JP2578729B2 - 地下構築物の継手 - Google Patents

地下構築物の継手

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JP2578729B2
JP2578729B2 JP6132625A JP13262594A JP2578729B2 JP 2578729 B2 JP2578729 B2 JP 2578729B2 JP 6132625 A JP6132625 A JP 6132625A JP 13262594 A JP13262594 A JP 13262594A JP 2578729 B2 JP2578729 B2 JP 2578729B2
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敏朗 藤田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上下水道、地下鉄、共
同溝、洞道、地下道、地下街、各種地下トンネルなど地
下に構築される構造物の継手の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の上下水道、地下鉄、共同溝、洞道
などの暗渠の継手には、互いに対向する一対の筒状の暗
渠の対向端部に筒状の枠体をそれぞれ碇着させると共
に、ゴム・合成樹脂等の弾性体から短筒状に形成した可
撓止水部材の両端部を、前記枠体の内周面に水密的に取
り付けて地盤の不等沈下に伴なう暗渠の相対変位を吸収
させると共に、これらの暗渠間の止水を行なわせしめる
様にしたタイプのものがある。一例として、本出願人の
提案にかかる特公昭63−58982号公報記載の継手
は、図24の断面図に示されるように、一対の相対向さ
せた暗渠a、a′の端部の内周面に形成された段差部
b,b′に跨って、ゴム・合成樹脂等の弾性材からなる
短筒形に形成され、かつ中央に内周側に膨出した環状の
くびれ部cを有し、さらにこのくびれ部cの両側から延
びる碇着フランジ部d,d′を有する可撓止水部材eを
該碇着フランジ部d、d′において固着し、前記段差部
b,b′と前記可撓止水部材eとの間に形成された空間
部に該可撓止水部材eの軸方向への膨出変形を防止する
保護材f,f′を配設したものである。なお、g,g′
はフランジh,h′、j,j′および端面部i,i′を
備えた枠体であり、kは目地材である。
【0003】また別のタイプの暗渠用の継手として、た
とえば本出願人の提案にかかる特公昭61−37515
号公報に記載されているような耐力部材を備えた暗渠の
継手が知られている。この継手は図25に示すように、
接続すべき一対の暗渠a,a′の端面に取り付けた一対
の環状の碇着函m,m′に周方向に間隔を於いて配列さ
れた複数本の耐力部材pの端部を一定範囲内で移動可能
且つ抜け外れ不能に挿入連結すると共に、該両碇着函間
を前記複数本の耐力部材の環状列の外側に配設され且つ
両碇着函の側壁n,n′に端部が固定された短筒状の各
可撓止水部材Qで水密的に連結し各耐力部材の外周に両
碇着函の側壁/n,n′の初期間隔より若干短い筒体t
を遊嵌したものである。この継手は、耐力部材pの外周
に筒体tを遊嵌することにより外水圧による可撓止水部
材Qの耐力部材pへのたれ込みをふせぐことにより、碇
着函m,m′に支持された耐力部材pを必要最小限の強
度に形成して、耐力部材pの取り扱い性を向上させると
ともに材料の節約を図ることを意図したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、地下空間の高度
利用への社会的要請の高まりを背景に大深度地下構造物
構築のために各種の新技術が開発実用化され、かって
は、オープンカット工法では不可能であった大深度掘削
が地中連続壁工法等の一般化により可能となり、また、
シールド工法の技術進展は大深度大口径トンネルの構築
を可能とし、全国的にも、その新技術を利用して各地で
大型プロジェクトが進められている。このように、地下
構造物の大型化と大深度化が急速に進展する中、構造物
の安全確保に不可欠な継手に対しても相応した性能が求
められている。
【0005】しかるに、上記特公昭63ー58982号
公報記載の継手(図24)は、その構造上1kg/cm
2 程度の外水圧には耐えられるが、たとえば深度20m
位の高深度で継手が受ける約3kg/cm2 の大きな土
圧には対応できない。また、この継手は、剪断変位に対
しては30cm位まで対応することができるが、伸び変
位に関しては、伸び変位が生じて開いた目地に土砂が浸
入すると、内周側に膨出した可撓止水部材のくびれ部c
の空間s内に土砂が詰まり、この土砂のために可撓止水
部材eの伸長が実質的に不可能となる。このため可撓止
水部材eの許容伸び変位は20mm程度が限度であり、
したがって継手の許容伸び変位もこの極めて小さい量に
押さえられている。この量は土木建築に対して一般的に
設けられる伸縮目地幅に相当するものであって、地盤の
不等沈下や地震などによる大きな地盤変動により生じる
伸び変位を吸収することは困難である。
【0006】また、上記特公昭61−37515号公報
記載の継手(図25)は、耐力部材を備える構造である
ので、20m以上の高深度における3kg/cm2 を越
える大きな土圧にも充分対応することができ、また伸び
変位についても、地震等による地盤変動によって生じる
大きな伸び変位に対応することができるが、構造が複雑
であり、また碇着函m,m′を必要とするために継手が
大型となり、取付に手間がかかり、製造コストも高価と
なる難点がある。また金属製の耐力部材を高湿度の暗渠
内部において使用する場合、耐力部材が腐食し易く耐力
部材の寿命が短くなるという問題を生じやすい。
