JP2574465B2 - 二成分系磁性現像剤用トナー - Google Patents

二成分系磁性現像剤用トナー

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JP2574465B2 JP1165347A JP16534789A JP2574465B2 JP 2574465 B2 JP2574465 B2 JP 2574465B2 JP 1165347 A JP1165347 A JP 1165347A JP 16534789 A JP16534789 A JP 16534789A JP 2574465 B2 JP2574465 B2 JP 2574465B2
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成男 矢部
雅偉 井上
浩一 津山
義威 清水
光志 黒木
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電子写真法に用いる二成分系磁性現像用の
磁性トナーに関するものであり、より詳細には、目視カ
ブリの著しく減少した二成分系磁性現像用非磁性トナー
に関する。
(従来技術) 電子写真法の分野では、感光体表面に形成される静電
荷像を帯電されたトナーにより現像し、形成されるトナ
ー像を転写材上に転写し、次いでトナー像を定着するこ
とにより直像形成を行っている。この画像形成に際して
は、画像部の光学的濃度が高く、且つバックグラウンド
部へのトナー付着、即ちカブリが小さいことが要求され
る。
特開昭61−36757号公報には、フエライトキヤリヤと
顕電性トナーとから成る二成分系磁性現像剤において、
該顕電性トナーが、4.0×10-3〜9.0×10-3g/gトナーの
表面染料濃度を有するトナーであることを特徴とする二
成分系磁性現像剤が提案されており、この現像剤では、
トナー濃度の許容範囲が広く、摩擦帯電性がよく、カブ
リやブラシマーク等の発生が殆んどなく、優れた画像が
得られることが示されている。
(発明が解決しようとする問題点) 従来、電子写真複写に際してのカブリの評価は、複写
物のバックグラウンドの反射濃度と複写前の反射濃度と
の差からカブリ濃度を算出することにより行われてい
た。
しかしながら、光学的に求めたカブリ濃度と目視した
場合に検知されるカブリとの間には、カブリ濃度が低い
値をとる場合に良い対応がなく、カブリ濃度が必ずしも
低い場合にも尚目視ではカブリが発生しているという事
態を屡々生じることがわかった。
上記先行技術は、トナーにおける表面染料濃度とカブ
リ濃度との関係を明らかにした点で意義深いものと認め
られるが、目視カブリの発生には、上記表面染料濃度の
みならず、トナーの粒度分布もまた重大な影響をもたら
すことを本発明者等は見出した。
即ち、本発明の目的は、目視カブリの著しく減少した
高濃度複写物を得ることが可能な静電荷像現像用トナー
を提供するにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明によれば、結着剤樹脂中に着色剤及び電荷制御
用染料が分散されて成る二成分系磁性現像剤用非磁性ト
ナーにおいて、式(1)、 N<−172.7C+1.45 …(1) 式中、Nはコールターカウンターで測定される16μm
より大きい粒径の個数%を表わし、Cはトナー粒子の表
面染料濃度(g/g)を表わす、 を満足する粒度分布を有していると共に、且つ前記表面
染料濃度が2×10-3乃至7×10-3g/gの範囲にあること
を特徴とするトナーが提供される。
(作用) 本発明は、トナー粒子の表面染料濃度(C)にも関連
して、トナーの粒度分布を上記式(1)を満足するよう
に定めると、目視カブリの発生が解決されるという知見
に基づくものである。上記式(1)は、トナー粒度分布
やトナー粒子の表面染料濃度を変化させ、目視カブリの
発生との関係を調べた多数の実験結果から得られた経験
式であり、コールターカウンターで求めた16μmよりも
大きい粒径のものの個数%Nが式(1)を満足する限
り、目視カブリの発生が解消されるのである。即ち、表
面染料濃度(C)が小さい方が目視カブリの発生も少な
くなるが、16μmよりも大きいトナー粒子の個数%Nも
目視カブリの発生に重大な影響を有しており、Nの値は
最大限1.45%未満迄許容されるが、この許容値は表面染
料濃度が増大するのに反比例して小さくなるのである。
本発明において、トナー粒子の粒度の内でも、16μm
よりも大きい粒径の個数%Nを問題としているのは、次
の理由による。即ち、本発明者等は、複写物(定着前)
のバックグラウンドについて、画像解析装置(クオンチ
メット900イメージアナライザー)により、付着トナー
粒子の粒度分布(ヒストグラム)を求め、この粒度分布
と目視カブリとの対応関係を求めた。この結果から、16
μmよりも大きい粒径のトナー粒子が存在すると、目視
でカブリと認識されることが判明したものである。
本明細書において、表面染料濃度とは、後述する実験
例中に詳記する通り、トナー粒子表面の染料のみを選択
的に抽出し、この抽出液の吸光光度から染料濃度を算出
し、トナー粒子1g当りの染料の量に換算された値を意味
する。
(発明の好適態様) 用いる顕電性トナーは、顕電性と共に着色性、定着性
を具備するものであり、定着用樹脂媒質、着色用顔料及
び電荷制御用染料を必須成分として含有する。
定着用樹脂としては、熱可塑性樹脂や、未硬化乃至は
初期縮合物の熱硬化性樹脂が使用される。その適当な例
は、重要なものの順序に、ポリスチレン等のビニール芳
香族樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール樹
脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、石油樹脂、オレフィン樹脂等である。着色用顔料と
しては例えばカーボンブラック、カドミウムエロー、モ
リブデンオレンジ、ピラゾロンレッド、フアストパイオ
