JP2580299B2 - 含フッ素エラストマー - Google Patents

含フッ素エラストマー

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JP2580299B2 JP63315040A JP31504088A JP2580299B2 JP 2580299 B2 JP2580299 B2 JP 2580299B2 JP 63315040 A JP63315040 A JP 63315040A JP 31504088 A JP31504088 A JP 31504088A JP 2580299 B2 JP2580299 B2 JP 2580299B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は新規な含フッ素エラストマー、さらに詳しく
は、良好な耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性を有する上、加
硫物物性及び加工性、特に押出成形性にも優れた含フッ
素エラストマーに関するものである。
従来の技術 一般に、含フッ素エラストマーは、耐熱性、耐溶剤
性、耐薬品性などの物性が優れているため、過酷な条件
のもとで使用されるパッキン、ガスケットなどのシール
材やダイヤフラムとして広く利用されているが、これら
の用途に供する場合には、さらに、引張強度、伸度など
の機械特性や、耐圧縮永久歪、耐屈曲性などの動特性が
優れていることはもちろんのこと、ロール加工性や押出
成形性などの加工性に優れていることが要求される。
しかしながら、含フッ素エラストマーは、一般に加工
が極めて困難であるという欠点を有しており、これま
で、この問題を解決するために種々の提案がなされてき
た。低えば低分子量重合体と高分子量重合体を含有する
分子量分布の広いビニリデンフルオリド系供重合体を、
連鎖移動剤を周期的に添加する連続乳化重合法によって
製造する方法(特公昭51−24554号公報)、バイモダル
分子量分布のビニリデンフルオリド系供重合体を、カス
ケード式の2槽連続乳化重合法によって製造する方法
(特公昭51−25279号公報)などが開示されている。
しかしながら、このような連続製造法によって得られ
た含フッ素エラストマーは、分子量分布が著しく広くな
りすぎ、超高分子量重合体の含有量が多いために、押出
成形時のダイスウエルが大きい上、分子量が極めて低い
重合体も含有しているので、引張強度などの加硫物物性
面においても必ずしも満足しうるものではない。
一般に、含フッ素エラストマーの押出成形性は良好で
はなく、この押出成形性を改善する方法として、低分子
量重合体の含有量を増やす方法が考えられるが、低分子
量重合体を増やすと、加硫性が低下して、加硫物の機械
特性が劣化するとともに、粘着性が大きくなるなどの問
題が生じる。この低分子量重合体を減らしていけば、前
記問題点は解決されるが、押出速度、押出肌などの押出
成形性が低下する。また、これまでの含フッ素エラスト
マーにおいては、通常超高分子量重合体が多く含まれて
いるため、押出成形時のダイスウエルも大きいという問
題があった。
このように、押出成形性などの加工性、加硫性及び機
械特性などの加硫物物性を同時に十分に満足させうる含
フッ素エラストマーは、まだ見い出されていないのが現
状である。
発明が解決しようとする課題 本発明は、このような従来の含フッ素エラストマーが
含有する欠点を克服し、従来品に匹敵する加硫性及び加
硫物物性を有するとともに加工性、特に押出成形性に優
れた含フッ素エラストマーを提供することを目的として
なされたものである。
課題を解決するための手段 本発明者らは、加工性、加硫性及び加硫物物性のバラ
ンスに優れた含フッ素エラストマーを開発するために鋭
意研究を重ねた結果、特定の組成と特定の極限粘度数、
重量平均分子量と数平均分子量との比を有し、かつ特異
的な分子量分布をもつ含フッ素エラストマーにより、前
記目的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて
本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ビニリデンフルオリド単位とヘ
キサフルオロプロピレン単位と、所望に応じさらに全量
に基づき35重量%を超えない割合のテトラフルオロエチ
レン単位とから成る含フッ素エラストマーにおいて、 (イ) ビニリンデンフルオリド単位とヘキサフルオロ
プロピレン単位との重量比が40:60ないし80:20であるこ
と、 (ロ) 分子量分布が2つ以上のピークから形成される
多ピーク型であること、 (ハ) 重量平均分子量(w)と数平均分子量(
n)との比w/nが8〜20であること、 (ニ) 極限粘度数が50〜150ml/gであること、 (ホ) 分子量200万以上の高分子重合体量が4重量%
未満であること、及び (ヘ) 分子量5万以下の低分子量重合体量M5(重量
%)と極限粘度数[η](ml/g)との比M5/[η]が0.3
0〜0.70であること を特徴とする含フッ素エラストマーを提供するものであ
る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の含フッ素エラストマーは、ビニリデンフルオ
リド単位(以下、VdF単位と称す)及びヘキサフルオロ
プロピレン単位(以下、HFP単位と称す)65〜100重量%
と場合によりテトラフルオロエチレン単位(以下、TFE
単位と称す)35重量%以下とを含有し、かつVdF単位とH
FP単位との重量比が40:60ないし80:20の範囲にあること
が必要である。該TFE単位の含有量が35重量%を超える
と得られる供重合体がエラストマーとしての性質を失
い、樹脂状となり、本発明の目的が達成されない。また
該VdF単位の割合が、VdF単位とHFP単位との合計量に対
し、40重量%未満では重合が困難であって、所望の含フ
ッ素エラストマーが得られにくいし、80重量%を超える
と得られる共重合体はエラストマーとしての性質が失わ
れ樹脂状となり、本発明の目的が達成されない。
本発明の目的を達成するための好ましいポリマー組成
は、二次系重合体では、VdF単位とHFP単位との重量比が
40:60ないし75:25、さらに好ましくは50:50ないし70:30
の範囲で選ばれる。一方、三元系共重合体では、VdF単
位とHFP単位との合計量が65〜95重量%の範囲にあり、
かつTFE単位の量が35〜5重量%の範囲にあることが望
ましく、また、VdF単位とHFP単位との重量比が50:50な
いし80:20の範囲にあるのがよい。
本発明の含フッ素エラストマーにおいては、その分子
量分布は、図に例示しているように、2つの以上ピーク
から形成される多ピーク型であることが必要である。こ
の分子量分布が単一ピーク型である含フッ素エラストマ
ーでは、低分子量重合体と高分子量重合体との量比のコ
ントロールが極めて困難であって、本発明の目的である
良好な押出成形性が得られにくい。また、この分子量分
布は、大半が5万以下の分子量から成る低分子量ピーク
と、5万以上の分子量から成る高分子量ピークとから構
成されている。該低分子量サイドの重合体は流動性を改
善するのに必要であるし、一方、高分子量サイドの重合
体は機械的強度を維持するために必要である。
本発明の含フッ素エラストマーにおいては、重量平均
分子量(w)と数平均分子量(n)との比w/n
が8〜20の範囲にあることが必要である。このw/n
が8未満では分子量分布の広がりが小さく、押出速度や
押出肌などの押出成形性が劣るし、20を超えると超高分
子量重合体と極低分子量重合体が増加するので、押出成
形時のダイスウエルが悪くなる傾向となる。好ましい
w/nは10〜17の範囲で選ばれる。
また、分子量の指標となる極限粘度数[η]は50〜15
0ml/gの範囲にあることが必要である。この極限粘度数
が50ml/g未満ではロール混練時の粘着性が大きくなるお
それがあるし、150ml/gを超えると分子量が大きすぎ
て、流動性が低下し、良好な押出成形ができにくくな
る。押出成形用としての極限粘度数は、80〜120ml/gの
範囲が好ましく、一方射出成形用としては50〜80ml/gの
範囲が好ましい。
さらに、低分子量ピークに属する分子量5万以下の低
分子量重合体量M5(重量%)と極限粘度数[η](ml/
g)との比M5/[η]は0.30〜0.70の範囲にあることが必
要である。このM5及び[η]は、たがいに影響しあって
押出成形性を左右しており、M5が大きくなると押出速度
や押出肌が改善される傾向があり、一方[η]が大きく
なると押出速度及び押出肌ともに劣化する傾向がある。
したがって、良好な押出成形性を有するためには、M5/
[η]の値は前記範囲にあることが必要である。このM5
/[η]が0.30未満では押出しが困難となり、押出速度
や押出肌が著しく劣化するし、0.70を超えるとグリーン
強度が低下し、押出成形時に変化しやすい上、加硫物の
