JP2580783Y2 - 可変枠型 - Google Patents

可変枠型

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JP2580783Y2
JP2580783Y2 JP4152193U JP4152193U JP2580783Y2 JP 2580783 Y2 JP2580783 Y2 JP 2580783Y2 JP 4152193 U JP4152193 U JP 4152193U JP 4152193 U JP4152193 U JP 4152193U JP 2580783 Y2 JP2580783 Y2 JP 2580783Y2
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liners
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molding
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博之 小路
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株式会社イナックス
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、タイル等を加圧成形す
るための枠型において、その内法寸法を可変とすること
により、1種類の枠型で、異なる寸法の製品の成形を可
能とする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】タイルを加圧成形法により製造するに
は、通常、上型、枠型及び下型からなる成形型を用いて
原料粉体を加圧し、得られた成形素地に施釉、焼成等の
適宜処理を施して、目的の製品となしている。
【0003】ところで、異なる寸法のタイル製品を製造
する場合や、同じ寸法の製品であっても、原料等の違い
により焼成収縮率に差異を有する場合には、成形素地の
寸法を変更しなくてはならない。
【0004】そこで、成形素地の寸法変更に対処する手
段を前記枠型について見れば、内法寸法が異なる枠型を
予め各種用意しておき、成形しようとする素地寸法に適
合する大きさのものと交換するという方策が一般に採ら
れている。
【0005】あるいは、図8の(A)及び(B)に示す
如く、枠型50の内壁面に装着するライナーを、厚みの
異なるものに交換するという手法も採用されている。す
なわち、寸法の大きい素地を成形する場合には同図
(A)の如く厚みの薄いライナー51を枠型50の内面
に取り付け、寸法の小さい素地を成形する場合には同図
(B)の如く厚みの大きいライナー52を取り付ける。
なお、ライナー51,52の枠型50への固定は、ここ
では枠型50の側面を貫通させたボルト(図示省略)の
螺合によっている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】ところで、製品寸法に
応じて、異なる寸法の枠型50や異なる厚みのライナー
を各種用意しておくというのは、部品の種類数が多くな
るため、それらの管理が煩雑になると共にコストの上昇
を招き好ましくない。
【課題を解決するための手段】本考案は、成形素地の寸
法を変更する場合に交換必要な部品点数が少なくてすむ
可変枠型の構造を提供するものであって、その特徴とす
るところは、枠体と、成形空間に臨んで枠体の内側へ配
置され且つ該枠体の内壁面に対して垂直に進退移動可能
なライナーと、ライナーを枠体に固定する固定手段とか
ら成り、少なくとも対向する一組のライナーが複数の分
割部分で構成され、当該分割部分のうちの一部が幅寸法
の異なるものと交換可能であると共に残りの分割部分が
その表面と平行な方向へ移動可能になされていることで
ある。
【0007】
【作用】本考案に係る可変枠型の作用を、実施例を示す
図1を参照して説明する。本案可変枠型Aにより寸法の
大きい素地を成形する場合は、同図(A)の如く、ライ
ナー2,2,3,3を枠体1の内壁面1cに密接させる
か又は内壁面1cに近い位置へ固定する。これにより、
寸法の大きい成形空間Sが形成される。
【0008】次に、寸法の小さい素地を成形すべく成形
空間を狭めるには、各ライナー2,2,3,3の固定状
