JP2574961B2 - 複合工作機械 - Google Patents

複合工作機械

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JP2574961B2
JP2574961B2 JP3332171A JP33217191A JP2574961B2 JP 2574961 B2 JP2574961 B2 JP 2574961B2 JP 3332171 A JP3332171 A JP 3332171A JP 33217191 A JP33217191 A JP 33217191A JP 2574961 B2 JP2574961 B2 JP 2574961B2
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泰造 松山
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俊六 畑
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワークに対して進退自
在な装置本体に、それぞれ個別に昇降可能な第1および
第2スピンドルユニットが設けられた複合工作機械に関
する。
【0002】
【従来の技術】通常、NC(数値制御)工作機械では、
単一のスピンドルによりワークに対して加工を行ってい
るため、複数の加工が必要なワークが用いられる際にそ
の加工効率が低下するという問題が指摘されている。こ
のため、この種の問題を解決すべく種々の改良がなされ
ており、例えば、特開昭59−69242号公報に開示
されているように、一つのコラムに二組の主軸頭が備え
られた工作機械が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術では、同一のコラムに対し二組の主軸頭がアク
チュエータを介して昇降自在に支持されており、各主軸
頭に固着された工具同士の間隔が固定されているため
に、種類の異なるワークに対応することができず、汎用
性に劣るという問題がある。しかも、ワークに互いに近
接して二つの加工部位が存在する場合、この二つの加工
部位を同時に加工することが困難となり、加工効率の低
下を生ずることになる。
【0004】そこで、本出願人は、装置本体に設けられ
たガイドレールに第1スピンドルと第2スピンドルとを
可動テーブルを介して移動自在に支持するとともに、こ
の第1および第2スピンドルの軸間距離を調整自在な送
りねじ機構が備えられた二軸工作機械を提案している
(実開昭62−138515号公報参照)。ところが、
上記の工作機械において、各スピンドルが固着される可
動テーブルは、ワークの加工作業に干渉することがない
よう装置本体に対するその被支持面積を大きくとること
ができない。このため、可動テーブル自体の剛性が低く
なり、特に大型なスピンドルを使用することが困難なも
のとなってしまう。
【0005】本発明は、この種の工作機械の改良に関す
るものであり、ワークに対応して各工具の間隔を容易に
調整することができ、効率的な加工作業を遂行すること
が可能になるとともに、スピンドルを確実に保持し得る
複合工作機械を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、ワークに対して相対的に進退自在な
ラムを含む装置本体と、前記コラムの前記ワークに対向
する前面に設けられたガイドレールに支持されるととも
に、第1アクチュエータを介して昇降可能な第1昇降テ
ーブルと、前記第1昇降テーブルの前記ワークに対向す
る前面に設けられたガイドレールに支持されるととも
に、第2アクチュエータを介して昇降可能な第2昇降テ
ーブルと、前記第1および第2昇降テーブルの同一側に
延出しかつ前記コラムの前記前面に交差する側面に沿っ
て設けられ、第1および第2スピンドルユニットを上下
に配設する第1および第2支持部と、 を備え、 前記第1
支持部は、前記第1昇降テーブルの下部側に位置してお
り、前記第1スピンドルユニットをその軸線が該第1昇
降テーブルの前面に交差する方向に指向するように支持
する一方、 前記第2支持部は、前記第2昇降テーブルの
上部側に位置しており、前記第2スピンドルユニットを
その軸線が該第2昇降テーブルの前面に交差する方向に
指向しかつ該第1スピンドルユニットの上方に位置する
ように支持することを特徴とする。
【0007】
