JP2580796B2 - 電子楽器のエンベロープ波形発生器および音源 - Google Patents

電子楽器のエンベロープ波形発生器および音源

Info

Publication number
JP2580796B2
JP2580796B2 JP1262266A JP26226689A JP2580796B2 JP 2580796 B2 JP2580796 B2 JP 2580796B2 JP 1262266 A JP1262266 A JP 1262266A JP 26226689 A JP26226689 A JP 26226689A JP 2580796 B2 JP2580796 B2 JP 2580796B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
output
envelope waveform
envelope
waveform
segment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1262266A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03125197A (ja
Inventor
佳生 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP1262266A priority Critical patent/JP2580796B2/ja
Publication of JPH03125197A publication Critical patent/JPH03125197A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2580796B2 publication Critical patent/JP2580796B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、電子楽器に使用するエンベロープ波形発
生器およびそのエンベロープ波形発生器を用いた音源に
関する。
[従来の技術] 従来、いわゆる演算型エンベロープ発生器の代表的な
ものとして、例えば、特公昭57-39434号公報あるいは特
公昭58-9958号公報に開示されたようなものがある。こ
れらは第2図(a)に示すようなエンベロープ波形を発
生するものであるが、前者はエンベロープ波形を発生さ
せる際に 新値=現在値+(目標値−現在値)×定数 … のようにして新値を指数関数的に順次計算し出力してい
くものであり、後者は加算もしくは減算などの演算によ
って所定形状のエンベロープ波形を発生させるようにし
たものである。両者共エンベロープ波形の各セグメント
毎に所定のレート(上記式の「定数」)およびレベル
(上記式の「目標値」)のパラメータを切換えるよう
にして、エンベロープ波形を作っていくものである。
ここで、エンベロープ波形の「セグメント」とは、第
2図(a)のエンベロープ波形でいえば折線(曲線とな
ることもある)の各区間のことをいい、これら各セグメ
ントを繋いで所定のエンベロープ波形を作成する。
[発明が解決しようとする課題] ところで、かかる従来例によれば、キーオンによって
エンベロープ波形発生器がスタートし、エンベロープ波
形が立上がってアタックレベル(最大値レベル)まで達
すると、次には即時にディケイ・セグメントすなわち減
衰していく区間へと移行してしまう。そのため、このよ
うなエンベロープ波形発生器を、ピアノやバイオリンな
どの自然楽器をそのままサンプリングして記憶した波形
メモリから波形を読出すタイプの音源に適用する際に
は、元の楽器音の本来持っているアタック部分のエンベ
ロープを元のまま再生することが困難であるという欠点
があった。
一般に、人間の聴覚においては、楽音のアタック部分
が音色の差異認識に与える影響が大きいことが知られて
いる。したがって、音色の再現性および生々しさを重要
な特徴とするサンプリング方式の音源では、特に楽音の
アタック部分を忠実に再生することが重要である。
一方、波形メモリに格納する楽音波形のレベルを一定
化(正規化)し、これにエンベロープ波形を乗算する方
式もある。第5図(a)は、このような方式における波
形発生出力を示すグラフである。一般的にアタック区間
Aの後は周期的な音になるので、波形メモリにはアタッ
ク区間Aのデータと1つのループ再生区間LOOPのデータ
のみを記憶しておき、ループ再生区間では同じデータを
用いて繰返し再生することとしている。波形発生出力は
アタック区間Aおよびループ再生区間LOOP共に一定レベ
ルに正規化してあり、このような波形発生出力に第2図
(a)に示すようなエンベロープ波形を付与して所定の
楽音を発生させる。
このような波形メモリに格納する楽音波形データを正