態を解除したのち、同図(B)に示すように、対向する
一組のライナー3,3を構成している分割部分3a,3
b,3cのうちの一部(図示する実施例では中央の分割
部分3b,3b)を、幅寸法の小さい分割部分3dと交
換する。
【0009】続いて、各ライナー2,2,3,3を前進
させて互いに突き合わせた状態で、これらを枠体1の内
壁面1cから離れた位置へ固定すれば、同図(C)に示
す如く、内法寸法の小さい成形空間Sが形成される。
【0010】
【実施例】図1に、本考案に係る可変枠型Aの一実施例
を示す。当該可変枠型Aは、枠体1の内側に二組のライ
ナー2,2,3,3が対向して配置され、本実施例で
は、当該二組のライナーのうち、図面の左右方向に対向
配置されたライナー3,3がライナー受け4に装着され
ている。
【0011】枠体1は、図2の(A)に示す如くほぼ中
央に正方形の開口1aを有し、同図(B)に示す如く、
開口1aの下面側(図(B)における天地方向を枠体1
の上下方向とする。)に段部1bが周設されている。当
該段部1bの上面部には、入口側の幅狭部分5aと内奥
側の幅広部分5bとから成る断面凸形の溝5の複数本
が、適宜間隔を置いて、開口1aの内側面1dから段部
1bの終端(枠体内壁面1cの位置)まで、枠体1の内
壁面1cに対し垂直に設けられている。また、枠体1に
おける段部1b上方の側壁部には、内外を貫通する複数
個のネジ孔10が適宜間隔で形成されている。
【0012】前記二組のライナーのうち、一方のライナ
ー2,2は、図3に示すように、ほぼ直方体であって、
ボルトを挿通させるための上下方向に貫通する複数個の
貫通孔2aが、前記枠体1の溝5とほぼ等しい間隔に設
けられている。
【0013】他方、もう一組のライナー3,3は、図4
に示す通りの板状の部材であって、複数個(本実施例で
は3個)の分割部分3a,3b,3cから構成されてい
る。各分割部分3a,3b,3cそれぞれは、裏面側中
央にネジ孔30を有している。
【0014】上記ライナー3の各分割部分3a,3b,
3cが装着されるライナー受け4は、図5に示すような
直方体の部材であって、上記分割部分の個数と同数だけ
設けられた前後方向の貫通孔4a,4b,4cと、枠体
1の溝5と同数同間隔に形成された上下方向の貫通孔4
0とを有している。これら貫通孔4a,4b,4c,4
0は、いずれもボルトを挿通させるためのものである。
なお、前後方向の貫通孔4a,4b,4cのうち、分割
部分3a,3cに対応して左右両側に設けられた貫通孔
4a,4cは、水平方向に長い長孔に形成されている。
【0015】次に、ライナー2,3を枠体1へ取り付け
る構造について説明する。ライナー2の枠体1への取り
付けは、図6の断面図に示す如く、ライナー2の上下方
向の各貫通孔2aにボルト6を挿通すると共に、このボ
ルト6の先端を、枠体段部1bの各溝5へ挿入した断面
凸形の固定部材7の上部に設けたネジ孔へ螺合させて締
めつける。これにより、ライナー2が枠体1へ固定され
る。
【0016】ライナー3は、その分割部分3a,3b,
3cがライナー受け4に装着され、このライナー受け4
が枠体1に固定される。つまり、ライナー3は、ライナ
ー受け4を介して枠体1に取り付けられる構造となされ
ている。各分割部分3a,3b,3cのライナー受け4
への装着構造は、図7の(A)に示す如く、これらをラ
イナー受け4の前面に配置し、ライナー受け4の前後方
向の各貫通孔4a,4b,4cに裏面側から挿通したボ
ルト8を、各分割部分3a,3b,3cそれぞれの裏面
側のネジ孔30にねじ込んで締めつける。これにより、
ライナー3の各分割部分3a,3b,3cが、ライナー
受け4の前面に装着される。
【0017】上記ライナー受け4を枠体1に固定する構
造は、前記ライナー2を枠体1へ固定する手段と共通で
ある。すなわち、図7の(B)に示すように、上下方向
の各貫通孔40に挿通したボルト9の先端を、枠体段部
1bの溝5へ挿入した断面凸形の固定部材7の上部に設
けたネジ孔へ螺合させて締めつけることにより、ライナ
ー受け4を枠体1へ固定している。
【0018】上述のように構成された本案可変枠体Aに
おいて、その成形空間の内法寸法を変更する要領を次に
述べる。内法寸法が大きい成形空間Sを形成する場合
は、図1の(A)に示すように、各ライナー2,2,
