JP2573424B2 - 掃除機 - Google Patents

掃除機

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JP2573424B2
JP2573424B2 JP843791A JP843791A JP2573424B2 JP 2573424 B2 JP2573424 B2 JP 2573424B2 JP 843791 A JP843791 A JP 843791A JP 843791 A JP843791 A JP 843791A JP 2573424 B2 JP2573424 B2 JP 2573424B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、掃除機の吸込圧力を検
知する圧力センサーとブラシ用モーターの電流を検知す
る電流センサーとを設け、上記圧力センサーによる吸込
圧力と電流センサーによるブラシ用モーターの電流から
床面の状態をファジィ推論して、吸込用モーターの吸込
力とブラシ用モーターの回転数を自動的に切替える機能
を備えた掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の掃除機には、吸込用モーターの吸
込力とブラシ用モーターの回転数とを、手動で別個に選
択できる手動切替スイッチを吸込口用延長管の手元等に
設けたものがある。
【0003】ところが、従来の掃除機では、床面の形状
や材質等の状態に合わせた吸込用モーターの吸込力とブ
ラシ用モーターの回転数の設定が使用者の勘と経験にま
かされており、経験不足等から設定が上手になされてい
ないと、絨毯の毛足の中のチリやホコリが十分に吸い出
せなかったり、畳に吸込口が吸着いて吸込口の操作が重
くなったり、木製の床面を高速回転のブラシで傷付けた
り、あるいは部屋毎に異なる床面に対してその都度設定
しなおさなければならなかった。
【0004】そこで、掃除機の吸込圧力とブラシ用モー
ターの電流から床面の状態をファジィ推論して、床面の
状態に応じた吸込用モーターの吸込力とブラシ用モータ
ーの回転数を自動的に選択し、常に最も効率良く掃除で
きる掃除機が考え出されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、吸込口からブ
ラシが外されたり、あるいは、ブラシ用モーターの付い
ていない吸込口に交換されたときには、ブラシ用モータ
ーの電流のデータが得られないため、床面の状態を判断
することができないという課題があった。
【0006】本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであって、通常の床面判断モードの他に
特別な床面判断モードを設け、吸込口からブラシが外さ
れたり、あるいは、ブラシ用モーターの付いていない吸
込口に交換されたときは、吸込圧力だけで吸込口の形状
と床面の状態とを判断して、吸込口の形状や床面の状態
に応じた吸込用モーターの吸込力とブラシ用モーターの
回転数を自動的に選択できる掃除機を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
この発明は、掃除機の吸込圧力を検知する圧力センサー
と、この圧力センサーからの出力信号を電圧変換・増幅
調整する圧力検出部と、ブラシ用モーターの電流を検知
する電流センサーと、この電流センサーからの出力信号
を電圧変換・増幅調整する電流検出部と、上記圧力検出
部及び電流検出部から出力されるアナログ電圧信号と内
蔵するソフトウエアにより床面の状態をファジィ推論す
るマイクロコンピュータ(以後マイコンという)と、吸
込用モーターの吸込力を制御する吸込用モーター制御部
と、ブラシ用モーターの回転数を制御するブラシ用モー
ター制御部等を備え、上記圧力センサーによる吸込圧力
の振幅値と、電流センサーによるブラシ用モーターの電
流の振幅値、及び上記マイコンの記憶部に記憶されてい
るファジィルールやメンバシップ関数等のファジィ知識
ベース並びに絨毯・畳・木製床等の床面に対応した吸込
用モーターの吸込力とブラシ用モーターの回転数を組み
合わせた複数の運転パターンとから床面の状態をファジ
ィ推論して、床面状態に適した上記吸込用モーターの吸
込力とブラシ用モーターの回転数になるように運転パタ
ーンを制御する。そして、吸込口からブラシが外された
り、ブラシ用モーターの付いてない吸込口に交換され
て、ブラシ用モーターの電流のデータが得られない特別
なモードのときは、圧力センサーの出力信号の絶対値の