規化して用いる方式は、減衰部分(低レベル部分)のS/
N向上には効果が大きい。一方、実際の楽器ではアタッ
ク部分の波形は非常に複雑であるため、一定レベルに正
規化した波形発生出力にエンベロープ波形を付与するの
では、元の楽器のアタック特性が失われるという問題が
ある。すなわち、エンベロープ波形の特性でアタック特
性が定められることになり、エンベロープの再現性ひい
ては音の忠実度といった点で問題がある。
さらに、バイオリンなどの音のでだしが遅い楽器にあ
っては、波形発生出力のレベルを正規化しても、第5図
(b)に示すようにアタック区間Aにおいて多少の傾斜
が残ってしまい、エンベロープ波形を付与するとやはり
元の通りに再生することができないという問題点があっ
た。
この発明は、上述の従来例における問題点に鑑み、楽
音の再現性や忠実度、特にアタック部分を忠実に発生さ
せる事のできる電子楽器のエンベロープ波形発生器およ
びそのエンベロープ波形発生器を用いた音源を提供する
ことを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するため、この発明に係るエンベロ
ープ波形発生器は、エンベロープの発生開始指示を受け
て、アタック部から開始する複数のセグメントからなる
エンベロープ波形を演算により順次形成するエンベロー
プ波形形成手段と、前記エンベロープ波形形成手段によ
り形成されるエンベロープ波形の現在値がセグメントご
とに設定された目標値に達するごとに、前記エンベロー
プ波形形成手段により形成されるエンベロープ波形を次
のセグメントへ移行させることを指示するセグメント移
行指示手段であって、エンベロープの終了の指示を受け
たときはリリースのセグメントに移行させることを指示
するものと、第1のモードまたは第2のモードを選択的
に指定するモード指定手段と、(a)前記モード指定手
段により第1のモードが選択指定された場合には、エン
ベロープの発生開始指示を受けて、前記アタック部のセ
グメントから開始して複数のセグメントからなるエンベ
ロープ波形が形成出力するように前記エンベロープ波形
形成手段を制御し、(b)前記モード指示手段により第
2のモードが選択指定された場合には、エンベロープの
発生開始指示を受けて、前記アタック部に代えて、直ち
に一定レベルとなりかつ該一定レベルがあらかじめ設定
されている所定期間の間接続するエンベロープ波形を最
初に出力させ、その後続いて前記アタック部以降のセグ
メントのエンベロープ波形を前記第1のモードの場合と
同様にして形成出力するように前記エンベロープ波形形
成手段を制御する制御手段とを具備することを特徴とす
る。
すなわち、最初の区間として通常のエンベロープ波形
とアタック部が一定レベル(例えば、全ビットが“1")
のエンベロープ波形とを選択的に発生できるようにする
とともに、アタック部以降については、モードにかかわ
らず通常のエンベロープ波形を発生するようにしたもの
である。
さらに、この発明に係る音源は、所望の周波数の楽音
波形を出力する手段を備え、該楽音波形出力手段から出
力される楽音波形に、前記のエンベロープ波形発生器か
ら出力されるエンベロープを付与して楽音を発生する音
源であって、上記楽音波形出力手段が出力する楽音波形
のうち、前記第2のモードにおいて最初に出力される一
定レベルのエンベロープ波形が持続する区間は所望の楽
器音をサンプリングしたデータからなる楽音波形を用い
ることを特徴とする。
[作用] 上記の構成によれば、第1のモードのときは、エンベ
ロープ波形の発生開始指示を受けて、アタック部のセグ
メントからエンベロープ波形が形成出力される。第2の
モードのときは、エンベロープ波形の発生開始指示を受
けて、アタック部に代えて、直ちに一定レベルとなりか
つ該一定レベルが所定期間の間持続するエンベロープ波
形が最初に出力され、その後続いてアタック部以降のセ
グメントのエンベロープ波形が形成出力される。したが
って、第2のモードにおける最初の区間において、所望
の周波数の楽音波形を出力する手段から出力される例え
ばある楽器音をサンプリングしたデータからなる楽音波
形が出力されるようにでき、このサンプリングした元の
楽器音のアタックエンベロープをそのまま忠実に再現し
た楽音を発生させることができる。
[実施例] 以下、図面を用いてこの発明の実施例を説明する。
第1図は、この発明の一実施例に係るエンベロープ波
形発生器の概略構成を示すブロック図である。この図に
おいて、1はエンベロープ発生スタート信号(EGスター
ト信号)を受けて各セグメントのエンベロープ波形を形
成し出力する手段、2は第1のセグメントの出力が開始
した後所定のディレイ時間の後に第2のセグメントの出
力へと移行させるためのセグメント移行信号を出力する
ディレイ手段、3は第2のセグメント以降の各セグメン
