JP2574935B2 - 旋回キャスタ - Google Patents

旋回キャスタ

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JP2574935B2 JP21353990A JP21353990A JP2574935B2 JP 2574935 B2 JP2574935 B2 JP 2574935B2 JP 21353990 A JP21353990 A JP 21353990A JP 21353990 A JP21353990 A JP 21353990A JP 2574935 B2 JP2574935 B2 JP 2574935B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は台車もしくはリーチ型フォークリフト等の下
部に反転自在に装着される旋回キャスタに関するもので
ある。
従来の技術 通常の旋回キャスタは、車軸が支持された旋回部材が
車体側の支持枠に鋼球等の転動体を介在させて旋回自在
に支持されており、該旋回部材の旋回中心線と車輪の接
地点との間に所定長のトレールを設けた構成が採用され
ている。上記のトレールとは旋回中心線の延長が路面に
交わる点と車輪の接地面の中心との間の距離であって、
このようなトレールを設けたことによって車輪を路面抵
抗によって進行方向に向けることができる。
このような通常の旋回キャスタは、旋回部材を旋回さ
せることによってトレールの方向を変更するようにして
いるため、台車等の前後方向の進路を変更する際には該
台車の挙動が大きくなるという課題がある。
一方、上記に対処するため実開昭61−115704号公報に
は、第7図に示したように支持枠1のフランジ部1aを車
体3にボルト5,5により固定し、該支持枠1の下面にボ
ルト7,7によって固定された支持部材9と略円筒状の旋
回部材11との上端部近傍との間に鋼球等の転動体13を介
在して第1の軸受15を設ける一方、上記旋回部材11の中
間部と車輪支持部材17との間に同様な転動体19を介在し
て第2の軸受21を設けた構成が開示されている。23はボ
ルト25,25によって第2の軸受21の上端に配置された抑
え板である。
27は車輪支持部材17から下方に延長されたブラケット
であって、このブラケット27に揺動自在に支持された十
字状の車軸29に車輪31が回転可能に支持されている。
そして上記旋回部材11の旋回中心線Xと、車輪支持部
材17の旋回中心線Yとは交差するように設定されてい
る。換言すれば上記旋回中心線Xと旋回中心線Yとにそ
れぞれ直交するラインX′,Y′との間に所定の角度θが
形成されるように前記第1の軸受15に対して第2の軸受
21を傾斜させて配置してある。
このような構成によれば、旋回部材11の旋回中心線X
と車輪31の路面Eとの接地点O1との間にトレールt1が与
えられ、車輪31は路面抵抗を受けて進行方向に向くの
で、旋回キャスタとして作用する。又、車体3の進路変
更時には旋回部材11と車輪支持部材17とが一体になって
支持枠1に対して旋回し、車輪31が進行方向に追従する
一方、台車3の前進から後進への進路変更時には、車輪
31に路面抵抗を受けても車輪支持部材17及び車輪31は旋
回せず、旋回部材11のみが両軸受15,21の作用により支
持枠1及び車輪支持部材17に対して反転(180゜回転)
して車輪31が仮想線の位置に移行して接地点がO2とな
り、この状態で安定する。従って車体3の前後進間の進
路変更時には車輪31が若干傾動するのみで旋回を伴わな
いので、車体3の挙動を小さくすることができる。
発明が解決しようとする課題 しかしながらこのような従来の旋回キャスタにあって
は、該旋回キャスタの全高を低くするという要求に対し
て対処することが困難であり、軸受連結部の小型軽量化
をはかることができない上、各軸受に作用するモーメン
トによって特定の転動体が劣化し易くなり、キャスタ自
体の寿命が短いという課題があった。
即ち、上記例にあっては、第1の軸受15の回転中心と
第2の軸受21の回転中心との交点Oが、第1の軸受15の
前記X′面に沿うラジアル荷重中心面と第2の軸受21の
前記Y′面に沿うラジアル荷重中心面に対してY′面側
に片寄った位置にあり、従って交点OとX′面の距離L
が大きくなって必然的にキャスタの全高Hが大きくなっ
てしまうことが免れない。又、第1の軸受15と第2の軸
受21とが上下方向に重なっているという構造上の特徴か
らキャスタを小型化する上で限界がある。
又、前記第1を軸受15及び第2の軸受21のサイズを大
きくして、キャスタ全体の容量を増加することを試みた
場合には、更に上記距離Lが大きくなってしまい、特に
キャスタの低全高化が求められているリーチ型フォーク
リフト等の場合には適用することができないという問題
点を有している。
更にモーメント方向の荷重が各軸受によって異なる場
合があり、このモーメントに起因して特定の転動体が劣
化してしまい、軸受自体の寿命が低下してしまうという
難点を有している。
そこで本発明はこのような従来の旋回キャスタが有し
ている課題を解消して、旋回キャスタ自体の全高を低く
するとともに小型化をはかることが可能である上、各軸
受に作用するモーメントによって特定の転動体が劣化す
ることがなく、且つコストの低廉な旋回キャスタを提供
することを目的とするものである。
課題を解決するための手段 本発明は上記の目的を達成するために、車体側の支持
枠に対して軸受を介して支持された旋回部材と、該旋回
部材に車輪支持部材を介して回転自在に支持された車輪
とを備え、上記旋回部材の旋回中心線と車輪の接地点と
の間にトレールを形成して、路面抵抗によって車輪を進
行方向に向けるようにした旋回キャスタにおいて、先ず
請求項1により、上記車体側の支持枠と旋回部材との間
に第1の軸受を設けて、旋回部材を回転自在に支持する
とともに、上記旋回部材と車輪支持部材との間に、上記
旋回部材の旋回中心線と交差する旋回中心線を有し、且
つ前記第1の軸受と同心状の位置にある第2の軸受を設
け、上記両軸受の回転中心の交点が各軸受の荷重中心を
含む平面の近傍に位置するように設定してある。
更に請求項2により、上記第1の軸受内に単列の転動
体を配置し、第2の軸受内に複列の転動体を配置した旋
回キャスタの構成にしてある。
作用 かかる旋回キャスタによれば、車体の進路変更時には
旋回部材と車輪支持部材とが一体になって旋回し、車輪
が進行方向に追従する一方、車体の前進から後進への進
路変更時には、車輪に路面抵抗を受けても車輪支持部材
及び車輪は旋回せず、旋回部材のみが反転する。従って
車体の前後進間の進路変更時には車輪が若干傾動するの
みで旋回を伴わず、車体の挙動を小さくすることができ
る。
更に第1の軸受と第2と軸受とが略同心状に配置され
ているため、両軸受の回転中心の交点が各軸受の荷重中
心を含む平面の近傍に位置しており、従ってキャスタの
全高を低くすることが可能となる。
又、請求項2によれば、第2の軸受に用いられている
転動体は複列であるため、荷重がラジアル方向に大きく
作用し、第1の軸受に用いられている転動体は単列であ
るため、荷重がアキシャル方向に作用する。そのため、
モーメントに対する許容荷重は第2の軸受の方が大き
く、両軸受を適当に選択することにより、モーメントに
対する両軸受の寿命を平均化することができる。
実施例 以下図面中の第1図,第2図を参照して本発明にかか
る旋回キャスタの一実施例を、前記従来の構成と同一の
構成部分に同一の符号を付して詳述する。
図中の1は車体側の支持枠であって、この支持枠1の
開口端1bにアウタハウジング33の下端部33bが嵌着固定
されており、該アウタハウジング33の上面に開口された
開口部33aにカバー部材35が取付けられている。
上記アウタハウジング33の周縁部内側面には第1のア
ウタレース37が固定されており、該第1のアウタレース
37の内側には、転動体39を介在して第1のインナレース
41が配置されていて、上記アウタレース37,転動体39及
びインナレース41により第1の軸受43が構成されてい
る。45は該第1の軸受43の下面を支える抑え板である。
一方、47はアウタハウジング33内に配置された旋回部
材であり、この旋回部材47の内側には第2のアウタレー
ス49が固定されており、該第2のアウタレース49の内側
には転動体51,51を介在して第2のインナレース53が配
置されていて、上記アウタレース49,転動体51及びイン
ナレース53により第2の軸受55が構成されている。即
ち、第2の軸受55の転動体51は複列に配置されている。
この第2の軸受55の下端開口部にはシール部材56が配設
されている。
詳細は後述するように、第1の軸受43と第2の軸受55
とは略同心状に配置されており、且つ該第2の軸受55は
第1の軸受43に対して一定の角度だけ傾動した状態に設
定されている。
57は車輪支持部材であり、該車輪支持部材57の外側面
に前記第2のインナレース53が固定されている。従って
アウタハウジング33に対して第1の軸受43を介して旋回
部材47が旋回自在に支持されているとともに、この旋回
部材47に対して第2の軸受55を介して車輪支持部材57が
旋回自在に支持されている。
57は車輪支持部材57から下方に延長されたブラケット
であって、第2図に示したように該ブラケット59に揺動
自在に支持された十字状の車輪61の両端に一対の車輪6
3,63が回転可能に支持されている。
そして上記旋回部材47の旋回中心線Xと、車輪支持部
材57の旋回中心線Yとは交差するように設定されてい
る。即ち第1図に示すO1は車輪63の接地点であり、aは
旋回中心線Xの延長ラインが路面Eと接する点、bは旋
回中心線Yの延長ラインが路面Eと接する点である。
このような構成によれば、点aと車輪63の接地点O1
の間にトレールt1が与えられ、車輪63は路面抵抗を受け
て進行方向に向くので、旋回キャスタとして作用する。
又、車体3の進路変更時には旋回部材47と車輪支持部材
57とが一体になって旋回し、車輪63が進行方向に追従す
る一方、車体3の前進から後進への進路変更時には、車
輪63に路面抵抗を受けても車輪支持部材57及び車輪63は
旋回せず、旋回部材47のみが反転して、車輪63が仮想線
の位置に移行して接地点がO2となり、この状態で安定す
る。従って車体3の前後進間の進路変更時には車輪63が
若干傾動するのみで旋回を伴わないので、車体3の挙動
を小さくすることができる。
本実施例によれば、第1の軸受43と第2の軸受55とが
略同心状に配置されているため、両軸受43,55の回転中
心の交点O2が各軸受の荷重中心を含む平面の近傍に位置
していることが特徴となっている。そのため、従来例で
ある第7図に比してキャスタの全高を低くすることが可
能となる。従ってリーチ式フォークリフトのようにフロ
アボードの低床化が望まれる装置に適用した際に極めて
有利である。
即ち第3図に示したようにフォークリフト等に用いら
れるキャスタは、フロアボード65の下側で点Pを中心と
して一定のスイング角だけ上下できるスペースがあるこ
とが要求されるものであり、従ってキャスタ部の全高HC
を低くすることによって路面Eからフロアボード65まで
の高さHFを低くすることができる。上記フロアボード65
までの高さHFは、乗員の乗降性を高める上で大きな影響
があり、特にリーチ型フォークリフトのように乗降が頻
繁である車両では高さHFが低い程乗員の負担を軽減する
ことができる。
更に本実施例では、第1の軸受43と第2の軸受55とが
略同心状に配置されているので、第2の軸受55のアウタ
レース49と第1の軸受43のインナレース41とを旋回部材
47とともに一体的に連結して構成することがで可能であ
り、この連結部分を薄肉化することができる上、組付性
が良好となり、且つ強度及び剛性を高める上で有利であ
る。
又、一般の軸受に作用する荷重はスラスト,ラジア
ル,モーメントの3種類に分類されるが、キャスタのよ
うに揺動に近い運動の場合には特にモーメントによる転
動体の乗り上げが軸受寿命を左右する要因となる。即
ち、第4図に示したように軸受に作用する荷重をF1,F2
とすると、中心部のモーメントMは M=F1×l+F2×L であり、ここで とすると、b>aであるから、モーメントMによる軸受
に作用する荷重の大きさはFa>Fbとなる。
ここで第2の軸受55の転動体51は複列であるため、第
5図に示したように荷重がラジアルFr方向に大きく作用
し、第1の軸受43の転動体39は単列であるため、第6図
に示したようにアキシャルF2,Fa方向に作用する。その
ため、モーメントMに対する許容荷重は、第2の軸受55
の方が大きく、両軸受43,55を適当に選択することによ
り、モーメントに対する両軸受の寿命を平均化すること
ができる。上記の許容荷重とは転動体の永久変形量が、
該転動体直径の0.0001になる荷重として表わされる。
更にコスト面から考慮した場合、第2の軸受55に用い
られる複列の転動体51はアンギュラ玉として一般に採用
されている安価な鋼球が使用可能であり、第1の軸受43
に用いられる転動体39は大径な鋼球であるにも拘わら
ず、深溝玉軸受という最も一般的な軸受構造であってこ
れも比較的安価に提供される。
又、サイズの小さな転動体51を複列にし、サイズの大
きな転動体39を単列にしたことによって、軸受の占める
体積の総和を小さくすることが可能となり、軸受選択の
自由度が増大する上、キャスタの小形化がはかれるとい
う利点がある。
発明の効果 以上詳細に説明した如く、本発明にかかる旋回キャス
タによれば、以下に記す作用効果がもたらされる。即
ち、第1の軸受と第2の軸受とが略同心状に配置されて
いるため、両軸受の回転中心の交点が各軸受の荷重中心
を含む平面の近傍に位置しており、キャスタの全高を低
くすることが可能となる。従ってリーチ式フォークリフ
トのようにフロアボードの低床化が望まれる装置に適用
した際に極めて効果大である。
更に第2の軸受のアウタレースと第1の軸受のインナ
レースとを旋回部材とともに一体的に連結して構成する
ことが可能であって、この連結部分の強度及び剛性を高
め、且つ薄肉化することができる上、装置全体の小形化
をはかることが可能となる。
又、第2の軸受に用いられている転動体を複列にした
ことにより荷重がラジアル方向に大きく作用し、第1の
軸受に用いられている転動体を単列にしたことにより荷
重がアキシャル方向に作用するので、モーメントに対す
る許容荷重は第2の軸受の方が大きくなり、両軸受を適
当に選択することにより、コストの低廉化がはかれると
ともに両軸受の寿命を平均化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかる旋回キャスタの一実施例を示す
要部断面図、第2図は同側面図、第3図はキャスタの取
付例を示す正面図、第4図,第5図,第6図は各軸受に
かかる荷重とモーメントとの関係を示す概要説明図、第
7図は従来の旋回キャスタの一例を示す要部断面図であ
る。 1……支持枠、33……アウタハウジング、 77……第1のアウタレース、39……転動体、 41……第1のインナレース、43……第1の軸受、 47……旋回部材、49……第2のアウタレース、 51……転動体、53……第2のインナレース、 55……第2の軸受、57……車輪支持部材、 61……車軸、63……車輪、

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体側の支持枠に対して軸受を介して支持
    された旋回部材と、該旋回部材に車輪支持部材を介して
    回転自在に支持された車輪とを備え、上記旋回部材の旋
    回中心線と車輪の接地点との間にトレールを形成して、
    路面抵抗によって車輪を進行方向に向けるようにした旋
    回キャスタにおいて、 上記車体側の支持枠と旋回部材との間に第1の軸受を設
    けて、旋回部材を回転自在に支持するとともに、上記旋
    回部材と車輪支持部材との間に、上記旋回部材の旋回中
    心線と交差する旋回中心線を有し、且つ前記第1の軸受
    と同心状の位置にある第2の軸受を設け、上記両軸受の
    回転中心の交点が各軸受の荷重中心を含む平面の近傍に
    位置するように設定したことを特徴とする旋回キャス
    タ。
  2. 【請求項2】上記第1の軸受内に単列の転動体を配置
    し、上記第2の軸受内に複列の転動体を配置したことを
    特徴とする請求項1記載の旋回キャスタ。
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