JP2579427B2 - 表示装置及び表示装置の駆動方法 - Google Patents

表示装置及び表示装置の駆動方法

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JP2579427B2 JP28147693A JP28147693A JP2579427B2 JP 2579427 B2 JP2579427 B2 JP 2579427B2 JP 28147693 A JP28147693 A JP 28147693A JP 28147693 A JP28147693 A JP 28147693A JP 2579427 B2 JP2579427 B2 JP 2579427B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表示装置及び表示装置の
駆動方法に係り、特に、複数本の駆動用配線に電圧が印
加されることによって画像を表示する表示装置、及び該
表示装置を駆動するための表示装置の駆動方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置において
文字や図形等の画像を表示するための表示装置として液
晶ディスプレイが知られている。液晶ディスプレイには
種々の構造のものがあるが、近年では、画素の濃度を確
実に制御することができ、動きの速い動画の表示にも適
した薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transisto
r)等を用いたアクティブマトリクス駆動の液晶ディス
プレイが広範に用いられている。
【0003】例えばTFT液晶ディスプレイでは、対向
配置された一対のガラス等の透明基板の一方の対向面上
に多数本のデータ線及び多数本のゲート線が互いに交差
するように配置され、データ線とゲート線とが交差する
位置に各々TFTが設けられている。また、他方の透明
基板の対向面上には電極が形成されており、更に一対の
透明基板の間には液晶が封入されている。TFT液晶デ
ィスプレイにおける画像の表示は、ゲート線に電圧を印
加して多数のトランジスタを順次オンさせると共に、デ
ータ線に表示画像に対応する電圧を印加することによっ
て行われる。
【0004】ところで、液晶ディスプレイはデータ線、
ゲート線及び電極が相互に絶縁されているので、製造過
程において、例えばクリーンルーム内での工程中にクリ
ーンルーム内を流れる風との摩擦により帯電する、等の
ように静電気が帯電し易い。この静電気がTFT等のス
イッチング素子に高電圧として加わったり、液晶ディス
プレイが全体的に帯電している状態で検査工程において
プローブを接触させた等の場合に外部への放電により瞬
間的に大電流が流れることにより、スイッチング素子の
劣化や破壊が発生することがあり、液晶ディスプレイの
製造の歩留りを低下させる原因となっていた。
【0005】これを解決するために、透明基板上のスイ
ッチング素子が設けられた領域の外周部分に短絡線(以
下、外部短絡線という)を形成し、この外部短絡線にデ
ータ線及びゲート線を接続しておき、液晶ディスプレイ
製造の最終段階で透明基板の外部短絡線が形成された部
分を切り落とすことが提案されている。上記では、外部
短絡線の形成部分を切り落とす前の段階では、スイッチ
ング素子に高電圧が加わることを防止することができる
が、外部短絡線の形成部分を切り落とした後に、液晶デ
ィスプレイを装置に組付け液晶ディスプレイを駆動する
ドライバ等を接続するまでの間に、静電気によるスイッ
チング素子の劣化や破壊が生ずる可能性があり、静電気
対策としては充分なものではなかった。
【0006】また、特開昭63-85586号公報、特開平3-13
4628号公報等には、透明基板上のスイッチング素子が設
けられた領域の外周部分に、前述のような切り落としを
前提としない短絡線(以下、内部短絡線という)を形成
すると共に、液晶ディスプレイを駆動する際の内部短絡
線による悪影響を避けるために、前記内部短絡線とデー
タ線及びゲート線とを抵抗等の連結素子を介して接続す
ることが提案されている。
