JP2575187B2 - 予燃焼器付サイクロン石炭燃焼装置 - Google Patents

予燃焼器付サイクロン石炭燃焼装置

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JP2575187B2
JP2575187B2 JP63185523A JP18552388A JP2575187B2 JP 2575187 B2 JP2575187 B2 JP 2575187B2 JP 63185523 A JP63185523 A JP 63185523A JP 18552388 A JP18552388 A JP 18552388A JP 2575187 B2 JP2575187 B2 JP 2575187B2
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陸宏 白羽
建二 森
信吾 鈴谷
英一 原田
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は石炭の低NOx化燃焼および石炭灰の溶融状態
での除去を目的とするサイクロン石炭燃焼装置に関する
ものである。
[従来の技術] 第3〜6図は第1の従来技術の例で、特開昭60−9321
2号公報等に記載されているアメリカ式およびドイツ式
サイクロンファーネスである。第3図はアメリカ式サイ
クロンファーネスの側断面図、第4図は第3図における
b・b線矢視断面図である。第5図はドイツ式サイクロ
ンファーネスの側断面図、第6図は第5図におけるc・
c線矢視断面図である。第3〜6図において、51は燃焼
炉、52は砕炭および1次空気投入口、53は2次空気送入
口、54は3次空気送入口、55はバッフルである。
第3〜4図において燃焼炉51の前壁中央部に形設され
た投入口52から投入された砕炭は1次空気および3次空
気によって旋回を与えられて炉内に入り、高温雰囲気の
中で着火される。燃焼炉51の上部には燃焼炉51の内壁の
接線方向に2次空気送入口53が形設されており、砕炭お
よび1次空気投入口52から投入された砕炭の旋回方向と
同方向に旋回しながら燃焼用2次空気を送入する。
これによって砕炭はほぼ燃焼炉51の周壁に沿って旋回
しながら燃焼し、燃焼灰は高温雰囲気のもとで溶融状態
となって周壁に沿って炉底に流下し、燃焼灰の大部分を
除去された燃焼ガスはバッフル55の中央部から2次炉側
に流出する。
第5〜6図のドイツ式サイクロンファーネスにおいて
は円筒状の燃焼炉51の周壁にほぼ燃焼炉51の接線方向に
砕炭および1次空気投入口52が形設されており、投入さ
れた砕炭は燃焼炉51の内壁に沿ってほぼ燃焼炉51の軸と
直角方向に旋回する。
更に砕炭および1次空気投入口52の上部には燃焼炉51
の接線方向に2次空気送入口53が形設されており、燃焼
炉51の内周壁に沿って燃焼炉51の軸にほぼ直角方向に燃
焼用2次空気が送入され、投入口52から投入された砕炭
と同方向に旋回しながら燃焼を行ない、高温雰囲気のも
とで燃焼灰を溶融状態にして周内壁に沿って流下させ、
燃焼灰の大部分を除去された燃焼ガスはバッフル55の中
央部から2次炉側に流出する。
第7図は第2の従来技術の例で、特開昭61−191805号
公報に記載されているイオウ含有燃料を燃焼する3段階
法による燃焼炉の系統図である。第7図において61は第
1段燃焼室、62は第2段燃焼室、63は第3段燃焼室、64
は燃料混合物と第1段燃焼室用空気の入口、65は廃棄
口、66は導管、67は入口、68は第2段燃焼室用空気入
口、69はスラグ廃棄口、70は出口、71は入口、72は第3
段燃焼室用空気入口、73は出口である。
燃料と添加剤を含む燃料混合物と第1段階の燃焼のた
めの空気が入口64から室61に投入される。その際燃焼用
空気量を投入した燃料混合物の理論燃焼空気量の75%程
度以下とする。これによって燃料中の灰成分は溶融され
ることなく、燃料中の添加剤とイオウとは結合して室61
