JP2577362B2 - スロ−アウエイ式千鳥刃転削工具 - Google Patents

スロ−アウエイ式千鳥刃転削工具

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JP2577362B2
JP2577362B2 JP61252170A JP25217086A JP2577362B2 JP 2577362 B2 JP2577362 B2 JP 2577362B2 JP 61252170 A JP61252170 A JP 61252170A JP 25217086 A JP25217086 A JP 25217086A JP 2577362 B2 JP2577362 B2 JP 2577362B2
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axial rake
rake angle
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cutting
chip
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馨 増田
信雄 桧山
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、多数のスローアウエイチツプが円周方向
に交互に正または負のアキシヤルレーキ角を付されて装
着されたスローアウエイ式千鳥刃転削工具に関するもの
である。
[従来の技術] 従来より、この種のスローアウエイ式千鳥刃転削工具
の一つとしてスローアウエイ式千鳥刃サイドカツタ(以
下、サイドカツタと略称する。)が知られている。
このサイドカツタは、大径円板状のカツタ本体の外周
に、その一方の端面を基準にした場合に正となるアキシ
ヤルレーキ角を付された複数のスローアウエイチツプ
(以下、チツプと略称する。)と、負のアキシヤルレー
キ負を付された複数のチツプとが、円周方向に交互にか
つ等間隔を隔てて装着されたものである。ここで、これ
らチツプの正負のアキシヤルレーキ角は、互いに絶対値
が等しい角度とされている。
[発明が解決しようとする問題点] ところが、上記従来のサイドカツタにおいては、これ
らチツプが互いに絶対値が等しいアキシヤルレーキ角を
付されて装着されているので、これら正負のチツプによ
ってカツタ本体に作用する切削力の大きさが互いに等し
い。しかも、これらチツプが円周方向に等間隔をもって
装着されているので、カツタ本体にはこれらチツプによ
る切削力が一定の周期で作用する。他方、特にこの種の
サイドカツタにあっては、装着するチツプの数が極めて
多い反面カツタ本体が大径円板状をなしているため、極
めて振動やびびりを発生しやすい構造になっている。
このため、上記従来のサイドカツタにあっては、切削
時の回転数により、そのカツタ本体が上記チツプの切削
力に起因する一定周期の振動に共振して小さな振幅の振
動やびびりを発生し、この結果仕上げ面粗度の悪化を招
いてしてしまうという問題があった。
[発明の目的] この発明は上記事情に鑑みてなされたもので、カツタ
本体に切削力に起因する小さな振動が発生するのを防止
することができるスローアウエイ式千鳥刃転削工具を提
供することを目的とするものである。
[問題点を解決するための手段] この発明のスローアウエイ式千鳥刃転削工具は、正の
アキシヤルレーキ角を付して装着したチツプの該アキシ
ャルレーキ角を、負のアキシャルレーキ角を付して装着
したチップの該アキシャルレーキ角の絶対値よりも小さ
な角度に設定したものである。
[作用] 上記構成からなるスローアウエイ式千鳥刃転削工具に
おいては、正のアキシヤルレーキ角を付されたチツプに
よって工具本体に作用する切削力の大きさと、負のアキ
シヤルレーキ角を付されたチツプによって作用する切削
力の大きさとが異なったものになる。しかも、アキシヤ
ルレーキ角が異なる結果、これらチツプの円周方向に沿
う切刃長さも互いに異り、よって1刃当たりの切削時間
も異なったものになる。
したがって、上記工具本体に、異なった大きさの切削
