JP2003311628A - 薄刃ブレードとその製造方法 - Google Patents
薄刃ブレードとその製造方法Info
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Abstract
加工を可能とした薄刃ブレードとその製造方法を提供す
ること。 【解決手段】導電性の支持体の中に超砥粒を分散配置し
た薄刃ブレードにおいて該支持体の外周部に形成されて
いる刃先2の表面状態を、20〜200μmRmax
で、かつ、2〜20μmRaになるように放電ツルーイ
ング装置による放電加工で成型する。
Description
導体製品等に使われる材料を高精度に切断加工するのに
用いられる薄刃ブレード(切断砥石)とその製造方法に
関するものである。
等の電子材料、あるいはセラミックス、水晶、ガラス等
の硬脆性材料の切断加工や溝入れ加工を高精度に行うた
めに薄刃ブレードが用いられている。薄刃ブレードはメ
タルボンド、レジンボンドおよび電鋳ボンドなどのオー
ルブレードタイプに形成されており、台金がなく、全体
を一体で成形するために、厚みが0.2mm以下の薄い
ブレードも製造することができる。
工体を加工する場合、被加工体の材料の歩留りを上げる
ために、切断する薄刃ブレードの厚さは益々薄いものが
要求されている。ただし、薄刃ブレードの厚さが薄くす
ると薄刃ブレードの剛性が低下し、切断加工中に薄刃ブ
レードがたわみ、切断後の被加工体の形状精度が低下す
る。
止するために、従来では、図6に模式図を示すように、
薄刃ブレード31の刃先(外周部)32に所定間隔(例
えば、30度ごと)で、被加工体の厚さに合わせて1〜
3mm程度のスリット33を入れ、この薄刃ブレード3
1を用いてテーブル34上にベース35を介して載置さ
れている被加工体36に切断加工等の加工を施して、加
工の際の被加工体36からの切屑の排出をよくすること
がおこなわれている。
には、図7に薄刃ブレード(電鋳薄刃砥石)31の断面
図を示すように、支持体38である金属めっき層に超砥
粒39を分散して形成した薄刃ブレード31に、その厚
さ方向に無数の貫通した気孔40による気孔列を形成し
ている技術が開示されている。つまり、気孔列によって
自生発刃作用を促進して切れ味の向上させ、また、気孔
列の凹部が切削面に露出することで切屑の目詰まりを防
いで排出性を向上させている。
体の材料の歩留りを向上させるために、薄刃ブレードの
厚さは数十μmから数百μmと薄くなっている。薄刃化
に伴い薄刃ブレードの剛性の低下は避けられない。特
に、厚さが1mmを越えるようなワークを切断する際
は、薄刃ブレードのフランジ(薄刃ブレードを両側から
密接して固定している)からの突出量もワーク厚に併せ
て大きくする必要がある。その結果、この突出量が関与
するアスペクト比(ブレード突出量/ブレード厚さ)が
大きくなる。通常、アスペクト比が大きくなると、加工
中に薄刃ブレードがたわむために切断精度が劣化する。
条件の選定(薄刃ブレードの回転数を上げたり、送り速
度を遅くしたり)を行って高精度化を図っている。しか
し、加工条件の最適化は必ずしも生産性の向上が伴うも
のではなく、むしろ生産性を損なうことにもなりかねな
い。
中度を上げ剛性を高める方法も考えられるが、結合材や
結合度を強化すると一般的に目詰まりを起こしやすくな
る。その結果、切断抵抗が高くなり切断精度が劣化す
る。
周部にスリット33を設けた場合は、スリット33を入
れることにより、さらに刃先32の剛性が低下し被加工
体36に傷をつけたりして損傷を与え、加工の高精度化
は難しい。
に開示されている技術では、薄刃ブレード31の厚さ方
向に無数の貫通した気孔40による気孔列を形成してい
るため、薄刃ブレード31の剛性が低下するのは避けら
れない。
もので、生産性が高く、切れ味がよくて高精度な切断加
工を可能とした薄刃ブレードとその製造方法を提供する
ことを目的としている。
よれば、導電性の支持体の中に超砥粒を分散配置して形
成した薄刃ブレードにおいて、前記支持体の外周部に形
成されている刃先の表面状態は、20〜200μmRm
axで、かつ、2〜20μmRaに成型されていること
を特徴とする薄刃ブレードである。
刃先は、厚さ方向に貫通する溝が形成されていることを
特徴とする薄刃ブレードである。
刃先は、複数の窪みが形成されていることを特徴とする
薄刃ブレードである。
性の薄刃ブレードを放電ツルーイング装置に装着し、放
