JP2578089Y2 - 吊根太仮止め金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、建築時の床組に使用さ
れる根太を補強する吊根太の仮止めを行う吊根太仮止め
金具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、周知のように、図５に示すよう
に、建築時に床組の下地として大引きＡ又は根太掛Ｂに
支えられた根太２を補強又は床鳴り等を防止するため
に、大引きＡと平行に根太２の下方に吊根太３を釘縫い
することが知られている。そして、根太２の下方に吊根
太３を釘縫いするためには、工数削減の観点から一人作
業が主であるため、片方の手で釘を持ち、もう片方の手
で金槌等を持たなければならないので、根太２の下方か
ら吊根太３を腕で持ち上げて膝の上に載せながら吊根太
３を根太２に圧接保持させておいて釘縫いすることが一
般的である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】従来の技術で述べたよ
うに、根太の下方に吊根太を釘縫いするためには、根太
の下方から吊根太を腕で持ち上げて膝の上に載せること
により、根太に圧接保持させながら釘縫いしているが、
これでは、膝を痛めることがあるという問題点を有して
いた。

【０００４】又、一人で吊根太を膝で支持しながら根太
に釘縫いするには、吊根太が不安定であるので、釘縫い
作業がしづらく、作業能率が悪いという問題点を有して
いた。

【０００５】本考案は、従来の技術のこのような問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、一人で吊根太を根太へ釘縫いする場合に、簡単に吊
根太を根太に圧接保持するように仮止めできる吊根太仮
止め金具を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案の手段は、建築時の床組に使用される根太の
下部に固定される吊根太を嵌め込む略Ｕ字型の保持部
と、前記根太に引っ掛けると共に前記吊根太と根太とを
圧接保持するために、前記保持部を含む平面内から突設
するようにその両端部を同方向に湾曲させた掛止部とを
有するものである。

【０００７】

【作用】本考案の吊根太仮止め金具では、略Ｕ字型の保
持部を吊根太に嵌め込み、前記保持部に湾曲させて連設
した掛止部を根太に引っ掛けることで根太の下方に吊根
太が圧接保持されるので、膝で吊根太を支える必要が無
くなる。そして、根太に吊根太を釘縫いした後は、前記
掛止部を根太から引き外すことができるので、繰り返し
吊根太仮止め金具を使用することができる。

【０００８】

【実施例】本考案の実施例について、図面を参照して説
明する。本考案の吊根太仮止め金具１は、図１に示すよ
うに、建築時の床組に使用される根太２の下部に固定さ
れる吊根太３に嵌め込む略Ｕ字型の保持部４と、前記根
太２に引っ掛けると共に前記吊根太３と根太２とを圧接
保持するために、前記保持部４を含む平面内から突設す
るようにその両端部４ａ，４ｂを同方向に湾曲させて設
けた掛止部５とを基本構成とする。

【０００９】上記吊根太仮止め金具１の実施例は、例え
ば、図１及び図２に示すように、保持部４が一本の棒材
を吊根太３が嵌まり込むように略Ｕ字型に折り曲げられ
ており、吊根太３の底面又は底面含む両側の角を支持で
きるようになっている。

【００１０】又、上記掛止部５は、図１及び図２に示す
ように、前記略Ｕ字型の両端部４ａ，４ｂを所望の位置
で、略Ｕ字を含む平面内から突設させると共に、同方向
に弧を持たせながら折り曲げることにより、根太２に引
っ掛けた場合に、根太２の上側面の対向する角部に当接
するようになっており、吊根太３と根太２とを圧接保持
するようになっている。

【００１１】そして、図３に２点鎖線で示すように、吊
根太仮止め金具１の保持部４を吊根太３に嵌め込んでお
いて、根太２に吊根太３を圧接させるが、その際、根太
２の１側面の延長面と吊根太３の底面との交線上付近に
保持部４を配置させることが望ましい。

【００１２】このように配置しておいて、保持部４の吊
根太３の底面側を軸として、回転させるようにして掛止
部５を根太２に引っ掛ければ、図３及び図４に実線で示
すように、保持部４が吊根太３を保持しつつ、掛止部５
が根太２に掛止することにより、根太２に吊根太３が圧
接保持されるようになっている。

【００１３】上記吊根太仮止め金具１は、例えば、直径
が６mm程度の鋳鉄等の鋼棒材を折り曲げて所望の形状に
成形し、所望の寸法に切断したものであり、掛止部５の
湾曲度合いを必要に応じて微調整することで、根太２と
吊根太３とを、より圧接させて保持することができるよ
うになっている。

【００１４】本考案の吊根太仮止め金具１の実施例は、
以上のように構成されているので、上記のようにして、
根太２に吊根太３が圧接保持された状態であれば、膝で
吊根太３を支えておかなくとも、一方の手で釘を持ちな
がら、他方の手で金槌等を持つことができるので、一人
でも容易に釘縫いをすることができる。

【００１５】更に、釘縫いをした後は、根太２の上に床
板を載置する関係上、吊根太仮止め金具１が不要となる
ので、再び図３の２点鎖線の状態に戻せば、吊根太仮止
め金具１を簡単に外せるようになっている。

【００１６】又、このようにして作られた吊根太仮止め
金具１は、根太２と吊根太３との全ての交差部分に使用
して仮止めする必要はなく、根太２を２乃至４本程度の
間隔を開けて仮止めしておけば、釘縫いするのに十分で
ある。

【００１７】

【考案の効果】本考案の吊根太仮止め金具においては、
保持部を吊根太に嵌め込んで掛止部を根太に引っ掛ける
だけで、根太に吊根太が圧接保持されるので、根太と吊
根太との釘縫い作業が一人でも簡単にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る吊根太仮止め金具の実施例の使
用状態を示す斜視図である。

【図２】この考案に係る吊根太仮止め金具の実施例を示
す斜視図である。

【図３】この考案に係る吊根太仮止め金具の実施例で吊
根太と根太を仮止めする状態を示す側面図である。

【図４】この考案に係る吊根太仮止め金具の実施例で吊
根太と根太を仮止めする状態を示す正面図である。

【図５】従来における吊根太と根太との釘縫い作業を示
す全体斜視図である。

【符号の説明】

１ 吊根太仮止め金具 ２ 根太 ３ 吊根太 ４ 保持部 ５ 掛止部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 建築時の床組に使用される根太の下部に
   固定される吊根太を嵌め込む略Ｕ字型の保持部と、前記
   根太に引っ掛けると共に前記吊根太と根太とを圧接保持
   するために、前記保持部を含む平面内から突設するよう
   にその両端部を同方向に湾曲させた掛止部とを有するこ
   とを特徴とする吊根太仮止め金具。