【0007】しかしながら、上記では液晶ディスプレイ
に画像を表示させるためにデータ線、ゲート線に電圧を
印加すると、連結素子としての抵抗を電流が流れること
によって抵抗が電力を消費するので、液晶ディスプレイ
全体としての消費電力が大きくなるという問題があっ
た。
【0008】一例として、 640画素× 480画素でカラー
画像を表示可能な液晶ディスプレイでは、データ線が19
20本、ゲート線が 480本設けられているが、この液晶デ
ィスプレイに対し、図7に示すようにデータ線及びゲー
ト線と内部短絡線とを連結素子としての 200KΩの抵抗
で各々接続し、表示画像に応じて5〜15Vの電圧をデー
タ線に印加すると共に、オンさせるゲート線に+30V、
その他のゲート線に0Vの電圧を印加して画像を表示さ
せるものとすると、データ線及びゲート線に印加する電
圧の平均値は各々約+10V、約0Vとなる。また、デー
タ線に接続された抵抗の合成抵抗は 200KΩの抵抗が19
20個並列に接続されているので約 100Ω、ゲート線に接
続された抵抗の合成抵抗は 300KΩの抵抗が 280個並列
に接続されているので約 400Ωとなる。従って図7に示
すような等価回路となり、全ての抵抗による消費電力P
は、 消費電力P≒V2 ÷R=(10V)2÷ 500Ω≒ 0.2W となる。従って上記では液晶ディスプレイ本体の消費電
力に消費電力P(≒ 0.2W)が加わることになる。
【0009】特に携帯性を考慮しバッテリによる作動が
可能とされたポータブルコンピュータ等の電子機器で
は、消費電力を低減することは重要な課題であり、この
ような電子機器に搭載される液晶ディスプレイに対して
は、特に低消費電力であることが要求される。ポータブ
ルコンピュータ等の電子機器に搭載される液晶ディスプ
レイ本体の消費電力は 0.6W程度であり、液晶ディスプ
レイを駆動するドライバ等の消費電力は 0.9W程度であ
るので、前述の抵抗による消費電力Pは液晶ディスプレ
イ本体の消費電力に対し非常に大きな値である。また、
消費電力Pを低減するために前述の抵抗の電気抵抗値を
高くすると、静電気対策としての効果が低下する。
【0010】また特開平3-134628号公報には、前記連結
素子として、70〜80Vの高い電圧に対して数KΩ程度の
低い抵抗となるダイオード等の非線型素子を用いること
も記載されているが、いずれにしても連結素子で電力を
消費するので、消費電力を充分に低減することはできな
い。
【0011】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、静電気による破壊等を防止することができ、かつ消
費電力を低減することが可能な表示装置を得ることが目
的である。
【0012】また本発明は、表示装置を低消費電力で駆
動することができる表示装置の駆動方法を得ることが目
的である。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明に係る表示装置は、複数本の駆動
用配線を備え、前記駆動用配線の各々に電圧が印加され
ることにより画像を表示する表示装置であって、インピ
ーダンス素子によって複数の部分に分割された短絡線
と、複数本の駆動用配線の各々と前記短絡線の分割され
た部分との間に接続され駆動用配線と短絡線の分割され
た部分との電位差に応じてオンオフするスイッチング手
段と、前記短絡線の分割された複数の部分に前記スイッ
チング手段をオフさせる電圧を各々印加する電圧印加手
段と、を設けたことを特徴としている。
【0014】請求項2記載の発明に係る表示装置の駆動
方法は、複数本の駆動用配線と、インピーダンス素子に
よって複数の部分に分割された短絡線と、複数本の駆動
用配線の各々と前記短絡線の分割された部分との間に接
続され駆動用配線と短絡線の分割された部分との電位差
に応じてオンオフするスイッチング手段と、を備えた表
示装置の、前記短絡線の分割された複数の部分に前記ス
イッチング手段をオフさせる電圧を各々印加すると共
に、前記複数の駆動用配線の各々に電圧を印加して画像
を表示させる。
【0015】
【作用】請求項1記載の発明では、駆動用配線と短絡線
