JPH038558B2 - - Google Patents

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JPH038558B2
JPH038558B2 JP57230897A JP23089782A JPH038558B2 JP H038558 B2 JPH038558 B2 JP H038558B2 JP 57230897 A JP57230897 A JP 57230897A JP 23089782 A JP23089782 A JP 23089782A JP H038558 B2 JPH038558 B2 JP H038558B2
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JP
Japan
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signal
key
circuit
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tone
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Hideo Suzuki
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Yamaha Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は電子楽器のキースケーリング装置に
関し、特に簡単な構成で楽音のキースケーリング
調整を行うようにするものである。
キースケーリング調整(キースケーリング制
御)とは、押鍵されたキーの音高または音域に応
じて発生される楽音の音量、音色等を補正するも
のである。一般に人間の聴覚は同じ音量レベルの
音でも低音よりも高音の方が音量が大きいものと
感じる傾向にあるので、電子楽器においては発生
される楽音が低音から高音にわたつて同一レベル
の音と感じさせるために、発生される楽音が高音
になるほど音量レベルを低下調整する工夫がされ
ている。また、この聴覚上の特性は自然楽器につ
いてみれば、楽器の種類すなわち音色ごとに異な
ることが知られており、従つて電子楽器において
も発生する楽音の音色ごとに音量レベルの調整の
仕方を異ならせるようにする必要がある。
例えばピアノの音色については、第1図Aに示
すように、約2.5オクターブの低音域においては
楽音の音高(キーコード信号KCにより表わされ
ている)が高くなるに従つてかなり大きな傾斜で
直線的に楽音の音量レベルを低下させ、かつ約
1.5オクターブの高音域では音高が高くなつても
楽音の音量レベルはほぼ同一レベルに維持するよ
うな調整すなわちキースケーリング調整を行う。
またギターの音色については、第1図Bに示す
ように、全音域にわたつて音高が高くなるほど楽
音の音量レベルを直線的に低下させるようなキー
スケーリング調整を行う。
さらにフルートの音色については、第1図Cに
示すように、約2.0オクターブの低音域において
は楽音の音高が高くなるに従つて比較的小さい傾
斜で直線的に楽音の音量レベルを低下させ、かつ
約2.0オクターブの高音域においては楽音の音高
が高くなるに従つて比較的大きい傾斜で直線的に
楽音の音量レベルを低下させるようなキースケー
リング調整を行う。
さらにストリングの音色については、第1図D
に示すように、約2.5オクターブの低音域におい
て楽音の音量レベルをほぼ同一レベルに維持させ
ると共に、約1.5オクターブの高音域においては
楽音の音高が高くなるに従つて比較的小さい傾斜
で直線的に楽音の音量レベルを低下させるように
キースケーリング調整を行う。
かかるキースケーリング調整を行う構成として
従来は、各音色ごとに上述した第1図A〜Dのよ
うなキースケーリング調整曲線に従つて各音高
(キーコード)に対する相対的音量レベルデータ
(キースケーリング調整データ)をそのまま記憶
したキースケーリング用メモリを用意するように
した構成が提案されている(例えば特公昭57−
29717号公報)。しかしこの構成によると、各音色
ごとに多数のキースケーリング調整データを記憶
しなければならないので、キースケーリング装置
として大容量のメモリを必要とし複雑な構成とな
るのを避け得ない。
この発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、第1図A〜Dに示すようなキースケーリング