機械的強度が低下するおそれがあり、また、低分子量重
合体が多すぎるため、溶剤などへの低分子量重合体の溶
出が起こりやすい。好ましいM5/[η]は0.35〜0.60の
範囲で選ばれる。
一方、分子量200万以上の高分子量重合体量M200は4
重量%未満であることが必要である。このM200は押出成
形時のダイスウエルと密接な関係があり、該M200が4重
量%以上ではダイスウエルが大きくなる。好ましいM200
は3重量%以下である。このように、本発明の含フッ素
エラストマーは、分子量分布を表わすw/nが8〜20
と比較的大きいにもかかわらず、M200が極めて小さいこ
とが特徴であり、このためダイスウエルが小さい値とな
っている。
本発明の含フッ素エラストマーは、例えばそれぞれ別
個に製造された高分子量重合体と低分子量重合体とをブ
レンドすることによっても製造することができるが、一
般的でない懸濁重合法によって製造するのが有利であ
る。これは、懸濁重合法によると分子量分布の狭いピー
クのポリマーが得られやすく、多段階の重合を組み合わ
せることにより、比較的シャープな分子量分布の多ピー
ク型が得られやすいためである。
このように、懸濁重合法は、本発明のような超高分子
量重合体の含有量が少なく、かつ多ピーク型のポリマー
を得るのに適している。このような多ピーク型のもの
は、重合過程において、重合圧力を変更する方法、触媒
を追添する方法、連鎖移動剤を添加する方法などによっ
て得ることができるが、これらの中で、重合過程におい
て連鎖移動剤を添加する方法は、分子量分布のコントロ
ールが容易であるので好ましい。
この連鎖移動剤による方法においては、例えばバッチ
重合の場合には、連鎖移動剤を全く用いないか、又は重
合初期に少量添加して重合を行い、高分子量重合体を形
成させて、所定量のポリマーを生成させたのち、連鎖移
動剤を多量に添加することにより、低分子量重合体を形
成させる方法を用いることができる。
該連鎖移動剤としては、低級アルコール類やハロゲン
化合物など、従来公知のものを用いることができるが、
特に連鎖移動能力が大きいことから、ジヨードメタンや
ジヨードエタンなどのヨウ素化合物、ジブロモメタンや
ジブロモエタンなどの臭素化合物が好ましく、特にジヨ
ードメタンなどのヨウ素化合物が好適である。
次に、本発明の含フッ素エラストマーを製造するため
の懸濁重合法の好適な1例について説明すると、まず、
所定の混合モノマー(仕込モノマー)を溶存した不活性
有機溶媒を水媒体中に分散させ、さらに懸濁安定剤、油
溶性触媒を添加し、機械的にかきまぜながら温度を好ま
しくは50〜60℃に保ち、圧力が好ましくは5〜17kg/cm2
・Gの範囲で一定となるように新たな前記混合モノマー
(追添モノマー)を添加して重合を進める。生成する含
フッ素エラストマー中のモノマー単位の組成は仕込みモ
ノマー組成と追添モノマー組成との関係によって決定さ
れる。なお、仕込みモノマー組成及び追添モノマー組成
はガスクロマトグラフにより、含フッ素エラストマー中
のモノマー単位の組成は、該エラストマーをアセトン溶
解後、19F−NMRによって測定する。また、重合の途中
で、前記連鎖移動剤を添加することにより、分子量分布
の調整を行う。
この懸濁重合法において用いられる不活性有機溶媒と
しては、ラジカル連鎖移動を生じやすい炭素−水素結合
をもたない有機溶媒が用いられるが、1,1,2−トリクロ
ロ−1,2,2−トリフルオロエタンが性能的にも経済的に
も好ましい。懸濁安定剤としてはメチルセルロースが好
ましい。油溶性触媒としては、ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネートなどのジアルキルパーオシジカーボネ
ートが高温の分解温度を有しているので好ましい。
本発明の含フッ素エラストマーはポリアミン化合物、
ポリオール化合物などで加硫可能であり、特にポリオー
ル加硫した場合、本発明の含フッ素エラストマーの改善
された性能が著しく発揮される。
以下、ポリオール加硫法を例として説明する。
含フッ素エラストマーに酸結合剤、ポリオール化合
物、加硫促進剤及び必要に応じて充てん剤を配合して混
練、押出成形後、加熱して加硫する。
酸結合剤としては、二価の金属酸化物又は水酸化物、
例えばマグネシウム、カルシウム、亜鉛、鉛などの酸化
物又は水酸化物が用いられ、その使用料は、エラストマ
ー100重量部当り1〜30重量部、好ましくは2〜20重量
部の範囲で選ばれる。
