JP2574198B2 - グルタールアルデヒド水溶液の精製方法 - Google Patents

グルタールアルデヒド水溶液の精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はグルタールアルデヒド水
溶液を用いる際に認められる濁りもしくは沈殿の現象を
防止することを目的としたグルタールアルデヒド水溶液
の精製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、グルタールアルデヒドは、アミノ
基、水酸基などに対する高い反応性に基づき、皮革のな
めし剤、蛋白の架橋剤、酵素の固定化剤、写真フィルム
の現像剤に用いられてきた。特に血清肝炎、敗血症など
種々のウィルス、細菌芽胞、グラム陰性菌による院内感
染に対し、グルタールアルデヒドの化学的滅菌又は消毒
作用への評価は高く、その需要は増大している。一般的
にグルタールアルデヒドは約2%の濃度の水溶液として
用いられ、殺菌効力を高めるため炭酸ナトリウムなどを
添加し、水溶液のpHを7.5〜8.5程度の弱アルカ
リ性になるように調節される。
【0003】ところで、この様にグルタールアルデヒド
水溶液のpHを弱アルカリ性に調節した場合、室温もし
くはそれ以上の温度条件で、水溶液中に濁りあるいは沈
殿といった現象の生ずることが、しばしば認められるこ
とがある。その結果、沈殿物の除去に時間を浪費したり
あるいは除去困難な場合には器具を廃棄しなければなら
なくなり非常に不経済である。さらに、内視鏡などのよ
うな内部が観察しがたい器具では、汚染状況が十分把握
できないため安全性の面からも問題であると思われる。
【0004】これまで、弱アルカリ性下でのグルタール
アルデヒド水溶液における沈殿現象の防止法として行わ
れてきた方法としては、アルキルシリカを固相充填剤と
して使用する方法(特開昭63−185938号公報)や安定化
剤を添加する方法(特開昭63−112532号公報)が認めら
れるが、アルキルシリカは高価であるという欠点を有
し、また、安定化剤を添加する方法は安定化剤がグルタ
ールアルデヒドと反応するため殺菌効力の点からみて不
利である。
【0005】沈殿現象との間に相関性を示す物質として
はグルタールアルデヒドのペンダント型重合反応により
生成したと考えられるグルタールアルデヒドのトリマー
体である2,4,6−トリス(4−オキソブチル)−
1,3,5−トリオキサン(パラグルタールアルデヒ
ド、paraglutaraldehyde)が知られている[T. Tashim
a,et al., Chem. Pharm. Bull., 35, 4169-4180 (198
7)]。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】そこで、弱アルカリ
性下でのグルタールアルデヒド水溶液における沈殿現象
を防止するため、上記のパラグルタールアルデヒドの水
溶液からの除去を目的として高分子吸着体による精製法
について検討した。
【0007】
【問題点を解決するための手段】その結果、高分子吸着
体と接触させた後、弱アルカリ性で40℃、2週間放置
後でも、沈殿もしくは濁りを認めない高分子吸着体を見
出した。すなわち、グルタールアルデヒド水溶液を樹脂
を充填したカラムに流下し、さらに、水を流下し、素通
液及び洗液を合わせ精製グルタールアルデヒド水溶液と
した。また、精製に使用した樹脂はメタノール等の溶媒
を流すだけで再生される。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明は、粗製グルタールアルデヒド水溶
液を巨大網状構造を有する合成高分子に接触させ、非吸
