JP2580199B2

JP2580199B2 - 吹付施工用耐化物

Info

Publication number: JP2580199B2
Application number: JP62258689A
Authority: JP
Inventors: 春雄三井; 正成清水; 敏彦近藤; 紀男三木
Original assignee: Kawasaki Refractories Co Ltd
Current assignee: JFE Refractories Corp
Priority date: 1987-10-14
Filing date: 1987-10-14
Publication date: 1997-02-12
Anticipated expiration: 2012-02-12
Also published as: JPH01100070A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この発明は吹付施工用耐火物、特に高炉炉口内張りの
吹付施工用耐火物に関するものである。

〔従来技術とその問題点〕

高炉では、炉口部から鉄鉱石とコークスを投入するた
め、炉口部の内張りが摩耗により損傷される。高炉炉口
部の内張り材としては、従来、耐摩耗性に優れた耐火れ
んがが使用されており、炉口部を補修する場合には、炉
内に入ってれんが積み作業をしていた。このため、高炉
の操業を休止する休風時間を長時間必要し、また、作業
員が炉内に入ることは、作業環境上好ましくない。

このため、吹付装置を炉内に挿入して、不定形耐火物
を吹付施工することによって補修が行われるようになっ
てきた。この吹付施工は、乾式または若干湿潤させた材
料を空気圧送し、ノズル内で水を添加し、壁面に材料を
付着させる方法が用いられる。

しかし、吹付施工された材料は、れんがに比べて気孔
率が高く、耐摩耗性に劣るのが通例であり、このため、
吹付施工による補修によってれんがと同等、またはそれ
以上の耐用日数を得るのが困難となっている。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明は、上記従来の事情に鑑みて提案されたもの
であって、硬質な骨材を結合材で強固に結合することに
より、耐摩耗性に優れた吹付施工用耐火物を得ることを
目的とする。

上記目的を達成するために、この発明は以下のような
手段を採用している。即ち、優れた耐摩耗性を得るため
に、硬質耐火性骨材をアルミナセメント、シリカ微粉、
アルミナ・シリカ質微粉から成る結合剤で強固に結合さ
せると共に、吹付施工時における良好な付着性、および
作業性を得るために、有機スルホン酸塩、水酸化カルシ
ウム、および膨潤性アクリル重合体を若干量添加するよ
うにしたものである。

上記に於いて、硬質耐火性骨材としては、シャモッ
ト、ばん土頁岩、電融アルミナ、焼結アルミナ等が例示
でき、その使用量は耐火性原料中50〜80重量％であり、
粒度は10mm以下のものを良好な付着性と耐摩耗性が得ら
れるように適宜粒度調整して用いる。

上記の骨材が耐火性原料全量に対して50重量％より少
ないと、従来使用されているれんがよりも耐摩耗性の点
で劣り、80重量％を越えると吹付施工時の付着性が悪く
なり、好ましくない。

結合剤としては、アルミナセメント、シリカ微粉、ア
ルミナ・シリカ質微粉を上記骨材の残部用いる。低温度
域（常温〜500℃）における結合力は、主としてアルミ
ナセメントの水和反応によって得られるが、この結合力
は500℃を越えると弱くなる。

このため、中間温度域（500〜1000℃）ではシリカ微
粉の焼結力で、高温度域（1000〜1300℃）ではアルミナ
・シリカ質微粉の焼結力で強固な結合力を維持できるよ
うにしている。上記３種の結合剤は、各温度域でほぼ均
等な強度を得るには、アルミナセメント、シリカ微粉、
アルミナ・シリカ質微粉の重量比を3:1:3にするのが好
ましい。

有機有スルホン酸塩は耐火性原料の水に対する濡れ性
を改良し、少ない添加水分で良好な作業性を得る効果、
即ち、減水効果を得るために添加する。その添加量は耐
火性原料全量に対して0.1〜0.5重量％が好ましい。0.1
重量％より少ないと減水効果がほとんど無く、適性な作
業性を得るためには多量の水を添加しなければならな
い。その結果、施工体に水抜けにより気孔が多くなり、
耐摩耗性が悪くなる。0.5重量％を越えると泡立ち現象
が見られ、その結果、施工体中に気泡が残留し、施工体
の気孔が多くなる。したがって、これによっても耐摩耗
性が悪くなる。

水酸化カルシウムはアルミナセメントの硬化時間を短
くする作用を持ち、耐火性原料全量に対して0.1〜0.5重
量％添加するのが好ましい。0.1重量％より少ないと硬
化時間を短くする効果がほとんど無く、垂直な壁面に吹
付施工する場合、材料が流落する。0.5重量％を越える
と硬化時間が短くなり過ぎ、吹付ノズル内で硬化し、ノ
ズル詰まりを起こす。

膨潤性アクリル重合体は、加水幅を広くする作用であ
る。ここで加水幅とは、吹付ノズル中で添加する水の量
が少ないと吹付けた材料が付着することなく、はね返っ
てしまい、多いと付着した材料が流落する。この水の添
加量の許容範囲を加水幅と言う。加水幅を広くするもの
としてはベントナイト等も用いられるが、膨潤性アクリ
ル重合体はベントナイトの20分の１以下の添加量で同等
の効果を有する。耐摩耗性を向上させるためには、これ
ら添加物の添加量が少ないほうが好ましく、したがっ
て、膨潤性アクリル重合体を用いるほうが好ましい。膨
潤性アクリル重合体は極めて少ない量で、強度の低下や
気孔率の増大を招くことなく加水幅を広くすることが出
来る。そして、加水幅が広くなると材料を吹付けた際に
良好な状態で付着するため、得られた施工体は強度が向
上し、気孔率も小さくなって、耐摩耗性に優れたものと
なる。さらに、ベントナイトでは発じん防止の効果はな
いが、膨潤性アクリル重合体は発じん防止の効果があ
る。膨潤性アクリル重合体の添加量は耐火性原料全量に
対して0.005〜0.02重量％が好ましい。0.005重量％より
少ないと加水幅はほとんど広がらない。0.02重量％を越
えると耐摩耗性が悪くなる。

この発明は上記した各成分を所定量配合し、乾式、ま
たは若干湿潤させた状態で空気圧送し、吹付ノズル中に
て、耐火性原料の５〜10重量％の水を添加する方法で施
工される。これによって、従来使用しているれんがより
も優れた耐摩耗性を有する施工体を得ることができる。

〔実施例〕

以上の記述に基づいて、各成分を第１実施例欄に示す
如くに配合し、更に比較のために、従来の吹付材料に係
る配合を比較例に、ベントナイトおよび膨潤性アクリ
ル重合体を添加しない材料に係る配合を比較例に、ベ
ントナイトを添加した材料に係る配合を比較例に示す
如くに配合し、吹付テストを行い、その試料について物
性および耐摩耗試験を行った。その結果を第２表に示
す。また、第２表には比較例として従来使用している耐
摩耗性のれんがの物性および耐摩耗試験結果も示す。

ASTM耐摩耗試験は定圧、定距離から、炭化珪素砥粒を
定量吹付け、そのときの摩耗された試料の体積を測定す
る方法であり、摩耗量が少ないほうが耐摩耗性に優れて
いる。

第２表の比較例に示す従来の吹付材は、従来使用し
ている耐摩耗性れんがよりも耐摩耗性が劣る。しかし、
本発明品、比較例およびは、耐摩耗性れんがに比べ
て耐摩耗性が同等、またはそれ以上であり、実施例はか
なり優れている。

比較例はベントナイトおよび膨潤性アクリル重合体
が添加されていないため、加水幅が狭く、水の適性な添
加量の調整が困難である。このため、ノズルから材料が
吐出する時に脈動が有り、付着率も低下した。

比較例はベントナイトを添加することにより、加水
幅を広くし、付着率も向上させた。しかし、発じんが多
く、作業環境上好ましくない。

実施例では、ベントナイトの代わりに膨潤性アクリル
重合体を用いることにより、加水幅を広くし、発じんも
少なくさせた。また、比較例に比べて耐摩耗性が優れ
たものとなった。

〔発明の効果〕

以上のように本発明は従来の吹付材のよる吹付施工体
に比較して耐摩耗性に優れていることはもとより、耐摩
耗性れんがよりも優れた耐摩耗性を有することとなりそ
の結果として、高炉炉口部の耐用日数が伸び、製鉄生産
の費用が削減できる。さらに、吹付施工による補修で
は、従来のれんが補修のように人が高炉内に入ることな
く補修できるので作業環境上の好ましい。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】硬質耐火性骨材を50〜80重量％、残部に結
合剤としてアルミナセメント、シリカ微粉、アルミナ・
シリカ質微粉を用いた耐火性原料の全量に対し、有機ス
ルホン酸塩を0.1〜0.5重量％、水酸化カルシウムを0.1
〜0.5重量％、膨潤性アクリル重合体を0.005〜0.02重量
％添加することを特徴とする吹付施工用耐火物。