調整曲線において、曲線の傾きを表わすデータ
と、傾きが変化する点(これをブレークポイント
と呼ぶ)のキーコードを表わすデータと、押鍵さ
れたキーの音高または音域を表わすデータとに基
づいて演算によりキースケーリング調整データを
得ることができるようにすることにより、キース
ケーリング装置の構成を一段と簡易化しようとす
るものである。
以下図面についてこの発明の実施例を詳述する
に、以下で説明する実施例ではキースケーリング
調整をエンベロープ信号発生装置から発生される
エンベロープ信号に対して行うことにより楽音の
音量レベルの補正を行う場合の例を示す。第2図
において、エンベロープ信号発生装置11は楽音
信号発生回路12に対して楽音信号にエンベロー
プを付与するためのエンベロープ信号VLを与え
る。すなわち鍵盤回路14において押圧されたキ
ーは押鍵検出回路15によつて検出され、押鍵さ
れたキーを表わすキーコード信号KCが楽音信号
発生回路12に与えられる。楽音信号発生回路1
2はキーコード信号KCに対応する音高をもつと
共に、音色選択回路16から送出される音色選択
信号TCを受けて対応する音色をもつ楽音信号を
発生する。
エンベロープ信号発生装置11は押鍵検出回路
15からキーオン信号KONを受けてエンベロー
プ信号VLの発生及び終了のタイミングを決める
と共に、音色選択回路16から音色選択信号TC
を受けて選択された音色に応じてエンベロープ波
形の各種パラメータ(アタツクレベル、持続レベ
ル、アタツク時間、リリース時間等)を決めるよ
うになされている。
かくして、エンベロープ信号発生装置11から
発生されたエンベロープ信号VLは楽音信号発生
回路12において発生された楽音信号にエンベロ
ープを付与し、このエンベロープが付与された楽
音信号TSがサウンドシステム17において楽音
に変換される。
この実施例においてエンベロープ信号発生装置
11は、第3図に示すように、エンベロープ信号
の現在値に対して変化値を演算することによつて
エンベロープ信号VLを形成するエンベロープ信
号形成部21と、その演算タイミングを決める演
算タイミング設定部22と、演算に使われる目標
値を設定する目標値設定部23とを有する。
エンベロープ信号形成部21は、デイジタル演
算回路25の演算動作によつて例えば第4図に示
すようにアタツク波形部W1が指数関数的に立上
り、またデイケイ波形部W2及びリリース波形部
W4が直線的に立下るようなエンベロープ信号
VLを発生させ得る。
演算回路25はエンベロープ信号VLを現在値
データとして一方の入力端Aに受けると共に変化
値データ信号VDを他方の入力端Bに受け、演算
指定信号UDの内容に応じてエンベロープ信号
VLに変化値データ信号VDを加算又は減算し、
その演算結果を例えば9ビツトの並列デイジタル
信号形式のエンベロープ信号VLとしてシフトレ
ジスタ(1ステージ・9ビツト)26を介して出
力する。
エンベロープ信号VLは上述のように演算回路
25の入力端Aにフイードバツクされると共に、
その例えば上位3ビツトが変化値切換回路27に
判断データ信号CTとして与えられる。この変化
値切換回路27は3ビツトの並列デイジタル信号
形式の判断データ信号CTの内容が「000」、
「001」、「010」、「011」…「111」(すなわち10進数
で「0」、「1」、「2」、「3」…「7」)に順次歩
進して行くごとに、8本の出力ラインl0,l
1,l2,l3…l7に変化値指定出力を順次送
出するデコーダで構成され、これら出力ラインl
0,l1,l2,l3…l7に生じる変化値指定
出力に対応する変化値データを変化値データ発生
回路28から発生させるようになされている。変
化値データ発生回路28は例えば変化値データ
「1」、「2」、「3」、「4」、「8」、「16」、「
32」、
「64」を記憶するROMで構成され、出力ライン
l0,l1,l2,l3…l7に指定出力が得ら
れたときステート信号STによつて指定されたス
テートに応じて決まる変化値データを内容とする
変化値データ信号VDをゲート回路29を介して
演算回路25の入力端Bに与える。
ここでステート信号STはステート制御回路3
0において発生される。ステート制御回路30
は、持続音系の音色が音色選択信号TCによつて
指定されたとき、第4図Bに示すようにアタツク
波形部W1を形成させる間ステート信号STをア
タツクステートS0とし、続いてデイケイ波形部
W2(ステートS11)及び持続波形部W3(ス