【0007】本発明は、地下構造物の高深度化に伴う継
手の性能の高度化に対処する場合の上記従来の継手の問
題点を解決するためになされたものであって、比較的小
型で簡単な構造でありながら高深度における大きな土圧
に耐えることができ、また地震等による地盤変動によっ
て生じる大きな伸び変位に対応することができ、しかも
耐食性に優れ耐久性に富む改良された暗渠の継手を提供
しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成する本発明の地下構築物の継手は、一対の相対向させ
た地下構築物の端部の内周面にそれぞれ形成された段差
部に跨って、ゴム・合成樹脂等の弾性材からなる短筒形
に形成され、その内周に形成された環状の凹部とこの凹
部の両側の碇着フランジ部とを有する外周可撓止水部材
と、ゴム・合成樹脂等の弾性材からなる短筒形に形成さ
れ、その外周に形成された環状の凹部とこの凹部の両側
の碇着フランジ部とを有する内周可撓止水部材と、をそ
れぞれ前記各碇着フランジ部において固着するととも
に、細長い耐力屈曲部材がその長手方向に一回りあるい
は複数回屈曲された状態で所定長さの屈曲位置規制中空
部材に挿通され前記耐力屈曲部材の前記屈曲位置規制中
空部材の端部より外側に突出する両端にそれぞれ碇着部
を有する耐力機構を、前記屈曲位置規制中空部材が前記
外周可撓止水部材の環状凹部と前記内周可撓止水部材の
環状凹部とで形成される空間内に位置するようにして前
記碇着部を介して前記段差部に固着したことを特徴とす
るものである。
【0009】上記構成によれば、地下構築物の端部の内
周面に跨って外周可撓止水部材をその凹部を外周側とし
て配設するとともに、内周可撓止水部材をその凹部を内
周側として配設し、この両可撓止水部材の凹部の間に形
成される空間内に、細長い耐力屈曲部材がその長手方向
に一回りあるいは複数回屈曲した状態で屈曲位置規制中
空部材に挿通され前記耐力屈曲部材の前記屈曲位置規制
中空部材の端部より外側に突出する両端にそれぞれ碇着
部を有する耐力機構を配設したので、地盤変動により地
下構築物間の目地が開いて土砂が目地内に浸入して外周
可撓止水部材に大きな土圧がかかっても、外周可撓止水
部材は耐力機構によって支持される。
【0010】耐力機構は、屈曲位置規制中空部材内にお
ける耐力屈曲部材の屈曲経路が、屈曲位置規制中空部材
の内面によって規制され、屈曲位置規制中空部材内で当
該屈曲位置規制中空部材の開口幅を径として屈曲すると
ともにこの両端屈曲部を屈曲位置規制中空部材の内面に
沿って略直線状に結んだ扁平リング状を呈し、この耐力
屈曲部材の両端に引っ張り力が作用すると、該耐力屈曲
部材は屈曲位置規制中空部材によって自由な変形が規制
されて両端の屈曲部が手繰り寄せられ、両端の屈曲部の
間隔が徐々に狭くなる。これは、屈曲していた部位が伸
長するとともに隣接する部位が新たに屈曲する(屈曲部
が当該耐力屈曲部材の長手方向に移動する)ことによっ
て生じ、この際の屈曲部位の移動に係る抵抗力が抗張力
として作用する。つまり、自由な屈曲変形が屈曲位置規
制中空部材によって規制されるために耐力屈曲部材の屈
曲部位が移動し、この移動に要する力が抗張力として作
用するものである。耐力屈曲部材は最終的には直線状と
なり、この直線状となった状態が伸長限界となる。
【0011】このような耐力機構には、外周可撓止水部
材を支持する際の圧力は屈曲位置規制中空部材と略直交
する方向に作用し、一方、地震等による地盤変動によっ
て接続する暗渠が離間する方向に変位する際には耐力屈
曲部材を両側に引っ張る力が作用する。地下構築物の変
位に際して耐力屈曲部材に作用する引っ張り力は、外周
可撓止水部材を介して土圧を支持する際に耐力屈曲部材
に作用する引っ張り力に比較して桁違いに大きく、した
がって、土圧に対しては伸長せず、地下構築物の変位は
許容するように耐力屈曲部材の材質および径と、屈曲位
置規制中空部材の開口幅を設定することにより、20m
以上の高深度における3kg/cm2 を越える大きな土
圧にも充分対応することができる。
【0012】地震等による地盤変動によって地下構築物
間が離間して外周可撓止水部材に大きな伸び変位が生じ
た場合でも、外周可撓止水部材は土砂に押圧されて耐力
機構(屈曲位置規制中空部材の外面)に圧着された状態
で耐力屈曲部材の伸長限度まで自由に伸長することがで
きる。したがって、必要な伸び変位量に応じて屈曲位置
規制中空部材の長さや該屈曲位置規制中空部材内におけ
る耐力屈曲部材の屈曲重合量を設定することで大きな伸
び変位にも充分対応することができる。
【0013】また本発明によれば、外周可撓止水部材と
内周可撓止水部材が設けられているので、継手は外部か
らの土圧に対処することができる上に継手内部からの内
水圧にも対処することができる。また、地震等の伸縮や
不等沈下等により継手が伸び変位し、外部から浸入した
強大な土圧を伴う土砂のため、万一外周可撓止水部材が
一部破損することがあっても、内周可撓止水部材が二次
的な止水機能を果たすことができるので、継手の安全性
が向上し、耐外傷で耐震構造の継手として高い性能を発
揮することができる。
【0014】また本発明によれば、外周可撓止水部材に
大きな土圧がかかった場合、この土圧は内外可撓止水部
材に密封された耐力機構が支えるが、その支え方は耐力
線部材が屈曲位置規制中空部材によって規制された形状
で変形することによる抗張力を利用するものであるの
で、断面剛性力つまり断面抵抗モーメントを利用して圧
力を支える場合に比べて耐力部材の断面を大幅に小さく
することができ、材料費を節約することができ製造コス
トの低減に寄与することができる。
【0015】また、この構成においては、通常鋼材部材