トにおいてエンベロープ形成出力手段1の出力と目標値
とを比較しその結果に基づいてセグメント移行信号を出
力する手段である。
第2図(b)は、この実施例のエンベロープ波形発生
器によって出力されるエンベロープ波形の一例を示す。
鍵盤キーが押鍵(キーオン)されるとエンベロープ形成
出力手段1にEGスタート信号が入力し、エンベロープ形
成出力手段1はまず第1のセグメントとして第2図
(b)に示すように最大レベル(全ビットが“1")の値
を出力する。この最大レベルの出力はディレイ手段2に
おいて設定されているディレイ時間DLYの間だけ出力さ
れ、この時間DLYの経過後セグメント移行信号が出力さ
れ第2のセグメントへと移行する。
第2のセグメントは第1ディケイであり、目標レベル
設定値D1Lに向って第1ディケイレートDR1のレートでエ
ンベロープ波形出力が制御される。このレートとは目標
値に至る速度を規定する値である。現在出力値が目標値
D1Lに至ったとき、比較・セグメント移行信号出力手段
3からセグメント移行信号が出力されて第3のセグメン
トに移行する。
第3のセグメントは第2のディケイであり、第2ディ
ケイレートDR2のレートで目標レベル設定値D2Lに向けて
エンベロープ波形出力が制御される。そして、この目標
レベル設定値D2Lに至ったとき、比較・セグメント移行
信号出力手段3からセグメント移行信号が出力されて次
の第4のセグメントに移行する。
第4のセグメントはサスティン(第3ディケイ)であ
り、第3ディケイレートSDRのレートで最小レベル0に
向けてエンベロープ波形出力が制御される。
第4のセグメントである第3ディケイの区間において
キーオフがなされると、その時点から第5のセグメント
であるリリースが開始される。第5のセグメントはリリ
ースレート(キーオフレート)RRのレートで最小レベル
“0"に向けてエンベロープ波形が出力制御される。
第3図は、この実施例のエンベロープ波形発生器の詳
細な回路図である。エンベロープ波形の出力は複数並列
ビットの2進数データであり、全ビット“0"で最小レベ
ル、全ビット“1"で最大レベルである。このエンベロー
プ波形発生器においては、上述の特公昭57-394345号公
報などで開示されている演算方式と同様にして、現在値
と各目標値(D1L,D2Lなど)との比較によって、エンベ
ロープ波形のセグメント切換えを行ない、エンベロープ
波形を発生させる。このエンベロープ波形の構成は、第
2図(b)に示したように、アタック(第1セグメン
ト)、第1ディケイ(第2セグメント)、第2ディケイ
(第3セグメント)、サスティンあるいは第3ディケイ
(第4セグメント)、リリース(第5セグメント)の5
セグメント構成である。
第3図において、11〜17は下記に示すような各パラメ
ータの値を格納するためのレジスタを示す。
D1L:第1ディケイでの目標レベル設定値 D2L:第2ディケイでの目標レベル設定値 AR/DLY:最上位ビットが“0"の場合(第1のモードと呼
ぶ)はアタックレートAR、最上位ビットが“1"の場合
(第2のモードと呼ぶ)は第1ディケイディレイ時間DL
Yを示す。どちらの場合も、最上位ビットを除く以下の
ビットが設定値である DR1:第1ディケイレート DR2:第2ディケイレート SDR:第3ディケイレート RR :リリースレート(キーオフレート) 18はセグメントカウンタ37からの3ビットの出力(セ
グメントを特定する)を入力しこの値に従って目標レベ
ル設置値を選択出力するセレクタ、19はパラメータレジ
スタ13の最上位ビットMSBの値にしたがって全ビット
“1"のデータかまたはアタックレートAR/第1ディケイ
ディレイ時間DLYを選択出力するセクレタ、20はセグメ
ントカウンタ37の出力に基いてディケイレートなどのレ
ートの値を選択出力するセレクタである。
21はセレクタ18の出力(端子Aに入力)からこのエン
ベロープ波形発生器の現在値出力(端子Bに入力)を減
算する減算器、22は減算器21の出力(端子Aに入力)と
セレクタ20の出力(端子Bに入力)とを掛合せる積算
器、23は積算器22の出力にエンベロープ波形発生器の現
在値出力を加える加算器、24はキーオンパルスKONPおよ
びパラメータレジスタ13の最上位ビットARMSBの論理積
をとるアンド回路27の出力に基いて加算器23からの入力
をそのまま出力するか(第1モードのとき)あるいは全
ビット“1"のデータを出力する(第2モードのとき)か
を選択するセレクタである。25はセレクタ24の出力を記
憶するレジスタであり、このレジスタ25はキーオンパル
スKONPとパラメータレジスタ13の最上位ビットARMSBを
インバータ28で反転させた信号との論理積をとるアンド
回路29の出力によりリセットされる。加算器23、セレク
タ24およびレジスタ25でアキュムレータ26を構成してい