テートS12)を形成させる間ステート信号ST
をデイケイ−持続ステートS1とし、続いてリリ
ース波形部W4を形成させる間ステート信号ST
をリリースステートS2とし、それ以外の待機状
態では待機ステートS3とする。またこれと同時
にステート制御回路30は待機ステートS3及び
デイケイ−持続ステートS1のうち持続波形部W
3を形成する持続ステートS12に入つたタイミ
ングでゲート制御信号SUSを論理「1」にし、
その後それぞれアタツクステートS0及びリリー
スステートS2に入るタイミングでゲート制御信
号SUSを論理「0」にする。さらにステート制
御回路30はアタツクステートS0のとき演算指
定信号UDの内容を加算し、またデイケイ−持続
ステートS1及びリリースステートS2のとき減
算にする。さらにステート制御回路30は待機ス
テートS3からアタツクステートS0に入るタイ
ミングでリセツト信号RSを送出する。
これに対して減衰音系の音色が音色選択信号
TCによつて指定されたとき、ステート制御回路
30はデイケイ−持続ステートS1においてデイ
ケイステートS11が終了したら持続ステートS
12をジヤンプしてリリースステートS2にする
ことにより、持続波形部W3をもたないエンベロ
ープ波形(第4図C)を形成させるようになされ
ている。
変化値データ発生回路28は、ステート信号
STがアタツクステートS0を指定したとき、そ
れぞれ出力ラインl0,l1,l2,l3…l7
に変化値指定出力が生じるごとに、第5図に示す
ようにそれぞれ10進数で「64」、「64」、「32」、
「16」…「1」を変化値データとする変化値デー
タ信号VDを発生する。またステート信号STが
デイケイ−持続ステートS1を指定したとき
「1」を変化値データとする変化値データ信号
VDを発生し、以下同様にステート信号STがリ
リースステートS2、待機ステートS3を指定し
たときそれぞれ「1」、「0」を変化値とする変化
値データ信号VDを発生する。
この変化値データ信号VDは、演算タイミング
設定部22において発生され、アンドゲート31
を通じて得られる演算タイミングパルス信号CL
によつて開制御されるゲート回路29を通じて演
算回路25に与えられる。ここでアンドゲート3
1はステート制御回路30において発生されるゲ
ート制御信号SUSがインバータ32において反
転されて与えられ、持続ステートS12及び待機
ステートS3の時ゲート制御信号SUSが論理
「1」になることによりアンドゲート31が閉動
作して演算タイミングパルス信号CLの通過を阻
止し、これにより演算回路25に対し変化値デー
タ信号VDを供給しないようにする。
また演算回路25は演算指定信号UDの内容に
応じてその内容が加算動作を指定しているときエ
ンベロープ信号VLの現在値データに対して変化
値データ信号VDの変化値データを加算し、逆に
減算動作を指定しているとき減算する。
かくして演算回路25は、ステート信号STが
アタツクステートS0を指定している状態におい
て、演算指定信号UDによつて加算動作が指定さ
れることにより、判断データ信号CTの内容が
「000」、「001」、「010」、「011」…「111」(10進

で「0」、「1」、「2」、「3」…「7」)の順序で
変化し、従つて9ビツトのエンベロープ信号VL
全体の内容が第5図に示すように「0」〜「63」、
「64」〜「127」、「128」〜「191」、「192」〜
「255」…「448」〜「511」の領域を通つて行くと
き、変化値データ「64」、「32」、「16」…「1」を
演算タイミングパルス信号CLがゲート回路29
に与えられるごとに加算して行き、その結果エン
ベロープ信号VLの値が第6図に示すように演算
回数が増大するに従つてほぽ指数関数的に立上る
ことになる。
また演算回路25は、ステート信号STがデイ
ケイ−持続ステートS1又はリリースステートS
2を指定している状態において、演算指定信号
UDによつて減算動作が指定されることにより、
常時一定値「1」の変化値データ信号VD(ライ
ンl0〜l7の変化値指定出力が切換つても変化
しない)を演算タイミングパルス信号CLがゲー
ト回路29に与えられるごとに減算して行き、そ
の結果エンベロープ信号VLを直線的に減少させ
る。
さらに演算回路25は、ステート信号STがデ
イケイ−持続ステートS1又は待機ステートS3
を指定している状態において、ゲート回路29が
信号SUSに基づいて閉じたときエンベロープ信