により構成される耐力機構が両可撓止水部材の間の空間
内に密封した状態で配置されており、露出していないた
め暗渠等で高温度の環境で使用しても、腐食が防止さ
れ、継手の耐久性を高めることができる。
【0016】本発明の一実施態様においては、外周可撓
止水部材の凹部は外周側に膨出する環状のくびれ部によ
って形成されるとともに、上記内周可撓止水部材の凹部
は内周側に膨出する環状くびれ部によって形成されてい
るものである。
【0017】また本発明の一側面においては、外周可撓
止水部材と内周可撓止水部材のくびれ部によって形成さ
れる空間の少なくとも一部に弾性体からなる充填材を充
填したことを特徴とする。
【0018】この構成により、目地が開いて土砂が目地
内に浸入した場合に、この充填材の適度な反発力によ
り、くびれ部の反転を防止することができる。
【0019】本発明の一実施態様においては、耐力屈曲
部材は棒状部材によって形成されて当該継手の周方向に
適宜の間隔で配置され、上記碇着部は前記棒状部材がそ
の両端部において固着された板状部材からなるものであ
る。
【0020】また本発明の他の実施態様においては、耐
力機構は当該継手の周方向に適宜の間隔で配置され、上
記耐力屈曲部材は棒状部材によって形成されるととも
に、上記碇着部は前記棒状部材がその両端部において固
着された板状部材からなるものである。
【0021】さらに本発明の他の実施態様においては、
耐力機構は当該継手の周方向に適宜の間隔で配置され、
上記耐力屈曲部材は帯状板によって形成されるととも
に、上記碇着部は前記帯状板がその両端部において固着
された板状部材からなるものである。
【0022】本発明の他の実施態様においては、耐力機
構は当該継手の周方向に適宜の間隔で配置され、上記耐
力屈曲部材は帯状板によって形成されるとともに、上記
碇着部は該帯状板と一体的に形成された板状部材からな
るものである。
【0023】また、本発明の他の側面においては、耐力
機構の碇着部は上記外周可撓止水部材の碇着フランジ部
と上記内周可撓止水部材の碇着フランジ部との間に狭持
されており、かつ前記碇着部の外端縁は前記両可撓止水
部材の少なくとも一つの外端縁の内側に存在することを
特徴とする。
【0024】この構成により、耐力部材の碇着部はその
外端縁が両可撓止水部材の外端部によって包囲されるの
で、腐食が防止され、継手の耐久性を一層高めることが
できる。
【0025】本発明のさらに他の側面においては、外周
可撓止水部材の碇着フランジ部の外端面と上記段差部の
間に枠体を介してまたは介さないで環状の剛体を配設し
たことを特徴とする。
【0026】この構成により、耐力機構に外周可撓止水
部材を介して土圧が作用した際に、環状の剛体が耐力機
構の碇着部の外周可撓止水部材の碇着フランジ部側への
移動を規制し、碇着フランジ部を過度に圧縮することを
防ぐ。
【0027】また、本発明のさらに他の側面において
は、耐力機構の碇着部は上記外周可撓止水部材の碇着フ
ランジ部と上記内周可撓止水部材の碇着フランジ部との
間に配置されており、これら各部材を貫通するボルトに
螺合する第一のナットにより前記耐力機構の碇着部を前
記外周可撓止水部材の碇着フランジ部に対し締付け、前
記ボルトに螺合する第二のナットにより前記内周可撓止
水部材の碇着フランジ部を前記耐力機構の碇着部に対し
締付けることを特徴とする。この構成により、確実且つ
強力に緊締できる。
【0028】
【発明の実施例】以下添付図面を参照して本発明の実施
例について説明する。図1は本発明に係る地下構築物の
継手の一実施例の断面図、図2は本発明の継手を暗渠に
適用した場合の斜視図であり図1は図2のI−I断面図
である。図3は耐力機構の耐力要素の拡大断面図、図4
は図3の平面図相当図、図5は耐力機構の図1中左半分
を示す斜視図、図6(a)並びに図6(b)は継手装着
構造を示す部分断面図、図7は耐力機構の変更例を示す
斜視図、図8、図9は耐力機構の耐力屈曲部材の碇着部
への種々固定構造を示す図、図10は押板の斜視図であ
る。
【0029】図2において、1,1′はコンクリートを
打設することにより断面を円形に形成した暗渠の例であ
る。この一対の暗渠1,1′の対向端部の内周面側の周
縁に段差部3,3′が形成されており、筒状の枠体4,
4′が固定されている。枠体4′の形状および暗渠1′
への取付構造は枠体4と全く同一であるので、以下枠体
4等に用いた符号にダッシュを付した番号を付して枠体
4′等の説明を省略する。
【0030】枠体4は、鉄あるいは樹脂製で、暗渠1の
端部の内周面に形成された段差部3に固着される環状の
外周側フランジ部4aと、外周側フランジ部4aから暗
渠1の軸心に向けて延長する端面部4bと、端面部4b
から暗渠1の端部の内周面上に延長する環状の内周側フ
ランジ部4cとを有する。4dは外周側フランジ4aか
ら外方に突出する立上り部である。フランジ4cは枠体
4の断面剛性を高め、その運搬、据え付け作業を容易に
するためのもので、4cを省略しても枠体の剛性が確保
できる場合はそれを必要としない。
【0031】この枠体4,4′の外周側フランジ部4
a,4a′間にはゴム・合成樹脂等の弾性体から短筒状
に形成された外周可撓止水部材6が配設されている。こ
の外周可撓止水部材6は、その中央に断面が略U字状の
外周側に膨出する環状くびれ部6aを有している。また
このくびれ部6aの両側から暗渠の軸線方向に延び、枠
体4の外周フランジ部4aと密着するとともに端面図4
bに達する碇着フランジ部6bが一体的に形成されてい
る。外周可撓止水部材6にはその強度を増強するために
補強布Aが埋設されている。尚、補強布Aは埋設せずに
外周可撓止水部材の内外表面に張り付けても良く、荷重
の小さい場合とか土砂等による外傷の危険のない場合は
