JP3285595B2 - 微粉固体燃料燃焼装置 - Google Patents

微粉固体燃料燃焼装置

Info

Publication number
JP3285595B2
JP3285595B2 JP16813491A JP16813491A JP3285595B2 JP 3285595 B2 JP3285595 B2 JP 3285595B2 JP 16813491 A JP16813491 A JP 16813491A JP 16813491 A JP16813491 A JP 16813491A JP 3285595 B2 JP3285595 B2 JP 3285595B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nozzle
solid fuel
air
main burner
combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP16813491A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0518511A (ja
Inventor
君代 徳田
正治 大栗
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP16813491A priority Critical patent/JP3285595B2/ja
Publication of JPH0518511A publication Critical patent/JPH0518511A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3285595B2 publication Critical patent/JP3285595B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,微粉固体燃料を使用す
るボイラ,化学工業炉等に利用できる。
【0002】
【従来の技術】図5は、本発明の前提となる従来の微粉
固体燃料燃焼装置の一例を示す系統図である。この図に
おいて,(01)は炉本体,(02)は主バーナ本体,
(03)は主バーナ燃料ノズル,(04)は主バーナ空
気ノズル,(05)はオーバーファイアリングエア(O
FA)ノズル,(06)はアッパーバーナ(UB)燃料
ノズル,(07)はアディショナルエア(AA)ノズ
ル,(08)は石炭粉砕機,(09)は固体燃料,(1
0)は搬送用空気,(11)は通風機,(12)は微粉
固体燃料混合気,(13)はUB燃料混合気,(14)
は燃焼用空気,(15)は微粉固体燃料混合気輸送管,
(16)はUB燃料混合気輸送管,(17)は燃焼用空
気ダクト,(18)はOFA,(19)はOFAダク
ト,(20)はAA,(21)はAAダクト,(22)
は炉内,(23)は主バーナ火炎,(24)は主バーナ
燃焼排ガス,(25)はUB燃焼火炎,(26)は燃焼
排ガスをそれぞれ示す。
【0003】石炭粉砕機(08)に供給された固体燃料
(09)は微粉化され,同時に供給された搬送用空気
(10)と混合して,微粉固体燃料混合気(12)を形
成し,微粉固体燃料輸送管(15)を通して主バーナ本
体(02)とUB燃料ノズル(06)へ送給される。主
バーナ本体(02)には主バーナ燃料ノズル(03)と
主バーナ空気ノズル(04)が組込まれており,主バー
ナ本体(02)へ送り込まれて来た微粉固体燃料混合気
(12)は,主バーナ燃料ノズル(03)から炉内(2
2)へ噴射される。一方,燃焼用空気(14)は,通風
機(11)によって燃焼用空気ダクト(17)を通して
供給され,主バーナ本体(02)用,OFA(18)お
よびAA(20)に分流されて,それぞれ主バーナ空気
ノズル(04),OFAノズル(05)およびAAノズ
ル(07)から炉内(22)へ噴射される。主バーナ燃
料ノズル(03)から炉内(22)へ噴射された微粉固
体燃料混合気(12)は,図示されてない着火源によっ
て着火し,主バーナ火炎(23)を形成して燃焼を継続
する。主バーナ火炎(23)は,着火点近傍では,搬送
用空気(10)と主バーナ燃料ノズル(03)の周囲か
ら吹き込まれる燃焼用空気(14)の一部とに含まれる
酸素と反応して燃焼し,以後の主燃焼ゾーンでは,主バ
ーナ空気ノズル(04)から吹き込まれる燃焼用空気
(14)中の酸素によって燃焼が継続される。
【0004】従来のボイラでは,窒素酸化物(以下,N
x と略称する)を抑制するために,主バーナ燃料ノズ
ル(03)から吹き込まれる搬送用空気(10)と主バ
ーナ燃料ノズル(03)周囲および主バーナ空気ノズル