号VLを一定値の持続レベルSL又は0レベルに維
持させる。
また、エンベロープ信号VLは比較回路33に
おいて目標値設定部23から送出される目標値デ
ータ信号TGと比較され、比較回路33の一致出
力CNによつてステート制御回路30を動作させ
る。この場合目標値設定部23は各ステートごと
にエンベロープ信号VLが行きつくべき最終値を
目標値データ信号TGとして送出する次の構成を
もつ。
アタツクレベル信号発生回路35は各音色ごと
に決められたアタツクレベルデータを記憶する
ROMで構成されたアタツクレベルメモリでな
り、音色選択信号TCによつて指定されたアタツ
クレベルデータを読出して加算回路36に与え
る。加算回路36はアタツクレベル信号発生回路
35の出力PLにキースケーリング回路37から
のキースケーリング調整信号KLを加算してアタ
ツクレベル信号TLとしてセレクタ38に与える。
キースケーリング回路37はキースケーリング
傾斜メモリ41及びブレークポイントキーコード
メモリ42を有する。キースケーリング傾斜メモ
リ41は第1図A〜Dに示すように各音色ごとに
キースケーリング調整曲線がもつ各曲線部の傾き
を表わす傾斜データを記憶する。この実施例の場
合、ピアノ、ギター、フルート、ストリングのキ
ースケーリング調整曲線は高音域と低音域とによ
つて傾きが異なるので、キースケーリング傾斜メ
モリ41はこの傾きが変化するブレークポイント
BPより低い低音域用の傾斜データと、ブレーク
ポイントより高い高音域用の傾斜データとを記憶
したROMでなり、音色選択信号TCが与えられ
たとき対応する低音域用及び高音域用傾斜データ
を読出してその出力信号KLS及びKRSをセレク
タ43に与える。
なお、第1図Bに示すギターの音色の場合のよ
うにキースケーリング調整曲線の傾斜が全音域に
亘つて同一の場合は、低音域用及び高音域用傾斜
データとして同一内容のデータが記憶されてい
る。
また、ブレークポイントキーコードメモリ42
は、第1図A〜Dに示すようにブレークポイント
BPに相当するキーコードデータを音色ごとに記
憶し、音色選択信号TCが与えられたとき対応す
るブレークポイントデータでなるブレークポイン
トキーコード信号KBPを減算回路44に与える。
減算回路44はキーコード信号KCを受けてこれ
からブレークポイントキーコード信号KBPを減
算し、その減算出力信号ΔKC(=KC−KBP)を
乗算回路45に与える。
乗算回路45は減算出力信号ΔKCにセレクタ
43の選択出力SCを乗算し、その乗算出力KL
(=ΔKC×SC)をキースケーリング調整信号KL
として加算回路36に与える。
一方、減算回路44はキーコード信号KCから
ブレークポイントキーコード信号KBPを減算す
る際にその減算結果の符号が変わつたときこれに
応じてセレクタ43に対する選択信号SELを変化
させる。すなわち、キーコード信号KCがブレー
クポイントキーコード信号KBPより小さいとき
セレクタ43により低音域用傾斜データ信号
KLSを選択させ、またキーコード信号KCがブレ
ークポイントキーコード信号KBPより大きいと
きセレクタ43により高音域用傾斜データ信号
KRSを選択させる。
さらにキースケーリング回路37はレートキー
スケーリング係数メモリ46を有する。レートキ
ースケーリングは、自然楽器における楽音のエン
ベロープの変化速度が楽音の音高が高くなればこ
れに応じて上昇する傾向があり、かつその上昇の
程度が各楽音ごとに相違する現象があることに対
応させて、エンベロープ信号VLの演算速度を選
択された音色に応じて調整しようとするもので、
上昇の程度を表わす係数データを音色ごとにレー
トキースケーリング係数メモリ46に記憶し、こ
の記憶データを音色選択信号TCによつて読出し
て係数データ信号KSとして乗算回路47に与え
る。
乗算回路47にはキーコード信号KCが与えら
れ、その乗算出力KC×KSがレートキースケーリ
ング信号KDとして加算回路48に与えられる。
この実施例の場合、レートキースケーリング係
数メモリ46は音色選択信号TCがストリングの
音色を指定しているとき小さい値の係数データ信
号KSを送出し、これにより第7図Aに示す如く
キーコード信号KCが大きくなつた(楽音の音高
が高くなつた)ときこれに応じてレートキースケ
ーリング信号KDをほとんど変化させないように
なされている。また音色選択信号TCがそれぞれ
ピアノ、フルートの音色あるいはギターの音色を
指定しているとき中程度の値及び大きい値の係数
データ信号KSを送出し、これにより第7図B及