ポリオール化合物としてはヒドロキノン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール
A)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフル
オロプロパン(ビスフェノールAF)、4,4′−ジヒドロ
キシジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ブタンなどが、エラストマー100重量部当り0.1
〜10重量部、好ましくは0.6〜5重量部の割合で用いら
れる。
加硫促進剤としては、第四オニウム塩化合物、第四級
ホスホニウム塩、第四級アンモニウム塩又はイミニウム
塩、例えばテトラメチルアンモニウムクロリド、テトラ
エチルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニ
ウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テ
トラブチルアンモニウムブロミド、ビス(ベンジルジフ
ェニルホスフィン)イミニウムクロリド、テトラブチル
ホスホニウムクロリド、ベンジルトリフェニルホスホニ
ウムクロリド、ベンジルトリオクチルホスホニウムクロ
リドなどが適当であり、エラストマー100重量部当り0.0
5〜2重量部、好ましくは0.1〜1重量部の割合で用いら
れる。充てん剤、補強剤としては、例えばカーボンブラ
ック、シリカ、クレー、タルクなどが必要に応じて用い
られる。本発明の含フッ素エラストマーの多ピーク型分
子量分布の低分子量側のピークの少なくとも1つが、ヨ
ウ素原子や臭素原子を含む連鎖移動剤を用いた重合によ
り形成されていると、ヨウ素原子や臭素原子はラジカル
反応活性が高いので、過酸化物を用いるパーオキシド加
硫も可能となる。さらに、該含フッ素エラストマーには
低分子量重合体が含まれているので、ポリヒドロキシ化
合物を用いるポリオール加硫法、あるいはポリアミン化
合物を用いるポリアミン加硫法に加え、パーオキシド加
硫法も同時に併用することが可能である。このように、
パーオキシド加硫法を併用することにより、加工性の改
善に伴って生じる加硫性低下の問題を解決することがで
きる。このパーオキシド共加硫性は、臭素タイプよりヨ
ウ素タイプの方が高い。
次に、ポリオール加硫法やポリアミン加硫法に併用し
てパーオキシド加硫する場合について説明する。この場
合、ポリオール加硫やポリアミン加硫に用いる加硫用配
合剤に加え、パーオキシド加硫用の配合剤である多官能
性飽和化合物、有機過酸化物及び必要に応じて用いられ
る添加剤をさらに配合混練する。
該多官能性不飽和化合物としては、例えば、トリアリ
ルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリス
(ジアリルアミン)−s−トリアジンなどが有用であ
り、特にトリアリルイソシアヌレートが好ましく用いら
れる。
有機過酸化物としては、熱によって容易にパーオキシ
ラジカルを発生するものが好ましく、例えば、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−
3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)
ヘキサンなどのジアルキルパーオキシドが好適である。
また、添加剤としては、補強剤としてのカーボンブラ
ック、シリカ、クレー、タルクなどを加工助剤としての
ワックス類などをそれぞれ挙げることができる。
前記の含フッ素エラストマーと各種配合剤との混合物
は、ロールやバンバリミキサーなどで混練後、金型に入
れ加圧して一次加硫を行い、次いで二次加硫を行う。
なお、本発明の含フッ素エラストマーの極限粘度数及
びM5、M200の算出基準となる分子量分布は、以下の条件
で測定して得られた数値がベースとなっている。
極限粘度:メチルエチルケトンを溶媒とする0.1g/100ml
の濃度溶液を毛細管粘度計を用いて35℃で測定する。
分子量分布:液体クロマトグラフ:LC−3A型(島津製作
所(株)製) カ ラ ム:KF−80M(2本)+KF−800P(プレカラム)
(昭和電工(株)製) 検 出 器:ERC−7510S(エルマ光学(株)製) インテグレーター:7000A(システムインスツルメンツ社
製) 展開溶媒:テトラヒドロフラン 濃 度:0.1重量% 温 度:35℃ 分子量検量線用標準ポリマー:単分散ポリスチレン各種
(東洋曹達(株)製)(w/n=1.2(max)) 発明の効果 本発明の含フッ素エラストマーは、超高分子量重合体
量を増加させることなく、分子量分布を広くした特徴を
有しており、従来押出成形性を改善するために分子量分
布を広げると、必然的に悪くなっていた押出成形時のダ
イスウエルを改善しうるとともに、押出速度や押出肌も
優れている。
また、ヨウ素や臭素を含有する本発明の含フッ素エラ
ストマーは、パーオキシド加硫を併用することにより、
加硫速度を速めることが可能であり、射出成形用として
も優れた特性を有している。
このように、本発明の含フッ素エラストマーは、従来
の含フッ素エラストマーに匹敵する加硫性及び加硫物物
性を有するとともに、加工性、特に押出速度、押出肌、
ダイスウエルなどの押出成形性にも優れているので、押
出機を用いて連続的に加工する含フッ素エラストマー製
品の材料として特に好適に用いられる。また、射出成形
用、カレンダー成形用、圧縮成形用などの成形材料とし
ても用いることができる。
実施例 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明は、これらの例によってなんら限定されるも
のではない。
なお、本発明において、含フッ素エラストマーのポリ
オール加硫条件として下記のものを選んだ。
含フッ素エラストマー:100重量部 高活性酸化マグネシウム:3重量部 水酸化カルシウム:6重量部 ビスフェノールAF:2重量部 ビス(ベンジルジフェニルホスフイン)イミニウムクロ
リド:0.375重量部 メディアムサーマルカーボン:20重量部 ジメチルスルホン:2重量部 混練方法:ロール 一次熱プレス加硫:160℃、45分間 まだポリオール加硫物の加硫物物性は、厚さ2mmの加
硫シートより3号ダンベル型試験片を打抜き、JIS−K63
01に準じて引張試験機(オリエンテック(株)製)を用
い、引張速度50cm/分で測定した。硬度は、JIS−K6301
に準じて、スプリング式硬さ試験A形で測定した。
押出試験は、ブラベンダー社製エクストルーダー10DW
型(D=19.1mm,L/D=10)を用い、チューブダイ(外径
9mm,内径8mm)のダイスを用い、スクリュー温度60℃、
ヘッド温度100℃、スクリュー回転数50rpmの条件下で行
った。
押出肌は、目視で表面肌のきめの細かさをみて5段階
(優れている順に5から1まで)で示した。押出速度
は、単位時間当りの吐出長さより、ダイスウエルは、チ
ューブ外径、厚みより算出した。
実施例1 電磁誘導式かきまぜ機を備えた内容積約15のオート
クレーブを窒素ガスで十分に掃気し、減圧−窒素充てん
を3回繰り返して、窒素置換したのち、減圧状態で脱酸
素した純水5.44kg、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフ
ルオロエタン(以下フロン113という)1.07kg及び懸濁
安定剤としてのメチルセルロース(粘度50cp)5.4gを仕
込み、600rpmでかきまぜながら、温度50℃に保った。次
いでVdF単位14.5重量%、HFP単位79.1重量%、及びTFE
単位6.4重量%から成る混合モノマーを仕込ガスとし
て、15kg/cm2・Gとなるまで仕込んだ。次に触媒とし
て、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート20.1重量
%を含有したフロン113溶液26.5gを仕込み重合を開始さ
せた。重合により圧力が14.5kg/cm2・Gまで低下したら
VdF単位43.5重量%、HFP単位29.5重量%、TFE単位27.0
重量%から成る混合モノマーを追添ガスとして追添し、
再び圧力を15kg/cm2・Gに戻した。このような操作を繰
り返し重合反応を行った。
重合開始後、5時間経過した時点で、ジヨードメタン
43gを添加し、同様に圧力14.5〜15.0kg/cm2・Gで重合
反応をさらに7時間続け、全体で12時間重合反応を行っ
た。重合反応終了後、残存する混合モノマーを掃気し、
得られた懸濁液を遠心分離機で脱水し、十分水洗したの
ち、100℃で真空乾燥してエラストマー約2.8kgを得た。
得られた含フッ素エラストマーを19F−NMRにより分析し
たところ、VdF単位43.5重量%、HFP単位30.3重量%、TF
E単位26.2重量%であった。
このエラストマーの[η]は89ml/g、分子量分布のチ
ャートの形状は図に示すように3山型であり、nは2.
4×104、w/nは12.9、M5は41.9重量%、M200は1.5
重量%、M5/[η]は0.47であった。
該含フッ素エラストマーは、押出試験により極めて優
れた結果が得られた。その結果を第2表に示す。また、
該含フッ素エラストマーを標準条件によりポリオール加
硫したところ良好な機械物性が得られた。その結果もあ
わせて第2表に示す。
実施例2〜4、比較例1〜3 第1表に示す重合条件で重合を行った以外は、実施例
1と同様に実施した。得られたエラストマーのポリマー
特性、押出特性、加硫物物性を第2表に示す。
比較例4 比較例として市販の押出加工に適した含フッ素エラス
トマーの押出試験の結果を第2表に示す。なお、ポリオ
ール加硫の条件は以下のようにした。
含フッ素エラストマー(ダイエル G−555):100重量
部 高活性酸化マグネシウム:3重量部 水酸化カルシウム:6重量部 メディアムサーマルカーボン:20重量部 上記配合以外は、実施例のポリオール加硫標準条件と
同様に実施した。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の含フッ素エラストマーの1例の分子量分布
を示すGPCチャートである。
フロントページの続き (72)発明者 斉藤 廣 神奈川県川崎市川崎区夜光1丁目3番1 号 旭化成工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−32139(JP,A) 特開 昭52−84271(JP,A) 特開 昭53−9848(JP,A) 特開 昭60−221409(JP,A) 特公 昭51−8432(JP,B1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビニリデンフルオリド単位とヘキサフルオ
    ロプロピレン単位とから成る含フッ素エラストマーにお
    いて、 (イ) ビニリデンフルオリド単位とヘキサフルオロプ
    ロピレン単位との重量比が40:60ないし80:20であるこ
    と、 (ロ) 分子量分布が2つ以上のピークから形成される
    多ピーク型であること、 (ハ) 重量平均分子量(w)と数平均分子量(
    n)との比w/nが8〜20であること、 (ニ) 極限粘度数が50〜150ml/gであること、 (ホ) 分子量200万以上の高分子重合体量が4重量%
    未満であること、及び (ヘ) 分子量5万以下の低分子量重合体量M5(重量
    %)と極限粘度数[η](ml/g)との比M5/[η]が0.3
    0〜0.70であること を特徴とする含フッ素エラストマー。
  2. 【請求項2】ビニリデンフルオリド単位とヘキサフルオ
    ロプロピレン単位及び全量に基づき35重量%を超えない
    割合のテトラフルオロエチレン単位から成る含フッ素エ
    ラストマーにおいて、 (イ) ビニリデンフルオリド単位とヘキサフルオロプ
    ロピレン単位との重量比が40:60ないし80:20であるこ
    と、 (ロ) 分子量分布が2つ以上のピークから形成される
    多ピーク型であること、 (ハ) 重量平均分子量(w)と数平均分子量(
    n)との比w/nが8〜20であること、 (ニ) 極限粘度数が50〜150ml/gであること、 (ホ) 分子量200万以上の高分子重合体量が4重量%
    未満であること、及び (ヘ) 分子量5万以下の低分子量重合体量M5(重量
    %)と極限粘度数[η](ml/g)との比M5/[η]が0.3
    0〜0.70であること を特徴とする含フッ素エラストマー。
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