JP2684624B2 - 研削切断装置 - Google Patents

研削切断装置

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JP2684624B2 JP9943790A JP9943790A JP2684624B2 JP 2684624 B2 JP2684624 B2 JP 2684624B2 JP 9943790 A JP9943790 A JP 9943790A JP 9943790 A JP9943790 A JP 9943790A JP 2684624 B2 JP2684624 B2 JP 2684624B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、導電性切断砥石を使用する研削切断機上に
おいて前記砥石のトルーイングを実施することが可能な
研削切断装置に関する。
(従来の技術) 磁気ヘッドなど電子部品に使用されるフェライト等の
硬質脆性材料の加工は、高い寸法精度が要求され、特に
前記砥石側面の面ぶれや砥石切刃の先端形状が前記電子
部品の加工精度に及ぼす影響は極めて大である。この種
の砥石の加工成形に関しては、特開昭51-93493号公報に
開示された技術がある。また、研削切断機上において前
記砥石のトルーイングを実施する研削切断装置に関して
は、特願昭59-131053号公報に開示される技術がある。
(発明が解決しようとする課題) 特開昭51-93493号発明は、ダイヤモンド砥石のトルー
イング及びドレッシング等砥石の加工成形には、スティ
ックと称する角形棒状の一般砥石を被加工成形砥石面に
押し当てるか、またはブレーキドレッサ等にグリーンカ
ーボランダム砥石(GCと略記する)を取付けて互いに接
触させるものである。このため、前記電子部品加工用に
使用される薄刃の導電性切断砥石の側面または先端形状
を高精度に加工するためには、接触圧の加わらない加工
成形が要求される。特願昭59-131053号発明は上記の要
求に対して創案されたものであるが、本発明は、さら
に、薄刃の導電性切断砥石の側面または先端形状を高精
度にトルーイングすると共に、導電性切断砥石をセット
アップする回路を、高圧放電圧から保護するに好適な放
電加工装置を備えた研削切断装置を提供することを目的
とするものである。
(課題を解決するための手段) 上記の目的は、回転する導電性砥石と被加工物との研
削接触原点を検知する回路と、前記砥石を両側から挾み
砥石面と平行な1対の導電性板状体からなる電極と、前
記砥石との間に放電電圧を印加する電源装置と、前記砥
石と前記電極との間に放電加工液を供給する手段と、前
記放電加工液の供給時に前記研削接触原点を検知するセ
ットアップ回路を遮断するセットアップ保護回路を備え
ると共に、前記砥石の先端部側面と対向する電極断面が
砥石の切り込み方向に向かって広がる勾配を有し、前記
放電加工中は、前記電極の側面と前記砥石先端部との間
隙が一定寸法になるように、前記砥石に対する前記電極
の送り速度を演算制御する制御装置を有する研削切断装
置によって達成される。
(作用) 上記の構成により、導電性砥石による加工に際して
は、高電圧の印加によるセットアップ回路の焼損が防止
され、かつ、前記電極と砥石との相互位置を正確に設定
し、砥石の側面または先端の整形精度の向上が可能であ
る。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を図面と共に説明する。第1
図は、本発明に係る研削切断装置20の一実施例を示す斜
視図である。同図において、支軸2aを中心とし矢印A方
向に回動するアーム2に支承されるスピンドル3があ
り、薄刃導電性砥石(以下砥石と略記する)1は図示し
ない絶縁スリーブを介してスピンドル3の先端に設けた
フランジ3aに固定されている。スピンドル3は、図示し
ない直結モータによって回転駆動され、好ましくは空気
軸受によって軸支されている。
研削切断装置20の作業テーブル9上には、絶縁プレー
ト8を介して、被加工物を固定するチャックテーブル7
が付設されている。チャックテーブル7は真空チャック
または電磁チャックが好ましい。電極5a、5bは、チャッ
クテーブル7上に、作業テーブル9の送り方向(矢印X
方向)と平行に電極保持治具5を介して固定されてい
て、図示しない電極間隔調整ねじによって、電極5aと5b
の間隔を調整するように構成されている。4は加工液供
給ノズルであり、研削切断用加工液の供給量を調整する
研削液電磁弁10及び放電加工液の供給量を調整する放電
液電磁弁11を具有している。請求項1記載の砥石と電極
との間に放電加工液を供給する手段とは、例えば、実施