(04)から吹き込まれる燃焼用空気(14)との合計
が,主バーナ燃料ノズル(03)から吹き込まれる微粉
固体燃料の量論比を超えないようにされており,OFA
ノズル(05)以下の炉内(22)は還元雰囲気状態と
なる。主バーナ燃料ノズル(03)から吹き込まれた微
粉固体燃料の燃焼により発生したNOx は,燃焼領域が
還元雰囲気であるため還元される。したがってOFA
(18)投入部直前では,主バーナ燃焼排ガス(24)
中のNOx 濃度は減少し,代ってHCN,NH3 等の中
間生成物が発生する。また,還元雰囲気であるから,主
バーナ燃焼排ガス(24)中には相当の可燃分が残存す
る。
【0005】次に,主バーナ燃焼排ガス(24)中の可
燃分を燃焼させるために,OFAノズル(05)からO
FA(18)が炉内(22)へ吹き込まれる。OFA
(18)は,主バーナ燃料ノズル(03)から吹き込ま
れる微粉固体燃料の量に対して,主バーナ本体(02)
から投入される燃焼用空気(14)と搬送用空気(1
0)とOFA(18)の合計が空気比で 1.0 〜 1.05
となるような量を投入する。OFA(18)を投入する
目的が主バーナ燃焼排ガス(24)の燃焼を促進するこ
とであるにもかかわらず,OFA(18)投入後の空気
比を 1.0 〜 1.05と低く設定しているのは,OFA
(18)投入によって生じる酸化反応で主バーナ燃焼排
ガス(24)中の中間生成物がNOx に転換するのを抑
制するためである。
【0006】OFA(18)投入部の上方(後流)に
は,UB燃料ノズル(06)が装着されている。微粉固
体燃料輸送管(15)から分岐配管されたUB燃料混合
気輸送管(16)を通して,UB燃料混合気(13)が
供給され,このUB燃料ノズル(06)から炉内(2
2)へ吹き込まれる。UB燃料混合気(13)は微粉固
体燃料混合気(12)から分流されたものであり,搬送
用空気(10)に対する重量比(石炭/空気)と粒度分
布は,ほぼ微粉固体燃料混合気(12)と同等と見做す
ことができる。UB燃料混合気(13)の吹込みによ
り,UB燃料混合気(13)吹込部以降は還元雰囲気を
形成し,OFA(18)吹込みによって増加したNOx
が還元されてN2 に転換される。
【0007】UB燃料ノズル(06)の上方(後流)に
は,単段または複数段のAAノズル(07)が設けられ
ている(図示例では2段)。OFA(18)量とUB燃
料混合気(13)中の搬送用空気(10)量との合計
は,主バーナ燃焼排ガス(24)中の残存可燃分量とU
B燃料混合気(13)中の微粉固体燃料量との和の量論
比以下であり,UB燃料混合気(13)吹込部からAA
(20)吹込部までの炉内(22)領域は,通常,空気
比を 0.75 〜 1.0 に設定して,UB燃料混合気(1
3)吹込みによるNOx の増加を抑制する。しかし,A
A(20)吹込部までは還元雰囲気であるため,主バー
ナ燃焼排ガス(24)中に可燃分が残存する。AA(2
0)の吹込みは,この可燃分の燃焼を完結し,清浄な燃
焼排ガス(26)を形成するために行なわれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図6は石炭粉砕機(0
8)によって粉砕された微粉固体燃料の代表的な粒度分
布の一例を、揮発分が異なる3種類の石炭について、そ
れぞれ燃焼完結した微粉炭の粒度分布例として示す図で
ある。従来の微粉固体燃料燃焼装置では,主バーナ燃料
ノズル(03)から吹込む微粉固体燃料混合気(12)
とUB燃料ノズル(06)から吹込むUB燃料混合気
(13)とを,単に配管を分岐することによって分流す
るため,各混合気(12),(13)中の微粉固体燃料
の粒度分布はほぼ同等であった。
【0009】図7は本発明の発明者らが実施した実験結
果にもとづき,微粉炭の通過率が50%における炭素粒
子径と燃焼完結に必要な時間との関係を、燃焼温度が1
300℃の場合について示した図である。通常,ボイラ
では最上段の主バーナ燃料ノズル(03)から火炉出口
までの微粉固体燃料の滞留時間は数秒以上を確保してあ
り,前記図6の粒度分布からも主バーナ燃料ノズル(0
3)から吹込まれる微粉固体燃料は十分燃焼を完結でき
る。すなわち、同図6のグラフ中から燃焼に適する粒度
を選択し、それに合致した微粉固体燃料を主バーナ燃料
ノズル(03)から吹き込むことにより、同燃料は燃焼
を完結できることを示している。
【0010】しかし,UB燃料ノズル(06)から火炉
出口までの滞留時間は通常1秒以下,AAノズル(0
7)から火炉出口までは更に短い。したがって従来の燃
焼装置では,UB燃料ノズル(06)から吹込まれる微
粉固体燃料は,未燃分が多い状態で火炉から排出される
ことがある。特に微粉固体燃料量が多くなるに従ってそ
の傾向が強くなるので,AA(20)吹込部とUB燃料
混合気(13)吹込部間の領域では,NOx 低減に効果
的な還元雰囲気を形成することは困難であった。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の課
題を解決するために、主バーナ燃料ノズルと主バーナ空
気ノズルで構成されサイクロン型セパレータで分離され
た濃微粉固体燃料を空気比 0.75 から 0.85 未満として
燃焼領域に噴射する主バーナ本体と、この上方に順次設
けたOFAノズルとUB燃料ノズルとAAノズルとより
なり、OFAノズルにより空気を供給してUB燃料ノズ
ル入口部で空気比 0.95 から1.05 にすると共にUB燃
料ノズルにより上記サイクロン型セパレータで分離され
排気中に含有された粒径15μm以下の微粉固体燃料
を供給してその後流で空気比0.7から1.0 とし、更にA
Aノズルにより空気を供給して残存可燃分を完全燃焼さ
せることを特徴とする微粉固体燃料燃焼装置を提案する
ものである。
【0012】
【作用】微粉固体燃料混合気は,サイクロン型セパレー
タで濃・淡2種の微粉固体燃料混合気に分離され,濃微
粉固体燃料混合気は主バーナ燃料ノズルへ送り込まれ,
炉内へ吹込まれて主バーナ空気ノズルで供給される空気
と共に燃焼に供される。一方,淡微粉固体燃料混合気は
粒径15μm以下のものが分離されて上方のUB燃料ノ
ズルへ送り込まれ,炉内へ吹込まれてOFAノズル、更
にはAAノズル等により供給される空気と共に燃焼に供
される。
【0013】サイクロン型セパレータは,入って来た微
粉固体燃料混合気を遠心力を利用して濃・淡両微粉固体
燃料混合気に分離するものであるから,淡微粉固体燃料
混合気中の微粉固体燃料の粒径の方が当然細かくなり、
具体的に粒径15μm以下の微粉固体燃料が分離され
。したがって,火炉内滞留時間が短いUB燃料ノズル
から炉内へ吹き込まれても,淡微粉固体燃料混合気中の
微粉固体燃料は火炉出口までに充分燃焼を完結でき,
の結果、UB燃料ノズル部からその上方の空気ノズルま
での領域を,NOx 低減に効果的な還元雰囲気に形成す
ることが容易となる。
【0014】
【実施例】図1は本発明の一実施例を示す系統図であ
る。この図において,(101)は炉本体,(102)
は主バーナ本体,(103)は主バーナ燃料ノズル,
(104)は主バーナ空気ノズル,(105)はOFA
ノズル,(106)はUB燃料ノズル,(107)はA
Aノズル,(108)は石炭粉砕機,(109)は固体
燃料,(110)は搬送用空気,(111)は通風機,
(112)は微粉固体燃料混合気,(114)は燃焼用
空気,(115)は微粉固体燃料混合気輸送管,(11
7)は燃焼用空気ダクト,(118)はOFA,(11
9)はOFAダクト,(120)はAA,(121)は
AAダクト,(122)は炉内,(123)は主バーナ
火炎,(124)は主バーナ燃焼排ガス,(125)は
UB燃焼火炎,(126)は燃焼排ガス,(127)は
サイクロン型セパレータ,(128)は濃微粉固体燃料
混合気輸送管,(129)は淡微粉固体燃料混合気輸送
管,(130)は濃微粉固体燃料混合気,(131)は
淡微粉固体燃料混合気,(132)は共通管をそれぞれ
示す。ここで,前記図5により説明した従来のものと同
様の部分については,冗長になるのを避けるため,図5
中の符号の数字に100を加えた数を図1中の符号とし
て用い,詳しい説明を省く。
【0015】微粉固体燃料混合気輸送管(115)を通
して送り込まれて来た微粉固体燃料混合気(112)
は,その微粉固体燃料混合気輸送管(115)の途中に
設けられたサイクロン型セパレータ(127)に高速度
で吹込まれ,遠心力の作用により,濃・淡両微粉固体燃
料混合気(130),(131)に分離される。
【0016】図2はサイクロン型セパレータ(127)
の一例を示す縦断面図,図3は同じく他の例を示す縦断
面図,図4は図2のIV−IV水平断面図である。サイクロ
ン型セパレータ(127)に吹込まれた微粉固体燃料混
合気(112)は,サイクロン型セパレータ(127)
内で壁面側に微粉固体燃料の濃度が濃い濃微粉固体燃料
混合気(130)が形成され,サイクロン型セパレータ
(127)内の中央部には,淡微粉固体燃料混合気(1
31)が形成される。また,サイクロン型セパレータ
(127)内の微粉固体燃料混合気(112)中の微粉
固体燃料の粒度分布は,壁面に近い程粒径が大きく,中
心部に近い程粒径が小さくなる。
【0017】サイクロン型セパレータ(127)の濃微
粉固体燃料混合気(130)側は,濃微粉固体燃料混合
気輸送管(128)によって主バーナ燃料ノズル(10
3)と連絡されており,送り込まれて来た粒径の大きい
濃微粉固体燃料混合気(130)を主バーナ燃料ノズル
(103)から炉内(122)へ吹込んで燃焼に供す
る。一方,サイクロン型セパレータ(127)の淡微粉
固体燃料混合気(131)側は,淡微粉固体燃料混合気
輸送管(129)と共通管(132)によってUB燃料
ノズル(106)に連絡されており,送り込まれて来た
粒径の小さい淡微粉固体燃料混合気(131)をUB燃
料ノズル(106)から炉内(122)へ吹込んで燃焼
に供する。
【0018】主バーナ燃料ノズル(103)から吹き込
まれた濃微粉固体燃料混合気(130)は図示されてな
い着火源によって着火し,主バーナ火炎(123)を形
成して燃焼を継続する。濃微粉固体燃料混合気(13
0)中の微粉固体燃料の平均粒径は若干大きくなるが,
ボイラの最上段主バーナノズル(03)から火炉出口ま
での間に微粉固体燃料が滞留する時間は通常数秒以上確
保されているので,充分に燃焼を完結できる。
【0019】一方,淡微粉固体燃料混合気(131)中
の微粉固体燃料量を全体の20%と仮定すると,最大粒
径は図6より約15μmとなる。すなわち、通常のボイ
ラ運転では、燃焼性の面から200メッシュパス70%
より粗い粉砕を行うことは殆どないので、図6のグラフ
に示される微粉炭通過率20%において、最大粒径は約
15%となる。また、通常,ボイラの火炉内平均温度は
1300℃以上であるから,上記淡微粉固体燃料混合気
(131)中の微粉固体燃料は,火炉内滞留時間が1秒
以下でも,図7に示されるとおり,充分に燃焼を完結す
ることができる。その結果,淡微粉固体燃料混合気(1
31)をUB燃料ノズル(106)から炉内(122)
へ吹込み,UB燃料ノズル(106)からAA(12
0)吹込部までの領域で,NOx 低減に効果的な空気比
0.7〜1.0の還元雰囲気を形成することができる。
【0020】上記主バーナ(102)の燃焼領域では,
空気比を0.75ないし0.85とする。その理由を図
8によって説明する。図8は本発明の発明者らが実施し
た微粉炭燃焼試験結果の一例で,主バーナ空気比と火炉
出口NOx 濃度との関係を示したものである。ここで試
験条件について補足すると、同試験条件は、微粉炭供給
量=2500kg/h、搬送用空気量=5000kg/
h、火炉出口空気比=1.2( Excess O 2 =3.5
%)、主バーナ空気比=0.75〜0.85、OFA量
=0、UB入口空気比λ 1 =0.75〜0.85、UB
量=0、UB出口空気比λ 2 =0.75〜0.85、A
A出口空気比=1.2、主バーナ用空気量(含、搬送用
空気量)=62.5%〜70.8%(全燃焼用空気量に
対する割合)、AA量=37.5%〜29.2%(全燃
焼用空気量に対する割合)である。主バーナ燃焼領域を
還元雰囲気に維持して微粉炭の燃焼により発生したNO
x を還元した後,AAを投入して残存未燃分を焼却する
工程において,主バーナ空気比が大きい範囲では,主バ
ーナ空気比を減少させると,火炉出口NOx も低減する
傾向にある(AAの投入による焼却工程(酸化反応)
で、中間生成物のNO X 再転換および残存可燃物の燃焼
によるNO X 発生による)ことが,図8からわかる。し
かし,この火炉出口NOx は,主バーナ空気比がある値
以下になると,今度は逆に主バーナ空気比の低下に伴っ
て増加するようになる(主バーナ空気比が低下しすぎる
と炭化水素系可燃分の酸化反応が弱まってNOx の分解
反応が低下するため)。そしてNOx 低減率の最大値
は,主バーナ空気比が0.75から0.85までの間に
存在する。したがって主バーナ(102)の燃焼領域の
空気比は0.75から0.85までとする。
【0021】次に上記UB燃料ノズル(106)の入口
部空気比は0.95ないし1.05とする。図9も本発
明の発明者らが実施した微粉炭燃焼試験結果の一例で,
UB入口部空気比と火炉出口NOx 濃度および灰中未燃
分との関係を示したものである。ここで試験条件につい
て補足すると、同試験条件は、微粉炭供給量(含、UB
量)=2500kg/h、搬送用空気量=5000kg
/h、火炉出口空気比λ =1.2( Excess O 2
3.5%)、主バーナ空気比λ M =0.78、主バーナ
燃焼用空気量(含、搬送用空気量)=59.1%、OF
A=16.6%、UB入口空気比λ 1 =1.0、UB量
=250kg/h、UB出口空気比λ 2 =0.78、A
A量=24.3%である。なお、主バーナ燃焼用空気
量、OFA量およびAA量は全燃焼用空気量に対する割
合を示している。この図で火炉出口NOx にのみ着目す
ると,更に低空気比の方が有利であるが,燃焼性を加味
して灰中未燃分にも着目すると,空気比は0.95〜
1.05にする方が有利である。すなわち、UB入口
空気比0.95を境界として、空気比が低くなると灰中
未燃分が急激に上昇する傾向にあり、空気比が1.05
を超えても灰中未燃分の減少は顕著でないこと、火炉
出口NO X は空気比0.85を超えると上昇傾向にある
ので可能な限り低く抑えたいこと、UB入口空気比を
大きくしすぎるとUB出口に還元雰囲気を形成するため
のUB燃料投入量を多くする必要があること(UB燃料
ノズル出口からAAノズル入口部までの滞留時間が短い
のでNO X 還元および燃焼面で不利となる)、により、
OFAノズル(105)からOFA(118)を供給し
てUB燃料ノズル(106)入口部の空気比は0.95
から1.05までとする。
【0022】図10は本発明の効果を確認するために行
なった実験の結果を示すものである。ここで縦軸の『N
X (6%O 2 換算)発生量(%)』は、『NO X (6
%O 2 換算)(%)={(NO X )×(21−6)/
(21−(O 2 ))}×100』、但し、(NO X ):
実験時の実測火炉出口NO X %、また、(O 2 ):実験
時の実測火炉出口 Excess O 2 %である。また、横軸の
『AA投入率(%)』は、『(AA量/全燃焼用空気
量)×100』である。そして試験条件は、微粉炭供給
量=2500kg/h(含、UB量)、火炉出口空気比
=1.2(火炉出口 Excess O 2 =3.5%)、OFA
量=16.6%、UB量=250kg/hである。従来
の燃焼装置においてUB燃料ノズルから吹き込まれる微
粉固体燃料は、ボイラ火炉内での滞留時間が短いためU
B吹込部からAA吹込部間の領域にNO X 低減に効果的
な還元雰囲気の形成が困難、またAA吹込部から火炉出
口間の酸化領域における燃焼完結が困難と言った問題が
あったが、本発明の燃焼装置は、UB燃料としてサイク
ロン型セパレータにより分離した15μm以下の超微粒
微粉固体燃料を使用したことにより、図10に示すよう
にNO X 発生量および灰中未燃分の両方とも従来のもの
に比べて大幅に減少することが確認できる。
【0023】
【発明の効果】本発明においては,ボイラ火炉内の滞留
時間が短いUB燃料ノズルから吹込まれる微粉固体燃料
が,従来に比べ大幅に微粒化され、粒径15μm以下と
なっているので,燃焼性が向上して火炉内で燃焼を完結
できる。したがって,ボイラから排出される燃焼排ガス
中の未燃分を消滅できる。
【0024】また,UB燃料ノズルから吹込まれる微粉
固体燃料の燃焼性が向上するので,本微粉固体燃料の吹
込量が自由に設定できる。そこで,AA吹込部の上流領
域に空気比 0.7〜1.0 の還元雰囲気を形成させ,火炉出
口で燃焼排ガス中の酸素濃度が 1.0〜4.0 %となるよう
AAを吹込むことによって,従来に比べ大幅にNOx
低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例を示す系統図である。
【図2】図2は本発明で使用されるサイクロンセパレー
タの一例を示す縦断面図である。
【図3】図3は本発明で使用されるサイクロンセパレー
タの他の例を示す縦断面図である。
【図4】図4は図2のIV−IV水平断面図である。
【図5】図5は従来の微粉固体燃料燃焼装置の一例を示
す系統図である。
【図6】図6は微粉固体燃料の代表的な粒度分布の一例
を示す図である。
【図7】図7は炭素粒子径と燃焼完結に必要な時間との
関係を示す図である。
【図8】図8は主バーナ空気比と火炉出口NOx 濃度と
の関係を示す図である。
【図9】図9はUB入口部空気比と火炉出口NOx 濃度
および灰中未燃分との関係を示す図である。
【図10】図10はAA投入率とNOx 発生量および灰
中未燃分との関係を,従来の装置による場合と本発明の
装置による場合を比較して,示す図である。
【符号の説明】
(01),(101) 炉本体 (02),(102) 主バーナ本体 (03),(103) 主バーナ燃料ノズル (04),(104) 主バーナ空気ノズル (05),(105) オーバーファイアリングエア
(OFA)ノズル (06),(106) アッパーバーナ(UB)燃料
ノズル (07),(107) アディショナルエア(AA)
ノズル (08),(108) 石炭粉砕機 (09),(109) 固体燃料 (10),(110) 搬送用空気 (11),(111) 通風機 (12),(112) 微粉固体燃料混合気 (13) UB燃料混合気 (14),(114) 燃焼用空気 (15),(115) 微粉固体燃料混合気輸送管 (16) UB燃料混合気輸送管 (17) (117) 燃焼用空気ダクト (18),(118) OFA (19),(119) OFAダクト (20),(120) AA (21),(121) AAダクト (22),(122) 炉内 (23),(123) 主バーナ火炎 (24),(124) 主バーナ燃焼排ガス (25),(125) UB燃焼火炎 (26),(126) 燃焼排ガス (127) サイクロン型セパレータ (128) 濃微粉固体燃料混合気輸送管 (129) 淡微粉固体燃料混合気輸送管 (130) 濃微粉固体燃料混合気 (131) 淡微粉固体燃料混合気 (132) 共通管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大栗 正治 長崎県長崎市飽の浦町5番7号 長菱エ ンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−44507(JP,A) 特開 昭58−108306(JP,A) 特開 昭58−13906(JP,A) 特開 昭61−29606(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主バーナ燃料ノズルと主バーナ空気ノズ
    ルで構成されサイクロン型セパレータで分離された濃微
    粉固体燃料を空気比 0.75 から 0.85 未満として燃焼領
    域に噴射する主バーナ本体と、この上方に順次設けたO
    FAノズルとUB燃料ノズルとAAノズルとよりなり、
    OFAノズルにより空気を供給してUB燃料ノズル入口
    部で空気比 0.95 から1.05 にすると共にUB燃料ノズ
    ルにより上記サイクロン型セパレータで分離された排気
    中に含有された粒径15μm以下の微粉固体燃料を供給
    してその後流で空気比0.7 から1.0 とし、更にAAノズ
    ルにより空気を供給して残存可燃分を完全燃焼させるこ
    とを特徴とする微粉固体燃料燃焼装置。
JP16813491A 1991-07-09 1991-07-09 微粉固体燃料燃焼装置 Expired - Fee Related JP3285595B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16813491A JP3285595B2 (ja) 1991-07-09 1991-07-09 微粉固体燃料燃焼装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16813491A JP3285595B2 (ja) 1991-07-09 1991-07-09 微粉固体燃料燃焼装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0518511A JPH0518511A (ja) 1993-01-26
JP3285595B2 true JP3285595B2 (ja) 2002-05-27

Family

ID=15862467

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16813491A Expired - Fee Related JP3285595B2 (ja) 1991-07-09 1991-07-09 微粉固体燃料燃焼装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3285595B2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8361159B2 (en) 2002-12-03 2013-01-29 Arthrosurface, Inc. System for articular surface replacement
US8388624B2 (en) 2003-02-24 2013-03-05 Arthrosurface Incorporated Trochlear resurfacing system and method
EP2136717B1 (en) 2006-12-11 2013-10-16 Arthrosurface Incorporated Retrograde resection apparatus
JP5406564B2 (ja) * 2009-03-06 2014-02-05 大阪瓦斯株式会社 複合管状火炎バーナ
WO2010121250A1 (en) 2009-04-17 2010-10-21 Arthrosurface Incorporated Glenoid resurfacing system and method
EP2804565B1 (en) 2011-12-22 2018-03-07 Arthrosurface Incorporated System for bone fixation
WO2014008126A1 (en) 2012-07-03 2014-01-09 Arthrosurface Incorporated System and method for joint resurfacing and repair
US9492200B2 (en) 2013-04-16 2016-11-15 Arthrosurface Incorporated Suture system and method
JP5802730B2 (ja) 2013-11-22 2015-11-04 タキロン株式会社 ガイドピン刺し通し治具
US11607319B2 (en) 2014-03-07 2023-03-21 Arthrosurface Incorporated System and method for repairing articular surfaces
US20150250472A1 (en) 2014-03-07 2015-09-10 Arthrosurface Incorporated Delivery System for Articular Surface Implant
CN110446775B (zh) * 2017-01-06 2022-02-25 菲尼克斯先进技术有限公司 固态燃料粒子的可输送的可燃气态悬浮体
US11160663B2 (en) 2017-08-04 2021-11-02 Arthrosurface Incorporated Multicomponent articular surface implant
WO2020186099A1 (en) 2019-03-12 2020-09-17 Arthrosurface Incorporated Humeral and glenoid articular surface implant systems and methods

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0518511A (ja) 1993-01-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3285595B2 (ja) 微粉固体燃料燃焼装置
EP0731327B1 (en) Oxidant lancing nozzle
US5186617A (en) Recirculation and plug flow combustion method
JP2540636B2 (ja) ボイラ
WO2001096784A1 (en) LOW NOx PULVERIZED SOLID FUEL COMBUSTION PROCESS AND APPARATUS
JP2791029B2 (ja) 微粉炭バーナ
US4515094A (en) Fuel jet method and apparatus for pulverized coal burner
JPH1038217A (ja) 微粉炭燃焼バーナ
JPH0627561B2 (ja) 微粉炭の燃焼装置
JP2870675B2 (ja) 熱分解性燃焼帯域の操業方法
JP3068435B2 (ja) ボイラ火炉燃焼装置
JPH08121711A (ja) 微粉炭燃焼方法および微粉炭燃焼装置および微粉炭バーナ
JP2749365B2 (ja) 微粉炭バーナ
JPH0613923B2 (ja) 微粉固体燃料等の燃焼法
JP2575187B2 (ja) 予燃焼器付サイクロン石炭燃焼装置
JP3014953B2 (ja) 焼却炉
JP2619973B2 (ja) 超低量汚染物質排出燃焼法および装置
JPS58108306A (ja) 低nox微粉炭燃焼方法
JPH044486B2 (ja)
JPH05264015A (ja) ガスタービン排気再燃用バーナ
JPS58145810A (ja) 石炭の燃焼方法
JPH06129627A (ja) 排ガスの燃焼方法及び装置
JPH05332510A (ja) ボイラ等の低NOx燃焼方法及びその装置
JPH06265105A (ja) 微粉固体燃料燃焼装置
JPH0221107A (ja) 微粉炭の低NOx燃焼方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20000208

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees