JP2577258B2 - 緩み止めナットの製造方法 - Google Patents

緩み止めナットの製造方法

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JP2577258B2 JP1171780A JP17178089A JP2577258B2 JP 2577258 B2 JP2577258 B2 JP 2577258B2 JP 1171780 A JP1171780 A JP 1171780A JP 17178089 A JP17178089 A JP 17178089A JP 2577258 B2 JP2577258 B2 JP 2577258B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ボルト等に螺合した後の緩みを阻止するこ
とができる緩み止めナットの製造方法に係り、特に良好
な緩み止めトルクを得ることができるナットを比較的容
易に低コストで製造する方法に関するものである。
(従来の技術) 従来、例えば第3図A乃至Dに示すような緩み止めナ
ットの製造方法が知られている。これは、次のような方
法である。即ち、第3図Aに示すようなナット素材11の
一端側に同図Bに示すように円錐形状のテーパ部12を形
成し、同図Cに示すようにテーパ部12に等間隔の切込み
13を縦方向に6箇所入れた後、ナット素材11の内周にね
じ孔11aを形成する。そして、テーパ部12を同図Dに示
すように断面略半円形の凹部Daを備えた型Dにて軸線方
向に圧搾して内方にかしめ、テーパ部12のねじ孔12aを
円形に縮小するものである。
(発明が解決しようとする課題) 上記従来の緩み止めナットの製造方法においては、テ
ーパ部12に切込み13を入れる工程が連続工作のネックと
なり、製造に手数を要し、コスト高となるし、ボルトと
の螺合時に切込み13の両側の角がボルトの表面に対して
鋭角に接触するために、この部分がボルトのねじ部を削
って切り粉を生じさせ、この切り粉がねじ部に巻き込ま
れて焼き付きの原因となり易いという問題があった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもの
で、良好な緩み止めトルクを有するナットを容易に、か
つ安価に得ることを課題とする。
(課題を解決するための手段) 本発明においては、上記の課題を解決するため、多角
形ナット素材1の一端側に円錐形状のテーパ部2を形成
する工程と、ナット素材1にねじ孔1a,2aを形成する工
程と、多角錐の凹部を備えた型Dにて頭部2を軸線方向
に圧搾してねじ孔2aを非円形に形成する工程とを含む方
法を採用した。
(作用) 本発明の方法においては、多角形ナット素材1の一端
側に略円錐形状のテーパ部2を形成し、このナット素材
1にねじ孔1aを形成する。次にテーパ部2より小径の略
多角錐の凹部を備えた型Dにてテーパ部2を軸線方向に
圧搾し、テーパ部2を略多角錐に形成すると共に、テー
パ部のねじ孔2aを縮小させ非円形にして緩み止めナット
を製造する。従って、ナット素材から緩み止めナットの
完成まで連続工程が可能となる。こうして製作されたナ
ットは、テーパ部2の非円形のねじ孔2aによりボルトを
締め付けて緩み止めトルクを得る。また、切込みを設け
ずに一体成型するため、ねじ孔2aがボルトに対して鋭角
的に接触することがなく焼き付きが防止され、さらに破
損等が発生しにくい。
(実施例) 第1図,第2図に本発明の実施例を示す。第1図A乃
至Cは緩み止めナットの製造工程を順を追って示す正面
図、及び平面図、第2図は第1図CにおけるII−II断面
図である。
この実施例の方法においては、第1図A,Bに示すよう
に、先ず6角ナット素材1の一端側に円錐状のテーパ部
2を形成する。テーパ部2は、例えばナットフォーマに
よる打ち出しの場合は型により、あるいは切削すること
により形成する。
次いで、第1図Bに示すように、従来のような切込み
を入れないで、ナット素材1の内周にねじ部1aを刻設す
る。なお、この実施例においてナット素材1のねじ部1a
をこの工程で螺刻せず、テーパ部を形成する前に行なっ
てもよい。
次に、第1図C,第2図に示すように、尖端がテーパ部
2より小径の略6角錐の凹部Daを備えた型Dにて、テー
パ部2を軸線方向に圧搾して、テーパ部2のねじ孔2aを
縮小させる。この結果、ねじ孔2aは歪み、テーパ部2の
型Dの凹所Daと略相似形の6角形に近い非円形となる。
このようにして、ナット素材から緩み止めナットの完
成までが連続工程となる。こうして製作されたナット
は、テーパ部2の非円形のねじ孔2aによりボルトを締め
付けて緩み止めトルクを得る。また、切込みを設けずに
一体的に成型するため、ねじ孔2aがボルトに対して鋭角
的に接触することがなく焼き付きが防止され、さらに破
損等が発生しにくい。
ナット素材1の圧搾工程は、通常ナット素材1の平行
な対向側面あるいは対向角部を保持した状態で行われ
る。そして、圧搾工程を経たものは、ねじ孔2aの内径寸
法が所定寸法以下になっているか否か検査される。内径
寸法が所定寸法以上である場合には、再び先と同じ型D
にて、同じ位置を先よりも深く軸線方向に圧搾して所定
の内径寸法を得る。この再圧搾工程においても、ナット
素材1は、平行な対向側面あるいは対向角部を保持され
る。ナット素材1を保持する治具と型Dとは、軸回りの
相対位置関係が固定されているから、ナット素材1は、
再圧搾の際、必ず先と同一の六個所が圧搾されることに
なる。即ち、ナット素材1は、どのような方向で治具に
よって固定される場合でも、前回の圧搾時の位置に対し
て、軸回りに60゜、120゜、180゜、240゜の何れかのず
れが生じるだけであるから、六角錐形の凹所を有する同
じ型Dにて圧搾すれば必ず先と同一の六個所が圧搾され
る。
(発明の効果) 以上のように、本発明においては、六角形のナット素
材1の一端側に、円錐形のテーパ部2を形成する工程
と、このナット素材1にねじ孔aを形成する工程と、六
角錐の凹部Daを備えた型Dにてテーパ部2を軸線方向に
圧搾して、ねじ孔aの端部をほぼ六角形状に変形させる
工程とを含む方法を採用したため、ナット素材から緩み
止めナットの完成に至るまで連続工程となる。また、こ
うして製作されたナットは、テーパ部のほぼ六角形のね
じ孔2aにより、ボルトを締め付けて良好な緩み止めトル
クを得ることができる。六角形のナット素材1を同じく
六角錐の凹部Daを備えた型Dで圧搾するから、再圧搾の
際に必ず前回と同一の六個所が圧搾され、再圧搾による
所望の内径寸法のねじ孔2aの形成が容易である。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図に本発明の実施例を示す。第1図A乃
至Cは緩み止めナットの製造工程を順を追って示す正面
図、及び平面図、第2図は第1図CにおけるII−II断面
図、第3図は従来の緩み止めナットの製造工程を順を追
って示す正面図、及び平面図である。 1……多角形ナット素材 1a……ねじ孔 2a……非円形のねじ孔 D……型 Da……凹所
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−71549(JP,A) 特開 昭54−86054(JP,A) 特開 昭54−47952(JP,A) 実開 昭56−14211(JP,U) 実開 昭53−165502(JP,U) 特公 昭45−12176(JP,B1) 特公 昭63−1141(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】六角形のナット素材の一端側に、円錐形の
    テーパ部を形成する工程と、ナット素材にねじ孔を形成
    する工程と、六角錐の凹部を備えた型にてテーパ部を軸
    線方向に圧搾して、ねじ孔の端部をほぼ六角形状に変形
    させる工程から成ることを特徴とする緩み止めナットの
    製造方法。
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