3,3を、枠体1の内壁面1cに接触させるか又は内壁
面1cに近い位置へ固定する。
【0019】成形空間Sの内法寸法を縮小するには、
各ボルトを緩めてライナー2,2,3,3の固定状態を
解除すると共に、同図(B)に示す如く、一組のライナ
ー3,3それぞれにおける所定の分割部分(本実施例で
は中央に位置する分割部分3b,3b)を、幅寸法の小
さい分割部分3d,3dと交換する。
【0020】中央の分割部分を幅寸法の小さい分割部分
3d,3dに交換すると、これとその両側の分割部分3
a,3cとの間に隙間dが形成される。そこで、両側の
分割部分3a,3cをライナー受け4の表面に沿って平
行移動させ、中央の分割部分3dに密接させる。前述し
たように、分割部分3a,3cそれぞれに対応するライ
ナー受け4の貫通孔4a,4cは水平方向に長い長孔で
あるから(図5及び図7参照)、ボルト8をこの貫通孔
4a,4c内で水平移動させることができる。依って、
上記分割部分3a,3cをライナー受け4の表面に沿っ
て平行移動させることができ、且つ、移動後の位置へ固
定することが可能である。
【0021】このようにしてライナー3,3の幅寸法を
縮小させると、今度は、これとライナー2,2の側端面
との間に隙間が生ずる。そこで、ライナー2,2を前進
移動させてライナー3,3に密接させる。また同時に、
ライナー受け4,4それぞれも前進させてライナー3,
3間の距離を所要寸法だけ狭める。しかるのち、再びボ
ルトを締めつけて、ライナー2及びライナー受け4を枠
体1に固定すれば、同図(C)に示す如き内法寸法の小
さい成形空間Sが形成される。
【0022】なお、同図(C)に示す状態から成形空間
を拡大させるには、前記と逆に、中央の分割部分3
bを幅広のものと交換すると共に、各ライナー2,2,
3,3を後退移動させて枠体1の内壁面1cに近づける
か又は密接させればよい。
【0023】本案可変枠型Aは、図1の(A)に示す如
く、ライナー2及びライナー受け4を枠体1の内壁面1
cに当接させた位置で固定したときに一辺の長さが最大
の成形空間Sが形成され、図1の(C)に示すよう
に、ライナー2及びライナー受け4を枠体1の内壁面1
cから可能な限り離した位置へ固定したときに一辺の長
さが最小の成形空間Sが形成される。そして、ライナ
ー3の分割部分3a,3b,3cのいずれか1つ又は2
つ以上を様々な幅寸法のものと交換することにより、上
記SとSの範囲内で種々異なる大きさの成形空間を
得ることができる。
【0024】なお、図1の(C)から分かるように、本
実施例では、ライナー2がライナー受け4に当接する位
置で最小の成形空間Sが形成される。つまり、ライナ
ー受け4の幅寸法によって成形空間Sの最小寸法が規
定される。従って、ライナー3における左右両側の分割
部分3a,3cを確実に装着し得る範囲内でライナー受
け4の幅寸法を出来るだけ小さくすることにより、最大
成形空間Sと最小成形空間Sとの寸法差を大きく設
定することができる。
【0025】また、本実施例では、ライナー2及びライ
ナー受け4が前進位置に固定されているとき、枠体1の
側壁部に形成した内外に貫通するネジ孔10に螺挿した
ボルト11の先端でライナー2,2及びライナー受け
4,4の背面を支持するように構成した(図1の(C)
参照)。かかる構成に基づき、加圧成形時に、ライナー
2,2及びライナー受け4,4に作用する拡張方向(後
退方向)の力を上記ボルト11で支持することができる
から、高圧力を加えても、ライナー2,2及びライナー
受け4,4の固定位置に変動をきたすおそれがなくな
る。
【0026】さらに本実施例では、各部材の固定や支持
に使用するボルト6,8,9,11等を六角孔付きボル
トとすると共に、枠体1,ライナー2,及びライナー受
け4に形成した各貫通孔10,2a,4a,4b,4
c,40を、各ボルトの頭部が収納される拡径部を有す
るものとした。この構成により、ボルトを締めつけて固
定したときに、ボルト全体が貫通孔内へ収納されるよう
になる。
【0027】本考案に係る可変枠型の構成は、実施の態
様に応じて適宜の変更を加えることを妨げない。例え
ば、前記実施例では、対向する一組のライナーが分割部
分から構成されるものとしたが、二組とも分割部分から
構成されるものとすることもでき、また、それらの分割