びCに示す如くキーコード信号KCが大きくなる
(楽音の音高が高くなる)に従つてこれに応じて
レートキースケーリング信号KDを中程度及びこ
れによりさらに大きく変化させるようになされて
いる。
持続レベル信号発生回路51は各音色ごとに決
められた持続レベルデータを記憶するROMで構
成された持続レベルメモリでなり、音色選択信号
TCによつて指定された持続レベルデータを読出
して持続レベル信号SLとしてセレクタ38に与
える。
セレクタ38は、ステート制御回路30のステ
ート信号STを受けてアタツクステートS0のと
きアタツクレベル信号TLを選択すると共に、デ
イケイー持続ステートS1のとき持続レベル信号
SLを選択し、その選択出力信号を比較回路33
に目標値信号TGとして与える。
かくして、ステートS0においてエンベロープ
信号VLが目標値信号TGの内容(アタツクレベ
ル信号TL)と一致したとき、比較回路33から
一致信号CNが送出されることにより、これをス
テート制御回路30が検出してステート信号ST
をアタツクステートS0からデイケイ−持続ステ
ートS1に切換える。またこのデイケイ−持続ス
テートS1においてエンベロープ信号VLが目標
値信号TGの内容(持続レベル信号SL)と一致し
たとき、比較回路33から一致信号CNが送出さ
れることにより、これをステート制御回路30が
検出してゲート制御信号SUSを論理「1」にし
て持続ステートS12に切換える。
ゲート回路29にはアンドゲート31を通じて
演算タイミング設定部22において発生される演
算タイミングパルス信号CLが与えられる。演算
タイミング設定部22は音色に対応して演算速度
を決めるレートメモリ53を有する。レートメモ
リ53は各音色についてエンベロープ信号を構成
する各ステート部分の演算速度を表わすデータを
記憶するROMで構成され、音色選択信号TCと
ステート制御回路30から与えられるステート信
号STとによつて現在指定されている音色及びス
テートに対応するデータを基準レートデータ信号
TRとして読出す。
この基準レートデータ信号TRは加算回路48
においてレートキースケーリング信号KDと加算
され、その加算結果TR+KDがレートデータ信
号RDとして演算タイミング制御回路54に与え
られる。演算タイミング制御回路54はクロツク
信号をこのレートデータ信号RDに応じて分周
し、かくしてレートデータ信号RDが大きくなれ
ばこれに応じて周波数が高くなる演算タイミング
パルス信号CLを発生する。しかるにレートデー
タ信号RDにはレートキースケーリング信号KD
が加算されていることにより、選択された音色に
応じて決まる比率でキーコードの変化に応じて演
算タイミングパルス信号CLの周波数を変化させ
ることができることになる。
以上の構成において、ステート制御回路30は
第8図のフローチヤートの処理手順に従つて演算
回路25を演算制御することによつて、第4図B
又はCのエンベロープ波形をもつエンベロープ信
号VLを形成する。すなわちステート制御回路3
0は、第8図のステツプSP1において待機ステ
ートS3になり、続くステツプSP2において論
理「1」のゲート制御信号SUSを送出してゲー
ト回路29への演算タイミングパルス信号CLの
通過をアンドゲート31において阻止して演算回
路25の加算、減算動作をさせないようにする。
このときエンベロープ信号VLはオール「0」レ
ベルを維持する。ステート制御回路30は続いて
ステツプSP3に移つて新たなキーオン信号KON
が論理「1」になつたか否かを判断し、否定され
れば再度ステツプSP1に戻り、かくしてステー
ト制御回路30は新たなキーオン信号KONが発
生するのを待ち受ける状態になる。
やがてステツプSP3において新たなキーオン
信号KONが論理「1」になつたことを判断する
と、ステート制御回路30は次のステツプSP4
に移つてゲート制御信号SUSを論理「0」にす
ると共に、次のステツプSP5において演算回路
25に対するリセツト信号RSを論理「1」にし
てエンベロープ信号VLを演算開始レベル(オー
ル「0」レベル)に設定する。
次のステツプSP6においてステート制御回路
30はステート信号STをアタツクステートS0
に切換えると共に、演算回路25に対する演算指
定信号UDを論理「1」にして加算動作を指定す
る。
このとき変化値データ発生回路28は第5図に
ついて上述した変化値をもつ変化値データ信号
VDを送出し、これをゲート回路29に与えられ