例における放電加工液供給管17、放電液電磁弁11、加工
液供給ノズル4及び図示しない給液槽をいう。6は砥石
1のセットアップ位置検出部、12はセットアップ検出回
路、13はセットアップ保護回路、14は制御装置で、研削
切断装置20の作業テーブル9の送り(矢印X方向と反X
方向)、スピンドル3bの送り(矢印Y方向と反Y方
向)、切り込み送り(反矢印Z方向)及び、スピンドル
3の回転をそれぞれ制御する。スピンドル3は、カーボ
ンブラシを介して導通され、砥石1のセットアップと共
に放電加工電源15からの給電がなされる。放電加工用電
源15の他端は放電電極5a、5bに接続されている。
上記の構成において、砥石1をフランジ3aに取付け、
スピンドル3を回転させ、制御装置14のセットアップ設
定スイッチをONすると、スピンドル3が矢印Z方向に上
昇した後、セットアップ検出部6の位置に対して、作業
テーブル9を反矢印X方向に、スピンドル3は矢印Y方
向、またはセットアップ動作開始時点の位置によっては
反Y方向に移動させた後、アーム2を回動し反矢印Z方
向に下降させることにより、砥石1の研削刃先とセット
アップ検出部6とが接触し原点を検出する。アーム2が
回動し、スピンドル3が所定の位置まで再度矢印Z方向
に上昇することにより、原点検出動作が終了する。
次に作業テーブル9上に設置されたチャックテーブル
7上にダミー材を載置し、砥石1により所定の切り込み
を与えて溝入れ加工し、図示しない顕微鏡観察装置によ
り砥石1の幅を検出してモニタ上に表示する。
次に、チャックテーブル7上に載置した電極保持治具
5上に取り付けられている電極5a、5bを前記顕微鏡観察
装置を用いてモニタ上に表示し、前記電極間隔調整ねじ
により、砥石1の前記検出幅に対応した適正間隔を保持
するよう電極5a、5bを調整する。
続いて、図示しない放電加工液供給スイッチをONする
ことにより、放電液電磁弁11が開き、放電加工液が砥石
1と電極5a、5bの間に供給される。放電液電磁弁11が開
くことにより、セットアップ保護回路13が作動し、セッ
トアップ検出回路12に高電圧が印加されない構成となっ
ている。また、放電加工用電源は、スピンドル3が回転
し、放電液電磁弁11が開の状態のときのみ、電源がONす
るようになっている。これにより、スピンドル3の停止
状態においては、空気軸受が放電による焼き付きなどを
起こさないように配慮されている。
電極保持治具5により所定の間隔に設定された電極5
a、5bの間に放電電圧を供給し、電極5a、5bに対して所
定の切り込み深さになるように砥石1を下降させ、作業
テーブル9を反矢印X方向に移動させる。
放電加工電圧及び電極5a、5bと砥石1との間隙は、初
期設定値に基づいて放電加工をスタートさせ、作業テー
ブル9の送りに伴う放電電圧の変化を検出し、電極5a、
5bと砥石1の間隙が一定値を保持するように、制御装置
14によって砥石1と電極5a、5bとの相対移動速度を演算
制御する。
上記放電加工により、砥石1の整形が進行すると共
に、電極5a、5b自体も消耗し電極間隔が広くなると、放
電電圧は上昇し設定初期の放電電圧に近くなるので、電
極の送り速度を速くする。また、電極5a、5bの送りに伴
い、その未使用部分と砥石1の側面との間隙は狭くなり
放電間隔も小さくなるから放電電圧は低下する。このと
き、送り速度が速くなると、砥石1と電極5a、5bとが接
触し短絡することになるから、電極5a、5bが後退し、所
定の電圧になったとき、電極5a、5bを再び移動送りさ
せ、電極5a、5bと砥石1との間隙が一定値になるよう
に、作業テーブル9の送り速度を演算制御し、砥石1と
電極5a、5bとの適正な放電間隙を保持することにより、
砥石1の整形形状の安定維持を図るように構成してい
る。
電極の形状特に砥石1の側面を整形する場合は、第4
図及び第5図に示す電極5a、5bの厚さd並びに電極5a、
5bの傾斜Δt/dの値により、砥石1の側面の面ぶれは大
きく影響される。同図中Tは砥石1の刃先突出量、lは
切り込み量を示す。
第2図は電極の傾斜と砥石側面の傾斜の関係を示す特
性図、第3図は電極の厚さと砥石側面の傾斜の関係を示
す特性図で、電極5a、5bは、傾斜Δt/dを大きく、厚さ
dを薄くすることにより、集中放電による砥石1の刃先
部分の局部摩耗を減少することができる。また砥石1の
側面を徐々に放電によって整形するため、作業テーブル
9の送り方向(矢印X方向)の電極寸法を長くすること
により、電極5a、5bの消耗と形状の劣化を少なくするこ
とができる。第8図(a)、(b)、(c)は本実施例
の各種砥石1の正面形状と電極5a、5bとの位置関係を示
