JPH0621614Y2

JPH0621614Y2 - スロ−アウエイ式カツタ−

Info

Publication number: JPH0621614Y2
Application number: JP1987098740U
Authority: JP
Inventors: 修辻村; 辰夫新井; 貴宣斉藤
Original assignee: Mitsubishi Materials Corp
Current assignee: Mitsubishi Materials Corp
Priority date: 1987-06-27
Filing date: 1987-06-27
Publication date: 1994-06-08
Anticipated expiration: 2002-06-27
Also published as: JPS644511U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］この考案は、カツター本体の先端部外周に装着された複
数のスローアウエイチツプにより、軸方向切削および横
送り切削を行うことができるスローアウエイ式カツター
に関するものである。

［従来の技術］第１１図および第１２図は、従来のスローアウエイ式カ
ツターの一種であるスローアウエイ式正面フライス（以
下、正面フライスと略称する。）を示すものである。

この正面フライスは、フライス本体（カツター本体）１
の先端中央部にコア収納用の凹部２が形成され、その先
端部外周に３つのチツプポケツト３…が円周方向に等間
隔で形成されるとともに、各チツプポケツト３の回転方
向に面する壁面に形成されたチツプ取付座４に方形板状
のスローアウエイチツプ（以下、チツプと略称する。）
５が着脱自在に装着されたものである。

ここで、各チツプ５は、その稜線部に形成された切刃
６、７、８のうちフライス本体１の先端側にあってその
外周側から内周側へ向かう切刃６が底刃とされ、またこ
の底刃６の外周側端部からフライス本体１の軸線方向を
先端側から基端側へ向かう切刃７が外周刃とされるとと
もに、上記切刃６の内周側端部からフライス本体１の軸
線方向を基端側に向かう切刃８が内周刃とされている。
一方、符号９は、各チツプ５の基端側にてそれぞれチツ
プポケット３内に固定されたクランプ駒で、クランプ駒
９の一端はチツプ取付座４の上方に伸長されている。そ
して、このクランプ駒９の一端により、チツプ５が回転
方向前方からチツプ取付座４に押圧固定されている。

ところで、上記正面フライスによれば、軸線方向切削時
にコア収納用の凹部２内に生成される円柱状のコアを、
横送り切削時にチツプ５の内周刃８によって削り取って
行くことができるため、横送り切削と軸方向切削とのい
ずれの切削をも行うことができるという利点がある。

［考案が解決しようとする問題点］しかしながら、上記従来の正面フライスにあっては、各
チツプ５の基端側のフライス本体１の壁面にクランプ駒
９用の収納座やボルト孔等を形成するとともに、クラン
プ駒９の着脱を回転方向前方から行う必要がある。その
結果、いきおいフライス本体１の基端側と回転方向前方
とを大きくえぐりとるようにしてチツプポケット３を形
成しなければならず、このため円周方向に多数のチツプ
５を装着することが困難であるという欠点があった。ま
た、切削上必要なポケツト量よりも大きくフライス本来
１がえぐり取られてしまう結果その工具剛性も低下して
しまうため、特に内周刃と外周刃とにより切削を行なう
横送り切削時においては、一のチツプ５当たりに大きな
切削荷重が加わり、びびりを生じたり、甚だしい場合に
はチツプ５がズレたりして加工精度の悪化をもたらすと
いう問題があった。

そこで、チツプの装着数を増やし、かつカッターの剛性
低下を防止する技術として、例えば実開昭６２−８０１
７号公報に開示されているものがある。上記技術を適用
した正面フライスの構造の例を第１３図に示す。

フライス本体１の先端部に形成されたチツプ取付座３０
には、チツプ５がシート部材３１を介して載置され、か
つチツプ５に隣接するシート部材３１上には、チツプ５
のフライス本体１の軸線方向（第１３図中線Ｙ−Ｙ方
向）への移動を防止するためのサポータ部材３２が載置
されている。また、これらチツプ５とシート部材３１お
よびサポータ部材３２は、回転方向前方のチツプ取付座
３０に、フライス本体１の外周側から嵌入されたくさび
部材３３，３４によりフライス本体１に固定される。

上記構成を有する正面フライスでは、くざび部材３３，
３４が、チツプ取付座３０に、フライス本体１の外周側
から嵌入されるため、チツプポケット３を必要最小限に
形成することができる。従って、剛性に優れ、かつフラ
イス本体１の先端部外周に多数のチツプ５を装着するこ
とが可能となる。

また、チツプ５がシート部材３１を介してチツプ取付座
３０に固定されているため、フライス本体１の損傷が少
なく、かつシート部材３１が損傷した場合でも交換が容
易であるという利点もある。

ところで、横送り切削と軸方向切削とを同時に行なう場
合、前記コアを内周刃８により削り取る際、チツプ５は
径方向内方から半径方向の切削荷重を受ける。しかしな
がら、実開昭６２−８０１７号公報に開示のチップ５装
着法では、チツプ５の径方向内方から半径方向外方への
移動は、単にチツプ５と、シート部材３１およびくさび
部材３３，３４との接触面における摩擦力により防止さ
れているに過ぎず、前記切削荷重がこの摩擦力を越える
と、チツプ５が半径方向外方にズレる可能性があった。

［考案の目的］この考案は上記事情に鑑みてなされたもので、工具剛性
に優れかつ多数のチツプを装着することができ、特に、
横送り切削と軸方向切削とを同時に行った場合における
半径方向外方へのチツプのズレが防止されたスローアウ
エイ式カツターを提供することを目的とするものであ
る。

［問題点を解決するための手段］この考案のスローアウエイ式カツターは、カツター本体
の先端部外周に形成されたチツプ取付座の回転方向に面
する壁面に、シート部材を間を介してチツプを、その切
刃をカツター本体の先端側および外周側並びに内周側に
形成されたコア収納用の凹部内にそれぞれ一させて載置
し、上記チツプをその上面とチツプ取付座の対向する壁
面との間に嵌入されたくさび部材により固定するととも
に、上記チツプとシート部材との互いの当接面にそれぞ
れ互いに係合する凹凸部を軸線に沿う方向に形成したも
のである。

［作用］上記構成のスローアウエイ式カツターにあっては、カツ
ター本体の先端中央部にコア収納用の凹部を形成し、か
つチツプの内周側の切刃を上記凹部内に位置させている
ので、軸線方向切削のみならず横送り切削も行なうこと
ができる。

また、くさび部材でチツプを固定するようにしているの
で、チツプポケツトを必要最小限に形成することができ
るとともに、多数のチツプを装着することが可能とな
る。しかも、各チツプをシート部材上に、互いの軸線に
沿って形成された凹凸部を係合させて載置しているの
で、半径方向外方への切削荷重を上記凹凸部によって確
実に受けることができる。

以上の結果、一のチツプに作用する切削荷重の低減化と
高い工具剛性を得ることができ、安定した高い精度の切
削加工を行なうことができる。特に、半径方向外方への
切削荷重を確実に受けることができるため、チツプの半
径方向外方へのズレが防止される。

［実施例］第１図〜第１０図は、この考案のスローアウエイ式カツ
ターの一例である正面フライスを示すものである。

第１図〜第４図において、この正面フライスのフライス
本体１０の先端中央部には、コア収納用の大径の凹部１
１が形成されている。また、フライス本体１０の先端部
外周には、４つのチツプポケツト１２…が円周方向に等
間隔を隔てて形成されており、各チツプポケツト１２に
はチツプ取付座１３が形成されている。そして、上記チ
ツプ取付座１３の回転方向に面する壁面には、各々シー
ト部材１４が載置され、このシート部材１４上にチツプ
１５が載置されいる。

シート部材１４は、第８図〜第１０図に示すように外観
略方形板状のもので、その上面１６のチツプ１５が載置
される箇所には、フライス本体１０上に組み込まれた際
にその軸線方向に伸びる凸部１７が形成されている。他
方チツプ１５は、第６図および第７図に示すように、外
観略平行四辺形状のもので、すくい面とされる上面１８
の各稜線部には、それぞれ切刃１９、２０、２１、２２
が形成されている。また、このチツプ１５の着座面とさ
れる下面２３には、シート部材１４上の凸部１７と係合
する凹部２４が形成されている。

そして、これらシート部材１４およびチツプ１５は、互
いの凹凸部１７、２４を係合させてチツプ取付座１３上
に載置されている。ここで、チツプ１５に隣接するシー
ト部材１４上には、このチツプ１５の軸線方向の移動を
係止するための板状のサポータ部材２５が載置されてお
り、これらチツプ１５およびサポータ部材２５は、各々
の上面とチツプ取付座１３の他方の壁面との間にフライ
ス本体１０の外周側から嵌入されたくさび部材２６、２
７によりチツプ取付座１３内に固定されている。そし
て、上記くさび部材２６、２７のチツプポケツト１２内
に面する表面は、それぞれこのチツプポケツト１２を形
成する壁面と連続するような曲面状に形成されている。

以上により、チツプ１５はその切刃１９〜２２のうちフ
ライス本体１０の先端側に位置する切刃１９が底刃とさ
れ、また外周側の切刃２０が外周刃とされるとともに、
内周側の凹部１１内に位置する切刃２１が内周刃とされ
てチツプ取付座１３内に固定されている。

このような正面フライスによって軸方向切削を行なう
と、第５図に示すように、底刃とされる切刃１９によっ
てワークＷに環状の溝Ｆが切削形成される。この結果、
フライス本体１０の回転中心部に位置するワークＷに
は、軸線Ｏから切刃１９の内周側端部までの距離を半径
とするコアＣが生成される。そしてこのコアＣは、正面
フライスの送りに伴って相対的に成長してコア収納凹部
１１内に収納され、その後横送り切削を行う際に内周刃
とされる切刃２１によって削り取られてゆく。なお、単
なる横送り切削を行う場合には、一般の正面フライスと
同様に外周刃とされる切刃２０によって切削加工が行わ
れてゆく。