【作用】上記の本発明に係る複合工作機械では、第1昇
降テーブルが装置本体の前面にガイドレールを介して支
持されるため、この第1昇降テーブルの装置本体に対す
る被支持面積を比較的大きく選択しても加工作業に干渉
することがなく、前記第1昇降テーブル自体の剛性を有
効に維持することができる。さらに、第1昇降テーブル
の前面に第2昇降テーブルが支持されるため、この第2
昇降テーブル自体の剛性を確保することができる。しか
も、第1および第2スピンドルユニットが、互いに近
接、離間自在であり、例えば、単一のワークの二つの加
工部位に対して各工具を位置決めすることにより、同時
に二つの加工作業が可能となる。
【0008】
【実施例】本発明に係る複合工作機械について実施例を
挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0009】図1乃至図4において、参照符号10は、
本実施例に係る複合工作機械を示す。この複合工作機械
10は、基台12上に矢印X方向に進退自在に配設され
るXテーブル14と、このXテーブル14上に支持され
て矢印Z方向に進退自在な装置本体16と、この装置本
体16の前面18に設けられたガイドレール20、20
に支持されるとともに、第1サーボモータ(アクチュエ
ータ)22を介して昇降可能な第1昇降テーブル24
と、この第1昇降テーブル24の前面26に設けられた
ガイドレール28、28に支持されるとともに、第2サ
ーボモータ(アクチュエータ)30を介して昇降可能な
第2昇降テーブル32と、前記第1および第2昇降テー
ブル24、32に固設されて上下方向に配列される第1
および第2スピンドルユニット34、36とを備える。
【0010】基台12には、ガイドレール38a乃至3
8cと第1駆動モータ40とが固設され、この第1駆動
モータ40に連結されて矢印X方向に延びるボールねじ
42がXテーブル14に設けられたナット部材44に係
合する。このXテーブル14には、ガイドレール46、
46と第2駆動モータ48とが連結され、この第2駆動
モータ48に連結されて矢印Z方向に延びるボールねじ
50が装置本体16に設けられたナット部材52に係合
する。
【0011】装置本体16は、鉛直方向に長尺なコラム
54を備え、このコラム54の上部に第1サーボモータ
22が鉛直下方向に向かって固着される。この第1サー
ボモータ22に軸着されるボールねじ56は、コラム5
4の下端側で支持されるとともに、第1昇降テーブル2
4に設けられたナット部材58に係合する(図5参
照)。この第1昇降テーブル24は、ガイドレール2
0、20に支持される部分(被支持面)が比較的広く構
成されており、その側部に第1スピンドルユニット34
をその軸線が前記第1昇降テーブル24の前面26に交
差する方向に指向するように支持する第1ハウジング
(支持部)60が設けられる。
【0012】この第1昇降テーブル24の上部には、第
2サーボモータ30が鉛直下方向に向かって固着され、
この第2サーボモータ30に軸着されるボールねじ62
は、第1昇降テーブル24の前面26の下端側で支持さ
れるとともに、第2昇降テーブル32に設けられたナッ
ト部材64に係合する(図1参照)。この第2昇降テー
ブル32は、第1昇降テーブル24の前面26に設けら
れたガイドレール28、28に支持される部分(被支持
面)が比較的広く構成されており、その側部に第2スピ
ンドルユニット36をその軸線が前記第2昇降テーブル
32の前面66に交差する方向に指向するように支持す
る第2ハウジング(支持部)68が設けられる。
【0013】図5に示すように、第1スピンドルユニッ
ト34は、中空状のスピンドル70を備え、このスピン
ドル70は、複数のベアリング72等を介して第1スピ
ンドルユニット34内に回転自在に支持されている。こ
のスピンドル70の外周部に歯車74が軸着されるとと
もに、その内部にロッド76が進退自在に配設され、こ
のロッド76は、スプリング78を介して後方に押圧さ
れている。このロッド76の先端部に工具ホルダ80が
同軸的に係合する一方、その後端部にアンクランプ用シ
リンダ機構82が連結される。
【0014】第2スピンドルユニット36は、上記第1
スピンドルユニット34と同様に構成されるものであ
り、同一の構成要素には同一の参照数字に符号aを付し
てその詳細な説明は省略する(図6および図7参照)。
【0015】第1昇降テーブル24には、第1スピンド
ルユニット34および第2スピンドルユニット36を一