設けなくても良い。また、外周可撓止水部材6と内周可
撓止水部材7の双方あるいは外周可撓止水部材6のみに
設けてもよい。
【0032】また枠体4,4′の外周側フランジ部4
a,4a′間には、前記外周可撓止水部材6の内周側に
ゴム・合成樹脂等の弾性体から短筒状に形成された内周
可撓止水部材7が配設されている。この内周可撓止水部
材7は、その中央に断面が略U字状の内周側に膨出する
環状のくびれ部7aを有している。またこのくびれ部7
aの両側から軸線方向に延び、枠体4の端面部4bに達
する碇着フランジ部7bが一体的に形成されている。
【0033】外周可撓止水部材6のくびれ部6aと内周
可撓止水部材7のくびれ部7aとの間に形成された空間
8内には、耐力機構9が設けられている。
【0034】耐力機構9は、図3および図4に示すよう
に、耐力屈曲部材としての弾性を有する所定径の金属棒
により形成された耐力バー91が一回りあるいは複数回
屈曲した状態(図3および図4は一回り屈曲した場合を
示す)で屈曲位置規制中空部材としての所定直径且つ所
定長さの耐力パイプ92にその屈曲部位を耐力パイプ9
2内に位置させて挿通されて耐力要素90が構成される
とともに、この耐力要素90の耐力パイプ92の両端開
口部から突出する耐力バー91の両端部に碇着部93が
設けられて構成されている。
【0035】耐力パイプ92は、金属製可撓パイプ,布
巻包線タイプのゴムホース,可撓製プラスチック製パイ
プ等により形成されている。
【0036】耐力パイプ92内における耐力バー91の
屈曲経路は、耐力パイプ92の内面によって規制され、
耐力パイプ92の両端近傍で当該耐力パイプ92の開口
幅を径として屈曲するとともにこの両端屈曲部を耐力パ
イプ92の内面に沿って略直線状に結んだ扁平リング状
を呈している。
【0037】碇着部93は、本実施例では図5に示すよ
うに耐力バー91のネジを切られた両端部においてナッ
ト15により固着された別体の鋼板等の板状部材14か
らなるものである。この板状部材14を複数個周方向に
配置することにより、全体として耐力要素90が所定間
隔で環状に配置された耐力機構9が形成される。14a
はボルト10の貫通孔である。
【0038】当該耐力機構9は、その碇着部93が外周
可撓止水部材6の碇着フランジ部6bと内周可撓止水部
材7の碇着フランジ部7bとの間に狭持され、かつ該碇
着部93の外端縁93aは外周可撓止水部材6の外端縁
6cおよび内周可撓止水部材7の外端縁7cの内側に存
在するように配置され、これによって耐力パイプ92を
空間8の略中央に位置して設けられている。
【0039】外周可撓止水部材6の碇着フランジ部6
b,内周可撓止水部材7の碇着フランジ部7bおよび耐
力部材9の碇着部93は、これら各部材を貫通するボル
ト10にナット11を螺合すると共にこのナット11と
内周可撓止水部材7の碇着フランジ部7bとの間に押板
12を介装し、ナット11を締め付けることにより、枠
体4の外周フランジ部4aの内周面に圧着され、それぞ
れ水密的に固定されている。この固定の際、図6(a)
に示すように、枠体4の外周フランジ部4aの内周面と
耐力機構9の碇着部93との間に外周可撓止水部材6の
碇着フランジ部6bを挟んで、これら部材を貫通するボ
ルト10に第一次ナット11−1を螺合して締め付け、
さらに内周可撓止水部材7の碇着フランジ部7b、押板
12を順次重ね、貫通ボルト10に第二次ナット11−
2を締め付ける二段締め固定をすると一層効果的な緊締
が可能となる。さらに図6(b)は、外周可撓止水部材
6の碇着フランジ6bの外側端部を、耐力部材9の碇着
部93の外側端部と枠体の外周フランジ4aの外側端部
より継手断面の中心線方向に一定量控え、その控えて形
成された部分に鋼材、硬質合成樹脂等の剛体50を配置
し、前記同様に二段締め固定したものである。
【0040】荷重は外周可撓止水部材6より耐力バー9
1を介して碇着部93の内側端部に作用することとなる
が、碇着部93には一定の断面剛性を有する鋼材等を使
用することから、その荷重は、剛体50の内面と枠体の
フランジ4aと外周可撓止水部材ならびに碇着部93の
中央付近に貫通させたボルト10をもって締め付けた第
一次ナット11−1の外面とを支点とした状態で荷重を
支持することができる。従って、内外周可撓止水部材の
碇着フランジ部7b、6bに荷重を作用させることなく
その荷重を枠体4に伝えることができる。
【0041】従って、碇着フランジ部6b、7bが荷重
を受けて生じる経年クリープ等による止水性の低下不安
がなく確実かつ安定した緊締が可能となり、止水性を高
度に保持しつつ、より大きな荷重に対応できる継手とな
っている。
【0042】図7は図5に示す耐力機構9の変形例であ
る。図5の耐力機構9は一枚の板状部材14に複数の耐
力要素90が固着されているのに対し、図7の耐力機構
9は一枚の板状部材16に対し一つの耐力要素がナット
15により固着されている点が相違する。なお15aは
ボルト10の挿通孔である。
【0043】耐力機構9の耐力要素90の耐力バー91
を碇着部93を形成する板状部材14に固着する方法と
しては、図5、図7に示すようにネジを切った耐力バー
91の端部をナットで固定する方法(図8(a))のほ
か、図8(b)に示すように耐力バー91を板状部材1
4の端部内周面上に溶接する方法、図8(c)に示すよ
うに耐力バー91の端部を板状部材14の突出した端縁
14aの外周面に溶接する方法、図8(d)に示すよう
に耐力バー91の直線状の先端部を板状部材14の端縁
に溶接する方法、図9(a)に示すように突出した板状
部材14の端部に貫通孔14bを開設しておき、この貫
通孔14bに耐力バー91の端部を挿入し溶接する方
法、図9(b)に示すように板状部材14の端部を内周