との電位差に応じてオンオフするスイッチング手段を、
複数本の駆動用配線の各々と短絡線との間に接続してい
る。なお、スイッチング手段は例えばトランジスタ等の
スイッチング素子を含んで構成することができる。これ
により、例えば表示装置の製造過程で表示装置が帯電
し、特定の駆動用配線の電位が高くなったとしても、ス
イッチング手段によって前記特定の駆動用配線と短絡線
との間がオン(導通)されるので、静電気によって前記
特定の駆動用配線に接続された素子等に劣化や破壊等が
生ずることが防止される。
【0016】ところで、表示装置に画像を表示するため
に駆動用配線に印加される電圧は一定ではなく、例えば
駆動用配線の種類毎に印加される電圧の大きさが異なっ
ていることが多い。例えばアクティブマトリクス駆動の
液晶ディスプレイでは、駆動用配線としてデータ線とゲ
ート線の2種類が各々複数本設けられており、印加され
る電圧の大きさは各々異なっている。このため本発明で
は、短絡線をインピーダンス素子によって複数の部分に
分割している。インピーダンス素子を設けることによ
り、インピーダンス素子によって分割された短絡線の複
数の部分に電圧印加手段によって各々異なる大きさの電
圧を印加することが可能となる。
【0017】従って短絡線を、例えば単一の種類の駆動
用配線に接続されたスイッチング手段に接続されている
部分毎にインピーダンス素子によって分割し(例えば前
述の液晶ディスプレイでは、データ線に接続されたスイ
ッチング手段が接続されている部分と、ゲート線に接続
されたスイッチング手段が接続されている部分とに分割
し)、電圧印加手段により各部分に各々スイッチング手
段をオフさせる電圧を印加して、各駆動用配線と短絡線
の分割された部分との間を各々スイッチング手段によっ
てオフさせることができる。なお、各部分に印加する電
圧の大きさは、スイッチング手段を介して各部分に接続
された駆動用配線に印加される電圧の大きさを考慮し、
駆動等配線と短絡線との電位差が、各々スイッチング手
段がオンする大きさにならないように定めればよい。
【0018】このように、各駆動用配線と短絡線との間
がオフした状態では、スイッチング手段で電力が消費さ
れることは殆どない。一方、短絡線の分割された複数の
部分に各々異なる大きさの電圧が印加されると、インピ
ーダンス素子を電流が流れ、インピーダンス素子で電力
が消費されることになるが、このインピーダンス素子に
よる消費電力は極めて小さい。従って、駆動用配線と短
絡線とを抵抗等によって単に接続した場合と比較して、
消費電力を低減することが可能となる。
【0019】請求項2記載の発明では、複数本の駆動用
配線と、インピーダンス素子によって複数の部分に分割
された短絡線と、複数本の駆動用配線の各々と短絡線の
分割された部分との間に接続され駆動用配線と短絡線の
分割された部分との電位差に応じてオンオフするスイッ
チング手段と、を備えた表示装置の、前記短絡線の分割
された複数の部分にスイッチング手段をオフさせる電圧
を各々印加すると共に、駆動用配線に電圧を印加して画
像を表示させる。これにより、請求項1記載の発明と同
様に、スイッチング手段では殆ど電力が消費されず、か
つインピーダンス素子で消費される電力も極めて小さい
ので、表示装置を低消費電力で駆動することができる。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。なお、以下では本発明に支障の無い数値を
用いて説明するが、本発明は以下に挙げた数値に限定さ
れるものではない。
【0021】〔第1実施例〕図1には本第1実施例に係
る液晶ディスプレイ10の断面図が示されている。液晶
ディスプレイ10は、スペーサ12によって所定間隔隔
てて対向配置された一対の透明基板14、16を備えて
おり、透明基板14、16の間には液晶18が封入され
ている。透明基板16の液晶18と接する面には、全面
に電極20が形成されている。また、透明基板14の液
晶18と接する面には、電極22及び薄膜トランジスタ
(TFT)24が各々マトリクス状に配置されており、
更にTFT24を駆動するための回路(図2参照)が設
けられている。