着部及び水洗により溶離する部分よりグルタールアルデ
ヒドを得ることを特徴とするグルタールアルデヒド水溶
液の精製方法を提供する。
【0010】本発明で使用する巨大網状構造を有する合
成高分子としてはスチレンとジビニルベンゼンとの共重
合体が好ましい。このような共重合体は公知の方法で製
造することができるし、あるいは市販されているものを
使用することが可能である。
【0011】本発明に使用される高分子吸着体の例とし
ては、アンバーライトXAD−2(ロームアンドハース
社製品)、ダイヤイオンHP−10、同20、同21、
同50、セパビーズSP−207、同800(三菱化成
社製品)などがあるが、これらに限るわけではなく、こ
れらの吸着体と同効のもの(すなわち、上記のようにグ
ルタールアルデヒド水溶液を高分子吸着体と接触処理
後、弱アルカリ性で40℃、2週間経過しても沈殿を生
じないもの)は、いずれも使用可能である。
【0012】上記のような合成高分子はカラムに充填し
て使用されるが、その充填量はカラムに流すグルタール
アルデヒド水溶液量の90%以上の量が好ましい。
【0013】カラムに高分子吸着体を充填した後、メタ
ノール、アセトン等の溶媒で洗浄後グルタールアルデヒ
ド水溶液をカラムに流し、吸着されなかった部分を収集
する。
【0014】なお、使用後のカラムはメタノール、アセ
トン等の溶媒で洗浄するだけで再使用できる。
【0015】
【実施例】本発明を下記の実施例及び試験例によりさら
に説明する。下記実施例及び試験例は単に本発明の説明
のためであり、本発明をなんら限定するものではない。
【0016】実施例1 グルタールアルデヒド水溶液は50%濃度のグルタール
アルデヒドを用い、充填カラムは、高分子吸着体を内径
27mm、長さ600mmガラス製カラムにベット容積が8
0mlになるように湿式法でつめて調製し、このカラムを
メタノール160mlで洗浄した後、精製水160mlでカ
ラム中に存在するメタノールを排除し、以下の方法で精
製を行った。ここにw/vは重量/容積を意味し、以下
これに倣って表現する。
【0017】高分子吸着体にダイヤイオンHP−20を
用いた充填カラムにグルタールアルデヒド水溶液80
g、つづいて水を流速2〜4ml/分で流し、初期に得ら
れた40mlの水溶液は廃棄し、次の160mlを集積し
た。その後、アセトン160ml、メタノール160mlで
カラムを洗浄し、さらに精製水160mlでカラムの吸着
力を初期状態にもどした。なお、カラムの再活性化のた
めの洗浄液の流速は、8ml/分に調節した。この液のグ
ルタールアルデヒド含量を液体クロマトグラフ法により
求め、その値により2 w/v%濃度に希釈し100mlとす
る。この液に炭酸水素ナトリウム300mg、リン酸二水
素ナトリウム2.5mg、リン酸一水素ナトリウム450
mgを加え溶解する。上記記載の方法で、50%グルター
ルアルデヒド水溶液80gから22.5 w/v%グルター
ルアルデヒド水溶液160mlを得た。従って、90%の
回収率で精製グルタールアルデヒド水溶液を得ることが
できた。
【0018】実施例2 高分子吸着体にダイヤイオンHP−50を用いた充填カ
ラムにグルタールアルデヒド水溶液80g、つづいて水
を流速2〜4ml/分で流し、初期に得られた40mlの水
溶液は廃棄し、次の160mlを集積した。その後、アセ
トン160ml、メタノール160mlでカラムを洗浄し、
さらに精製水160mlでカラムの吸着力を初期状態にも
どした。なお、カラムの再活性化のための洗浄液の流速
は、8ml/分に調節した。この液のグルタールアルデヒ
ド含量を液体クロマトグラフ法により求め、その値によ
り2 w/v%濃度に希釈し100mlとする。この液に炭酸
水素ナトリウム300mg、リン酸二水素ナトリウム2.