る。
30は目標レベル設定値を出力するセレクタ18の出力値
(端子Aに入力)とエンベロープ波形発生器の現在出力
値(端子Bに入力)とを比較する比較器、31は積算器22
の出力の最上位ビットMSBの値に基いて比較器30の2つ
の状態出力(A≧BまたはA≦B)を選択出力するセレ
クタ、32はセレクタ31の出力を微分してパルス信号を出
力する微分回路、33は微分回路32の出力パルスから所定
のディレイ時間RDの後出力パルスを発行する可変ディレ
イ回路である。可変ディレイ回路33のディレイ時間RDは
パラメータレジスタ13に格納された値がセレクタ19を介
して出力されたものである。
34はセグメントカウンタ37の3ビットの出力を負論理
で入力するアンド回路35の出力およびパラメータレジス
タ13の最上位ビットARMSBを入力とするアンド回路36の
出力に基づき微分回路32の出力をそのままセグメントカ
ウンタ37のCNT端子に入力するかあるいは可変ディレイ
回路33により所定のディレイ時間の後に出力するかを選
択するセレクタである。
セグメントカウンタ37はキーオンパルスKONPにより
“0"にリセットされ、CNT端子に入力するパルスにより
カウントアップするカウンタである。このカウンタの値
(3ビット)は“0"で第1セグメント、“1"で第2セグ
メント、“2"で第3セグメント、“3"で第4セグメン
ト、“4"で第5セグメントをそれぞれ示す。セグメント
カウンタ37のPD端子には“4"が入力されており、キーオ
フパルスKOFFPがプリセット端子PSに入力したときこの
プリセットデータ“4"が強制的にカウンタ37の値として
設定される。これによりキーオフパルスKOFFPが入力し
たときは強制的に第5のセグメントすなわちリリースの
状態になる。
次に、第2図(b)のエンベロープ波形図および第3
図のエンベロープ波形発生器の回路図を参照してこの回
路の動作を説明する。
パラメータレジスタ11〜17には上述したような各種の
パラメータがあらかじめ設定されているものとする。ま
ず、アタックレートAR/第1ディケイディレイ時間DLYを
設定するパラメータレジスタ13はアタックレートARでな
くディレイ時間DLYの設定であることを示すために、そ
の最上位ビットMSBは“1"となっているものとする。す
なわち、第2のモードが指定されているものとする。
まず、電子楽器の鍵盤が押鍵され所定のキーオンパル
スKONPが発生すると、このキーオンパルスはセグメント
カウンタ37に入力し、このカウンタの値を“0"(第1セ
グメント)とする。このときアンド回路27にはキーオン
パルスKONPとパラメータレジスタ13の最上位ビットARMS
Bが入力している。キーオンによりキーオンパルスKONP
は“1"となり、パラメータレジスタ13に設定されている
のは第1ディケイディレイ時間であるので、その最上位
ビットARMSBは“1"である。したがって、アンド回路27
の出力は“1"となる。そのため、セレクタ24は全ビット
“1"のデータをレジスタ25へと出力し、レジスタ25はこ
の全ビット“1"のデータをエンベロープ波形の第1セグ
メントにおける値として出力する。
この第1セグメントにおいて、セレクタ18は全ビット
“1"のデータを選択出力し、減算器21は端子Aに入力す
る全ビット“1"のデータから端子Bに入力する全ビット
“1"に出力データを減算することとなる。したがって、
その減算の結果は“0"となり、積算器22の端子Aには
“0"が入力される。このため、積算器22からの出力デー
タの最上位ビットMSBは“0"となり、セレクタ31は図の
下側の入力(A≦B)を選択して出力する。ここで比較
器32においては、端子Aに全ビット“1"のデータが入力
し端子Bに全ビット“1"のデータが入力するので、第1
セグメントの区間においてはこの状況が変わることがな
く、したがって微分回路32はKONPに同期してパルスを出
力して、それ以降はパルス出力をしない。
一方、可変ディレイ回路33にはパラメータレジスタ13
に設定されている第1ディケイディレイ時間RDが入力
し、第1セグメントが開始してからこのディレイ時間RD
の後に、パルス信号がセレクタ34に向けて出力される。
いま、セグメントカウンタ37の3ビットの出力値は第1
セグメントを示す“0"であるので、これらを負論理で入
力するアンド回路35の出力は“1"となり、パラメータレ
ジスタ13の最上位ビットARMSBは“1"であるから、アン
ド回路36の出力も“1"となる。したがって、セレクタ34
は可変ディレイ回路33からの出力(ディレイ時間RD経過
後の出力パルス)をセグメントカウンタ37の端子CNTに
入力する。これにより、あらかじめ設定したディレイ時
間の後にセグメントカウンタ37がカウントアップし、第
2セグメント(第1ディケイ)へと移行する。
