JP2577739C - - Google Patents

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JP2577739C
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触媒化成工業株式会社
桂産業株式会社
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は炭化水素供給原料を水素化分解又は水素化脱硫する水素化処理触媒に
関する。 [従来の技術] 炭化水素留分の水素化脱硫、水素化分解等の水素化処理に使用される触媒は、
一般に金属活性成分を適当な担体に担持させることで製造されるが、触媒製造の
最終工程として焼成を行なうのが通例であるため、金属活性成分は触媒活性に乏
しい酸化物の状態で触媒中に存在する。従って、こうした触媒を炭化水素の水素
化処理反応に使用するに際しては、予め触媒中の金属活性成分を硫化して活性化
させることを目的とした所謂予備硫化操作が必要とされる。 この予備硫化方法としては、金属活性成分が酸化物の形にある触媒を反応器に
充填し、これに硫化水素ガスと水素 ガスを供給して触媒の金属活性成分を硫化する方法が知られている。また、硫化
水素ガスに代えて、軽油等の炭化水素油と水素を供給し、触媒を予備硫化する方
法も採用されている。この外、予備硫化用炭化水素油に二硫化炭素、ジメチルス
ルフィド(DMS)、ジメチルジスルフィド(DMDS)等の硫黄化合物を添加
することも実施されている。さらにまた、特開昭60-51547号公報に見られる如く
、金属活性成分を含有する触媒に、R−S(n)−R'(n=3〜20)の多硫化物を
含浸させ、これを水素気流中200℃以下の温度に加熱して活性化(予備硫化)さ
せる方法も提案されている。 [発明が解決しようとする問題点] 上記した従来触媒の予備硫化方法にあって、硫化水素ガスを使用する方法は、
このガスが毒性を有しているために、取り扱いが厄介な欠点がある。また、軽油
等の炭化水素油と水素を用いる方法は、触媒の予備硫化に比較的長時間を要する
上に、多量の炭化水素油を必要とする。加えて予備硫化に際して触媒を長時間高
温度に維持しなければならないので、本来の触媒活性が損われてしまう心配もあ
る。尤も、これらの問題点は炭化水素油に二硫化炭素、DMS,DMDS等の硫
化剤を添加することで解消させることができる。しかし、一般にこれらの硫化剤
は高価であるばかりでなく、貯蔵並びに反応器への注入には、そのための設備を
必要とする。 そして、特開昭60-51547号公報で提案されている多硫化物は粘性が高いため、
これを触媒に含浸させるには適当な溶媒に希釈しなければならない。 本発明は上に示した従来触媒における予備硫化法の各種の問題点を解消せんと
するものであって、特別な予備硫化工程を必要としない、換言すれば、触媒を反
応器に充填して炭化水素供給原料の水素化反応温度に反応器を昇温すれば、その
昇温過程で触媒の硫化が行なわれ、所定温度に昇温後直ちに炭化水素の水素化反
応を遂行させることができる触媒を提供する。 [問題点を解決するための手段] しかして、本発明に係る炭化水素の水素化処理触媒は、不活性耐熱性担体に周
期律表第VIA族金属および第VIII族の鉄族金属成分と、1分子中に少なくとも1
個の活性メルカプト基を有し、メルカプトカルボン酸およびその塩を除き、沸点
が100℃以上である有機硫黄化合物を担持せしめたことを特徴とする。 [発明の詳述] 本発明の触媒において、その担体成分及び金属活性成分には、従来の炭化水素
の水素化処理触媒に慣用のAl23,SiO2,SiO2−Al23などの担体成
分および周期律表第VIA族および第VIII族の鉄族金属成分が使用される。更に金
属活性成分には、周期律表第IB族、第VA族等から選ばれた金属成分を併用す
ることもできる。 例えば、炭化水素留分の水素化処理用触媒としては、ゼオライトの微細粒子が
分散された又は分散されていないアルミナ乃至はシリカ−アルミナ等のマトリッ
クスからなる担体に、モリブデン、タングステン等の第VIA族金属及び鉄、ニッ
ケル、コバルト等の第VIII族金属を触媒全重量に対し、酸化物として8〜25重量
%担持させたものが一般的であるが、本発明の触媒でもこれらの担体及び金属成
分を使用することができる。 本発明の触媒に担持せしめられる有機硫黄化合物は、1分子中に少なくとも1
個の活性メルカプト基を有し、メルカプトカルボン酸およびその塩を除き、しか
も、100℃以上の沸点を有するものでなければならない。そのような有機硫黄化
合物の具体例としては、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、ジメル
カプトプロパン、ジメルカプトブタン等のアルキルメルカプタン類;ジエチレン
エーテルジチオール、トリエチレンエーテルジチオール等のポリアルキレンエー
テルポリチオール類;イソオクチルチオグリコレート、2−エチルヘキシルメル
カプトプロピオネート、エチレングリコールジメルカプトプロピオネート、ブタ
ンジオールジメルカプトアセテート、トリメチロールプロパントリス−メルカプ
トアセテート、ペンタエリスリトールテトラキス−3−メルカプトプロピオネー
ト等で例示される1価乃至多価のアルコールとチオカルボン酸のエステル類;メ
ルカプトエチルアセテート、ジメルカプトエ チルアジペート等で例示されるメルカプトアルコールとカルボン酸のエステル類
;さらにジエチレンチオエーテルチオール等のチオエーテル類を挙げることがで
きる。 本発明の触媒は、適当な不活性耐熱性担体に、適当な金属活性成分を担持させ
て焼成し、これに本発明の有機硫黄化合物を担持する手順で一般に調製される。
ここで、担体に金属活性成分を担持させて焼成するまでの工程は、従来の触媒調
製法と実質的に異ならず、本発明でもこれを採用することができる。例えば、活
性種となるべき金属塩を、含浸法、混練法等の手段で担体に担持させ、次いでこ
れを乾燥、成型、焼成する方法が本発明でも採用可能であって、この焼成工程で
触媒の金属活性成分は通常酸化物になる。従って、金属活性成分が酸化物の形に
ある従来の炭化水素の水素化処理触媒に、上記した硫黄化合物を担持することに
よっても、本発明の触媒を調製することが可能である。 有機硫黄化合物の担持方法には、特に制限はないが、焼成後の金属酸化物含有
触媒に、上記の硫黄化合物の1種又は2種以上を、スプレー法、浸漬法等の任意
の手段で含浸させるのが簡便で好ましい。含浸に当っては、有機硫黄化合物をそ
のまま使用することができ、溶媒で希釈するようなことは特に必要ではない。ま
た、含浸後も、加熱などの後処理を必要としない。何故なら、本発明の有機硫黄
化合物を使用する場合には、触媒細孔内にすべて浸透してしまう程度の容量で、
触媒を所望通りの硫化度に保持するのに 必要な硫黄量を充分賄えるからである。ちなみに、炭化水素の水素化処理触媒の
中にあって、比較的高い硫化度が要求される炭化水素留分の水素化処理用触媒の
場合でも、所定の初期活性を満足させる硫化度を得るために必要な硫黄量は、触
媒中の金属活性成分のすべてを硫化物に転化する化学量論量の少なくとも約70%
あれば良い。 従って、有機硫黄化合物を含浸させた後の触媒の表面は、所謂「濡れ」の状態
ではないので、格別乾燥する必要がない。そして、本発明の有機硫黄化合物を担
持させた触媒は、通常の環境温度で変質することがなく、有機硫黄化合物が揮散
してしまうこともないので、普通に貯蔵乃至は輸送することができる。 [作用] 従来の炭化水素の水素化処理プロセスでは、反応器に触媒を充填した後、これ
に原料炭化水素を供給するに先立ち、硫化水素ガスとか、あるいは硫黄含有炭化
水素油等の硫化剤と水素ガスを反応器に供給して触媒を硫化させるのが通例であ
るが、本発明の触媒を使用した場合には、この予備硫化工程を全く必要としない
。すなわち、予備硫化を必要としない触媒を使用する接触反応プロセスの場合と
同様、本発明の触媒を反応器に充填後これを所定の反応温度に昇温させれば、そ
の昇温過程で硫化反応が進行し、触媒は硫化される。従って、反応器の昇温後は
直ちに原料炭化水素を反応器に供給し、目的の反応を開始することができる。 この場合、水素化処理反応の開始までに触媒が完全に硫化されている必要はなく
、一部未硫化の部分が残っていても、変換反応の進行と共に未硫化部分も硫化さ
れる。 進んで、本発明の触媒を水素化脱硫法に適用した場合の一具体例について説明
する。従来の水素化脱硫触媒に有機硫黄化合物を担持させた本発明の触媒をまず
反応器に充填した後、これに窒素等の不活性ガスを流しながら触媒床を150〜200
℃程度に昇温する。次いで供給ガスを水素に切り替えて所定の反応圧まで昇圧し
、同時に昇温速度を15〜30℃/時に制御しつつ、所定の反応温度まで昇温する。
ここまでの過程で反応器内の水素化脱硫触媒は予備硫化され、活性化される。そ
の後は所定の値に保持された温度、圧力以外のプロセスパラメーターを所定値に
設定して、原料の炭化水素留分を反応器に供給し、企図した水素化脱硫処理を遂
行させる。なお、炭化水素留分の供給は水素ガスによる昇温過程の途中で開始す
ることもできる。典型的な炭化水素留分を水素化脱硫する場合のプロセスパラメ