力が異なった長さで交互に作用するため、この工具本体
が共振するような規則的な振動を生じることがなく、こ
の結果上記切削力に起因する振動やビビリの発生が防止
される。
また、基準端面に対しての正のアキシャルレーキ角を
なすチップの該アキシャルレーキ角を、負のアキシャル
レーキ角をなすチップの該アキシャルレーキ角の絶対値
よりも小さく設定しているので、これらのチップの切削
力の軸線方向の分力(背分力)の差により、工具本体に
幾分これを軸線方向の上記基準端面側から他方の端面側
に押圧する押圧力が発生する。このため、この押圧力に
よって工具本体を工作機械等の回転軸に押さえ付けて安
定した切削が行うことができるとともに、特に工具本体
の肉厚が小さくてその剛性が十分に確保し難い場合など
に、工具本体に振れが生じたりしても、この振れは専ら
上記基準端面から他方の端面側に向かう方向に生じるこ
ととなり、これにより上記基準端面を越える方向の深い
切り込みが被削材に与えられてしまうような事態を防止
することができる。
[実施例] 第1図〜第5図は、この発明のスローアウエイ式千鳥
刃転削工具の第一実施例であるサイドカツタを示すもの
である。
第1図〜第3図において、図中符号1は大径円板状の
カツタ本体(工具本体)を示すものであり、このカツタ
本体1外周には、凹溝状をなしカツタ本体1の一端面側
に沿うチツプ取付座2…と他端面側に沿うチツプ取付座
3…とが、円周方向に等間隔を隔てて交互に形成されて
いる。そして、これらチツプ取付座2…、3…に、それ
ぞれチツプ6…が装着されている。
このチツプ4…は、第4図および第5図に示すよう
に、超硬合金等からなる方形板状のもので、着座面とさ
れた下面5…をそれぞれ上記チツプ取付座2…、3…の
くさび部材6…上面に当接させるとともに、各々の上面
7の稜線部に形成された切刃8、8のうちの一方をカツ
タ本体1の外周側に位置させて、ボルト9…および上記
くさび部材6…により着脱自在に装着されている。
ここで、上記チツプ取付座2…におけるチツプ4…
は、カツタ本体1の一方の基準端面10に対して正のアキ
シヤルレーキ角θを付されて装着されている。また、
チツプ取付座3…に装着されたチツプ4…は、負のアキ
シヤルレーキ角−θとされている。
そして、これらチツプ4…における正のアキシヤルレ
ーキ角θと負のアキシヤルレーキ角−θの絶対値θ
とは、互いに異なる角度とされている。因に、上記角
度θおよびθは、それぞれθ<θとなるように
設定されている。
以上の構成からなる千鳥刃サイドカツタにおいては、
正または負とされたチツプ4…のアキシヤルレーキ角の
絶対値θ、θを互いに異なるものに設定しているの
で、切削時にカツタ本体1に作用する切削力が、正のア
キシヤルレーキ角θとされたものと負のアキシヤルレ
ーキθとされたものとでは異なった大きさになる。し
かも、これら正または負のアキシヤルレーキ角とされた
チツプ4…のそれぞれの切刃8の円周方向に沿う切刃長
さも互いに異り、よって1つのチツプ4の切刃8当たり
の切削に関与する時間も異なったものになる。
このため、カツタ本体1には、交互に異なった大きさ
の切削力が異なった間隔で作用する。したがって、この
千鳥刃サイドカツタにあっては、カツタ本体1にこれが
共振するような規則的な周期の振動が生じることがない
ため、いかなる回転数においても優れた仕上げ面粗度を
得ることができる。
また、正のアキシヤルレーキ角θを負のアキシヤル
レーキ角の絶対値θより小さくしているので、これら
チツプ4…の切削力の軸線方向の分力(背分力)の差に
より、カツタ本体1に幾分これを、軸線方向の基準端面
10側から他方の端面側に向かう方向に押圧する押圧力が
発生する。このため、この押圧力によってカツタ本体1
を工作機械等に回転軸に押さえ付けて安定した切削が行
うことができる。
しかも、このように上記押圧力は、カッタ本体1を基
準端面10側から他方の端面側に向けて押圧するように作
用するので、特に本実施例のサイドカッタのようにカッ
タ本体1が大径円板状をなして肉厚が相対的に小さく、
従ってその剛性が十分に確保し難い場合などにあって、
たとえカッタ本体1に振れが生じたりしても、この振れ
は専ら上記基準端面10から他方の端面側に向かう方向に
生じ、あるいは該方向に押さえ込まれることとなる。こ
のため、本実施例によれば、このような振れによって被
削材が上記基準端面10を越える方向へ深く切り込まれ過
ぎてしまうような事態を防止することができ、すなわち
被削材に必要以上の切り込みが与えられてしまうのを防
ぐことができるので、上述の共振防止効果とも相俟って
一層優れた仕上げ面粗度を得ることが可能となる。
[他の実施例] 第6図〜第8図は、この発明のスローアウエイ式千鳥
刃転削工具の第二実施例であるフルサイドカツタを示す
もので、図中符号11が大径円板状のカツタ本体(工具本
体)である。
このカツタ本体11の外周には、その一端面12側に開口
するチツプ取付座13…、14…と、他端面15側に開口する
チツプ取付座16…、17…とが円周方向に交互に、かつ軸
線に対して反対方向に傾斜して形成されている。そし
て、上記チツプ取付座13…、14…のうちのチツプ取付座
13…は、カツタ本体11の端面12側に沿って、また上記チ
ツプ取付座16…、17…のうちのチツプ取付座16…は、カ
ツタ本体11の端面15側に沿って形成されている。他方、
チツプ取付座14…、17…はそれぞれ軸線方向の中央部側
に沿って形成されている。さらに、これらチツプ取付座
13…、14…あるいはチツプ取付座16…、17…は、それぞ
れ円周方向に交互に形成されている。
そして、これらチツプ取付座13…、14…、16…、17…
に、それぞれ三角形の板状のチツプ18…が着脱自在に装
着されている。また、このフルサイドカツタにおいて
も、第1図〜第3図に示したものと同様に、一方の基準
端面12に対して正のアキシヤルレーキ角θを付された
チツプ18…と、負のアキシヤルレーキ角−θを付され
たチツプ18…とが、円周方向に交互に装着されている。
ここで、これらチツプ18…における正のアキシヤルレ
ーキ角θと負のアキシヤルレーキ角−θの絶対値θ
とは、互いに異なる角度に形成されている。
また、第9図〜第11図は、この発明の第三実施例であ
るインターナル・サイドカツタを示すものである。
このインターナル・サイドカツタでは、大径リング板
状のカツタ本体21の内周面に、その一端面22側に開口す
るチツプ取付座23…、24…と、他端面25側に開口するチ
ツプ取付座26…、27…とが円周方向に交互に、かつ軸線
に対して反対方向に傾斜して形成されている。そして、
上記チツプ取付座23…、26…は、それぞれチツプ取付座
24…、27…よりカツタ本体21の半径方向に突出して形成
されている。さらに、これらチツプ取付座23…、24…あ
るいはチツプ取付座26…、27…は、それぞれ円周方向に
交互に形成されている。
そして、これらチツプ取付座23…、24…、26…、27…
に、それぞれ第4図および第5図に示したものと同形の
チツプ28…が装着されている。ここで、このインターナ
ル・サイドカツタにおいても、第1図〜第3図に示した
ものと同様に、一方の基準端面22に対して正のアキシヤ
ルレーキ角θを付されたチツプ28…と、負のアキシヤ
ルレーキ角−θを付されたチツプ28…とが、円周方向
に交互に装着されている。また、これらチツプ28…にお
ける正のアキシヤルレーキ角θと負のアキシヤルレー
キ角−θの絶対値θとは、互いに異なる角度とされ
ている。
以上の構成からなる、上記第二および第三実施例のフ
ルサイドカツタおよびインターナル・サイドカツタにあ
っても、第一実施例に示したサイドカツタと同様の作用
効果を得ることができる。
なお、上記第一〜第三実施例においては、いずれもチ
ツプ取付座を傾斜させることにより、チツプの正のアキ
シヤルレーキ角θ、θ、θと負のアキシヤルレー
キ角−θ、−θ、−θとをそれぞれ異なったもの
に設定したが、これに限るものではなく、第12図および
第13図に示すように、上面30の切刃31に沿うすくい面32
を上記上面30に対して所定の角度δだけ傾斜させたチツ
プ33を正(または負)のアキシヤルレーキ角とされるチ
ツプとして装着することにより、互いのアキシヤルレー
キ角を異なったものに設定してもよい。これによれば、
カツタ本体の製作がより容易になるとともに、上記すく
い面32の傾斜角度δを適宜選択することにより、正負の
アキシヤルレーキ角の絶対値の差を切削条件に応じた最
適の値に設定することができる。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明のスローアウエイ式千
鳥刃転削工具によれば、千鳥刃状に装着したチツプの一
方の基準端面に対する正のアキシヤルレーキ角を、負の
アキシャルレーキ角の絶対値よりも小さい角度に設定
し、両者を異なる角度としているので、正のアキシャル
レーキ角を付されたチップと負のアキシャルレーキ角を
付されたチップとでは、工具本体に作用する切削力、お
よび1のチップの切刃当たりの切削に関与する時間が、
互いに異なったものになる。
これにより、このスローアウェイ式千鳥刃転削工具に
あっては、工具本体にこれが共振するような規則的な周
期の振動が生じることがないため、いかなる回転数にお
いても優れた仕上げ面粗度を得ることができる。
さらに、このように基準端面に対して正のアキシャル
レーキ角をなすチップの該アキシャルレーキ角を、負の
アキシャルレーキ角をなすチップの該アキシャルレーキ
角の絶対値よりも小さくすることにより、工具本体に幾
分これを軸線方向の上記基準端面側から他方の端面側に
押圧する押圧力が発生し、これによってより安定した切
削が行うことができるとともに、特に工具本体の肉厚が
小さくてその剛性が十分に確保し難い場合などに工具本
体に振れが生じたりしても、上記押圧力によってこの振
れは専ら上記基準端面から他方の端面側に向かう方向に
生じ、あるいは該方向に押さえ込まれることとなるの
で、上記基準端面を越える方向への必要以上の深い切り
込みが被削材に与えられてしまうような事態を防止する
ことができ、一層の仕上げ面粗度の向上を図ることが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図はこの発明のスローアウエイ式千鳥刃転
削工具の一実施例を示すもので、第1図は正面図、第2
図は側面図、第3図は第1図のIII−III線視断面図、第
4図および第5図は上記転削工具に装着されているチツ
プを示すもので、第4図は側面図、第5図は正面図、第
6図〜第8図はこの発明の第二実施例を示すもので、第
6図は正面図、第7図側面図、第8図は第6図のVIII−
VIII線視断面図、第9図〜第11図はこの発明の第三実施
例を示すもので、第9図は正面図、第10図は側面図、第
11図は第9図のXI−XI線視断面図、第12図および第13図
は上記転削工具に装着される他のチツプの形状を示すも
ので、第12図は側面図、第13図は正面図である。 1,11,21…カツタ本体(工具本体)、4,18,28,33…チツ
プ(スローアウエイ式チツプ)、 10,12,22…基準端面、 2,3,13,14,16,17,23,24,26,27…チツプ取付座、 θ12345…アキシヤルレーキ角。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】工具本体に形成されたチップ取付座に、上
    記工具本体の一の基準端面に対して互いに等しい正のア
    キシャルレーキ角を付された複数のスローアウェイチッ
    プと、互いに等しい負のアキシャルレーキ角を付された
    複数のスローアウェイチップとが、円周方向に交互にか
    つ等間隔を隔てて装着されてなるスローアウェイ式千鳥
    刃転削工具において、 上記正のアキシャルレーキ角を、上記負のアキシャルレ
    ーキ角の絶対値よりも小さい角度に設定したことを特徴
    とするスローアウェイ式千鳥刃転削工具。
JP61252170A 1986-10-23 1986-10-23 スロ−アウエイ式千鳥刃転削工具 Expired - Lifetime JP2577362B2 (ja)

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