セグメントカウンタ37の値が“1"になると、セレクタ
18はこの第1ディケイにおける目標レベル設定値D1Lを
パラメータレジスタ11から選択して減算器21へと出力す
る。減算器21はこの端子Aに入力されている目標値D1L
から端子Bに入力されている現在のエンベロープ波形の
出力値を減算し出力する。これにより、「目標値−現在
値」が計算されたこととなる。
積算器22では減算器21の結果(目標値−現在値)とセ
レクタ20により選択されたレートである第1ディケイレ
ートDR1とを積算し出力する。積算器22の出力は加算器2
3においてエンベロープ波形の現在出力値に加えられ、
この値はセレクタ24に入力する。このとき、キーオンパ
ルスKONPはすでに“0"であるから、セレクタ24はこの加
算器23の出力をレジスタ25にセットする。そして、この
値がエンベロープ波形の出力値となる。以上のような処
理は上述した従来例の式と同じ処理であり、第2のセ
グメントの区間においてエンベロープ波形の出力値を目
標レベル設定値D1Lに至るまで繰返される。
出力値が目標値レベル設定値D1Lに至ったときは、比
較器30でこれを検出する。セレクタ31は出力値が目標レ
ベル設定値に向けて増加していく場合あるいは目標値に
向けて減少していく場合を区別するためのものである。
どちらにしても出力値が目標値に至ったとき、微分回路
32は1パルスを出力する。セグメントカウンタ37は既に
“0"でないから負論理入力のアンド回路35は“0"を出力
し、アンド回路36の出力も“0"であるので、微分回路32
の出力パルスがセレクタ34を介してセグメントカウンタ
37の端子CNTに入力する。これにより、セグメントカウ
ンタ37が“1"から“2"へとカウントアップする。
そして、第3のセグメント(第2ディケイ)の状態と
なる。これ以降のセグメントにおける処理は、第1ディ
ケイにおいて出力値を目標値に漸近させていく手法と同
様である。ただし、第1ディケイでは目標値がD1L,レー
トがDR1であったが、これに代えて、第2ディケイでは
目標値がD2L,レートがDR2、第3ディケイでは目標値が
“0",レートがSDR、リリースでは目標値が“0",レート
がRRとなる。
以上のような動作により、結果として第2図(b)に
示すようなエンベロープ波形が出力される。以上、第2
のモードが指定されている場合について説明した。次
に、パラメータレジスタ13の最上位ビットが“0"の場
合、すなわち第1のモードの場合について説明する。こ
の場合、レジスタ13はアタックレートARを示すこととな
るので、上述の第2のセグメントと同様にして徐々に目
標値に至る動作が行なわれ、従来どおり第2図(a)に
示すようなアタック部を持つエンベロープ波形が生成出
力される。
第4図は、第3図のエンベロープ波形発生器を用いた
電子楽器の概略ブロック図である。この図において、44
は第3図に示すようなエンベロープ波形発生器である。
音色パラメータ設定供給手段41において設定された各種
のパラメータデータは楽音波形発生器43およびエンベロ
ープ波形発生器44に入力する。一方、鍵盤等により構成
される演奏情報発生器42から出力される演奏情報は楽音
波形発生部43およびエンベロープ波形発生部44に入力す
る。この結果、楽音波形発生部43からは、あらかじめ所
定の楽器の楽音をサンプリングして記憶している波形メ
モリから所定周波数の波形データが出力される。ここで
出力された楽音波形のアタック区間はサンプリングした
データそのままのものであり忠実度および再現性の高い
ものである。一方、エンベロープ波形発生器44からは、
上述したように第2図(b)に示すようなエンベロープ
波形が出力される。これらを乗算器45により乗算するこ
とにより、アタック区間(第1セグメント)においては
サンプリングしたデータを用い、それ以降は所定のエン
ベロープ波形が付与された楽音が最終的に出力されるこ
ととなる。以上より、アタック区間の忠実度および再現
性の高い楽音が得られる。
なお、この実施例では、5セグメント構成で基本的に
すべて減衰方向であるエンベロープ波形の例を示した
が、このセグメント数および構成に限られるものではな
い。また、減衰量を出力するようなエンベロープ波形発
生器(最大レベルを全ビット“0"、最少レベルを全ビッ
ト“1"とするもの)にも当然適用することができる。さ
らに、波形メモリ式のエンベロープ波形発生器において
も、同様な原理で同等な効果を得ることは容易である。
この実施例では単音処理システムを例に掲げて説明し
たが、時分割多重化によって複音処理システム用のエン
ベロープ波形発生器とすることも、全体の動作を時分割
多重化しレジスタなどを複音数用意すことで容易に可能
となる。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明によれば、サンプリン