ーターとしては、温度300〜450℃、水素分圧10〜200kg/cm2、液空間速度0.1〜10
hr-1、水素/油比100〜2000N m3/Kl等が一般に採用される。 本発明の炭化水素の水素化処理触媒は、上記した炭化水素留分の水素化脱硫法
の外、炭化水素の水素化分解法の水素化処理反応にも利用することができる。 [実施例] 実施例1 Al23にMoO310.0wt%,CoO 2.0wt%,NiO 1.0wt%が担持された
水素化脱硫触媒を常法により調製した。 トリメチロールプロパントリス−メルカプトプロピオネート約720mlを採り、
これに上記の触媒1kgを浸漬した。硫黄化合物が触媒の細孔内に充分浸透し、そ
のすべてが触媒粒予に含浸され、触媒表面の「濡れ」がなくなるまでゆっくり撹
拌を続けた。こうして得られた触媒の硫黄担持量はSとして10.8wt%であった。
この触媒を触媒Aとする。 実施例2 実施例1と同じ水素化脱硫触媒に実施例1と同様な方法で、2−エチルヘキシ
ル−3−メルカプトブロピオネート、ジエチレンチオエーテルジチオール(SH
−C24−S−C24−SH)及びドデシルメルカプタンをそれぞれ含浸した。
これらを触媒B,C及びDとする。硫黄担持量はSとして触媒Bが11.3wt%、触
媒Cが21.4wt%、触媒Dが11.8wt%であった。 実施例3 触媒A,B,C及びDそれぞれの水素化脱硫反応試験を、次の如き方法で実施
した。 内径19mm、長さ1.8mの高圧反応器に触媒を充填し、窒素ガスを流しながら200
℃まで昇温した。その後、窒素ガ スを水素ガスに切り替え、150kg/cm2まで昇圧した。次いで水素ガスと原料油を
それぞれ700N m3/hr,1.0Kl/hrで反応器に供給しつつ、20℃/時の昇温速度で
所定の反応温度まで昇温した。 所定の反応温度に達した後は、LHSV 0.2hr-1、水素/油比700N m3/Kl、
水素分圧150kg/cm2の定常条件を維持して反応試験を行なった。 原料油として使用した常圧蒸留残渣油の性状を以下に示す。 比 重(15/4℃) 0.960 粘 度(50℃) 4.53cSt 硫 黄 2.283wt% 窒 素 2220ppm アスファルテン 2.1wt% コンラドソン炭素 9.9wt% メタル(Ni+V) 70ppm 実施例4 触媒Aを実施例3と同一の反応器に充填し、窒素ガスを流しながら180℃まで
昇温した後、窒素ガスを水素ガスに切り替え、150kg/cm2まで昇圧した。次いで
水素ガスを700N m3/hrで反応器に供給しつつ、20℃/時の昇温速度で所定の反
応温度まで昇温した。その後は実施例3と同様な定常条件で、実施例3と同じ原
料油の水素化脱硫反応試験を行なった。 比較例 実施例1で調製した水素化脱硫触媒を、これに硫黄化合物を担持することなく
、実施例3と同一の反応器に充填し、窒素ガスを流しながら180℃まで昇温した
後、窒素ガスを水素ガスに切り替え、150kg/cm2まで昇圧した。しかる後、水素
ガスと軽油をそれぞれ400N m3/hr,1.0kl/hrで流しながら280℃まで30℃/時
の昇温速度で昇温した。次いで280℃の温度を48時間維持して触媒の予備硫化を
行なった。 硫化終了後、軽油を実施例3で使用した原料油に切り替え、所定の反応温度ま
で30℃/時の昇温速度で昇温して実施例3と同一の条件で水素化脱硫反応試験を
実施した。 実施例3,4及び比較例の実験結果を表1に示す。 表1に示す結果から明らかな通り、本発明の水素化脱硫触媒は、特に予備硫化
操作を行なわなくても、従来法によって予備硫化した水素化脱硫触媒と同等若し
くはこれより優れた触媒性能を発揮する。 [発明の効果] 本発明の触媒は、通常の水素化処理反応を開始する際の触媒床の昇温過程に於
いて、触媒を硫化、活性化することができるので、従来技術の如く触媒の予備硫
化工程を特別設ける必要がない。従って、反応開始までの時間の短縮を図ること
が可能となり、さらに硫化用軽油等の硫化剤が不必要になるので、本発明の触媒
を使用すれば、炭化水素の水素化処理に要する経費を大幅に節減できるなどの利
点を得ることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.不活性耐熱性担体に周期律表第VIA族金属および第VIII族の鉄族金属成分と
    、1分子中に少なくとも1個の活性メルカプト基を有し、メルカプトカルボン酸
    およびその塩を除き、沸点が100℃以上である有機硫黄化合物を担持せしめたこ
    とを特徴とする炭化水素の水素化処理触媒。

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