側に直角に折り曲げておき、この折曲端部と内周可撓止
水部材7との間に間隙を形成し、この間隙に耐力バー9
1の端部を挿入し板状部材14の折曲端部に対し溶接す
る方法、図9(c)に示すように板状部材14の突出端
部に貫通孔14bを形成し、この貫通孔14bに内周側
に折曲した耐力バー91の端部にネジを切り、その先端
を外周側から挿入し、その先端をナットで固定する方法
等種々の固着方法が可能である。これらの各固着方法の
中継ぎ手の使用目的、使用場所等を勘案して適当なもの
を選択して使用すればよい。
【0044】押板12には図10に示すように、ボルト
10の貫通孔12aが適当間隔で設けてある。また、押
板12の一面には螺着部12bが適当間隔で設けられて
いる。本実施例では、螺着部12bは嵩高ボルトを溶接
したものを示したが、これに限られるものではなく、押
板12に直接螺子を切ったもの等後述する保護材17を
ボルト18で螺合することにより押板12に締結できる
ものであればよい。また螺着部12bは保護材17をボ
ルト18で締結するためのもので、あまり大きな外力は
作用しないため、通常ボルト挿通孔12aの数より少な
くてもよい。
【0045】保護材17の別の取付方法として、図10
に示した12b,18を用いず、ボルト10の一部につ
いて、その暗渠軸心側端部を延伸させ保護材17を貫通
しナットで保護材17を締め付け取り付けることもでき
る。
【0046】枠体4と内周可撓止水部材7との間に形成
される空間部には保護材17が設けられている。保護材
17は内周可撓止水部材7の軸線方向への膨出変形を防
止し、ボルト10およびナット11を腐食環境から隔絶
し、外傷から守るとともに、継手の内面を平滑に保つた
めに設けられるものであって、ゴム・合成樹脂等からな
るものである。
【0047】保護材17には、ボルト18の挿通用のボ
ルト挿通孔(図示せず)が設けられている。
【0048】保護材17は外周端面が内周可撓止水部材
7の碇着フランジ部7bに当接し、外側面が枠体4の端
面部4bに当接し、内側面が内周可撓止水部材7のくび
れ部7aの側面と当接して枠体4の外周フランジ部4a
に間接的に固定されている。すなわち、保護材17はボ
ルト18により押板12に固定され、押板12が碇着用
ボルト10およびナット11により枠体4の外周フラン
ジ部4aに固定されることにより間接的に外周フランジ
部4aに固定されるものである。
【0049】なお、図1において19は平常時において
暗渠1,1′間の目地に土砂等が浸入することを防止す
るスポンジゴム等からなる目地材である。
【0050】上記の如く構成された継手2は、地震や地
盤変動にる接続暗渠1,1′が離間する方向の変位に際
しては、図11に想定線で示すように外周可撓止水部材
6および内周可撓止水部材7が伸展してそのくびれ部6
a,7aのくびれ度合いが減少する。外周可撓止水部材
6の上面(外周側)には開いた目地から浸入した土砂に
よる土圧が作用するが、当該外周可撓止水部材6は耐力
機構9によって支持され、これによって反転は阻止され
る。なお、図11は 通常の使用位置を実線で示し、接
続暗渠が耐力機構9の許容限界まで(耐力要素90の耐
力バー91が直線状となるまで)離間変位した状態を想
定線で示したものある。
【0051】ここで、耐力機構9は、耐力バー91の両
端に引っ張り力が作用すると、該耐力バーは耐力パイプ
92によって自由な変形が規制されて両端の屈曲部が図
3中矢印で示すように手繰り寄せられ、両端の屈曲部の
間隔が徐々に狭くなる。これは、屈曲していた部位が伸
長するとともに隣接する部位が新たに屈曲する(屈曲部
が当該耐力バーの長手方向に移動する)ことによって生
じ、この際の屈曲部位の移動に係る抵抗力が抗張力とし
て作用する。つまり、自由な屈曲変形が耐力パイプ92
によって規制されるために耐力バー91の屈曲部位が移
動し、この移動に要する力が抗張力として作用するもの
である。耐力バー91は最終的には直線状となり、この
直線状となった状態が伸長限界となる。
【0052】このように構成された耐力機構9には、外
周可撓止水部材6を支持する際の圧力は耐力パイプ92
と略直交する方向に作用し、一方、地震等による地盤変
動によって接続する暗渠1,1′が離間する方向に変位
する際には耐力バー91を両側に引っ張る力が作用す
る。暗渠1、1′の変位に際して耐力バー91に作用す
る引っ張り力は、外周可撓止水部材6を介して土圧を支
持する際に耐力バー91に作用する引っ張り力に比較し
て桁違いに大きく、耐力バー91の材質および径と耐力
パイプ92の開口幅を適宜設定とすることにより、土圧
に対しては伸長せず、暗渠1,1′の変位は許容するよ
うに設定することができる。
【0053】したがって、暗渠1,1′間が離間して外
周可撓止水部材6に大きな伸び変位が生じて外周可撓止
水部材6が土砂に押圧されて耐力機構9(耐力パイプ9
2の外面)に圧着された状態となっても、その荷重が一
定量(例えば許容荷重)以下では耐力バーの伸長はなく
地盤沈下による不等沈下や地震時の強大な引っ張り力で
初めて伸長することができるもので、耐力機構9は耐力
バー91の伸長限度まで自由に伸長することができ、必
要な伸び変位量に応じて耐力パイプ92の長さや該耐力
パイプ92内における耐力バー91の重合量ならびに重
合回数を設定することで大きな伸び変位にも充分対応す
ることができる。
【0054】上記の如き耐力機構9により、伸長限界以
上の伸びは阻止されるので、安全性と信頼性の高い継手
となっている。
【0055】図12は本発明にかかる継手の他の実施例
を示す断面図である。図12以下に示す実施例におい
て、図1の実施例と同一構成要素は同一符号で示し、詳
細な説明を省略する。また図12以下に示す実施例にお
いては、継手の主要な部分のみを符号で示し、細部につ
いては符号を省略する。
【0056】図12に示す実施例においては、耐力部材
9と外周可撓止水部材6のくびれ部6aとの間に形成さ
れる空間内に弾性体からなる充填材20が充填されてい
る点で図1の実施例と相違する。充填材20としては、
目地が開いて土砂が目地内に浸入した場合に充填材20
の反発力による外周可撓止水部材6に加わる土圧に対し
て外周可撓止水部材6を支持し、外周可撓止水部材6が
潰れることを防止することができるだけの弾性を備えた
材料が選ばれ、このような材料としては発泡ゴム、緩衝
ゴム等が特に好適である。この構成により、外周可撓止
水部材6のくびれ部6aの反転がより確実に防がれる。
【0057】図13は本発明にかかる継手の他の実施例
を示す断面図である。この実施例においては、耐力機構
9は、その耐力要素90の耐力屈曲部材が図1の実施例
における棒状の耐力バー91と異なり、図14の斜視図
に示すように帯鋼板からなる耐力プレート95とされ、
碇着部96は耐力プレート95を形成する部材と一体的
に形成された板状部材からなるものである。このように
耐力プレート95を一体成形により形成する場合は鋼板
の曲げ加工により容易に製造することができるので、加
工および継手の組立が簡単である。なお図14中96a
はボルト10を挿入するための貫通孔である。
【0058】図14の実施例の変形例として、図15に
示すように、耐力プレート97を帯状鋼板から形成し、
碇着部98をこれとは別体の板状部材から形成し、これ
ら二つの部材をボルト止め、溶接等により相互に固着す
るようにしてもよい。
【0059】上記各実施例においては、耐力機構9の碇
着部93,96,98の外端縁はいずれも両可撓止水部
材6,7の外端縁の内側に存在しており、この構成は耐
力機構の碇着部の腐食を防止するために有効であり好ま
しいものであるが、このような碇着部の腐食が問題とな
らない場合には、碇着部の外端部は必ずしも両可撓止水
部材の外端縁の内側に存在する必要はなく図16に示す
ように、耐力機構9の碇着部93の外端縁93aは両可
撓止水部材の外端縁6c、7cと一致するように延長し
てもよい。
【0060】また、外周可撓止水部材6,内周可撓止水
部材7の各くびれ部6a,7aは上記各実施例に示すよ
うに断面U字状のものに限らず継手が変位した場合、可
撓止水部材の変位追従性を良くし、継手碇着部の変位抵
抗を少なくするため、例えば図17に示すように複数の
くびれ部を有する蛇腹状に形成する等任意の形状を選択
することができる。
【0061】さらにまた、外周可撓止水部材6,内周可
撓止水部材7の各くびれ部6a,7aのくびれ度合い
は、変位許容設定量等の条件に基づいて適宜変更可能な
ものであり、図18に示すようにくびれ度合いを少なく
したり、くびれ部を設けることなく図19に示すように
外周可撓止水部材6の内周および内周可撓止水部材7の
外周に耐力機構9の耐力要素を収容可能な空間8を形成
するような当該継手の周方向に延長する凹部61,71
を形成しても良いものである。
【0062】また本発明の必須の構成要件以外の継手部
分についても上記の各実施例に記載のもののほかに種々
の変更が可能である。たとえば、枠体4についても図1
に示すもののほか、図20に示すように、内周側フラン
ジ部4cを図1に示す段差部3よりも内周側に形成され
た第二の段差部33の周面に延長するように配設し、保
護材37の一部が内周側フランジ部4cを覆うようにし
てもよい。この構成により枠体4の内周側フランジ部4
cが暗渠内の高湿度の雰囲気に直接露出されることがな
く、継手の耐久性を向上させることができる。
【0063】また継手全体を現場施工で組み立て構築す
るかわりに、工場で暗渠1,1′を一つのユニットに組
み立てる等の方法を採ることにより枠体4を不要とする
構造も可能である。
【0064】また、上記各実施例においては、保護材1
7が使用されているが、本発明は保護材を使用しない継
手にも適用しうることは勿論である。
【0065】図21は本発明のさらに他の実施例を示す
断面図である。この実施例においては外周可撓止水部材
6の外端縁6cは図1の実施例と比べて内側で終端し、
また耐力機構9の碇着部93の外端縁93aは枠体4の
端面部4bまで延長している。可撓止水部材6の外端縁
6cと枠体4の端面部4bの間には鋼材、硬質樹脂等か
らなる環状の剛体50,50′が配置されている。土圧
が作用し、外周可撓止水部材6がその圧力を受けて内周
方向に変位し耐力機構9がそれを支持し、耐力機構9の
端部より碇着部内側に強い荷重が加わった場合、耐力機
構9の碇着部93の中央付近がボルト10,ナット11
等によって締め付けられ支持固着状態にあることから、
その荷重により碇着部93はボルト10の貫通部付近を
中心に回転変位しようとする。そのため可撓止水部材6
の碇着フランジ6bの外側部と可撓止水部材7の碇着フ
ランジ7bの湾曲部の付け根部付近が極度に圧縮され変
形し、碇着部が不安定となり、碇着度の低下や漏水の原
因となる。これを防止するため剛体50,50′を設け
外周可撓止水部材6の碇着部6bの側部の圧縮変位を抑
制しようとするものである。この剛体50,50′は枠
体4,4′または耐力機構9の碇着部93,93′に一
体的に溶着しても良く、別体としては挿入してもよい。
【0066】図22は図21に示す実施例の変更例を示
す断面図である。この実施例においては枠体4が設けら
れておらず、断面L字形の上部押板55の垂直部55a
が外周可撓止水部材6の外端縁6cと段差部3の端面と
の間に介在するように配置されている。この垂直部55
aの機能は図21の実施例における剛体50と同一であ
る。
【0067】図23は図21に示す実施例の変更例を示