る演算タイミングパルス信号CLによつて演算回
路25において加算演算させ、かくしてエンベロ
ープ信号VLがオール「0」レベルから指数関数
的に上昇してアタツク波形部W1を形成して行
く。一方ステート信号STがアタツクステートS
0になつたことにより、目標値設定部23のセレ
クタ38はアタツクレベル信号TLを選択してこ
れを目標値信号TGとして比較回路33に与えて
エンベロープ信号VLと比較させる。
次にステート制御回路30はステツプSP7に
移つてキーオン信号KONが論理「1」は否かを
判断し、肯定結果が得られれば次のステツプSP
8に移つてエンベロープ信号VLが目標値信号
TG(すなわちアタツクレベル信号TL)と等しい
か又はこれ以上になつたか否かを判断する。この
とき否定結果が得られれば未だアタツクステート
S0の演算が終了していないので、ステツプSP
6に戻つて再度ステツプSP7及びSP8の判断を
実行する。ここでステツプSP7の判断は途中で
キーが離されていないことを確認するために実行
されるもので、否定結果が得られると後述するス
テツプSP15にジヤンプして演算回路25をリ
リースステートS2に制御することによりエンベ
ロープ信号VLを直ちに消滅させる。
これに対してステツプSP8においてエンベロ
ープ信号VLが目標値信号TG(すなわちアタツク
レベル信号TL)になつたことの肯定結果が得ら
れると、ステート制御回路30はステツプSP9
に移つて第4図の時点t11においてステート信号
STをデイケイ−持続ステートS1に切換えると
共に、演算指定信号UDを論理「0」にして減算
動作を指定させる。従つて演算回路25は変化値
データ発生回路28から到来する変化値「1」の
変化値データ信号VDをエンベロープ信号VLか
ら減算して行くことよりデイケイ波形部W2を形
成して行く。このときセレクタ38はステート信
号STによつて持続レベル信号SLを目標値信号
TGとして比較回路33に与える。
続いてステート制御回路30は次のステツプ
SP10に移つてキーオン信号KONが論理「1」
か否か(従つてキーが途中で離されたか否か)を
判断し、肯定結果が得られれば次のステツプSP
11に移つてエンベロープ信号VLが目標値信号
TG(すなわち持続レベル信号SL)と等しいか又
はそれ以下になつた否かを判断する。否定結果が
得られればステート制御回路30は再度ステツプ
SP9に戻つてステツプSP10及びSP11の判断
を繰返す。ここでステツプSP10において否定
結果が得られればキーが離されているので後述す
るステツプSP15にジヤンプしてエンベロープ
信号VLを直ちに消滅させる。
これに対してステツプSP11において肯定結
果が得られると、次のステツプSP12において
ステート制御回路30は音色選択信号TCによつ
て指定された音色のエンベロープ波形モードが持
続音形であるか又は減衰音形であるかを判断し、
持続音形エンベロープが指定されているときは次
のステツプSP13に移つてゲート制御信号SUS
を論理「1」にしてゲート回路29における変化
値データ信号VDの通過を阻止することによりエ
ンベロープ信号VLを変化させないようにし、か
くして第4図の時点t12において持続波形部W3
を形成させる。このときステート制御回路30は
次のステツプSP14においてキーオン信号KON
が論理「1」か否かを判断し、肯定されれば再度
ステツプSP14に戻ることによりキーが離され
るのを待つ。
やがてステツプSP14において否定結果が得
られればステート制御回路30は次のステツプ
SP15に移つてステート信号STをリリースステ
ートS2に切換えるこことにより、変化値データ
発生回路28から変化値「1」の変化値データ信
号VDを送出させると共に、演算指定信号UDを
論理「0」にセツトする。そして次のステツプ
SP16に移り、ゲート制御信号SUSを論理「0」
にしてゲート回路29に対して演算タイミングパ
ルス信号CLを与えることにより、演算回路25
によつてエンベロープ信号VLを変化値「1」づ
つ減少変化させて行き、かくして第4図の時点
t13においてリリース波形部W4を形成開始させ
る。
続いてステート制御回路30はステツプSP1
7に移つてリリースエンド検出回路34の検出信
号REに基づいてエンベロープ信号VLがオール
「0」になつたか否かを判断する。ここでリリー
スエンド検出回路34は9入力ノア回路でなり、
並列9ビツトのエンベロープ信号VLを受けてこ
れがオール「0」になつたとき論理「1」になる
リリースエンド検出信号REを送出する。ステツ
プSP17において否定結果が得られれば再びス
テツプSP15に戻つてステツプSP15,SP1
6,SP17の処理を繰返し実行し、かくしてエ
ンベロープ信号VLがオール「0」レベルまで低
下して行くのを待つ。やがてステツプSPSP17
において肯定結果が得られると、ステート制御回
路30はエンベロープ信号VLのリリースが済ん
でエンベロープ波形の発生動作が終了したと判断
して第4図の時点t14において上述のステツプSP
1の待機状態に戻る。
このようにして第4図Bに示すような持続音形
のエンベロープ波形のエンベロープ信号VLが演
算回路25において形成される。
これに対してステツプSP12のエンベロープ
波形モードの判断結果が減衰音形であれば、ステ
ート制御回路30はステツプSP13及びSP14
をジヤンプしてステツプSP15に移り、これに
よりステツプSP13及びSP14における持続波
形部W3の形成動作をせずに直ちにリリースステ
ートS2に入り、その結果第4図Cに示すような
減衰音形のエンベロープ信号VLを演算回路25
から得ることができる。
このように第3図の構成によれば、演算回路2
5から、オール「0」レベルからアタツクレベル
TLまでアタツク波形部W1が立上り、続いてア
タツクレベルTLから持続レベルSLまでデイケイ
波形部W2が立下つた後この持続レベルSLの持
続波形部W3が持続し、続いて持続レベルSLか
らオール「0」レベルまでリリース波形部W4が
立下る第4図Bに示すような持続音形のエンベロ
ープ信号VLを得ることができ、又はそのうち持
続波形部W3をもたない第4図Cに示すような減
衰音形のエンベロープ信号VLを得ることができ
る。
かくするにつきアタツク波形部W1のアタツク
レベルTLはキースケーリング回路37のキース
ケーリング調整信号KLによつて、押鍵されたキ
ーの音高に対応して変化する。すなわち、キース
ケーリング回路37においてキーコード信号KC
がブレークポイントキーコードメモリ42から読
出されたブレークポイントキーコード信号KBP
より小さければセレクタ43が低音域用傾斜デー
タ信号KLSを選択してその選択出力SCを乗算回
路45に与え、またキーコード信号KCがブレー
クポイントキーコード信号KBPより大きければ
セレクタ43が高音域用傾斜データ信号KRSを
選択してその選択出力SCを乗算回路45に与え
る。
その結果、乗算回路45から出力されるキース
ケーリング調整信号KLは第9図に示すように、
キーコード信号KCがブレークポイントBPより小
さければ低音域用傾斜データ信号KLSで決まる
乗算出力KL(=ΔKC×KLS)に相当する第1の
傾きをもつ調整曲線部Y1を呈し、またキーコー
ド信号KCがブレークポイントBPより大きければ
高音域用傾斜データ信号KRSで決まる乗算出力
KL(=ΔKC×KRS)に相当する第2の傾きをも
つ調整曲線部Y2を呈する。
従つて加算回路36からアタツク波形部W1の
目標値としてセレクタ38に与えられるアタツク
レベル信号TLはキーコード信号KCの内容に応じ
てアタツクレベル信号発生回路35の出力PLを
基準にして第1図A〜Dに示す調整曲線に沿うよ
うなレベルに調整され、その結果エンベロープ信
号VLのアタツク波形部W1のアタツクレベルが
キースケーリング調整される。
このようにしてレベルキースケーリング調整さ
れたエンベロープ信号VLよつて楽音信号のエン
ベロープを制御することにより、押鍵されたキー
の音高が変つても聴覚上常に同一音量に聴き取り
得るような楽音を発生することができ、かくする
につきキースケーリング調整のために予め用意す
べきデータの数を従来の場合と比較して極端に少
なくできる。因みに、第3図の構成によれば1つ
の音色についてブレークポイントキーコード(ブ
レークポイントコードメモリ42に記憶する)
と、高音域用及び低音域用のキースケーリング傾
斜データとの合計3つのデータを用意すれば良
い。
なお、上述においては、エンベロープ信号VL
のアタツク波形部W1のピーク値をキースケーリ
ング調整曲線に対応するように調整することによ
りキースケーリング効果を得た場合について述べ
たがこれに代え、エンベロープ信号VLのレベル
を全体としてキースケーリング調整するようにし
ても上述の場合と同様の効果を得ることができ
る。
また、上述においては、楽音音量のキースケー
リング調整を行う場合について述べたが、これに
代え又はこれと共に、楽音のピツチ、音色等のパ
ラメータのキースケーリング調整を行う場合にも
適用し得る。
さらに、上述においては、第1図A〜Dに示す
ようにブレークポイントBPが1つのキースケー
リング調整曲線に沿つた調整を行う構成について
述べたが、第10図に示すように2つのブレーク
ポイントBP1及びBP2をもつ場合にもこの発明
を適用し得る。
さらに、上述においては、キースケーリング回
路37に押鍵検出回路15から出力されるキーコ
ード信号KCをそのまま入力して押鍵されたキー
の音高に対応したキースケーリング調整信号KL
を発生させ、これにより音高ごとのキースケーリ
ング調整を行う場合について述べたが、これに代
え、キースケーリング回路37にキーコード信号
KCの上位ビツトのみを入力して押鍵されたキー
の音域(鍵域)に対応したキースケーリング調整
信号KLを発生させ、これにより音域に応じたキ
ースケーリング調整を行うようにしてもよいもの
である。
以上のようにこの発明によれば、キースケーリ
ング調整曲線に沿う楽音のキースケーリング調整
を行うにつき、従来の構成と比較してメモリ容量
を極端に小さくし得るキースケーリング装置を容
易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はキースケーリング調整曲線を示す曲線
図、第2図は電子楽器の概略構成を示すブロツク
図、第3図はこの発明による電子楽器のキースケ
ーリング装置を用いたエンベロープ信号発生装置
の一実施例を示すブロツク図、第4図は発生され
るエンベロープ信号の説明に供する信号波形図、
第5図は各波形部の演算に用いる変化値データの
説明に供する図表、第6図はアタツク波形部の演
算の様子を示す信号波形図、第7図はキースケー
リング回路の説明に供する曲線図、第8図は第3
図の動作の説明に供するフローチヤート、第9図
はそのキースケーリング回路の動作説明に供する
曲線図、第10図はこの発明の他の実施例を示す
曲線図である。 11…エンベロープ信号発生装置、21…エン
ベロープ信号形成部、22…演算タイミング設定
部、23…目標値設定部、37…キースケーリン
グ回路、41…キースケーリング傾斜メモリ、4
2…ブレークポイントキーコードメモリ、43…
セレクタ、44…減算回路、45…乗算回路。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 押鍵されたキーに対応して発生されるキーコ
    ード信号に基づいて楽音信号を発生する電子楽器
    において、 (a) キースケーリング調整曲線の曲線部の傾きに
    対応する複数種類の傾斜係数信号を発生し得る
    ものであつて、その複数種類のうち選択指定さ
    れた少なくとも高音域及び低音域の曲線部の傾
    きを表わす第1及び第2の傾斜係数信号を発生
    するキースケーリング傾斜係数発生手段、 (b) 上記高音域及び低音域の曲線部の境界点を表
    わすブレークポイントに対応する複数種類のブ
    レークポイントキーコード信号を発生し得るも
    のであつて、その複数種類のうち選択指定され
    たブレークポイントキーコード信号を発生する
    ブレークポイントキーコード発生手段と、 (c) 上記キーコード信号と上記ブレークポイント
    キーコード信号とを比較する比較手段と、 (d) 上記比較手段の比較結果によつて上記第1及
    び第2の傾斜係数信号のいずれか一方を選択す
    る選択手段と、 (e) 上記比較手段から得られる上記キーコード信
    号及び上記ブレークポイントキーコード信号の
    差信号と、上記選択手段の出力信号とに基づい
    てキースケーリング調整信号を得る演算手段と を具え、上記キースケーリング調整信号によつて
    上記楽音信号を補正することを特徴とする電子楽
    器のキースケーリング装置。 2 上記演算手段は上記差信号に上記選択手段の
    出力信号を乗算してなる特許請求の範囲第1項に
    記載の電子楽器のキースケーリング装置。 3 上記キースケーリング傾斜係数発生手段及び
    上記ブレークポイントキーコード発生手段はそれ
    ぞれ音色ごとに所定のデータを記憶し、音色選択
    信号によつて指定されたデータを読出すようにし
    たメモリからなる特許請求の範囲第1項に記載の
    電子楽器のキースケーリング装置。
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