JP2574965B2

JP2574965B2 - 内燃機関点火用配電器

Info

Publication number: JP2574965B2
Application number: JP7425292A
Authority: JP
Inventors: 義道沼田; 健安田; 弘允長江; 正雄大森; 真孝弓野; 守畑
Original assignee: Hitachi Automotive Engineering Co Ltd; Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd; Hitachi Automotive Systems Engineering Co Ltd
Priority date: 1992-03-30
Filing date: 1992-03-30
Publication date: 1997-01-22
Anticipated expiration: 2012-01-22
Also published as: JPH05280457A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガソリンエンジンなど
電気点火方式の内燃機関における点火用配電器に係り、
特に自動車用のエンジンに好適な内燃機関点火用配電器
に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車等の内燃機関に搭載されている点
火装置では、点火プラグと配電器の放電時に電波雑音を
発生するが、このときの電波雑音は周波数帯域が広いた
め、種々の無線通信に電波障害を与えたり、自動車に搭
載されている各種の電装品に誤動作を発生する虞れがあ
り、このため、このような点火装置には、従来から電波
雑音の発生を抑制するための種々の対策が施されてい
る。

【０００３】例えば、点火プラグからの電波雑音を抑制
する手段としては、抵抗入りの点火プラグに抵抗入りの
高圧電線を併用することが実用化されており、その有効
性が認められている。

【０００４】また、配電器からの電波雑音を抑制する対
策としては、配電器内の回転電極の先端放電部に誘電体
を付加し、この誘電体の作用により放電電圧を低下させ
ることが提案されており、例えば特開昭５３−９０５３
６号公報では、誘電体を回転電極から突出させて設ける
ようにした技術について開示し、また、特開昭５９−２
２６２７８号公報では、回転電極の上下面にシリコーン
ワニスを塗布する技術について開示し、さらに特開昭６
１−７６７６４号公報では、金網を用いて誘電体を回転
電極に密着させる技術について開示し、そして特開昭６
１−５３４６１号公報には、回転電極に金属酸化物を溶
射する技術について開示している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のうち、
シリコーンワニスを塗布したものでは、長期間使用する
と放電による熱でシリコーンワニスが劣化し、このため
放電電圧が上昇して電波雑音を低減する効果が低下して
しまうという問題がある。

【０００６】また、誘電体を突出させたものや、金網を
用いたものでは、これも長期間使用すると放電による熱
で誘電体と回転電極との接合面に間隙が発生するため、
シリコーンワニスの場合と同様に放電電圧が上昇し、電
波雑音低減の効果が低下してしまうという問題がある。

【０００７】さらに、金属酸化物を溶射したものでは、
同じく長期間使用すると放電による熱で溶射層が変質し
たり、溶融してしまうため、シリコーンワニスの場合
や、誘電体突出の場合と同様に放電電圧が上昇し、やは
り電波雑音低減効果が低下してしまうという問題があ
る。

【０００８】本発明の目的は、長期間使用しても放電電
圧が上昇することなく、常に良好な電波雑音低減効果を
維持することができるようにした内燃機関点火用配電器
を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的は、回転電極の
前記固定電極に対向する先端放電部分を、回転方向に沿
って円弧状に伸びた金属細条部で構成すると共に、この
金属細条部の固定電極に対向する部分と反対側の部分に
接して誘電体部材を設け、この誘電体部材の誘電率が回
転電極を保持した回転体の誘電率よりも大きな値を持つ
ようにして達成される。

【００１０】

【作用】図５は内燃機関点火用配電器の配電部を示す要
部断面図であるが、この配電器はハウジング１８とカム
軸１９によって内燃機関に装着され、カム軸１９は内燃
機関の回転に連動して回転するようになっており、カム
軸１９の上部には絶縁体面上に回転電極１２を取付けた
配電子(ロータ)１０が、金属スリーブ２０を介して嵌合
されている。そして、回転電極１２の先端放電部１に対
向して固定電極１６が設けられ、この固定電極１６は先
端放電部１の回転軌跡の外側に沿って複数個配置されて
いる。また、回転電極１２の回転中心上方には中央端子
１４が設けられ、この中央端子１４はスプリング１５と
炭素接点１３を介して回転電極１２に接続されている。
さらに、固定電極１６と中央端子１４は配電キャップ１
７内に収納され、配電キャップ１７はハウジング１８に
装着されている。