グした元の楽器音のアタックエンベロープをそのまま忠
実に再現した楽音と、該楽器音のアタックエンベロープ
を演奏者などによって意図的に変更した楽音とを、モー
ドを変えることによって選択的に発生させることができ
る。この場合、電子楽器において発生する楽音の特徴
は、特に、そのアタック部分におけるエンベロープ波形
にある。このアタック部分を、本発明のように、元の自
然楽器などの楽器音が持っているエンベロープ波形をそ
のまま忠実に利用して楽音を発生できるようにすること
と、楽器音のアタックエンベロープ波形を積極的に変更
した状態の楽音を発生できるようにすることとを、任意
に選択できるようにすることは、電子楽器の楽音発生上
非常に価値のあることである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例に係るエンベロープ波形
発生器の概略ブロック図、 第2図は、エンベロープ波形の波形図、 第3図は、この実施例のエンベロープ波形発生器の回路
図、 第4図は、この実施例のエンベロープ波形発生器を用い
た電子楽器の概略ブロック図、 第5図は、波形発生出力を示すグラフである。 1:エンベロープ形成出力手段、2:ディレイ手段、3:比較
・セグメント移行信号出力手段、11〜17:パラメータレ
ジスタ、18〜20:セレクタ、21:減算器、22:積算器、23:
加算器、24:セレクタ、25:レジスタ、30:比較器、32:微
分回路、33:可変ディレイ回路、37:セグメントカウン
タ、D1L:目標レベル設定値、D2L:目標レベル設定値、A
R:アタックレート、DLY:第1ディケイディレイ時間、DR
1:第1ディケイレート、DR2:第2ディケイレート、SDR:
第3ディケイレート、RR:リリースレート。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンベロープの発生開始指示を受けて、ア
    タック部から開始する複数のセグメントからなるエンベ
    ロープ波形を演算により順次形成するエンベロープ波形
    形成手段と、 前記エンベロープ波形形成手段により形成されるエンベ
    ロープ波形の現在値がセグメントごとに設定された目標
    値に達するごとに、前記エンベロープ波形形成手段によ
    り形成されるエンベロープ波形を次のセグメントへ移行
    させることを指示するセグメント移行指示手段であっ
    て、エンベロープの終了の指示を受けたときはリリース
    のセグメントに移行させることを指示するものと、 第1のモードまたは第2のモードを選択的に指定するモ
    ード指定手段と、 (a) 前記モード指定手段により第1のモードが選択
    指定された場合には、エンベロープの発生開始指示を受
    けて、前記アタック部のセグメントから開始して複数の
    セグメントからなるエンベロープ波形を形成出力するよ
    うに前記エンベロープ波形形成手段を制御し、 (b) 前記モード指示手段により第2のモードが選択
    指定された場合には、エンベロープの発生開始指示を受
    けて、前記アタック部に代えて、直ちに一定レベルとな
    りかつ該一定レベルがあらかじめ設定されている所定期
    間の間接続するエンベロープ波形を最初に出力させ、そ
    の後続いて前記アタック部以降のセグメントのエンベロ
    ープ波形を前記第1のモードの場合と同様にして形成出
    力するように前記エンベロープ波形形成手段を制御する 制御手段と を具備することを特徴とする電子楽器のエンベロープ波
    形発生器。
  2. 【請求項2】所望の周波数の楽音波形を出力する手段を
    具え、該楽音波形出力手段から出力される楽音波形に、
    前記請求項1のエンベロープ波形発生器から出力される
    エンベロープを付与して楽音を発生する音源であって、 上記楽音波形出力手段が出力する楽音波形のうち、前記
    第2のモードにおいて最初に出力される一定レベルのエ
    ンベロープ波形が持続する区間は所望の楽器音をサンプ
    リングしたデータからなる楽音波形を用いることを特徴
    とする電子楽器の音源。
JP1262266A 1989-10-09 1989-10-09 電子楽器のエンベロープ波形発生器および音源 Expired - Fee Related JP2580796B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1262266A JP2580796B2 (ja) 1989-10-09 1989-10-09 電子楽器のエンベロープ波形発生器および音源