レッドB、フタロシアニンブルー等の1種又は2種以上
が使用される。
電荷制御用染料としては、それ自体公知の任意のもの
を使用し得る。
具体的にはこれに限定されるものではないが、次のも
のを好適に使用し得る。
正電荷制御剤として、 C.I.ソルベント ブラック 1 C.I.ソルベント ブラック 2 C.I.ソルベント ブラック 3 C.I.ソルベント ブラック 5 C.I.ソルベント ブラック 7 等が挙げられる。
負電荷制御剤としてクロム、鉄或いはコバルトを含有
する錯塩アゾ染料の内、アルコール可溶性のものが好適
に使用される。好適な錯塩染料は、下記式 式中、Aはオルソ位にフェノール性水酸基を有するジア
ゾ成分の残基を表わし、Bはカップリング成分の残基を
表わし、Mはクロム、鉄或いはコバルト金属を表わし、
〔Y〕+は無機或いは有機のカチオンである、 で表わされる2:1型金属錯塩染料である。他に銅フタロ
シアニンにスルホニルアミン誘導体も本発明の目的に使
用し得る。
これらの含金属錯塩染料の代表的なものは、 C.I.アシッド ブラック 123のクロム含金属染料 C.I.ソルベント ブラック 22 ソルベント ブラック 23 ソルベント ブラック 28 ソルベント ブラック 42 ソルベント ブラック 43 等が挙げられる。また、サリチル酸やアルキルサリチル
酸の金属錯体等も負電荷制御剤として使用することがで
きる。
トナー中の定着用樹脂媒質の量は、全体当り80乃至96
%、特に85乃至93%、顔料は3乃至10%、特に3.5乃至
8%、染料は0.7乃至4%、特に1乃至2%の量で含有
されていることが望ましい(%は重量基準)。
本発明のトナーにおいて、表面染料濃度は、一般に2
×10-3乃至7×10-3g/g、特に3×10-3乃至6×10-3g/g
の範囲にあることが、トナーの帯電性と目視カブリ防止
の点で好ましい。
トナーの表面染料濃度を前述した低い範囲にするため
には、樹脂粉末、着色剤及び電荷制御用染料等の成分
を、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、或いはボ
ールミル等の剪断力が作用する混合機で十分前混合する
のがよい。次いで、このドライブレンド物を、二軸押出
機、3本ロール、ニーダー等を用いて溶融混練し、この
混練組成物を冷却後粉砕し、篩分けする。
トナーの分布を前記式(1)を満足するようにするに
は、(i)粉砕後のトナーから16μmよりも上の分を篩
分でカットする、(ii)トナーの最大分布粒径を小径側
に移行するように粉砕して、16μmよりも大きい径の部
分の含有量を低くする、等の手段を単独又は組合せで行
なう。
本発明のトナーは、それ自体公知の磁性キヤリヤ、例
えば焼結フエライト粒子キヤリヤ或いは鉄分キヤリヤと
混合し、二成分現像剤の形で静電像の現像に用いる。ト
ナー濃度は一般に2乃至15重量%の範囲が適当である。
この二成分系磁性現像剤は、磁気ブラシの形で、正電
荷像、例えばセレン系感光体の静電像の現像に有利に使
用される。
(発明の効果) 本発明によれば、トナーの粒度分布を、トナー粒子の
表面染料濃度に応じて前記式(1)を満足するように設
定したことにより、目視カブリの発生を有効に抑制する
ことが可能となった。
以下、実験例によって本発明を更に詳しく説明する。
(実験例) 定着用樹脂としてのスチレン−アクリル共重合体100
重量部に対して、着色剤としてカーボンブラックを10重
量部と、電荷制御剤としてアゾ系クロム錯塩化合物であ
るスピロンブラックTRH(保土ヶ谷化学工業社製、商品
名)とボントロンS−34(オリコント化学工業社製、商
品名)、サリチル酸系亜鉛錯体であるボントロンE−84
(オリコント化学工業社製、商品名)の3種を使用し、
配合量を1.5重量部とし、ヘンシュルミキサーで3〜40
分の範囲で混合時間を変更して調整し、常法に従って溶
融混練して混練物を得、冷却後粉砕、分級して各種トナ
ー12種を作成した。
そして、それぞれのトナーに対して、以下の方法によ
って表面染料濃度を測定した。
トナー100mgを精秤し、50mlのメタノールを加え、10
分間ボールミルにかけて、そして1日放置後、上澄液濃
度を吸光光度計により測定し、ランベルト・ベール則よ
り濃度を算出する。
そして、電子写真複写機DC−2055(三田工業社製、商
品名)を用いて複写サンプルを得、画像解析装置によっ
て目視カブリの程度を測定した。以下、その結果を表−
1に示す。
表−1から、表面染料濃度に応じて16μm以上の粒子
の含有割合を規定することによって目視カブリの発生を
防止できることが分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津山 浩一 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (72)発明者 清水 義威 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (72)発明者 黒木 光志 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−36757(JP,A) 特開 昭62−291666(JP,A) 実開 昭63−21945(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結着剤樹脂中に着色剤及び電荷制御用染料
    が分散されて成る二成分系磁性現像剤用非磁性トナーに
    おいて、式(1)、 N<−172.7C+1.45 …(1) 式中、Nはコールターカウンターで測定される16μmよ
    り大きい粒径の個数%を表わし、Cはトナー粒子の表面
    染料濃度(g/g)を表わす、 を満足する粒度分布を有していると共に、且つ前記表面
    染料濃度が2×10-3乃至7×10-3/gの範囲にあることを
    特徴とするトナー。
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