導電性結合剤を使用した砥粒層を有する砥
    石を軸回りに回転しつつ、前記砥粒層の研削面を電解ド
    レッシングする装置であって、 電極の先端部を絶縁体で被覆し、この絶縁体の先端部に
    ドレッシングすべき砥石の外周部が入りうるスリットを
    形成して、このスリットの底面に電極の先端面を露出さ
    せてなるドレッシング治具と、前記電極および砥粒層の
    間の抵抗値あるいは極間電圧を測定する離間量検出機構
    と、電極の先端面が砥石の研削面と対向するようにドレ
    ッシング治具を支持するとともに、前記離間量検出機構
    からの出力信号に応じてドレッシング治具を砥石に向け
    て進退させる離間量調整機構と、電極と研削面との間隙
    に電解研削液を供給するための給液手段と、電極を陰
    極、砥粒層を陽極として通電する給電機構とを具備した
    ことを特徴とする電解ドレッシング装置。
  4. 【請求項4】前記ドレッシング治具は、給液手段として
    前記スリット内に開口する給液路を具備していることを
    特徴とする請求項3記載の電解ドレッシング装置。
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