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1262266A JP2580796B2 (ja) 1989-10-09 1989-10-09 電子楽器のエンベロープ波形発生器および音源

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03125197A JPH03125197A (ja) 1991-05-28
JP2580796B2 true JP2580796B2 (ja) 1997-02-12

Family

ID=17373402

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1262266A Expired - Fee Related JP2580796B2 (ja) 1989-10-09 1989-10-09 電子楽器のエンベロープ波形発生器および音源

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2580796B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3798799A (en) * 1972-01-07 1974-03-26 Hanson Ind Inc Ski boot and liner therefor
JPS5739434A (en) * 1980-08-18 1982-03-04 Toshiba Corp Program reloading system
JPS5797590A (en) * 1980-12-10 1982-06-17 Nippon Musical Instruments Mfg Envelope signal generator for electronic musical instrument
JPS5836916A (ja) * 1981-08-24 1983-03-04 Toyo Denka Kogyo Kk 高吸油性珪酸塩の製造法
JPS5930276A (ja) * 1982-08-11 1984-02-17 Canon Electronics Inc 磁気デイスク装置のクランプ機構
JPS63128598U (ja) * 1987-02-16 1988-08-23

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03125197A (ja) 1991-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5018427A (en) Input apparatus of electronic system for extracting pitch data from compressed input waveform signal
US4785706A (en) Apparatus for generating a musical tone signal with tone color variations independent of tone pitch
JP2580796B2 (ja) 電子楽器のエンベロープ波形発生器および音源
JP2692672B2 (ja) 楽音信号発生装置
JP2964498B2 (ja) 電子楽器のエンベロープ波形発生器
JP2932841B2 (ja) 電子楽器
JPS5840199B2 (ja) デンシガツキ
JP2830326B2 (ja) エンベロープ制御装置
JP2626474B2 (ja) 楽音発生装置
JP2603070B2 (ja) エンベロープ波形発生装置
US4723467A (en) Automatic rhythm performing apparatus
JP3129119B2 (ja) エンベロープ波形発生装置
JPH038558B2 (ja)
JPH0336240B2 (ja)
JPH0720865A (ja) 電子楽器
JPS644157Y2 (ja)
JP2950893B2 (ja) 楽音信号発生装置
JPS6310836B2 (ja)
JPS6334474B2 (ja)
JPH03212691A (ja) 電子楽器の楽音制御装置
JP3223555B2 (ja) 波形読出装置
JP2741557B2 (ja) 電子楽器のサステイン効果制御装置
JPH09325777A (ja) 楽音信号発生装置及び楽音信号発生方法
JPH0155474B2 (ja)
JPH0338600B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071121

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081121

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees