JP2577579Y2 - ライセンスプレートの取付け構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本願考案は、ライセンスプレート
の取付け構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】ライセンスプレートは、バンパーに設け
られるライセンスプレート取付け部とともに車体に対し
て共締め状に固定されることが多い。

【０００３】上記取付け構造においては、バンパーのラ
イセンスプレート取付け部および車体に、ライセンスプ
レートに形成された取付け孔に対応するボルト通挿孔が
それぞれ設けられている。上記ボルト通挿孔にボルトを
連通挿させるとともに車体裏側に溶接されたナットに螺
合させることにより、ライセンスプレートをバンパーと
ともに車体に対して共締め状に固定することができる。
この取付け構造においては、ライセンスプレートを車体
に直接固定できるため、高い取付け強度を得ることがで
きる。

【０００４】ところで、最近のバンパーは、外観の見栄
えを良くするために、従来のバンパーよりも大型化され
ており、バンパー表面が車体から大きく離間させられて
いるものがある。ところが、上記の従来の取付け構造に
おいては、ライセンスプレートがバンパーの下方におい
て車体と共締め状に固定されるため、バンパーの車体外
方への突出量が大きいと、ライセンスプレートが視認し
にくくなる。

【０００５】上記問題を解決するため、実開平３─８８
９５１号公報に記載されているもののような構造が考え
られる。この公報に記載されている考案においては、車
体からバンパーに向けて突出するブラケットを設け、ラ
イセンスプレートをこのブラケットに支持されるサポー
ト材に対して固定している。

【０００６】上記公報に記載された取付け構造において
は、上記ブラケットの分だけライセンスプレートを車体
から離間した状態で固定することができるため、ライセ
ンスプレートの視認性を向上させることができる。ま
た、ライセンスプレートが上記車体側に設けたブラケッ
トおよびサポート材を介して車体に対して固定されてい
るので、ライセンスプレートの取付け強度も高い。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上記公報に
記載された取付け構造においては、上述のようなブラケ
ットやサポート材を必要とするため、部品点数が増え
る。さらには、ブラケットを車体に溶接する作業等が増
加し、製造工程が複雑となり、コストの増加を招く。

【０００８】一方、ライセンスプレートを車体から離間
させられたバンパーに対して取り付けることも考えられ
るが、樹脂製バンパーでは十分な取付け強度を確保する
ことが困難である。

【０００９】しかも、諸外国においては、上記ライセン
スプレートの取付け面全体が平坦面でなければならない
とされているところがある。このため、バンパーのライ
センスプレート取付け部に補強リブや、車体に連結され
るブラケットを一体形成するのが困難な場合がある。

【００１０】本願考案は、上述の事情のもとで考えださ
れたものであって、取付け強度を低下させることなく、
車体から離間した状態でライセンスプレートを容易に取
り付けることのできる、ライセンスプレートの取付け構
造を提供することをその課題とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本願考案は、上述の課題
を解決するため、次の手段を講じている。すなわち、本
願考案は、樹脂製バンパーに設けたライセンスプレート
取付け部の外面にライセンスプレートを添着固定するラ
イセンスプレートの取付け構造であって、上記ライセン
スプレート取付け部の内面から車体側に向かって一体突
出形成されるとともに、底壁部が車体に螺着される断面
略コ字状のブラケット部と、上記底壁部に対向して設け
られ、上記ブラケット部と協働して閉断面構造を構成す
るとともに作業穴を備える取付け壁部と、上記作業穴を
覆うようにして上記取付け壁部の内面および外面に添着
されるとともに、上記作業穴に連通する締結孔を設けた
取付け部材とを備え、上記作業穴および締結孔を連通挿
させられる取付けねじによって、上記ライセンスプレー
トおよび上記取付け部材を上記取付け壁部に対して共締
め状に固定したことを特徴としている。