す断面図である。この実施例においても枠体4は設けら
れておらず、断面L字形の耐力機構9の碇着部93の垂
直部93bが外周可撓止水部材6の外端縁6cと段差部
3との端面との間に介在するように配置されている。こ
の垂直部93bの機能は図21の実施例における剛体5
0と同一である。なお、図21の剛体50、図22の垂
直部55a、図23の垂直部93bを配置する場合、固
定の際図6(a)に示すように二段締め固定すると効果
的である。さらに図6(b)に示すように剛体を配して
二段締め固定するとなお一層効果的である。
【0068】上記各実施例においては、暗渠の継手をコ
ンクリート製の暗渠の接続に適用した例を示したが、本
発明の地下構築物の継手はコンクリート製の暗渠に限ら
ず、他の材質からなる各種の地下構築物に適用してもよ
い。
【0069】また地下構築物の断面形状は円形に限ら
ず、楕円形、四角形、その他の多角形のいずれかであっ
てもよい、またこの地下構築物は一体品であってもよい
し、分割部材を組み立てて構成してもよい。
【0070】
【発明の効果】以上の記述から明らかなように、本発明
によれば、地下構築物の端部の内周面に跨って外周可撓
止水部材をその凹部を外周側として配設するとともに、
内周可撓止水部材をその凹部を内周側として配設し、こ
の両可撓止水部材の凹部の間に形成される空間内に、細
長い耐力屈曲部材がその長手方向に一回りあるいは複数
回屈曲した状態で屈曲位置規制中空部材に挿通され前記
耐力屈曲部材の前記屈曲位置規制中空部材の端部より外
側に突出する両端にそれぞれ碇着部を有する耐力機構を
配設したので、地盤変動により地下構築物間の目地が開
いて土砂が目地内に浸入して外周可撓止水部材に大きな
土圧がかかっても、外周可撓止水部材は耐力機構によっ
て支持されて大きな土圧に耐えることができる。
【0071】耐力機構は、その耐力屈曲部材の両端が引
っ張られると、屈曲位置規制中空部材によって自由な変
形が規制されて両端の屈曲部が手繰り寄せられ、この際
の抵抗力が抗張力として作用するものであり、外周可撓
止水部材を介して土圧を支持する際に耐力屈曲部材に作
用する引っ張り力には耐え、これに比較して桁違いに大
きい地下構築物の変位に際して耐力屈曲部材に作用する
引っ張り力に対しては地下構築物の変位を許容するよう
に、耐力機構の間隔、耐力屈曲部材の材質および径と屈
曲位置規制中空部材の開口幅を設定することにより、2
0m以上の高深度における3kg/cm2 を越える大き
な土圧にも充分対応することができる。
【0072】また、地震等による地盤変動によって地下
構築物間が離間して外周可撓止水部材に大きな伸び変位
が生じた場合でも、外周可撓止水部材は土砂に押圧され
て耐力機構(の屈曲位置規制中空部材の外面)に圧着さ
れた状態で耐力屈曲部材の伸長限度まで自由に伸長する
ことができる。したがって、必要な伸び変位量に応じて
屈曲位置規制中空部材の長さや該屈曲位置規制中空部材
内における耐力屈曲部材の屈曲重合量並びに重合回数を
設定することで大きな伸び変位にも充分対応することが
できる。
【0073】また本発明によれば、外周可撓止水部材と
内周可撓止水部材が設けられているので、継手は外部か
らの土圧に対処することができる上に継手内部からの内
水圧にも対処することができる。また、地震等の伸縮や
不等沈下等により継手が伸び変位し、外部から浸入した
強大な土圧を伴う土砂のため、万一外周可撓止水部材が
一部破損することがあっても、内周可撓止水部材が二次
的な止水機能を果たすことができるので、継手の安全性
が向上し、耐外傷で耐震構造の継手として高い性能を発
揮することができる。
【0074】また本発明によれば、外周可撓止水部材に
作用する土圧を支える耐力機構は耐力屈曲部材が屈曲位
置規制中空部材によって規制された形状で変形すること
による抗張力を利用するものであるので、断面剛性力を
利用して圧力を支える場合に比べて耐力部材の断面を大
幅に小さくすることができ、材料費を節約することがで
き製造コストの低減に寄与することができる。
【0075】また、この構成においては、通常鋼材部材
により構成される耐力機構が両可撓止水部材の間の空間
内に密封した状態で配置されており、高湿度の地下構築
物内部に露出することがないので、腐食が防止され、継
手の耐久性を高めることができる。
【0076】また、耐力機構は地下構築物端部の内周面
または段差部の内周面に固着されており、地下構築物間
の目地の伸縮に応じて耐力機構自体が伸縮変形する構造
であるので、耐力部材の端部を収容する碇着函を必要と
せず、従来の耐力部材を使用する継手に比べて継手全体
の構造を簡素化することができ、継手の取付の手間を省
き、製造コストを低減することができる。
【0077】本発明の他の作用効果は上記「課題を解決
する手段および作用」の項その他明細書の記載から明ら
かであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を暗渠に適用した一実施例を示す断面図
である。
【図2】本発明を暗渠に適用した場合の斜視図である。
【図3】耐力機構の耐力要素の拡大断面図である。
【図4】図3の平面図に相当する図である。
【図5】耐力機構の一例を示す部分斜視図である。
【図6】継手の各部材の碇着方法の他の実施例を示す断
面図である。
【図7】耐力機構の他の例を示す部分斜視図である。
【図8】耐力機構を構成する耐力バーの板状部材への固
着方法を示す図である。
【図9】耐力機構を構成する耐力バーの板状部材への他
の固着方法を示す図である。
【図10】押板の斜視図である。
【図11】本発明にかかる継手の動作を示す図である。
【図12】本発明にかかる継手の他の実施例を示す断面
図である。
【図13】本発明にかかる継手の他の実施例を示す断面