す拡大図であり、図示のように砥石形状の変化に拘ら
ず、砥石1の切り込み方向に向かって、砥石1と電極5
a、5bとの間隙は漸増している状況を示す。また、電極5
a、5bの厚さdは概ね0.5mmを超えない程度が好ましい結
果を得ている。
以下、本実施例による実験結果に基づいて説明する。
(実験その1) 以下の加工条件で砥石の整形加工を実施した。
砥石の材質:メタルボンドダイヤモンド(SDC800) 砥石の厚さt=0.3mm 砥石の直径D=58mm 砥石の刃先突出量T=5mm 砥石の回転数=30000r/min 電極の材質:銅 電極の厚さd=0.5mm 電極の長さ=20mm 電圧:直流150V パルス幅=2μm パルス間隔=17μs ピーク電流=0.8A 整形結果は、 整形前の砥石側面の傾斜:10μm/5mm 整形後の砥石側面の傾斜: 2μm/5mm と明らかな整形効果が得られた。
また電極の傾斜を20μm/4mmとして上記実験を実施し
た場合にも同様の整形精度が得られた。
(実験その2) 砥石の材質:メタルボンドダイヤモンド(SDC800) 砥石の厚さt=0.3mm 砥石の直径D=58mm 砥石の刃先突出量T=5mm 砥石の回転数=30000r/min 電極の材質:銅 電極の厚さd=4mm 電極の傾斜=20μm/4mm 電極の長さ=20mm 電圧:直流200V 加工液:水道水 整形結果は、 流量0.5l/min〜1.0l/minでの整形は、流量0.3l/minに比
較すると電極消耗量は概ね1/3、砥石整形効率は5倍に
向上し、整形精度は(実験その1)と同水準であった。
(実験その3) (実験その2)の条件において、加工液流量を1/m
in、加工電圧を100V〜300Vに変化させると、電圧100Vの
場合には、電圧150V、200Vと比較すると、電極消耗率は
概ね1.5倍増加するが砥石側面の面ぶれ精度は向上し、 整形前:10μm/5mm 整形後: 5μm>/5mmとなった。
(発明の効果) 本発明の実施により、導電性切断砥石による加工原点
をセットアップする回路を保護し、薄刃の切断砥石の側
面及び先端の形状を高精度に整形加工する好適な放電加
工装置を備えた研削切断装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る研削切断装置の一実施例を示す
斜視図、第2図は電極の傾斜と砥石側面の傾斜の関係を
示す特性図、第3図は電極の厚さと砥石側面の傾斜の関
係を示す特性図、第4図は砥石の正面と電極の位置関係
を示す図、第5図は整形された砥石の形状を示す正面
図、第6図は加工液の流量と電極消耗率の関係を示す特
性図、第7図は印加電圧と電極消耗率の関係を示す特性
図、第8図は本実施例の各種砥石の正面形状と電極との
位置関係を示す拡大図である。 1……薄刃導電性砥石、2……アーム 2a……支軸、3……スピンドル 3a……フランジ、4……加工液供給ノズル 5……電極保持治具、5a、5b……電極 6……セットアップ位置検出部 7……チャックテーブル 10……研削液電磁弁 11……放電液電磁弁 12……セットアップ検出回路 13……セットアップ保護回路 14……制御装置、15……放電加工電源 20……研削切断装置

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転する導電性砥石と被加工物との研削接
    触原点を検知する回路と、 前記砥石先端部分を両側から挾み、該砥石側面と平行な
    1対の導電性板状体からなる電極と、 前記砥石と前記電極との間に放電電圧を印加する電源装
    置と、 前記砥石と前記電極との間に放電加工液を供給する手段
    と、 前記放電加工液の供給時に前記研削接触原点を検知する
    セットアップ回路を遮断するセットアップ保護回路を備
    えることを特徴とする研削切断装置。
  2. 【請求項2】前記砥石先端部と前記電極とが相互に対向
    する部分の間隙は、前記砥石の切り込み方向に向かって
    次第に増加することを特徴とする請求項1記載の研削切
    断装置。
  3. 【請求項3】前記砥石の先端部は平行な側面を有し、該
    先端部と対向する前記電極断面は、前記砥石の切り込み
    方向に向かって広がる勾配を有することを特徴とする請
    求項2記載の研削切断装置。
  4. 【請求項4】前記放電加工中は、前記電極の側面と前記
    砥石先端部との間隙が一定寸法になるように、前記砥石
    に対する前記電極の送り速度を演算制御する制御装置を
    有することを特徴とする請求項1記載の研削切断装置。
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