【００１２】

【考案の作用および効果】本願考案に係るライセンスプ
レートの取付け構造においては、樹脂製バンパーのライ
センスプレート取付け部の内側に設けたブラケット部を
介してバンパーを車体に連結する一方、上記ライセンス
プレート取付け部の上記ブラケット部に対向する部分に
取付け壁部を設け、この取付け壁部の内面および外面に
添着される取付け部材と共締め状にライセンスプレート
をバンパーに対して固定している。

【００１３】上記ブラケット部は、上記ライセンスプレ
ート取付け部の内面から車体側に向かって断面略コ字状
に一体形成されており、底壁部が車体に螺着されるよう
に構成されている。

【００１４】上記取付け壁部は、上記ブラケット部の底
壁部に対向して設けられており、上記ブラケット部と協
働して閉断面構造を構成するとともに、上記底壁部を車
体に螺着するための作業穴を備えている。

【００１５】上記取付け部材は、上記作業穴を覆うよう
にして上記取付け壁部の内面および外面に添着されると
ともに、上記作業穴に連通する締結孔を備えている。

【００１６】上記の構成において、上記ブラケット部の
底壁部が、上記作業穴から挿入される取付けボルト等に
よって、車体に連結される。一方、ライセンスプレート
は、上記底壁部に対向する取付け壁部の内面および外面
に添着される取付け部材と共締め状に、バンパーのライ
センスプレート取付け部に取り付けられる。

【００１７】本願考案においては、上記ブラケット部と
上記取付け壁部とによって閉断面構造が構成されている
ため、上記ブラケット部の剛性が高く、バンパーのライ
センスプレート取付け部を車体に対して強度高く連結す
ることができる。

【００１８】また、上記閉断面構造によって、上記取付
け壁部周辺の剛性も高く、しかもこの取付け壁部に添着
された上記取付け部材と共締め状にライセンスプレート
が固定されるため、ライセンスプレートをバンパーおよ
び車体と共締め状に固定するのと同様の取付け強度で固
定することができる。

【００１９】もちろん、上記ブラケット部の分だけライ
センスプレートを車体から離間した状態で固定すること
ができるため、ライセンスプレートの視認性を向上させ
ることができる。

【００２０】また、従来の取付け構造のように、ブラケ
ットを車体に溶接する作業等がなく、製造工程が簡単に
なり、製造コストを低減させることができる。

【００２１】さらに、諸外国において上記ライセンスプ
レート取付け部の外面全体が平坦面でなければならない
とされているところがあるが、上記取付け壁部の外面に
おける上記取付け部材の添着面を、上記取付け部材の厚
さ分だけ段落ち状に形成することにより、ライセンスプ
レート取付け部の外面全体を平坦面に構成することがで
きる。しかも、上記取付け壁部に設けた作業穴は、上記
取付け部材によって覆われてしまうので、上記ライセン
スプレート取付け部の外面の平坦さを損なうこともな
い。

【００２２】

【実施例の説明】以下、本願考案の好ましい実施例を、
図面を参照しながら具体的に説明する。本実施例におけ
るバンパー１は、樹脂で一体形成されており、車体２の
後部に取り付けられるように構成されている。図１に示
すように、上記バンパー１の中央部には、段落ち状にラ
イセンスプレート取付け部３が設けられている。上記ラ
イセンスプレート取付け部３は、図２に示すように、上
記バンパー１の一般外面から内側に曲折形成された段落
ち壁を介して一体形成されており、本実施例において
は、上方の段落ち壁を切り欠いて開口部４を形成し、ラ
イセンスプレート用の照明を設けることができるように
構成している。

【００２３】また、本実施例における上記ライセンスプ
レート取付け部３は、車体２の後方外面から所定距離離
間させられた位置に設定されており、ライセンスプレー
ト５が上記ライセンスプレート取付け部３の上部の二ヶ
所においてねじ止めされるように構成されている。

【００２４】また、本実施例では、上記ライセンスプレ
ート５がねじ止めされる上記ライセンスプレート取付け
部３の上部内面に、車体２側に向かって突出するブラケ
ット部６を一体形成し、上記ライセンスプレート取付け
部３の内側においてバンパー１と車体２とが連結される
ように構成されている。