5mg、リン酸一水素ナトリウム450mgを加え溶解す
る。上記記載の方法で、50%グルタールアルデヒド水
溶液80gから21.13 w/v%グルタールアルデヒド
水溶液160mlを得た。従って、84.5%の回収率で
精製グルタールアルデヒド水溶液を得ることができた。
【0019】実施例3 高分子吸着体にセパビーズSP−207を用いた充填カ
ラムにグルタールアルデヒド水溶液80g、つづいて水
を流速2〜4ml/分で流し、初期に得られた40mlの水
溶液は廃棄し、次の160mlを集積した。その後、アセ
トン160ml、メタノール160mlでカラムを洗浄し、
さらに精製水160mlでカラムの吸着力を初期状態にも
どした。なお、カラムの再活性化のための洗浄液の流速
は、8ml/分に調節した。この液のグルタールアルデヒ
ド含量を液体クロマトグラフ法により求め、その値によ
り2 w/v%濃度に希釈し100mlとする。この液に炭酸
水素ナトリウム300mg、リン酸二水素ナトリウム2.
5mg、リン酸一水素ナトリウム450mgを加え溶解す
る。上記記載の方法で、50%グルタールアルデヒド水
溶液80gから22.75 w/v%グルタールアルデヒド
水溶液160mlを得た。従って、91%の回収率で精製
グルタールアルデヒド水溶液を得ることができた。
【0020】実施例4 高分子吸着体にセパビーズSP−800を用いた充填カ
ラムにグルタールアルデヒド水溶液80g、つづいて水
を流速2〜4ml/分で流し、初期に得られた40mlの水
溶液は廃棄し、次の160mlを集積した。その後、アセ
トン160ml、メタノール160mlでカラムを洗浄し、
さらに精製水160mlでカラムの吸着力を初期状態にも
どした。なお、カラムの再活性化のための洗浄液の流速
は、8ml/分に調節した。この液のグルタールアルデヒ
ド含量を液体クロマトグラフ法により求め、その値によ
り2 w/v%濃度に希釈し100mlとする。この液に炭酸
水素ナトリウム300mg、リン酸二水素ナトリウム2.
5mg、リン酸一水素ナトリウム450mgを加え溶解す
る。上記記載の方法で、50%グルタールアルデヒド水
溶液80gから23.30 w/v%グルタールアルデヒド
水溶液160mlを得た。従って、93.2%の回収率で
精製グルタールアルデヒド水溶液を得ることができた。
【0021】試験例1 前記実施例1〜4に記載された手順を使用して2 w/v%
濃度のグルタールアルデヒド水溶液を試料溶液として調
製した。
【0022】該試料溶液100mlを40℃で2週間保存
後、濁りもしくは沈殿現象の有無を調べた。その結果、
すべての試料について濁りもしくは沈殿現象は認められ
なかった。
【0023】また、同時に合成高分子無処理のグルター
ルアルデヒドを2 w/v%濃度に希釈し100mlとし、こ
の液に炭酸水素ナトリウム300mg、リン酸二水素ナト
リウム2.5mg、リン酸一水素ナトリウム450mgを加
え溶解したものを40℃で2週間保存後、濁りもしくは
沈殿現象の有無を調べた。その結果、白色の濁り及び沈
殿を認めた。
【0024】試験例2 ダイヤイオンHP−20のベッド容積を変化させ2 w/v
%グルタールアルデヒド水溶液の濁りもしくは沈殿現象
に対する高分子吸着体のベッド容積の影響を求めた。方
法は、前記試験例1と同様に行い、結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】表1の結果から、2 w/v%濃度のグルター
ルアルデヒドの弱アルカリ性水溶液を40℃、2週間保
存後、濁りもしくは沈殿現象を認めないダイヤイオンH
P−20の量は70ml以上である。
【0027】
【発明の効果】本発明は比較的安価な高分子吸着体を使
用し、また、精製したグルタールアルデヒド水溶液の性
状もほとんど変化しないことから、グルタールアルデヒ
ド水溶液を殺菌消毒剤として供給する場合には、適した
精製方法であると考えられる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗製グルタールアルデヒド水溶液を巨大
    網状構造を有する合成高分子に接触させ、非吸着部及び
    水洗により溶離する部分よりグルタールアルデヒドを得
    ることを特徴とするグルタールアルデヒド水溶液の精製
    方法。
  2. 【請求項2】 合成高分子吸着体がスチレンとジビニル
    ベンゼンとの共重合体である請求項1記載の精製方法。
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