の底部に固体の形で堆積されるとともに、その化合物は
燃料中にある灰形成物質から生じる灰の大きな粒子とと
もに廃棄口65を経由して室61から選択的に外部に排出さ
れる。
またこの灰形成物質は微粉砕粒状灰の形成を生じ、こ
れは室61内部に渦巻き効果を形成するように導入された
燃焼用空気のサイクロン効果により、灰の微粉砕粒子の
形で可燃性燃料中に懸濁して保持される。
室61を出た微粉砕灰および可燃性ガスは導管66を経由
して第2段燃焼室62に送入される。入口67から室62に送
入された微粉砕炭および可燃性ガスは第2段燃焼用空気
入口68から送入された燃焼用空気と混合されて第2段燃
焼室62中でガスのサイクロン効果を保つ。
1100℃以上の温度で室62内で燃焼を行ない、更に燃料
有価物の燃焼ならびに粒状灰の溶融を行ない、室62の周
壁を被覆する溶融スラグを形成する。溶融スラグは壁面
を降下して室62の底部に滞留し、スラグ廃棄口69を経て
外部に排出させる。室62に送入される燃焼用空気による
サイクロン効果によって微細灰粒子は溶融スラグと被覆
壁に接触させられ、溶融スラグと融解物に粘着する。
室62内で粒状物質の大部分を除去された燃焼ガスは出
口70、入口71を経由して第3段燃焼室63に送入される。
室63内へ送入されたガスは第3段燃焼室用空気入口72か
ら送入された燃焼用空気と混合され燃焼を完了する。室
63からの排気は出口73を通るガス中の粒子の量に応じて
大気中あるいは粒子の処理設備へ接続する出口73から流
出する。
[発明が解決しようとする課題] このように上記従来の技術においても、粉砕された石
炭を燃焼炉内で燃焼空気とともに旋回させて燃焼し、高
温雰囲気のもので燃焼灰を溶融状態にして炉底から排出
させ、ダクト含有量を低減させた高温の燃焼ガスを下流
側に連通して配設した2次炉等に送入させることが可能
であった。
しかしながら上記従来の技術においては下記のごとき
解決されるべき課題を有していた。
まず第1の従来技術の例においては燃焼炉本体の空間
が大きいことにより、着火、保炎性能が不安定であるこ
と、単一の燃焼炉内で一挙に燃焼を行なうことによる燃
焼ガスの急激な膨張により、燃焼ガスあるいは燃焼灰等
の旋回力が低下し、それに伴って燃焼室内における燃焼
灰の除去率が低下するという不具合を有していた。
また第2の従来技術の例においては燃料と添加剤を含
む燃料混合物を全量第1段燃焼室内に投入し、各段燃焼
室毎に燃焼用空気を送入して燃焼を行なうことによっ
て、各段燃焼室の雰囲気温度をそれぞれの目的に対応し
た値に維持させている。そのため、例えば第1段燃焼室
においては送入する空気量を投入燃料混合物の燃焼必要
空気量の75%以下とし、該燃焼室内の温度を800〜1050
℃に保持している。
このため第1段燃焼室内における着火および保炎が低
温のために不安定になり易いほか、第2段燃焼室に流入
する燃焼ガスが比較的低温であることにより第2段燃焼
室用空気による燃焼が安定し難く、また負荷が低下した
際に燃料混合物と送入空気との比率を定格負荷時と同じ
に保った場合には第1段燃焼室内の燃焼ガス温度が低下
し、逆に第1段燃焼室内の燃焼ガス温度を確保するため
に送入空気量を増加した場合には局部的に高温部が生
じ、燃焼灰の一部が第1段燃焼室内で溶融するとともに
第2段燃焼室内の燃焼温度を燃焼灰の溶融する高温に維
持することが困難になるという不具合を有していた。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決するための手段は、前記特許請求の範
囲第1〜3項に記載した予燃焼器付サイクロン石炭燃焼
装置である。すなわち、 (1)横型円筒状サイクロン型燃焼炉本体と、竪型円筒
状サイクロン型予燃焼器と、燃焼炉本体と予燃焼器との
接続ダクトを有するサイクロン石炭燃焼装置において、
予燃焼器の頂部に燃料の全量と、1次および2次の燃焼
用空気と投入口を形設し、予燃焼器の側壁部に3次の燃
焼用空気の送入口を形設する予燃焼器付サイクロン石炭
燃焼装置。
(2)予燃焼器内に投入される燃料と1次および2次の
燃焼用空気は、旋回力を付与された状態で予燃焼器の軸
方向の下向きに投入され、予燃焼器内に送入される3次
の燃焼用空気は、予燃焼器の出口近傍に、予燃焼器の周
壁部から旋回力を付与されることなく、予燃焼器内の中
心に向かって半径方向に送入される(1)記載の予燃焼
器付サイクロン石炭燃焼装置。
(3)予燃焼器内に送入される1次と2次の燃焼用空気
の流量の合計が、全燃焼用空気流量の35±5%である
(1)〜(2)のいずれか1項に記載の予燃焼器付サイ
クロン石炭燃焼装置である。
以下、本発明の作用等について実施例に基づいて説明
する。
[実施例] 第1〜2図は本発明に基づく実施例を示す図で、第1
図は予燃焼器付サイクロン石炭燃焼装置の側断面図、第
2図は第1図におけるa・a線矢視断面図である。第1
〜2図において、1は竪型予燃焼器、2は燃焼炉本体、
3は微粉炭・チャー・1次空気および2次空気投入口、
4は中間バッフル、5はバッフル、6はスラグ流下口、
7は2次炉、8は3次空気送入口、9は接続ダクトであ
る。
第1図において燃焼炉本体2の上流側上部に取り付け
た竪型予燃焼器1の頂部に微粉炭・チャー・1次空気お
よび2次空気投入口3が形設されている。微粉炭あるい
はチャー等の燃料の全量と1,2次空気の全量は前記投入
口3からスワラー等によって旋回を与えられて予燃焼器
1の頂部中心部から予燃焼器1の軸方向に投入される。
投入された燃料は小容積の予燃焼器1内で十分な熱負
荷のもとで着火し、1,2次空気によって燃料の一部を燃
焼した状態で予燃器1内を流下する。予燃焼器1内の下
流側の側壁には燃焼用3次空気の送入口8が形設されて
おり、予燃焼器1に投入される全燃焼用空気量から1,2
次の空気の量を除いた残りの空気量を、予燃焼器1の周
壁部から炉内ガスの流れ方向に沿って送入する。
これによって予燃焼器1内の滞留時間が短いことと、
燃焼完結に必要な3次空気の送入位置が予燃焼器1内の
下流側にあることによって燃焼を完結していない燃焼状
態の燃料と高温の燃焼用空気および燃焼ガスは速度を増
した状態で接続ダクト9を経由して燃焼炉本体2に、燃
焼炉本体2内の円筒断面の接線方向に流入する。
燃焼炉本体2内に流入した着火状態の燃料は高温雰囲
気の中で強い旋回を行ないながら燃焼し、燃焼灰を溶融
状態にして周内壁に沿って流下させ、スラグ流下口6か
ら炉外に排出させるとともに、燃焼灰の大部分を除去さ
れた燃焼ガスはバッフル5の中央部から2次炉7側に流
出する。燃焼炉本体2の中央部には炭種あるいは負荷に
応じて必要な場合には中間バッフル4を形設することも
ある。
予燃焼器1内では燃料の安定した着火および保炎を行
ない、燃焼状態にある燃料と高温の燃焼用空気および燃
焼ガスを燃焼炉本体2に供給することを目的としている
ものの、一部の燃料が高熱負荷のもので燃焼を完結し、
その燃焼灰が溶融することもあるが、予燃焼器1が燃焼
炉本体2の上部に配設されており、予燃焼器1と燃焼炉
本体2とを連通させる接続ダクト9が鉛直に取り付けら
れているため、予燃焼室1内で溶融した燃焼灰は燃焼炉
本体2内に自由に流下し、接続ダクト9を閉塞させるこ
とはない。
予燃焼炉1内における1〜3次の燃焼用空気の配分
は、定格負荷時でおよそ1次:10%,2次:25%,3次:65%
であり、1次と2次との合計燃焼空気量を全空気量の約
35%とすることにより、投入口3から流入する空気の旋
回流における接線速度を軸方向速度に対して適度に保
ち、強度な循環領域を形成せしめるとともに、燃料の拡
散を十分に行なうことによって、燃料の安定した着火お
よび保炎を確保させている。
また部分負荷時においては旋回力を維持し、安定した
着火、保炎状態を保持するための1次および2次の燃焼
用空気量に調整し、予燃焼器1に投入される全空気量の
残りの空気量は3次空気を増減させることによって行な
っている。
[発明の効果] 本発明は以上説明したように構成されているので、以
下に記載されるような効果を奏する。すなわち、 横型円筒状サイクロン型燃焼炉本体と、竪型円筒状サ
イクロン型予燃焼器と、燃焼炉本体と予燃焼器との接続
ダクトを有するサイクロン石炭燃焼装置において、予燃
焼器の頂部に燃料の全量と、1次および2次の燃焼用空
気の投入口を形設し、予燃焼器の側壁部に3次の燃焼用
空気の送入口を形設し、予燃焼器内に投入する燃料と1
次および2次の燃焼用空気は、旋回力を付与した状態で
予燃焼器の軸方向の下向きに投入し、予燃焼器内に送入
する3次の燃焼用空気は、予燃焼器の周壁部から旋回力
を付与することなく、燃料と1次および2次の燃焼用空
気の流れ方向と同じ向きに送入し、予燃焼器頂部中心部
から投入する空気量を定格負荷時全必要燃焼空気量の約
35%とすることにより予燃焼器内における軸流速が小さ
くなり、旋回力を保持した燃焼用空気によって常に安定
した燃料の着火および保炎が得られると言う効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
第1〜2図は本発明に基づく実施例を示すもので、第1
図は予燃焼器付サイクロン石炭燃焼装置の側断面図、第
2図は第1図におけるa・a線矢視断面図である。 第3〜7図は従来技術の例である。 1……竪型予燃焼器、2……燃焼炉本体、 3……微粉炭・チャー・1次空気および2次空気投入
口、 4……中間バッフル、5……バッフル、6……スラグ流
下口、 7……2次炉、8……3次空気送入口、9……接続ダク
ト、 51……燃焼炉、52……砕炭および1次空気投入口、 53……2次空気送入口、54……3次空気送入口、55……
バッフル、 61……第1段燃焼室、62……第2段燃焼室、63……第3
段燃焼室、 64……燃料混合物と第1段燃焼室用空気の入口、65……
廃棄口、 66……導管、67……入口、68……第2段燃焼室用空気入
口、 69……スラグ廃棄口、70……出口、71……入口、 72……第3段燃焼室用空気入口、73……出口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 英一 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−172808(JP,A) 実開 昭61−149610(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】横型円筒状サイクロン型燃焼炉本体と、竪
    型円筒状サイクロン型予燃焼器と、燃焼炉本体と予燃焼
    器との接続ダクトを有するサイクロン石炭燃焼装置にお
    いて、 予燃焼器の頂部に燃料の全量と、1次および2次の燃焼
    用空気の投入口を形設し、 予燃焼器の側壁部に3次の燃焼用空気の送入口を形設す
    る ことを特徴とする予燃焼器付サイクロン石炭燃焼装置。
  2. 【請求項2】予燃焼器内に投入される燃料と1次および
    2次の燃焼用空気は、旋回力を付与された状態で予燃焼
    器の軸方向の下向きに投入され、 予燃焼器内に送入される3次の燃焼用空気は、予燃焼器
    の出口近傍に、予燃焼器の周壁部から旋回力を付与され
    ることなく、予燃焼器内の中心に向かって半径方向に送
    入される 請求項1記載の予燃焼器付サイクロン石炭燃焼装置。
  3. 【請求項3】予燃焼器内に送入される1次と2次の燃焼
    用空気の流量の合計が、全燃焼用空気流量の35±5%で
    ある 請求項1〜2のいずれか1項に記載の予燃焼器付サイク
    ロン石炭燃焼装置。
JP63185523A 1988-07-27 1988-07-27 予燃焼器付サイクロン石炭燃焼装置 Expired - Lifetime JP2575187B2 (ja)

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