【００２５】上記ブラケット部６は、図２および図３に
示すように、上記ライセンスプレート取付け部３の内面
３ｂから平面視略コ字状に一体突出形成されるとともに
下壁部６ａを設けて構成されている。上記ブラケット部
６の車体２に対向する底壁部６ｂには、ボルト通挿孔７
が形成されており、このボルト通挿孔７に通挿されるバ
ンパー連結ボルト８を、車体２の内面に溶接されたナッ
ト１７に螺合させることにより、バンパー１のライセン
スプレート取付け部３と車体２とが連結される。

【００２６】本実施例においては、図２および図３に示
すように、上記ライセンスプレート取付け部３における
上記ブラケット部６の底壁部６ｂに対向する部分に取付
け壁部９を設け、この取付け壁部９の外面９ａおよび内
面９ｂに取付け部材１０を嵌着させ、この取付け部材１
０と共締め状にライセンスプレート５を取付け壁部９に
対してねじ止めする。

【００２７】上記取付け壁部９は、図３に表れているよ
うに、上記ブラケット部６のコ字状端部をつなぐように
上記ライセンスプレート取付け部３と一体形成されてお
り、上記ブラケット部６と協働して上方に開口する箱状
の閉断面構造を構成している。上記取付け壁部９の中央
部には、上記バンパー連結ボルト８を車体２側に螺合さ
せる作業を行うための円形作業穴１１が設けられてい
る。この作業穴１１は、上記バンパー連結ボルト８およ
び工具をブラケット部６の内側に進入させることができ
る大きさに設定されている。

【００２８】上記取付け部材１０は、図３に示すよう
に、断面略Ｕ字状のばね板材から形成されており、上記
取付け壁部９を挟むようにして上方から嵌着されるよう
に構成されている。また、図３に表れているように、上
記取付け壁部９の外面９ａは上記ライセンスプレート取
付け部３の一般外面３ａから上記取付け部材１０の厚さ
分だけ段落ち状に形成されており、上記取付け部材１０
が上記取付け壁部９に嵌着されると、図２および図４に
示すように、上記取付け部材１０の外面１０ａと上記ラ
イセンスプレート取付け部３の外面３ａとが面一状にな
る。

【００２９】上記取付け部材１０の中央部には、上記作
業穴１１に連通する締結孔１２が設けられており、ライ
センスプレート５を上記取付け壁部９に上記取付け部材
１０と共締め状に固定できるように構成されている。

【００３０】すなわち、上記取付け部材１０を上記取付
け壁部９に嵌着させるとともに、上記締結孔１２および
上記作業穴１１にライセンスプレート取付けボルト１３
を連通挿させ、上記取付け部材１０の内側プレート１０
ｂに溶接したナット１４に螺合させることにより、ライ
センスプレート５がバンパー１に固定される。

【００３１】なお、上記取付け部材１０は、上記取付け
壁部９に弾性的に嵌着できるように、内外プレート１０
ａ，１０ｂの間隔が自然状態において上記取付け壁部９
の厚さよりも若干狭くなっている。また、本実施例にお
いては、上記取付け部材１０の内側プレート１０ｂの端
部１５は、上記取付け壁部９への嵌着を容易に行えるよ
うに、若干外方に曲折されている。

【００３２】上記の構成により、上記バンパー連結ボル
ト８によって車体２と上記バンパー１のブラケット部６
とが螺着されるとともに、上記ライセンスプレート取付
けボルト１３によってライセンスプレート５が上記ライ
センスプレート取付け部３の外面３ａに固定される。

【００３３】本実施例においては、上記ブラケット部６
と上記取付け壁部９とで閉断面構造が構成されているた
め、上記ブラケット部６の剛性が高く、バンパー１のラ
イセンスプレート取り付け部３を車体２に対して強度高
く連結することができる。しかも、上記ブラケット部６
とともに閉断面構造を構成する取付け壁部９に対してラ
イセンスプレート５が上記取付け部材１０と共締め状に
固定される。このため、ライセンスプレート５をバンパ
ー１および車体２と共締め状に固定するのと同様の取付
け強度で取り付けることができる。

【００３４】もちろん、ライセンスプレート５は、上記
ブラケット部６の分だけ車体２から離間した状態で固定
されているため、視認性の向上が図られている。

【００３５】また、本実施例においては、上記取付け壁
部９に上記取付け部材１０を嵌着させると、上記取付け
壁部９に設けた作業穴１１が上記取付け部材１０によっ
て覆われるとともに、上記ライセンスプレート取付け部
３の外面３ａと取付け部材１０の外面とが面一状にな
る。このため、上記ライセンスプレート取付け部３全体
が平坦面でなければならないとされている諸外国の法制
にも対応することができる。

【００３６】また、上記取付け部材１０は、上記取付け
壁部９に弾性的に嵌着することができるため、きわめて
簡単に取り付けることができるとともに、この取付け部
材１０とともにライセンスプレート５を共締め状にして
固定するため、ライセンスプレート５の取付け強度をさ
らに向上させることができる。

【００３７】しかも、従来例のように、車体２に対して
ブラケットを溶接する作業等がなく、製造工程が簡単に
なり、コストを低減させることができる。

【００３８】なお、本願考案は、上記実施例に限定され
ることはない。本実施例においては、上記ブラケット部
６の底壁部６ｂと上記取付け壁部９とを平行に形成した
が、車体の形状等に応じて角度をもたせることができ
る。

【００３９】また、本実施例においては、上記取付け壁
部９の外面９ａを段落ち状に形成してライセンスプレー
ト取付け部の外面３ａおよび取付け部材１０の外面を面
一状に構成したが、これに限定されることはなく、ライ
センスプレートの固定に支障がなければ、必ずしも面一
状に構成する必要はない。

【００４０】また、上記取付け部材１０の内プレート１
０ｂの端部１５が外方に曲折されているが、曲折させな
くともよい。

【００４１】また、上記取付け部材１０の形状も本実施
例に限定されることはなく、たとえば台形状に形成して
もよい。

【００４２】また、上記作業穴１１の形状も本実施例に
限定されることはなく、たとえば矩形に形成してもかま
わない。

【００４３】もちろん、本実施例のライセンスプレート
の取付け構造は、車体前部に取り付けられるライセンス
プレートにも適用できることは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願考案に係るライセンスプレートの取付け構
造の外観を示す斜視図である。

【図２】図１におけるII-II 線に沿う拡大断面図であ
る。

【図３】本願考案に係るライセンスプレートの取付け構
造の要部の分解斜視図である。

【図４】本願考案に係るライセンスプレートの取付け構
造の要部を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 樹脂製バンパー ２ 車体 ３ ライセンスプレート取付け部 ５ ライセンスプレート ６ ブラケット部 ６ｂ 底壁部 ９ 取付け壁部 １０ 取付け部材 １１ 作業穴 １２ 締結孔 １３ 取付けねじ（ライセンスプレート取付けボルト）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B60R 19/50

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 樹脂製バンパーに設けたライセンスプレ
   ート取付け部の外面にライセンスプレートを添着固定す
   るライセンスプレートの取付け構造であって、 上記ライセンスプレート取付け部の内面から車体側に向
   かって一体突出形成されるとともに、底壁部が車体に螺
   着される断面略コ字状のブラケット部と、 上記底壁部に対向して設けられ、上記ブラケット部と協
   働して閉断面構造を構成するとともに作業穴を備える取
   付け壁部と、 上記作業穴を覆うようにして上記取付け壁部の内面およ
   び外面に添着されるとともに、上記作業穴に連通する締
   結孔を設けた取付け部材とを備え、 上記作業穴および締結孔を連通挿させられる取付けねじ
   によって、上記ライセンスプレートおよび上記取付け部
   材を上記取付け壁部に対して共締め状に固定したことを
   特徴とする、ライセンスプレートの取付け構造。