このような正面フライスにあっては、カツター本体１０
の先端中央部にコア収納用の凹部１１を形成し、かつチ
ツプ１５の内周側の切刃２１を上記凹部１１内に位置さ
せているので、軸線方向切削のみならず横送り切削も行
なうことができる。

また、チツプ取付座１３に外周側から嵌入したくさび部
材２６によりチツプ１５を固定するようにしているの
で、チツプポケツト１２をチツプ取付座１３に覆い被さ
るように形成することができる。この結果チツプポケツ
ト１２を必要最小限に形成することができるため、その
工具剛性に優れるとともに、フライス本体１０の先端部
外周に多数のチツプポケツト、換言すれば多数のチツプ
を装着することができる。これにより、高い工具剛性と
一のチツプに作用する切削荷重の低減化を得ることがで
き、よって安定した高い精度の切削加工を行なうことが
できる。

特に、本考案に係る正面フライスにあっては、各チツプ
１５をシート部材１４上に、互いのフライス本体１０の
軸線に沿って形成された凹凸部１７、２４を係合させて
載置しているので、横送り切削時に作用する半径方向外
方への切削荷重を上記凹凸部１７、２４によって確実に
受けることができ、よってチツプ１５が半径方向外方に
ズレたり等するおそれがない。また、フライス本体１０
に凹凸部等を形成する必要がないため加工が容易である
とともに、チツプ交換時等にこのフライス本体１０を傷
めることがなく、損傷を受けたシート部材１４のみを適
宜交換することができるため、上記フライス本体１０を
長期に亙って使用することができる。さらに、チツプ１
５をフライス本体１０の外周側から着脱することができ
るためその操作性にも優れる。

なお、上記実施例においては、シート部材１４に凸部１
７を形成し、チツプ１５にこれと係合する凹部２４を形
成したが、これに限るものではなく、シート部材側に凹
部を形成しチツプ側にこれと係合する凸部を形成しても
よい。また、サポータ部材はシート部材と一体に形成し
てもよい。

［考案の効果］以上説明したようにこの考案のスローアウエイ式カツタ
ーは、カツター本体のチツプ取付座に、シート部材を間
に介してチツプを、その切刃をカツター本体の先端側お
よび外周側並びに内周側に形成されたコア収納用の凹部
内にそれぞれ位置させて載置し、上記チツプをその上面
とチツプ取付座の対向する壁面との間に嵌入されたくさ
び部材により固定するとともに、上記チツプとシート部
材との互いの当接面にそれぞれ互いに係合する凹凸部を
軸線に沿う方向に形成したので、一のチツプに作用する
切削荷重の低減化と高い工具剛性を得ることができ、特
に、半径方向外方への切削荷重を確実に受け止められる
ため、横送り切削と軸方向切削とを同時に行った場合に
おけるチツプの半径方向外方へのズレが防止される。従
って、安定した高い加工精度で横送り切削と軸線方向の
切削とを行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図はこの考案のスローアウエイ式カツター
の一実施例であるスローアウエイ式正面フライスを示す
もので、第１図は正面図、第２図は縦断面図、第３図は
要部の側面図、第４図は第３図のIV矢視図、第５図はこ
の考案に係るカツターによる軸方向切削を示す縦断面
図、第６図および第７図はチツプを示すもので、第６図
は正面図、第７図は側面図、第８図〜第１０図はシート
部材を示すもので、第８図は側面図、第９図は正面図、
第１０図は第９図のＸ−Ｘ線視図で、第１１図および第
１２図は従来のスローアウエイ式カツターの一例を示す
もので、第１１図は側面図、第１２図は正面図である。
第１３図は従来のスローアウエイ式カッターの他の例を
示すカッターの一部斜視図である。１０……フライス本体、１１……コア収納用凹部、１３……チツプ取付座、１４……シート部材、１５……スローアウエイチツプ（チツプ）、１７……凸部、１９，２０，２１，２２……切刃、２４……凹部、２６，２７……くさび部材。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献実開昭62−8017（ＪＰ，Ｕ) 実開昭62−72015（ＪＰ，Ｕ) 実公昭44−9271（ＪＰ，Ｙ１) 実公昭60−26887（ＪＰ，Ｙ２)

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】カツター本体の先端中央部にコア収納用の
凹部が形成され、上記カツター本体の先端部外周にチツ
プ取付座が形成されるとともに、上記チツプ取付座にス
ローアウエイチツプが、その切刃を上記カツター本体の
先端側および外周側並びに内周側の上記凹部内にそれぞ
れ位置させて装着されてなるスローアウエイ式カツター
において、上記カツター本体のチツプ取付座の回転方向に面する壁
面にシート部材を間に介してスローアウエイチツプを載
置し、上記スローアウエイチツプをその上面と上記チツ
プ取付座の対向する壁面との間に嵌入されたくさび部材
により固定するとともに、上記スローアウエイチツプと
シート部材との互いの当接面にそれぞれ互いに係合する
凹凸部を軸線に沿う方向に形成してなることを特徴とす
るスローアウエイ式カツター。