JP2575192B2 - コンクリートセグメント - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、トンネルの円周方向および長手方向に隣
接して設置されるコンクリートセグメントに関する。

〔従来の技術〕

トンネルのシールド工法において、トンネルの内周を
コンクリートセグメントによって覆工する方法が最も広
く一般に知られているが、地山の崩壊に耐えられるよう
十分な強度を備えているとともに、組み立て易いことが
望ましい。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、コンクリートセグメントは、従来より様々な
形状のものが開発され、その多くは組み立て後のセグメ
ントどうしの結合を確実なものとするため、周縁部に互
いに係合し合う凹部と凸部とが形成されているものが多
い。

このため、コンクリートセグメントを成形する型枠の
形状が複雑で、概してコンクリートセグメントの成形が
面倒であった。また、トンネル内周の覆工は数種類のコ
ンクリートセグメントを組み合わせて行う場合が多く、
然もセグメントどうしは連結ボルトなどによって連結さ
れるため、組み立てもきわめて面倒であった。

この発明は、以上の課題を解決するためになされたも
ので、成形が簡単で、かつ、トンネル内周の覆工を一種
類のセグメントで行うことができ、簡単な組立作業で強
度の高い覆工を可能にしたコンクリートセグメントを提
供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

この発明に係るコンクリートセグメントは、トンネル
の円周方向および長手方向に隣接して設置されるコンク
リートセグメントであって、（Ａ）台形状に形成され、
トンネルの円周方向に隣接するコンクリートセグメント
の接合面に互いに係合し合う凹部と凸部とが設けられ、
（Ｂ）トンネルの長手方向に隣接するコンクリートセグ
メントの接合面の一方の接合面にインサート金具が埋設
され、他方の接合面に前記インサート金具に挿入される
挿入金具が突設され、（Ｃ）前記インサート金具の内壁
に係止板が設けられ、（Ｄ）前記挿入金具の外周面に板
ばね状ストッパーがを設けられ、（Ｅ）前記挿入金具が
前記インサート金具に挿入されると同時に前記ストッパ
ー端面が前記係止板端面に係止するようになされたこと
を特徴とする。

〔実施例〕

以下、この発明に係るコンクリートセグメントを図示
する一実施例に基いて説明する。

コンクリートセグメント１（以下「セグメント１」と
いう）はトンネルの円周方向にやや長い等辺台形状に形
成され、その円周方向に隣接するセグメントの接合面に
互いに結合し合う凹部２と凸部３とが形成されている。
そして、トンネルの長手方向に隣接するセグメントの接
合面は、一方の接合面にインサート金具５が埋設され、
他方の接合面には、このインサート金具５に挿入される
挿入金具４が突設されている。さらに、セグメント１の
略中央部には組み立て後のセグメントの裏側に裏込め材
を充填するための裏込め用の裏込め材充填ホール６が形
成されている。

凹部２および凸部３はトンネルの長手方向、すなわ
ち、台形のセグメント１の両側辺面に連続して形成され
ている。

挿入金具４は円形又は矩形状に形成され、その先端は
先細に形成され、挿入側面部には板ばね状のストッパー
７が２枚ないし４枚突設されている。さらに、挿入金具
４はセグメント１のコンクリート中に配筋された鉄筋に
溶接するなどして強固に固定されている。

インサート金具５も挿入金具４と同様にセグメント１
のコンクリート中に配筋された鉄筋に溶接するなどして
強固に固定されている。

インサート金具５には挿入金具４の形状に対応して円
形又は矩形状をなし、かつ、挿入金具４を挿入可能な内
径を有する挿入孔5aが形成されている。

挿入孔5aの内側には挿入金具４が挿入孔5aに挿入され
ると同時にストッパー７の端面が引っ掛かって挿入金具
４の抜けを防止する係止板８が内壁の開口部に設けられ
ている。

このように構成されていることにより、挿入金具４が
インサート金具５の挿入孔5aに挿入されると同時にトン
ネルの長手方向に隣接するセグメントどうしは確実に接
合され、外れることはない。

このように形成された複数枚のコンクリートセグメン
ト１は、トンネルの円周方向には、凹部２と凸部３とが
互いに結合し合うことによってて連結され、トンネルの
長手方向には、挿入金具４がインサート金具５の挿入孔
5aに挿入され、かつ、ストッパー７と係止板８とが係止
することによって、連続して設置される。

そして、このように組み立てられたセグメントリング
の内側に内巻きコンクリート９が打設されている。

第７図、第８図は、挿入金具４およびインサート金具
５の変形例を示し、コンクリートセグメント１の接合面
には両方ともインサート金具５のみを埋設しておき、挿
入金具４を中間金具としてコンクリートセグメント１の
組み立て時に双方のインサート金具５に差し込む構造と
したものである。

このような構成にすれば、挿入金具４がコンクリート
セグメント１の接合面より突出しないので、運搬などの
取り扱い時に挿入金具４をぶつけて破損するなどといっ
たことはない。

また、コンクリートセグメント１が台形状に形成され
ていることから、組み立てられるセグメントリングは偶
数分割となるが、第９図に示すようにキーセグメント10
を使用すれば、奇数分割とすることもできる。

〔発明の効果〕

この発明に係るコンクリートセグメントは、以上説明
した構成からなるので以下の効果を有する。

トンネルの円周方向および長手方向に隣接するセグメ
ントどうしの接合に接合ボルトを使用しないので、セグ
メントの組立および接合作業を簡単に行うことができ
る。

台形状のセグメントを円周方向を交互に設置するの
で、セグメントどうしは円周方向に強く締めつけられ、
長手方向にはセグメントどうしが挿入金具とインサート
金具とによって一体的に接合されるので、隣接するセグ
メントは両方向に一体化し、強度的にも安定したトンネ
ルの覆工を行うことができる。

さらに、継手の構造がきわめて簡単で単純な形状の種
類の少ないセグメントを製造すればよいので、製造は簡
単となり、大量小品種の生産によるコスト低下が可能と
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第９図は、この発明に係るコンクリートセグメ
ントの一実施例を示し、第１図はセグメントリングの正
面図、第２図はセグメントの平面図、第３図はその側面
図、第４図はセグメントの一部破断平面図、第５図及び
第６図は挿入金具とインサート金具とを示すセグメント
の一部断面図、第７図及び第８図は変形例の挿入金具と
インサート金具とを示すセグメントの一部断面図、第９
図はセグメントリングの正面図である。 １……セグメント（コンクリートセグメント）、２……
凹部、３……凸部、 ４……挿入金具、５……インサート金具、６……裏込め
材充填ホール、 ７……ストッパー、８……係止板、９……内巻きコンク
リート、 10……キーセグメント。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】トンネルの円周方向および長手方向に隣接
   して設置されるコンクリートセグメントであって、
   （Ａ）台形状に形成され、トンネルの円周方向に隣接す
   るコンクリートセグメントの接合面に互いに係合し合う
   凹部と凸部とが設けられ、（Ｂ）トンネルの長手方向に
   隣接するコンクリートセグメントの接合面の一方の接合
   面にインサート金具が埋設され、他方の接合面に前記イ
   ンサート金具に挿入される挿入金具が突設され、（Ｃ）
   前記インサート金具の内壁に係止板が設けられ、（Ｄ）
   前記挿入金具の外周面に板ばね状ストッパーがを設けら
   れ、（Ｅ）前記挿入金具が前記インサート金具に挿入さ
   れると同時に前記ストッパー端面が前記係止板端面に係
   止するようになされたことを特徴とするコンクリートセ
   グメント。