【００１１】このような構成の配電器において、回転電
極１２が固定電極１６の何れかに対向する位置にきたと
き、点火コイルの１次電流断続器の動作により発生した
高電圧は、中央端子１４、スプリング１５、及び炭素接
点１３を介して回転電極１２に伝達され、さらに回転電
極１２の先端放電部１と固定電極１６との間の微小間隙
１１の空気を絶縁破壊して固定電極１６に配電された後
に、点火プラグに供給される。そこで、このとき、回転
電極１２の固定電極１６間で発生した放電が電波雑音の
発生源となるのである。

【００１２】ところで、この放電が電波雑音の発生源と
なる理由は、放電初期時に回転電極１２と固定電極１６
間に存在する浮遊静電容量間をインパルス状に電流が流
れる状態、すなわち容量放電電流によるものであること
が知られている。

【００１３】そこで、この電波雑音を低減させるために
は、容量放電電流を小さくすれば良いが、この静電容量
は配電器の形状によって定まるので、大幅な低減は不可
能であり、むしろ放電開始電圧を低くする方が適切な方
法となる。

【００１４】そして、この放電開始電圧は、回転電極や
固定電極の放電面に誘電体を付加することにより、大幅
に低くできることが知られており、従って、図６に示す
ように、ステンレス板６にシリコーン系樹脂板８を密着
した低放電電圧特性を有する回転電極１２Ａを用いる方
法が提案されているが、この回転電極１２Ａは長期間使
用すると、ステンレス板６及びシリコーン系樹脂板８の
一部が熱変形や溶損等を受け、図示したうに、両者の接
合面７に間隙９が発生し、誘電体付加効果による放電電
圧低減作用が減殺されていってしまう場合がある。

【００１５】そこで、本発明では、第４図に示すよう
に、例えば回転電極１２Ｂの先端放電部１を金属細条部
２で形成し、この金属細条部２の後端部５に誘電体部材
３を接触させて配置し、さらに、必要に応じて、該誘電
体部材３の表面に、前記金属細条部２に接触しないよう
にして導電体のシールド４を施したものである。

【００１６】こうすると、この誘電体部材３を付加した
ことにより放電開始電圧が低下し、この結果、電波雑音
は充分に低減され、しかも、放電アーク熱の加熱による
熱変形や焼損等は、主として金属細条部２の最先端で生
じるため、その後方に配置されている誘電体部材３で
は、熱変形や焼損の発生の虞れは極めて少なくなり、放
電アーク熱に起因する間隙発生が抑制でき、長期使用に
おいても、放電電圧の上昇が抑えられ、低い放電電圧状
態に維持することができる。

【００１７】なお、シールド４は、上記したように必ず
しも必要ではないが、これを設けることにより、さらに
良好な放電電圧低下特性を得ることができるものである
が、これに代えて誘電体接続部材を用い、これにより誘
電体部材３を内燃機関のアース電位に接続しても同様の
効果がある。

【００１８】さらに、本発明の電極は、配電器の負極側
に適用するのが効果的である。

【００１９】

【実施例】以下、本発明による内燃機関点火用配電器に
ついて、図示の実施例により詳細に説明する。図１と、
図２は、本発明の第１の実施例における回転電極の断面
図と平面図を示したもので、この実施例では、回転電極
１２Ｂの本体として厚さ２ｍｍの黄銅板２３を用い、先
端放電部１となる金属細条部２の断面形状を、厚さ２ｍ
ｍ、奥行き２ｍｍの方形とし、その後端部５に、誘電体
部材３となる厚さ６ｍｍ、奥行き５ｍｍの酸化チタン成
形体２１を接触配置し、さらに、この酸化チタン成形体
２１の表面には、金属細条部２の周囲から１ｍｍ離して
銅溶体２２を施し、これによりシールド４が形成される
ようにしてある。なお、配電子１０、及び金属スリーブ
２０については、図５で説明した通りである。

【００２０】また、図３は別の一実施例で、回転電極１
２Ｂの本体を構成している黄銅板２３の平面形状を、図
２の実施例の場合とは異ならしめたものである。

【００２１】次に、この図１〜３の実施例による回転電
極２１Ｂを用いた自動車により２００Ｍｍ(１Ｍｍ＝１
Ｋｍ)の走行試験を行い、放電電圧の変化を測定した結
果を図７に示す。この図７は、横軸に走行距離をとり、
縦軸に放電電圧をとった特性図で、この結果によると、
放電電圧は４．５〜５．０ｋｖであり、走行距離が増加
しても放電電圧の上昇は極めて小さく、長期使用しても
良好な電波雑音低減効果を有していることが判る。

【００２２】なお、本発明の実施例としては、上記の実
施例に限らず、先端放電部１を形成する金属細条部１と
しては、厚さ０．２〜５．０ｍｍ、奥行き０．５〜５．
０ｍｍの範囲内の寸法とし、また、材質としても、黄銅
板２３に限らず、その代りに他の銅系金属、銀系金属、
ニッケル系金属、鉄系金属、タングステン系金属等を用
いてもよい。

【００２３】また、金属細条部２の後方に配置すべき誘
電体部材３としても、厚さ０．２ｍｍ以上、奥行き０．
５ｍｍ以上の成形体、もしくは塗布体を用いてもよく、
その材質についても、酸化チタン成形体２１に限らず、
その代りに比誘電率８．５以上の誘電体で、例えばフェ
ライト、酸化タンタル、チタン酸バリウム等を用いても
よい。

【００２４】さらに、誘電体部材３の表面に施すべきシ
ールド４としても、銅の溶射体２２の代りに金属等の導
電性の板、もしくは導電性塗料の塗布体で形成してもよ
いことは、言うまでもない。

【００２５】ところで、上記実施例では、回転電極１２
Ｂの本体と、先端放電部１となる金属細条部２とが黄銅
板２３により一体に作られているが、これに代えて、こ
れらの間を抵抗体、もしくはインダクタンス体で接続し
ても、本発明の効果を充分に得ることができる。

【００２６】次に、本発明のさらに別の実施例について
説明する。図８は、本発明の第２の実施例における回転
電極１２Ｃの断面図で、この実施例では、回転電極１２
Ｃの本体として厚さ２ｍｍの黄銅板２３を用い、先端放
電部１を構成する金属細条部２の寸法形状を厚さ２ｍ
ｍ、奥行き２ｍｍの正方形とし、その後端部５に、誘電
体部材３となる厚さ６ｍｍ、奥行き５ｍｍの酸化チタン
成形体２１を接触配置し、さらにこの酸化チタン成形体
２１の後端部と、金属スリーブ２０との間に、誘電体接
続部材となる厚さ２ｍｍ、幅５ｍｍの酸化チタンの成形
体２１Ａを設け、酸化チタン成形体２１が、この酸化チ
タンの成形体２１Ａを介して内燃機関のアース電位に接
続されるようにしたものである。なお、その平面形状
は、図２又は図３の実施例と同じである。

【００２７】この回転電極１２Ｃを用いて２００Ｍｍ走
行試験を行い、放電電圧の変化を測定した結果が図９の
特性図で、この結果によると、この実施例でも、放電電
圧は４．３〜５ｋｖであり、走行距離が増加しても放電
電圧の上昇は極めて小さく、長期使用しても良好な電波
雑音低減効果を有していることが判る。

【００２８】なお、この実施例でも、金属細条部２の寸
法としては、厚さ０．２〜５ｍｍ、奥行き０．５〜５ｍ
ｍの範囲内とし、また、黄銅板２３の代りに他の銅系金
属、銀系金属、ニッケル系金属、鉄系金属、タングステ
ン系金属等を用い、さらに金属細条部２の後方に配置す
べき誘電体部材３として、厚さ０．２ｍｍ以上、奥行き
０．５ｍｍ以上の成形体、もしくは塗布体とし、その材
質としても、酸化チタン成形体２１の代りに比誘電率
８．５以上の誘電体で、例えばフェライト、酸化タンタ
ル、チタン酸バリウム等を用いてもよく、さらにこの誘
電体部材３を構成している酸化チタン２１の表面に比誘
電率３．５以下の絶縁塗料を塗布して絶縁性を高めるよ
うにしてもよい。

【００２９】また、この実施例でも、図１〜図３で説明
した実施例と同様に、先端放電部１の金属細条部２と電
極本体間を抵抗体、もしくはインダクタンス体で接続す
るようにしてもよく、この場合でも本発明の効果を充分
に得ることができる。

【００３０】次に、図１０は、本発明の第３実施例にお
ける回転電極１２Ｄの断面を示したもので、この実施例
では、この回転電極１２Ｄとして厚さ２ｍｍの黄銅板２
３を用い、先端放電部１の金属細条部２の寸法形状を厚
さ２ｍｍ、奥行き２ｍｍの方形とし、その後端部５、及
び上面部２５と下面部２６の３方向の部分に、肉厚２ｍ
ｍの酸化チタン成形体２１を、その後端部５にだけ接触
させ、他方、上面部２５と下面部２６では、各々１ｍｍ
の間隙２７を設けて配置したものである。

【００３１】そして、この回転電極１２Ｄを用いて２０
０Ｍｍ走行試験を行い、放電電圧の変化を測定した結果
が図１１で、この特性図から明らかなように、この実施
例でも、放電電圧は４．０〜４．８ｋｖであり、走行距
離が増加しても放電電圧の上昇は極めて小さく、長期間
使用しても良好な電波雑音低減効果が得られることが判
る。

【００３２】なお、この実施例でも、先端放電部１を形
成する金属細条部２の寸法は、厚さ０．２〜５ｍｍ、奥
行き５ｍｍの範囲内とし、また、黄銅板２３の代りに他
の銅系金属、銀系金属、ニッケル系金属、鉄系金属、タ
ングステン系金属等を用い、さらに金属細条部２の後端
部５に配置すべき誘電体部材３(２１)としては、肉厚
０．２ｍｍ以上の成形体、もしくは塗布体とし、その材
質も、酸化チタン成形体２１に限らず、その代りに比誘
電率８．５以上の誘電体で、例えばフェライト、酸化タ
ンタル、チタン酸バリウム等を用い、且つ、間隙２７と
しては、０．２〜２ｍｍの範囲内としても、本発明の効
果を充分に得ることができる。

【００３３】また、この実施例でも、先端放電部１の金
属細条部２と電極本体間を、黄銅板２３で直接つなぐ代
りに抵抗体、もしくはインダクタンス体で接続してもよ
いことは、言うまでもない。

【００３４】次に、図は１２は、本発明の第４実施例に
おける回転電極１２Ｅの断面を示したもので、この実施
例では厚さ２ｍｍの黄銅板２３を用い、先端放電部１の
金属細条部２の寸法形状を厚さ２ｍｍ、奥行き２ｍｍの
方形とし、その後端部５、及び上面２５、下面２６の３
方向に対して肉厚２ｍｍの酸化チタン成形体２１を後端
部５でだけ接触させて、また上面２５、下面２６には各
銅１ｍｍの間隙２７を設けて配置し、さらに前記酸化チ
タン成形体２１の先端放電部側、及び前記金属１の上面
２５と下面２６と対向する面を除いた部分に銅溶射体の
シールド２２を設けたものである。

【００３５】この回転電極１２Ｅを用いて２００Ｍｍ走
行試験を行い、放電電圧の変化を測定した結果が図１３
で、この結果によると、この実施例でも放電電圧は４．
３〜５ｋｖであり、走行距離が増加しても放電電圧の上
昇は極めて小さく、長期使用しても良好な電波雑音低減
効果を有していることが判る。

【００３６】なお、この実施例でも、先端放電部１を形
成する金属細条部２の寸法として、厚さ０．２〜５ｍ
ｍ、奥行き０．５〜５ｍｍの範囲内のとし、また、黄銅
板２３の代りに他の銅系金属、銀系金属、ニッケル系金
属、鉄系金属、タングステン系金属等を用い、さらに金
属２の後端面５に配置すべき誘電体部材３としては、肉
厚０．２ｍｍ以上の成形体、もしくは塗布体でよく、ま
た、酸化チタン成形体２１の代りに比誘電率８．５以上
の誘電体で、例えばフェライト、酸化タンタル、チタン
酸バリウム等を用いてもよい。さらにまた、誘電体部材
３の表面のシールド４としても、銅溶射体２２に限ら
ず、その代りに導電性の板、もしくは導電性塗料体等で
形成しても、本発明の効果を充分に得ることができる。

【００３７】また、この実施例でも、先端放電部１を形
成する金属細条部材２と電極本体間は、黄銅板２３の代
りに抵抗体、もしくはインダクタンス体で接続しても、
本発明の効果を充分に得ることができる。

【００３８】さらに、この実施例においては、シールド
２２の代りに、図８の実施例と同様に、酸化チタン成形
体２１の後端部と、金属スリーブ２０との間に、誘電体
接続部材となる厚さ２ｍｍ、幅５ｍｍの酸化チタンの成
形体を設け、酸化チタン成形体２１が、この酸化チタン
の成形体を介して内燃機関のアース電位に接続されるよ
うにしてもよく、さらに必要に応じて前記酸化チタン成
形体２１の先端放電面側、及び金属２の上面２５、下面
２６と対向する面を除いた面に、比誘電率３．５以下の
絶縁塗料を塗布してもよく、これらの何れによっても、
本発明の効果を充分に得ることができる。

【００３９】

【発明の効果】本発明によれば、放電アークに起因する
誘電体の付加効果の低下を充分に抑えることができるの
で、配電器から発生する電波雑音を長期にわたり、有効
に低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による燃機関点火用配電器の第１の実施
例を示す断面図である。

【図２】本発明の第１の実施例の平面図である。

【図３】本発明の他の一実施例の平面図である。

【図４】本発明の一実施例による回転電極の拡大断面図
である。

【図５】本発明の適用対象となる配電器の要部断面図で
ある。

【図６】回転電極の従来例を示す断面図である。

【図７】本発明の第１の実施例における放電電圧の変化
を示す特性図である。

【図８】本発明の第２の実施例を示す断面図である。

【図９】本発明の第２の実施例における放電電圧の変化
を示す特性図である。

【図１０】本発明の第３の実施例を示す断面図である。

【図１１】本発明の第３の実施例における放電電圧の変
化を示す特性図である。

【図１２】本発明の第４の実施例を示す断面図である。

【図１３】本発明の第４の実施例における放電電圧の変
化を示す特性図である。

【符号の説明】

１先端放電部２金属細条部３誘電体部材４シールド５後端部９間隙１０配電子(ロータ) １２回転電極１６固定電極２１酸化チタン成形体(誘電体部材) ２１Ａ酸化チタン成形体(誘電体接続部材) ２２銅溶射体のシールド２３黄銅板２５上面２６下面

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者長江弘允茨城県勝田市大字高場2520番地株式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者大森正雄茨城県勝田市大字高場2520番地株式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者弓野真孝茨城県勝田市大字高場字鹿島谷津2477番地３日立オートモテイブエンジニアリング株式会社内 (72)発明者畑守茨城県勝田市大字高場2520番地株式会社日立製作所自動車機器事業部内審査官山本穂積

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】内燃機関の回転に連動して回転する回転
電極と、少なくとも２の固定電極とを備え、前記回転電
極の回転により点火コイルからの高電圧を点火プラグに
配電する内燃機関点火用配電器において、前記回転電極
の前記固定電極に対向する先端放電部分を、回転方向に
沿って円弧状に伸びた金属細条部で構成すると共に、こ
の金属細条部の前記固定電極に対向する部分と反対側の
部分に接して誘電体部材を設け、この誘電体部材の誘電
率が前記回転電極を保持した回転体の誘電率よりも大き
な値を持つように構成したことを特徴とする内燃機関点
火用配電器。
【請求項２】請求項１の発明において、前記誘電体部
材の表面の少なくとも一部にシールドが施されているこ
とを特徴とする内燃機関点火用配電器。
【請求項３】請求項１の発明において、前記誘電体部
材の前記金属細条部に接している部分とは反対側の部分
に接触し、ここから前記回転体の接地電位に保たれてい
る部材にまで伸びて、そこに接触した誘電体接続部材を
設け、この誘電体接続部材の誘電率が前記回転体の誘電
率よりも大きな値を持つように構成したことを特徴とす
る内燃機関点火用配電器。
【請求項４】請求項１ないし３の何れかの発明におい
て、前記誘電体部材が、前記金属細条部の前記固定電極
に対向する部分を除いて、この金属細条部を覆うように
形成されていることを特徴とする内燃機関点火用配電
器。
【請求項５】請求項１ないし４の何れかの発明におい
て、前記誘電体部材と前記誘電体接続部材の比誘電率が
８．５以上となるように構成したことを特徴とする内燃
機関点火用配電器。
【請求項６】請求項１ないし５の何れかの発明におい
て、前記金属細条部の寸法が、厚さ０．２〜５ｍｍで奥
行き０．５〜５ｍｍの範囲内となるように構成したこと
を特徴とする内燃機関点火用配電器。
【請求項７】請求項１又は２の発明において、前記誘
電体部材の寸法が、厚さ０．２ｍｍ以上で奥行き０．５
ｍｍ以上となるように構成したことを特徴とする内燃機
関点火用配電器。
【請求項８】請求項３の発明において、前記誘電体接
続部材の肉厚が０．２ｍｍ以上となるように構成したこ
とを特徴とする内燃機関点火用配電器。
【請求項９】請求項１ないし８の何れかの発明におい
て、前記金属細条部が、少なくとも銅系、銀系、ニッケ
ル系、鉄系、タングステン系の中から選ばれた金属で作
られていることを特徴とする内燃機関点火用配電器。
【請求項１０】請求項１ないし９の何れかの発明にお
いて、前記誘電体部材と前記誘電体接続部材の少なくと
も一方が、少なくとも酸化チタン、フェライト、酸化タ
ンタル、チタン酸バリウム等の成形体、もしくは塗布体
で構成されていることを特徴とする内燃機関点火用配電
器。
【請求項１１】請求項１ないし１０の何れかの発明に
おいて、前記金属細条部に対する電気的接続が、金属導
体、抵抗体、インダクタンス体のうちの少なくとも一種
を介して与えられるように構成したことを特徴とする内
燃機関点火用配電器。
【請求項１２】請求項２の発明において、前記シール
ドが、導電性の板状体、導電性溶射体、導電性塗料体の
何れかで形成されていることを特徴とする内燃機関点火
用配電器。
【請求項１３】請求項３の発明において、前記誘電体
接続部材の表面に、比誘電率３．５以下の絶縁塗料が塗
布されていることを特徴とする内燃機関点火用配電器。
【請求項１４】請求項１ないし１３のいずれかの発明
において、前記回転電極は、配電時に電位が負極側にな
るように用いたことを特徴とする内燃機関点火用配電
器。