【0022】図2には透明基板14に形成される回路を
示す。透明基板14には図2に破線で示す表示領域26
内に、図2のX方向に沿ってm個、図2のY方向に沿っ
てn個、合計m×n個のTFT24及び電極22が、各
々マトリクス状に設けられている。電極22はTFT2
4のソースに各々接続されている。TFT24のドレイ
ンは、透明基板14上に図2のX方向に沿って所定間隔
毎に設けられ各々図2のY方向に沿って延びるm本のデ
ータ線28a〜28mに接続されている。なおデータ線
28a〜28mは本発明の駆動用配線の一部を構成して
いる。図2における透明基板14の上端から所定距離隔
てた表示領域26外の部位には、図2の矢印X方向に沿
って所定間隔毎に電極30a〜30mが形成されてお
り、データ線28a〜28mの一端はこの電極30a〜
30mに接続されている。
【0023】またTFT24のゲートは、透明基板14
上に図2のY方向に沿って所定間隔毎に設けられ各々図
2のX方向に沿って延びるn本のゲート線32a〜32
nに接続されている。なおゲート線32a〜32nは本
発明の駆動用配線の一部を構成している。図2における
透明基板14の左端から所定距離隔てた表示領域26外
の部位には、図2の矢印Y方向に沿って所定間隔毎に電
極34a〜34nが形成されており、ゲート線32a〜
32nの一端はこの電極34a〜34nに接続されてい
る。
【0024】図2における表示領域26の上端とデータ
線28の電極30a〜30mの列との間には、図2のX
方向に沿って短絡線36が形成されており、図2におけ
る表示領域26の左端とゲート線32の電極34a〜3
4nの列との間には、図2のY方向に沿って短絡線38
が形成されている。短絡線36と短絡線38とは抵抗4
0を介して接続されている。この抵抗40は本発明のイ
ンピーダンス素子に対応しており、短絡線36及び短絡
線38は本発明の短絡線を構成すると共に、短絡線3
6、38は各々インピーダンス素子によって分割される
複数の部分に対応している。短絡線36には電極30a
〜30mの列と並んで設けられた電極42が接続されて
おり、短絡線38には電極34a〜34nの列と並んで
設けられた電極44が接続されている。
【0025】短絡線36は、本発明のスイッチング手段
としてのスイッチング回路46を介してデータ線28a
〜28mに各々接続されている。図3に示すように、ス
イッチング回路46は2個のTFT48、50を備えて
いる。TFT48のゲート及びドレインは短絡線36に
接続されている。TFT48のドレインはTFT50の
ソースに、TFT48のソースはTFT50のドレイン
に各々接続されており、TFT50のゲート及びドレイ
ンはデータ線28に接続されている。なお、本実施例で
はTFT48、50として、ゲートに2V以上の電圧が
印加されるとオンする薄膜トランジスタを用いている。
また短絡線38についても、上述のスイッチング回路4
6と同一の構成のスイッチング回路52を介してゲート
線32a〜32nに各々接続されている。
【0026】また、透明基板14は、後述するように液
晶ディスプレイ10の製造過程の最終段階で、図2に想
像線で示す切断線Lで区画された領域の外周側の領域が
取り除かれる(図4参照)。この最終的には取り除かれ
る領域には、切断線Lで区画された内周側の領域を囲む
ように外部短絡線(外部ショートリング)54と、4個
の電極56A〜56Dが設けられている。電極56A〜
56Dは外部短絡線54に各々接続されている。また、
短絡線36、38の端部は、各々抵抗58、60、62
を介して外部短絡線54に接続されている。
【0027】次に本第1実施例の作用として、まず液晶
ディスプレイ10の製造について説明する。液晶ディス
プレイ10の製造は、透明基板14に図2に示すパター
ン(回路)を、透明基板16に電極20を各々形成し、
更に予め定められた液晶分子の配向方向に応じて透明基
板14、16の表面を処理した後に、図1に示すよう
に、透明基板14、16がスペーサ12を介して所定間
隔隔てて対向するようにしてセルを組立て、セルの周辺
を封着剤によって封着する。次にセルの内部に液晶18
を注入した後に注入孔を封止し、偏光子、反射板、フィ