体的に回転駆動させるための駆動機構90が装着され
る。この駆動機構90は、駆動軸ハウジング92を介し
て第1昇降テーブル24に固定されるモータ94を備え
るとともに、この駆動軸ハウジング92に第1ギヤケー
ス96の一端側が揺動自在に装着され、この第1ギヤケ
ース96の他端側に回動自在に係合する第2ギヤケース
98は、第2スピンドルユニット36に揺動可能に支持
される(図5乃至図8参照)。この第2ギヤケース98
には、第1ギヤケース96の他端側を挟持するためのブ
ラケット99が設けられている。
【0016】図5および図6に示すように、モータ94
の駆動軸100に回転軸102が同軸的に連結され、こ
の回転軸102には、その先端側から第1駆動歯車10
4と第2駆動歯車106とが所定間隔離間して同軸的に
固着される。この第1駆動歯車104は、歯車108を
介して第1スピンドルユニット34を構成するスピンド
ル70に軸着された歯車74に噛合する。第2駆動歯車
106は、第1ギヤケース96内に配設されており、歯
車110を介して歯車112に噛合し、この歯車112
を軸着する回転軸114は、第2ギヤケース98内に進
入して歯車116を軸着する。この歯車116は、歯車
118に噛合し、この歯車118が第2スピンドルユニ
ット36を構成するスピンドル70aに設けられた歯車
74aに噛合する。
【0017】装置本体16を構成するコラム54には、
第1および第2スピンドルユニット34、36が保持さ
れている側部とは逆側の側部に自動工具交換ユニット1
20が装着される。この自動工具交換ユニット120
は、進退および回転駆動されるケーシング122を備
え、このケーシング122の両側部に工具把持手段12
4、126が装着される。この工具把持手段124、1
26は、それぞれ上下に配設される二組の開閉アーム1
28a、128bと130a、130bとを備えてい
る。
【0018】一方、Xテーブル14には、自動工具交換
ユニット120側に工具マガジン132が配設され、こ
の工具マガジン132は、モータ134を介して回転自
在であり、その外側部には、二本ずつ複数組の工具T1
乃至Tnが取り外し自在に保持されている。
【0019】図2に示すように、基台12上には、上述
した装置本体16の他、装置本体16aがXテーブル1
4aを介して個別に移動自在に配置されている。この装
置本体16aに設けられた第1および第2昇降テーブル
24a、32aには、装置本体16を構成する第1およ
び第2昇降テーブル24、32の第1および第2ハウジ
ング60、68に対向する側部に第1および第2ハウジ
ング60a、68aが形成されている。この第1および
第2ハウジング60a、68aに第1および第2スピン
ドルユニット34a、36aが装着され、この第1およ
び第2スピンドルユニット34a、36aは、装置本体
16に装着された第1および第2スピンドルユニット3
4、36に可及的に近接可能である。
【0020】装置本体16、16aの前方には、ワーク
Wを位置決め保持するためのワーク取付台140が配設
されている(図3参照)。
【0021】次に、このように構成される複合工作機械
10の動作について説明する。
【0022】先ず、ワーク取付台140にワークWが所
定の加工姿勢で位置決め保持される一方、装置本体16
に装着されている第1および第2スピンドルユニット3
4a、36aには、このワークWの加工作業に対応し
て、例えば工具T1、T1が予め装着されている。そこ
で、この工具T1、T1が装着された第1および第2ス
ピンドルユニット34a、36aが、駆動機構90を介
して一体的に回転されるとともに、ワークWの加工部位
に対応して位置決めされる。
【0023】すなわち、駆動機構90を構成するモータ
94の駆動作用下に駆動軸100を介して回転軸102
が回転され、この回転軸102に軸着されている第1お
よび第2駆動歯車104、106が一体的に回転され
る。この第1駆動歯車104に噛合する歯車108およ
びこの歯車108に噛合する歯車74を介してスピンド
ル70が回転し、このスピンドル70の先端部に係合す
る工具ホルダ80と工具T1とが一体的に回転する。一
方、第2駆動歯車106に噛合する歯車110およびこ
れに噛合する歯車112が回転し、この歯車112を軸
着する回転軸114が回転されて歯車116、118お
よび歯車74aの回転作用下にスピンドル70aが回転
し、工具ホルダ80aに保持されている工具T1が回転
する。これによって、第1および第2スピンドルユニッ
ト34、36に装着されている工具T1、T1が一体的
に回転駆動されることになる。
【0024】この第1および第2スピンドルユニット3
4、36に装着された工具T1、T1は、第1サーボモ
ータ22および第2サーボモータ30が駆動されること
によりワークWの加工部位に対応して夫々の高さ位置の
調整が自動的に行われる。すなわち、第1サーボモータ
22の駆動作用下にボールねじ56が回転されると、こ
のボールねじ56に係合するナット部材58と一体的に
第1昇降テーブル24がガイドレール20、20の案内
作用下に上下方向に移動する。このため、第1昇降テー
ブル24の第1ハウジング60に装着されている第1ス
ピンドルユニット34の軸芯が、ワークWの下側加工部
位(図示せず)に対応して位置決めされる。さらに、こ
の第1昇降テーブル24の上部に固設されている第2サ
ーボモータ30の駆動作用下に、ボールねじ62および
ナット部材64を介して第2昇降テーブル32がガイド
レール28、28の案内作用下に上下方向に移動する。
従って、第2ハウジング68に装着されている第2スピ
ンドルユニット36の軸芯が、ワークWの上側加工部位
(図示せず)に対応して位置決めされる。
【0025】次いで、第1および第2スピンドルユニッ
ト34、36は、第1駆動モータ40が駆動されること
によりワークWに対して矢印X方向に位置決めされる。
すなわち、第1駆動モータ40の作用下にボールねじ4
2が回転されると、これに係合するナット部材44と一
体的にXテーブル14がガイドレール38a乃至38c
の案内作用下に矢印X方向に対して移動される。このた
め、Xテーブル14が所定の位置まで移動される際に第
1駆動モータ40が滅勢されることにより、このXテー
ブル14の矢印X方向の位置決め作業が達成される。
【0026】一方、第1および第2スピンドルユニット
34、36に装着された工具T1、T1は、第2駆動モ
ータ48が駆動されることによりワークWの各加工部位
に向かって(矢印Z方向前方)移動される。すなわち、
第2駆動モータ48の作用下にボールねじ50が回転さ
れると、ナット部材52を介してコラム54が矢印Z方
向に対して変位し、工具T1、T1がワークW側に移動
する。
【0027】従って、上記の各動作を選択的に行うこと
により、第1および第2スピンドルユニット34、36
に装着されて回転している工具T1、T1が、ワークW
の所定の加工部位に対し加工作業を自動的に遂行する。
この加工作業が終了した後、第2駆動モータ48が前記
とは逆方向に駆動され、コラム54がワークWから離間
する方向に移動して工具T1、T1をワークWから離脱
させる。そして、加工終了後のワークWがワーク取付台
140から取り外され、このワーク取付台140には新
たな加工前のワークWが取着され、前述した加工作業を
行うことによりこのワークWに対する加工作業が行われ
る。
【0028】ところで、種類の異なるワークWに対し加
工作業を行う場合、自動工具交換ユニット120が駆動
され、第1および第2スピンドルユニット34、36に
装着されている工具T1、T1が、この異なるワークW
に応じて、例えば、工具T2、T2と交換される。すな
わち、工具マガジン132がモータ134の駆動作用下
に所定の角度だけ回転され、その外側部に保持されてい
る所望の工具T2、T2が水平方向に向かって配置され
る位置において停止される。一方、第1および第2サー
ボモータ22、30が駆動され、第1および第2昇降テ
ーブル24、32が上下方向に変位されて第1および第
2スピンドルユニット34、36に装着されている工具
T1、T1を自動工具交換ユニット120を構成するケ
ーシング122の工具把持手段126に対応して位置決
めさせる。
【0029】そして、第1および第2スピンドルユニッ
ト34、36を構成するシリンダ機構82、82aが駆
動され、ロッド76、76aがスプリング78、78a
の弾発力に抗して前方へと変位し、工具ホルダ80、8
0aをこのスピンドル70、70aの前方へと押し出し
て工具T1、T1のクランプ状態が解除される。次に、
ケーシング122に装着されている工具把持手段124
の開閉アーム128a、128bが工具マガジン132
に保持されている工具T2、T2を把持し、工具把持手
段126を構成する開閉アーム130a、130bが第
1および第2スピンドルユニット34、36に装着され
ている工具T1、T1を把持する。この状態でケーシン
グ122が前方へと移動して工具T2、T2および工具
T1、T1を工具マガジン132並びに第1および第2
スピンドルユニット34、36から取り出す。
【0030】次いで、ケーシング122が180°回転
された後に退動されることにより、工具把持手段124
に保持されている工具T2、T2が第1および第2スピ
ンドルユニット34、36側に変位するとともに、工具
把持手段126に保持されている工具T1、T1が工具
マガジン132側に移動する。このため、使用済みの工
具T1、T1が工具マガジン132に収容される一方、
新たな工具T2、T2が第1および第2スピンドルユニ
ット34、36の工具ホルダ80、80aに挿入され
る。さらに、シリンダ機構82、82aが滅勢されるこ
とによって、スプリング78、78aを介してロッド7
6、76aが後退し、この工具T2、T2が工具ホルダ
80、80aと一体的にスピンドル70、70aにクラ
ンプされる。 この場合、本実施例では、装置本体16
の前面18にガイドレール20、20が設けられ、この
ガイドレール20、20に第1昇降テーブル24が支持
されている。このため、第1昇降テーブル24の矢印X
方向の寸法を大きく設定してもワークW側に突出するこ
とがないために、このワークWに対する加工作業に干渉
することがない。従って、この第1昇降テーブル24の
矢印X方向の寸法を比較的大きく設定することにより、
ガイドレール20、20に支持される部分、すなわち、
コラム54に対する被支持面積を十分に確保することが
でき、この第1昇降テーブル24自体の剛性を有効に維
持して第1スピンドルユニット34を確実に保持するこ
とが可能となる。
【0031】さらに、第1昇降テーブル24の前面26
にガイドレール28、28が設けられ、このガイドレー
ル28、28に対し第2昇降テーブル32が支持されて
いる。このため、第2昇降テーブル32は、第1昇降テ
ーブル24と同様にその被支持面積を大きく確保して十
分な剛性を維持でき、第2スピンドルユニット36を確
実に保持することが可能となる。これにより、第1およ
び第2スピンドルユニット34、36を円滑かつ高精度
に移動させることができ、ワークWに対する加工作業が
精度よく遂行されるという効果が得られる。
【0032】さらにまた、第1および第2スピンドルユ
ニット34、36が夫々個別に移動自在な第1および第
2昇降テーブル24、32に装着されており、この第1
スピンドルユニット34と第2スピンドルユニット36
の間隔を可及的に近接させることができる。従って、ワ
ークWに近接して複数の加工部位が設けられる場合に
も、第1および第2スピンドルユニット34、36に装
着された工具T1、T1によって同時に2個所の加工作
業を遂行することが可能となり、このワークWに対する
加工作業が一挙に効率的に遂行されるという効果が得ら
れる。しかも、種類の異なるワークWが用いられる際
に、このワークWの加工部位に対応して工具T1、T1
の位置調整を行うことができ、極めて汎用性に優れると
いう利点がある。
【0033】その上、本実施例では、装置本体16の他
に装置本体16aが備えられるとともに、この装置本体
16aには、前記装置本体16に装着されている第1お
よび第2スピンドルユニット34、36に対向して第1
および第2スピンドルユニット34a、36aが装着さ
れている。このため、図2に示すように、第1スピンド
ルユニット34の加工領域Aと、第2スピンドルユニッ
ト36の加工領域Bと、第1スピンドルユニット34a
の加工領域Cと、第2スピンドルユニット36aの加工
領域Dとが可及的に近接した状態で設定される。これに
より、ワークWに対し4個所同時加工を行う場合や、四
つの同種類のワークWに対し同時加工を行う場合等に極
めて好適であり、加工作業がより一層効率化されるとい
う効果が得られる。
【0034】なお、本実施例では、第1および第2スピ
ンドルユニット34、36が駆動機構90を介して一体
的に回転されるよう構成しているが、この第1および第
2スピンドルユニット34、36にそれぞれ個別の駆動
機構を設け、該第1および第2スピンドルユニット3
4、36を独立して回転駆動させることができる。
【発明の効果】本発明に係る複合工作機械によれば、以
下の効果が得られる。
【0035】第1昇降テーブルが装置本体の前面に支持
されるため、この第1昇降テーブルの装置本体に対する
被支持面積を比較的大きく選択することができ、前記第
1昇降テーブル自体の剛性を有効に維持することが可能
になる。さらに、第1昇降テーブルの前面に第2昇降テ
ーブルが支持されるため、この第2昇降テーブル自体の
剛性を確保することができ、これにより第1および第2
スピンドルユニットを確実に保持して種々の加工作業を
効率的に行うことができる。しかも、第1および第2ス
ピンドルユニットが、互いに近接、離間自在であり、同
時に二つの加工作業が遂行されるとともに、汎用性に優
れるという利点も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合工作機械の要部斜視説明図で
ある。
【図2】前記複合工作機械の正面説明図である。
【図3】前記複合工作機械の要部側面説明図である。
【図4】前記複合工作機械の要部平面図である。
【図5】前記複合工作機械を構成する第1スピンドルユ
ニットおよび駆動機構の横断面図である。
【図6】前記複合工作機械を構成する第2スピンドルユ
ニットおよび駆動機構の縦断説明図である。
【図7】前記駆動機構の内部斜視説明図である。
【図8】前記駆動機構の背面説明図である。
【符号の説明】
10…複合工作機械 12…基台 14、14a…Xテーブル 16、16a…装置本体 18…前面 22…サーボモータ 24、24a…昇降テーブル 26…前面 30…サーボモータ 32、32a…昇降テーブル 34、34a、36、36a…スピンドルユニット 54…コラム 60、60a…ハウジング 66…前面 68、68a…ハウジング 70、70a…スピンドル 90…駆動機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畑 俊六 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダ エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 松尾 健三郎 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダ エンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 実開 昭62−138515(JP,U) 実開 昭61−117610(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワークに対して相対的に進退自在なコラム
    を含む装置本体と、 前記コラムの前記ワークに対向する前面に設けられたガ
    イドレールに支持されるとともに、第1アクチュエータ
    を介して昇降可能な第1昇降テーブルと、 前記第1昇降テーブルの前記ワークに対向する前面に設
    けられたガイドレールに支持されるとともに、第2アク
    チュエータを介して昇降可能な第2昇降テーブルと、 前記第1および第2昇降テーブルの同一側に延出しかつ
    前記コラムの前記前面に交差する側面に沿って設けら
    れ、第1および第2スピンドルユニットを上下に配設す
    る第1および第2支持部と、 を備え、 前記第1支持部は、前記第1昇降テーブルの下部側に位
    置しており、前記第1スピンドルユニットをその軸線が
    該第1昇降テーブルの前面に交差する方向に指向するよ
    うに支持する一方、 前記第2支持部は、前記第2昇降テーブルの上部側に位
    置しており、前記第2スピンドルユニットをその軸線が
    該第2昇降テーブルの前面に交差する方向に指向しかつ
    該第1スピンドルユニットの上方に位置するように支持
    することを特徴とする複合工作機械。
  2. 【請求項2】請求項1記載の複合工作機械において、
    台上にそれぞれ前記ワークに対して個別に進退自在なコ
    ラムを含む第1および第2装置本体が設けられ、 前記第1および第2装置本体に設けられたそれぞれの第
    1および第2昇降テーブルには、それぞれの第1および
    第2スピンドルユニットを支持する第1および第2支持
    部が、互いに対向して接近および離間するように該第1
    および第2昇降テーブルの互いに対向する側部側に延出
    して設けられることを特徴とする複合工作機械。
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