個数を4個以上としてもよい。さらに、成形空間の形状
は必ずしも正方形に限るのではなく、長方形であっても
よい。
【0028】
【考案の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本考案に係る可変枠型は、ライナーによって囲まれ
る成形空間の大きさの変更が可能であるから、1種類の
枠型で、様々な寸法の成形素地を成形することができ
る。しかも、成形空間の寸法変更のために必要な部品交
換点数が非常に少なくてすむ。依って、従来に比べて、
成形素地の寸法変更の作業能率が向上し、部品管理の手
間が軽減され、コストの低減化を図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る可変枠型の一実施例を示すもので
あって、(A)は成形空間を最大とした状態の平面図、
(B)はライナーの分割部分のうちの中央の分割部分を
幅寸法の小さいものと交換した状態の平面図、(C)は
成形空間を最小とした状態の平面図である。
【図2】図1の可変枠型を構成する枠体を示すものであ
って、(A)は平面図、(B)は図(A)の(イ)−
(イ)線における正面断面図である。
【図3】図1の可変枠型を構成する一方の組のライナー
を示すものであって、(A)は正面図、(B)は右側面
図である。
【図4】図1の可変枠型を構成する他方の組のライナー
を示すものであって、(A)は正面図、(B)は右側面
図である。
【図5】図4のライナーを装着するライナー受けを示す
ものであって、(A)は平面図、(B)は正面図、
(C)は背面図、(D)は図(B)の(ロ)−(ロ)線
における右側面断面図である。
【図6】図3のライナーを枠体へ固定する構造の要部を
示す正面断面図である。
【図7】(A)は図4のライナーをライナー受けへ装着
するための構造の要部を示す平面断面図、(B)は図5
のライナー受けを枠体へ固定するための構造の要部を示
す正面断面図である。
【図8】従来の枠型を示すものであって、(A)は内法
寸法の大きい成形空間を形成した状態を示す平面図、
(B)は内法寸法の小さい成形空間を形成した状態を示
す平面図である。
【符号の説明】
A 可変枠型 1 枠体 1a 開口 1b 段部 1c 内壁面 2 ライナー 2a 貫通孔 3 ライナー 3a 分割部分 3b 分割部分 3c 分割部分 3d 分割部分 4 ライナー受け 4a 貫通孔 4b 貫通孔 4c 貫通孔 5 溝 6 ボルト 7 固定部材 8 ボルト 9 ボルト 10 ネジ孔 11 ボルト 30 ネジ孔 40 貫通孔 S 成形空間(最大時) S 成形空間(最小時)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイル等を成形するための枠型であっ
    て、枠体と、成形空間に臨んで枠体の内側へ配置され且
    つ該枠体の内壁面に対して垂直に進退移動可能なライナ
    ーと、ライナーを枠体に固定する固定手段とから成り、
    少なくとも対向する一組のライナーが複数の分割部分で
    構成され、当該分割部分のうちの一部が幅寸法の異なる
    ものと交換可能であると共に残りの分割部分がその表面
    と平行な方向へ移動可能であることを特徴とする可変枠
    型。
JP4152193U 1993-06-18 1993-06-18 可変枠型 Expired - Lifetime JP2580783Y2 (ja)

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JP4152193U JP2580783Y2 (ja) 1993-06-18 1993-06-18 可変枠型

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JP4152193U JP2580783Y2 (ja) 1993-06-18 1993-06-18 可変枠型

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JPH074006U JPH074006U (ja) 1995-01-20
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