ルタ等の付属部品の取付けを行い、更に検査工程を経て
液晶ディスプレイ10が完成する。
【0028】上記のような液晶ディスプレイ10の製造
過程において、透明基板14等に静電気が帯電し、透明
基板14の特定のデータ線28やゲート線32の電位が
高くなることがある。例えば特定のデータ線28の電位
が高くなると、スイッチング回路46のTFT50のゲ
ートの電位(データ線28と同電位)とソースの電位
(短絡線36と同電位)との差が所定値(例えば2V)
以上となり、TFT50がオンする。これにより、デー
タ線28からTFT50のドレイン、TFT50のソー
スを通って短絡線36に電流が流れ、データ線28の電
位が低下される。従って、特定のデータ線28の電位が
短絡線36の電位よりも所定値以上高くなることが防止
される。
【0029】また、短絡線36の電位が特定のデータ線
28の電位よりも高くなった場合には、スイッチング回
路46のTFT48のゲートの電位(短絡線36と同電
位)とソースの電位(データ線28と同電位)との差が
所定値以上となり、TFT48がオンする。これによ
り、短絡線36からTFT48のドレイン、TFT48
のソースを通ってデータ線28に電流が流れ、短絡線3
6の電位が低下される。このように、スイッチング回路
46により、データ線28a〜28mと短絡線36とは
ほぼ均一な電位に保たれる。ゲート線32a〜32nと
短絡線38とについても、スイッチング回路52が上記
と同様に動作することによってほぼ均一な電位に保たれ
る。
【0030】また、短絡線36と短絡線38とは抵抗4
0を介して接続されており、更に抵抗58、60、62
を介して外部短絡線54と接続されているので、各短絡
線間に電位差があれば抵抗を介して電流が流れるので、
透明基板14に形成された回路は全体的にほぼ均一な電
位に保たれることになる。従って、回路中の特定の部分
の電位が高くなることによりTFT24に大きな電圧が
加わって、TFT24の劣化や破壊が生ずることはな
い。
【0031】また、液晶ディスプレイ10の製造の多く
の工程はオートメーションで行われるが、各工程ではア
ース電位に保持された導電部材(例えばロボットハンド
等)が透明基板14の電極56A〜56Dに接触され、
この状態で作業が行われるようになっている。従って、
透明基板14が全体的に帯電していた場合にも、各工程
において外部短絡線54及び電極56A〜56Dを介し
て放電されるので、透明基板14に徐々に電荷が蓄積さ
れることによって透明基板14の電位が非常に高くなる
ことが防止される。更に外部短絡線54及び電極56A
〜56Dを介して放電されるときの放電電流の大きさは
抵抗58、60、62によって所定値以下に抑制される
ので、放電時に過電流が流れることによってTFT24
の劣化や破壊が生ずることも防止される。
【0032】一方、液晶ディスプレイ10は製造過程の
最終段階で、透明基板14が切断線Lに沿って切断さ
れ、外部短絡線54、抵抗58、60、62が形成され
た部位が除去される(図4参照)。これにより、電極3
0a〜30m、電極34a〜34n、電極42、44は
透明基板14の端部に位置することになる。なお、この
状態でも短絡線36と特定のデータ線28との電位差が
所定値以上になるとスイッチング回路46が作動し、短
絡線38と特定のゲート線32との電位差が所定値以上
になるとスイッチング回路52のTFTがオンするの
で、透明基板14上の回路は全体的に均一な電位に保た
れる。
【0033】透明基板14が切断線Lに沿って切断され
た液晶ディスプレイ10は、例えばポータブルコンピュ
ータ等の装置に取付けられ、図4に示すように透明基板
14の端部に位置しているデータ線28a〜28mの電
極30a〜30m、ゲート線32a〜32nの電極34
a〜34n、短絡線36の電極42及び短絡線38の電
極44が、各々ドライバ64に接続される。液晶ディス
プレイ10に画像を表示する場合、ドライバ64はゲー
ト線32a〜32nのいずれか1つに+30V、残りのゲ
ート線に0Vの電圧を印加すると共に、+30Vの電圧を
印加するゲート線を順次切り替える。これによりTFT
24は、同一のゲート線32に接続されたm個のTFT
24毎に順次オンされることになる。
【0034】また、ドライバ64には装置本体等から画
像データが入力される。ドライバ64は+30Vの電圧を
印加するゲート線の切り替えと同期して、画像データに
応じて、同時にオンされるm個のTFT24に対応する
m個の画素の画像データに応じた5〜15Vの範囲の電圧
をデータ線28a〜28mの各々に印加する。これによ
り、m個のTFT24に接続されたm個の電極22に各
々画像データに応じた電圧が印加され、この電圧が液晶
18に印加されることによって画像中の1画素列が表示
されることになる。上記動作が繰り返されることによ
り、液晶ディスプレイ10に画像が表示される。
【0035】ドライバ64は上記のようにして液晶ディ
スプレイ10に画像を表示させている間、短絡線36に
データ線28a〜28mへの印加電圧の平均値に対応す
る電圧、すなわち+10Vを電極42を介して印加する。
データ線28a〜28mに印加される電圧は5〜15Vの
範囲であるので、上記により短絡線36とデータ線28
a〜28mとの間に接続されたスイッチング回路46の
各々のTFT48、50はオフ状態で維持される。これ
により、データ線28a〜28mの各々と短絡線36と
の間は1010Ω以上の抵抗によってほぼ絶縁された状態と
なり、データ線28から短絡線36に電流が流れること
が防止される。
【0036】またドライバ64は、短絡線38にゲート
線32a〜32nへの印加電圧の平均値にほぼ対応する
電圧、すなわち0Vを電極44を介して印加する。ゲー
ト線32a〜32nには1本のゲート線を除いて0Vが
印加されるので、0Vが印加されたゲート線に接続され
ているスイッチング回路52の各TFTはオフ状態で維
持される。これにより、ゲート線32a〜32nの各々
と短絡線38との間も1010Ω以上の抵抗によってほぼ絶
縁された状態となり、ゲート線32から短絡線38に電
流が流れることが防止される。
【0037】上記では、スイッチング回路46、52の
各TFTをオフさせるために消費される電力は無視でき
る程度の非常に微小な大きさであるが、短絡線36に+
10Vの電圧が印加され、短絡線38に0Vの電圧が印加
されるので、抵抗の両端には10Vの電圧が加わることに
なり、抵抗40で若干電力が消費されることになる。し
かし、抵抗40で消費される電力は、液晶ディスプレイ
10本体の消費電力に比べて充分に小さい。一例として
抵抗40の電気抵抗値が 100KΩであった場合、抵抗4
0の消費電力Pは、 消費電力P≒V2 R=(10V)2÷ 100KΩ≒ 0.001W となる。なお、ゲート線32a〜32nのうちの1本の
ゲート線には+30Vが印加され、このゲート線に接続さ
れたスイッチング回路52はオンすることになるが、こ
れによる消費電力も上記消費電力Pに殆ど影響しない小
さな値である。
【0038】液晶ディスプレイ10全体の消費電力はド
ライバ64を含めても1〜2W程度であるので、上記の
消費電力Pの値は液晶ディスプレイ10の消費電力に悪
影響を及ぼす程度ではなく、ポータブルコンピュータ等
の機器に搭載するための値としては充分に小さい。従っ
て、静電気による破壊等を防止することができ、かつ従
来と比較して消費電力を低減することができる。
【0039】〔第2実施例〕次に本発明の第2実施例に
ついて説明する。なお、第1実施例と同一の部分には同
一の符号を付して説明を省略する。
【0040】図5には本第2実施例に係る透明基板とし
て、既に外部短絡線54及び電極56A〜56Dが形成
された部分が切り落とされた透明基板70が示されてい
る。透明基板70では、図5の上端側にデータ線用の電
極30a、30c、…が設けられており、図5の下端側
にデータ線用の電極30b、…が設けられている。デー
タ線28a〜28mは、上端側の電極30に接続された
データ線28及び下端側の電極30に接続されたデータ
線28が図5のX方向に沿って交互に配置されている。
【0041】表示領域26の下端とデータ線28の電極
30b、…の列との間には、図5のX方向に沿って短絡
線72が形成されている。短絡線72は抵抗74を介し
て短絡線38と接続されており、更に電極30b、…の
列と並んで配置された電極76に接続されている。ま
た、電極30b、…に接続されたデータ線28は、各々
第1実施例のスイッチング回路46、52と同一の構成
のスイッチング回路78を介して短絡線72に接続され
ている。
【0042】図5に示す透明基板70を含んで構成され
た液晶ディスプレイ10に画像を表示する際には、ドラ
イバ64から電極76を介して短絡線72に短絡線36
と同様に+2.5 Vの電圧が供給され、第1実施例のスイ
ッチング回路46と同様に各スイッチング回路78の各
TFTがオフされる。これにより、第1実施例と同様に
データ線28と短絡線72との間がほぼ絶縁された状態
となる。図5に示す回路では抵抗40及び抵抗74で電
力が消費されるものの、その消費電力は液晶ディスプレ
イ10本体の消費電力と比べて充分に小さい値である。
【0043】〔第3実施例〕次に本発明の第3実施例に
ついて説明する。なお、第2実施例と同一の部分には同
一の符号を付して説明を省略する。
【0044】図6に示された本第3実施例に係る透明基
板80では、図6の左端側にゲート線用の電極34a、
…が設けられており、図6の右端側にゲート線用の電極
34b、…が設けられている。ゲート線32a〜32n
は、左端側の電極34a、…に接続されたゲート線32
及び右端側の電極34b、…に接続されたゲート線32
が図6のY方向に沿って交互に配置されている。
【0045】図6における表示領域26の左端とゲート
線32の電極34b、…の列との間には、図6のY方向
に沿って短絡線82が形成されている。短絡線82の一
端は抵抗84を介して短絡線72に、他端は抵抗86を
介して短絡線36に各々接続されており、更に電極34
b、…の列と並んで配置された電極88に接続されてい
る。また、電極34b、…に接続されたゲート線32
は、各々スイッチング回路46、52、78と同一の構
成のスイッチング回路90を介して短絡線82に接続さ
れている。
【0046】図6に示す透明基板80を含んで構成され
た液晶ディスプレイ10に画像を表示する際には、ドラ
イバ64から電極88を介して短絡線82に短絡線38
と同様に0Vの電圧が供給され、第1実施例のスイッチ
ング回路52と同様に各スイッチング回路90の各TF
Tがオフされる。これにより、第1実施例と同様にゲー
ト線32と短絡線82との間がほぼ絶縁状態となる。図
6に示す回路では抵抗40、74、84、86で各々電
力が消費されるものの、その消費電力は液晶ディスプレ
イ10本体の消費電力と比べて充分に小さい値である。
【0047】なお、上記ではインピーダンス素子によっ
て分割された複数の部分、すなわち短絡線36、38、
72、82に各々一定電圧を印加するようにしていた
が、本発明はこれに限定されるものではなく、データ線
やゲート線への印加電圧が変化した場合に、各スイッチ
ング回路46、52、78、90がオフ状態で維持され
るように、前記複数の部分に印加する電圧を変化させる
ようにしてもよい。
【0048】また、上記ではTFTを用いたアクティブ
マトリクス駆動の液晶ディスプレイを例に説明したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、スイッチング
素子としてMOSトランジスタ、バリスタ、MIM、ダ
イオード等を適用することも可能であり、アクティブマ
トリクス駆動に限定されるものでもない。更に、本発明
の表示装置についても液晶ディスプレイに限定されるも
のではなく、複数の駆動用配線を備えた各種の表示装置
に本発明を適用することが可能である。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
は、インピーダンス素子によって複数の部分に分割され
た短絡線と、複数本の駆動用配線の各々と短絡線の分割
された部分との間に接続され駆動用配線と短絡線の分割
された部分との電位差に応じてオンオフするスイッチン
グ手段と、短絡線の分割された複数の部分にスイッチン
グ手段をオフさせる電圧を各々印加する電圧印加手段
と、を設けたので、静電気による破壊等を防止すること