電加工によって前記薄刃ブレードの刃先の表面状態を2
0〜200μmRmaxで、かつ、2〜20μmRaに
放電加工により成型することを特徴とする薄刃ブレード
の製造方法である。
を参照して説明する。
ド砥石、導電性レジンボンド砥石および電鋳ボンド砥石
等の導電性の薄刃ブレードを用いて高精度に切断等の加
工を施すために種々の検討を重ねてきた。その結果、図
1(a)に側面を、図1(b)に平面をそれぞれ模式図
に示すように、薄刃ブレード1の刃先2の状態を20〜
200μmRmax(Peak toPeak)で、2
〜20μmRa(平均値)程度に粗く仕上げることによ
り、薄刃ブレード1の剛性を低下させることなく切屑の
排出を向上させ、切断抵抗が低下して、切れ味がよくな
り高精度な切断加工が実現できることを見出した。
それぞれ模式図に示したように、例えば、薄刃ブレード
1(電鋳ボンド砥石)は、ニッケルやその合金等からな
る金属めっき相(支持体3)内にダイヤモンドやCBN
等の超砥粒4を分散して形成された厚さが数十μm〜数
百μmの輪環薄板板状を形成しており、その刃先2の形
状の表面状態は、ある部分は厚さ方向に貫通した溝5に
形成されており、また、ある部分はボイド状に窪み6が
形成されている。それらによる表面状態は、何れも20
〜200μmRmax(Peak to Peak)
で、かつ、2〜20μmRa(平均値)程度の範囲で成
型されている。
ブレード1により、被加工体7を切断した際の断面形状
の説明図である。比較例として、図3に通常の薄刃ブレ
ード1aの刃先2aの形状の模式図を、図4にそれによ
る被加工体7を切断した際の断面形状の説明図を示して
いる。通常の薄刃ブレード1aの刃先2aの形状は図3
に示したように、刃先2aの表面にのみ超砥粒4が、粒
径の1/3から1/2程度突出して形成されている。
体7の加工結果を比較すると、図1(a)および図1
(b)に示したように、本発明の薄刃ブレード1では刃
先2の表面状態が剛性を損なわない程度に粗く成型され
ている。それにより、加工中の切屑排出がよく切断抵抗
が下がり、その結果、被加工体7を形状精度は3μm以
内の高精度に切断できる。一方、図3に示した通常の薄
刃ブレード1aによる加工では、切断した際に被加工体
7の断面形状は、図4に示すように加工中に薄刃ブレー
ド1aの刃先2aにたわみが生じるため、それに伴い被
加工体7も形状精度が10μm程度の湾曲した断面形状
になってしまう。
について説明する。
に刃先2aの形状を示したような通常の導電性の薄刃ブ
レード1aを準備する。電鋳法は、銅、クロム、ニッケ
ル等の金属イオンを含み、かつ超砥粒を分散した電鋳浴
中において、ニッケル等の薄板(不図示)に陰極を接続
すると共に、電鋳浴液に陽極を接続して通電することに
より、薄板ブレード1aの外周面に超砥粒4と金属の電
着を行い、所定の厚さまで超砥粒4の層を成長させて形
成させるものである。なお、電鋳浴液中の金属イオンと
しては、硬度などの点から、ニッケルイオンが好まし
く、また、超砥粒4の層の厚さは電鋳時間によって調整
されている。薄刃ブレード1aは、一例をあげれば、ダ
イヤモンドの超砥粒4の粒径は20μm〜30μmで、
集中度は100程度である。
を、図5に模式図を示した放電ツルーイング装置に装着
する。放電ツルーイング装置への装着は、スピンドルモ
ータ11のスピンドル(主軸)12に薄刃ブレード1a
を両側からフランジ13a、13bで固定し、リングナ
ット14により固定する。また、スピンドル12と銅電
極15(無酸素銅が望ましい)との間には接続されてい
る放電電源16により電圧が印加される。
ブレード、メタルボンドブレード、導電性レジンボンド
ブレード等の導電性の薄刃ブレード1aの、通常の型直
し作業にも用いられており、それにより、薄刃ブレード
1aの取り付け誤差や薄刃ブレード1aの楕円形を修正
して真円度を高めている。真円度を向上させることによ
り、被加工体7に対しての片当たりを防止できるので、
被加工体7のダメージを低減させたり、薄刃ブレード1
aの寿命を向上させることができる。
成型は、上述のように表面状態を、ある部分は厚さ方向
に貫通した溝5に形成し、また、ある部分はボイド状に
窪み6を形成して、それらによる表面状態は、何れも2
0〜200μmRmaxで、2〜20μmRa程度の範
囲に成型して仕上げるものであるから、ツルーイング装
置による加工は、まず、薄刃ブレード1をツルーイング
装置に装着し、薄刃ブレード1の刃先2と対向する銅電