図である。
【図14】図13の実施例において使用される耐力機構
の斜視図である。
【図15】耐力機構の他の実施例を示す斜視図である。
【図16】耐力機構の碇着部の変更例を示す断面図であ
る。
【図17】可撓止水部材の変更例を示す断面図である。
【図18】本発明にかかる継手の他の実施例を示す断面
図である。
【図19】本発明にかかる継手の他の実施例を示す断面
図である。
【図20】本発明にかかる継手の他の実施例を示す断面
図である。
【図21】本発明にかかる継手の他の実施例を示す断面
図である。
【図22】本発明にかかる継手の他の実施例を示す断面
図である。
【図23】本発明にかかる継手の他の実施例を示す断面
図である。
【図24】従来の暗渠の継手の一例を示す断面図であ
る。
【図25】従来の暗渠の継手の他の例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1,1′ 暗渠 2 継手 6 外周可撓止水部材 6a くびれ部 6b 碇着フランジ部 61 凹部 7 内周可撓止水部材 7a くびれ部 7b 碇着フランジ部 71 凹部 9 耐力機構 90 耐力要素 91 耐力バー(耐力屈曲部材) 92 耐力パイプ(屈曲位置規制中空部材) 93 碇着部 95 耐力プレート(耐力屈曲部材) 96 碇着部 98 碇着部

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の相対向させた地下構築物の端部の内
    周面にそれぞれ形成された段差部に跨って、 ゴム・合成樹脂等の弾性材からなる短筒形に形成され、
    その内周に形成された環状の凹部とこの凹部の両側の碇
    着フランジ部とを有する外周可撓止水部材と、 ゴム・合成樹脂等の弾性材からなる短筒形に形成され、
    その外周に形成された環状の凹部とこの凹部の両側の碇
    着フランジ部とを有する内周可撓止水部材とをそれぞれ
    前記各碇着フランジ部において固着するとともに、 細長い耐力屈曲部材がその長手方向に一回りあるいは複
    数回屈曲した状態で所定長さの屈曲位置規制中空部材に
    挿通され前記耐力屈曲部材の前記屈曲位置規制中空部材
    より突出する両端にそれぞれ碇着部を有する耐力機構
    を、前記屈曲位置規制中空部材が前記外周可撓止水部材
    の環状凹部と前記内周可撓止水部材の環状凹部とで形成
    される空間内に位置するようにして前記碇着部を介して
    前記段差部に固着したことを特徴とする地下構築物の継
    手。
  2. 【請求項2】上記外周可撓止水部材の凹部は外周側に膨
    出する環状のくびれ部によって形成されるとともに、上
    記内周可撓止水部材の凹部は内周側に膨出する環状くび
    れ部によって形成されていることを特徴とする請求項1
    に記載の地下構築物の継手。
  3. 【請求項3】上記外周可撓止水部材と内周可撓止水部材
    の間に形成される空間の少なくとも一部に弾性体からな
    る充填材を充填したことを特徴とする請求項2に記載の
    地下構築物の継手。
  4. 【請求項4】上記耐力機構は当該継手の周方向に適宜の
    間隔で配置され、上記耐力屈曲部材は棒状部材によって
    形成されるとともに、上記碇着部は前記棒状部材がその
    両端部において固着された板状部材からなることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の地下構築物の継
    手。
  5. 【請求項5】上記耐力機構は当該継手の周方向に適宜の
    間隔で配置され、上記耐力屈曲部材は帯状板によって形
    成されるとともに、上記碇着部は前記帯状板がその両端
    部において固着された板状部材からなることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の地下構築物の継手。
  6. 【請求項6】上記耐力機構は当該継手の周方向に適宜の
    間隔で配置され、上記耐力屈曲部材は帯状板によって形
    成されるとともに、上記碇着部は該帯状板と一体的に形
    成された板状部材からなることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の地下構築物の継手。
  7. 【請求項7】上記耐力機構の碇着部は上記外周可撓止水
    部材の碇着フランジ部と上記内周可撓止水部材の碇着フ
    ランジ部との間に狭持されており、かつ前記碇着部の外
    端縁は前記両可撓止水部材の少なくとも一つの外端縁の
    内側に存在することを特徴とする請求項1〜6項のいず
    れかに記載の地下構築物の継手。
  8. 【請求項8】上記外周可撓止水部材の碇着フランジ部の
    外端面と上記段差部の間に枠体を介してまたは介さない
    で環状の剛体を配設したことを特徴とする請求項1〜6
    のいずれかに記載の地下構築物の継手。
  9. 【請求項9】上記耐力機構の碇着部は上記外周可撓止水
    部材の碇着フランジ部と上記内周可撓止水部材の碇着フ
    ランジ部との間に配置されており、これら各部材を貫通
    するボルトに螺合する第一のナットにより前記耐力機構
    の碇着部を前記外周可撓止水部材の碇着フランジ部に対
    し締付け、前記ボルトに螺合する第二のナットにより前
    記内周可撓止水部材の碇着フランジ部を前記耐力機構の
    碇着部に対し締付けることを特徴とする請求項1〜8の
    いずれかに記載の地下構築物の継手。
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