ができ、かつ消費電力を低減することが可能になる、と
いう優れた効果が得られる。また、本発明に係る表示装
置は、従来と同様の製造方法により、工程数を増加させ
ることなく製造することが可能である。
【0050】請求項2記載の発明は、インピーダンス素
子によって複数の部分に分割された短絡線と、複数本の
駆動用配線の各々と前記短絡線の分割された部分との間
に接続され駆動用配線と短絡線の分割された部分との電
位差に応じてオンオフするスイッチング手段と、を備え
た表示装置の、前記短絡線の分割された複数の部分にス
イッチング手段をオフさせる電圧を各々印加すると共
に、駆動用配線に電圧を印加して画像を表示させるよう
にしたので、表示装置を低消費電力で駆動することがで
きる、という優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る液晶ディスプレイの断面図であ
る。
【図2】第1実施例に係る透明基板上に形成される回路
を示す概略図である。
【図3】スイッチング回路の構成を示す回路図である。
【図4】図2から外部短絡線が形成された部分が切り落
とされた透明基板に、該透明基板を含んで構成される液
晶ディスプレイを駆動するドライバが接続された状態を
示す概略図である。
【図5】第2実施例に係る透明基板上に形成される回路
を示す概略図である。
【図6】第3実施例に係る透明基板上に形成される回路
を示す概略図である。
【図7】抵抗を介してデータ線及びゲート線と内部短絡
線とを接続する従来技術において、抵抗の消費電力Pの
演算を説明するための説明図である。
【符号の説明】
10 液晶ディスプレイ 14 透明基板 24 TFT 28 データ線 32 ゲート線 36 短絡線 38 短絡線 40 抵抗 46 スイッチング回路 52 スイッチング回路 64 ドライバ 72 短絡線 74 抵抗 78 スイッチング回路 82 短絡線 84 抵抗 86 抵抗 90 スイッチング回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 伸一 神奈川県大和市下鶴間1623番地14 日本 アイ・ビー・エム株式会社 大和事業所 内 (72)発明者 小池 建史 神奈川県大和市下鶴間1623番地14 日本 アイ・ビー・エム株式会社 大和事業所 内 (56)参考文献 特開 平2−118617(JP,A) 特開 昭59−126663(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに異なった方向に延びる第一の駆動
    用配線と第二の駆動用配線からなる駆動用配線の各々に
    電圧が印加されることにより画像を表示する表示装置で
    あって、 インピーダンス素子によって第一の短絡線部分と第二の
    短絡線部分とに分割された短絡線と、前記第一の駆動用配線と前記第一の短絡線部分、及び、
    前記第二の駆動用配線と前記第二の短絡線部分に接続さ
    れ、 前記駆動用配線と前記短絡線との電位差に応じてオ
    ンオフするスイッチング手段と、前記第一の短絡線部分と前記第二の短絡線部分とにそれ
    ぞれ異なった 電圧を印加する電圧印加手段と、 を設けたことを特徴とする表示装置。
  2. 【請求項2】 互いに異なった方向に延びる第一の駆動
    用配線と第二の駆動用配線からなる駆動用配線と、イン
    ピーダンス素子によって第一の短絡線部分と第二の短絡
    線部分とに分割された短絡線と、前記第一の駆動用配線
    と前記第一の短絡線部分、及び、前記第二の駆動用配線
    と前記第二の短絡線部分とに接続され、前記駆動用配線
    と前記短絡線との電位差に応じてオンオフするスイッチ
    ング手段と、を備えた表示装置の駆動方法であって、前記第一の短絡線部分と前記第二の短絡線部分とにそれ
    ぞれ異なった電圧を 印加して、前記スイッチング手段を
    オフさせ、前記駆動用配線の各々に電圧を印加して画像
    を表示させる、表示装置の駆動方法。
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