極15とのギャップを10〜100μmに調整する。そ
の状態で、薄刃ブレード1を2000〜5000rpm
で回転させながら銅電極15と対抗位置をスピンドルモ
ータ11の主軸12方向に移動する。この移動により薄
刃ブレード1が銅電極15の対向位置を外れた際に数μ
m切込み、再び銅電極15の対向位置を薄刃ブレード1
を移動する。これらの動作を数十回繰返し行う。
6の設定は、印加電圧が100〜200V、設定電流が
10〜50A、パルス幅τONが0.5〜10μs、τ
OFFが0.5〜10μsである。ただし、薄刃ブレー
ド1の種類により除去量が異なるので放電条件は調整す
る必要がある。
やバリを除去するためにGCやWAなどでドレッシング
する。それにより刃先2は、図1に示したように20〜
100μmRmaxあるいは2〜10μmRa程度の表
面状態に成型される。
説明したが、錫やニッケルや銅を用いてホットプレスに
より製造したメタルボンドや、導電性レジンを用いて焼
結して形成した導電性レジンボンドでも、薄刃ブレード
の条件に応じて同様に表面状態を成型することができ
る。
ードは、刃先の表面状態が剛性を損なわない程度に粗く
成型したことにより、加工中の被加工体からの切屑の排
出が良好で、切断抵抗が下がり、それにより、生産性を
落とさずに高精度に被加工体に対して加工を施すことが
できる。
よくて高精度な切断加工を可能とした薄刃ブレードが実
現できる。
式図、(b)はその平面模式図。
た際の断面形状の説明図。
際の断面形状の説明図。
明図。
粒、5…溝、6…窪み、7…被加工体、15…銅電極
Claims (4)
- 【請求項1】 導電性の支持体の中に超砥粒を分散配置
して形成した薄刃ブレードにおいて、 前記支持体の外周部に形成されている刃先の表面状態
は、20〜200μmRmaxで、かつ、2〜20μm
Raに成型されていることを特徴とする薄刃ブレード。 - 【請求項2】 前記刃先は、厚さ方向に貫通する溝が形
成されていることを特徴とする請求項1記載の薄刃ブレ
ード。 - 【請求項3】 前記刃先は、複数の窪みが形成されてい
ることを特徴とする請求項1記載の薄刃ブレード。 - 【請求項4】 導電性の薄刃ブレードを放電ツルーイン
グ装置に装着し、放電加工によって前記薄刃ブレードの
刃先の表面状態を20〜200μmRmaxで、かつ、
2〜20μmRaに放電加工により成型することを特徴
とする薄刃ブレードの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002122173A JP2003311628A (ja) | 2002-04-24 | 2002-04-24 | 薄刃ブレードとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002122173A JP2003311628A (ja) | 2002-04-24 | 2002-04-24 | 薄刃ブレードとその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003311628A true JP2003311628A (ja) | 2003-11-05 |
Family
ID=29537861
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002122173A Pending JP2003311628A (ja) | 2002-04-24 | 2002-04-24 | 薄刃ブレードとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2003311628A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006218571A (ja) * | 2005-02-10 | 2006-08-24 | Disco Abrasive Syst Ltd | ドレッシングボードおよびドレッシング方法 |
JP2015030084A (ja) * | 2013-08-07 | 2015-02-16 | 株式会社ディスコ | レジンブレードの整形方法 |
-
2002
- 2002-04-24 JP JP2002122173A patent/JP2003311628A/ja active Pending
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