みで床面の状態をファジィ推論する。
【0008】
【作用】上記構成において、通常モードのときは、吸込
口を床面に押し付けて往復動作させながら掃除するとき
に、床面の形状や材質等によって現れる吸込圧力の振幅
値変化とブラシ用モーターの電流の振幅値変化の特徴か
ら床面の状態をファジィ推論して、最も効率良く掃除で
きる吸込用モーターの吸込力とブラシ用モーターの回転
数の運転パターンを選択することにより、床面の形状や
材質等を考慮した最適な運転条件を設定できる。
【0009】そして、吸込口からブラシが外されたり、
ブラシ用モーターの付いていない吸込口に交換されたと
きは、ブラシ用モーターの電流データが得られないの
で、吸込口の形状や、吸込口を床面に押し付けたときに
特徴的に現れる吸込圧力の絶対値変化から吸込口の形状
や床面の状態をファジィ推論して、その吸込口や床面の
状態に最も適した吸込力を自動的に選択できる。
【0010】
【実施例】以下、本発明をその実施例を示す図面に基づ
いて詳述する。
【0011】図1は、本発明の掃除機の制御機構の一実
施例を示す概略ブロック図である。図1において、操作
部1に含まれる運転スイッチ2は運転を開始するための
信号を、停止スイッチ3は運転を停止させるための信号
をそれぞれマイコン4に出力する。半導体圧力センサー
10の出力信号を圧力検出部9で電圧変換・増幅調整
後、吸込圧力に応じたアナログ電圧信号として、上記マ
イコン4のアナログ/デジタル変換入力端子A1に入力
する。そして、マイコン4のソフトウエアにより、所定
の時間間隔毎の上記吸込圧力の最大値と最小値とから、
圧力振幅値を演算する。カレントトランス等よりなる電
流センサー12の出力信号を電流検出部11で電圧変換
・増幅調整後、ブラシ用モーター8の電流に応じたアナ
ログ電圧信号として、マイコン4のアナログ/デジタル
変換入力端子A2に入力する。そして、上記マイコン4
のソフトウエアにより、所定の時間間隔毎の上記ブラシ
用モーターの電流の最大値と最小値とから、電流増幅値
を演算する。上記マイコン4のソフトウエアにより、上
記吸込圧力の振幅値とブラシ用モーター8の電流振幅値
とをファジィ入力変数としてマイコン4の記憶部(図示
せず)に記憶したファジィルール・メンバシップ関数等
にあてはめて、床面指数値をファジィ推論する。そし
て、その推論結果の床面指数値に対応する吸込力とブラ
シ用モーター8の回転数とからなる運転パターンを上記
マイコン4の記憶部に記憶した運転パターンデータから
選択して、吸込用モーター6及びブラシ用モーター8の
回転数を制御する。
【0012】そして、吸込口からブラシが外されたり、
ブラシ用モーターの付いていない吸込口に交換されたと
きは、マイコン4はブラシ用モーターの電流がなくなっ
たことを検知し、マイコン4が内蔵するソフトウエアに
より、ファジィ推論の特別モードに移行する。この場
合、マイコン4は上記ソフトウエアにより圧力センサー
からの振幅値を演算せず、圧力の絶対値をそのまゝ制御
に使用する。また、この特別モードのときは、電流セン
サーからの出力信号はマイコン4にとりこまないように
する。
【0013】そして、マイコン4は、圧力の絶対値をフ
ァジィ入力変数として、マイコン4の記憶部に記憶され
たファジィルール・メンバシップ関数等にあてはめて、
床面の形状・材質及び吸込口の形状を表す床面指数値を
ファジィ推論する。そして、推論した床面指数値に対応
する吸込力を上記記憶部に記憶した運転パターンデータ
から選択して、上記吸込用モーター制御部5に制御信号
を出力し、吸込用モーター6の回転数を制御する。
【0014】図2は、本発明の一実施例であるマイコン
4が内蔵するソフトウエアによる、ファジィ推論の特別
モードの概略フローチャートを示す。
【0015】
【表1】
【0016】表1は、本発明の一実施例のマイコン4の
記憶部にストアされているファジィ推論の特別モードに
おける床面指数値Yと吸込力(吸込仕事率)の制御信号
値PCとの関係を示すデータテーブルである。
【0017】表1において、吸込力は掃除機の業界やJ
ISで規定する吸込仕事率に相当し、単位はW(ワッ
ト)である。上記吸込用モーター制御部5は、マイコン
4のCPUからの表1に示す吸込力の制御信号値PCに
応じて吸込用モーター6を例えば位相制御する。
【0018】そして、床面指数値Y=1は木製床面、床
面指数値Y=5は毛足の長い絨毯というように、床面指
数値が小さい程床面の凹凸が少なく且つ床面の材質が固
いことを示し、床面指数値が大きい程床面の凹凸が大き
く且つ材質が柔らかいことを示す。
【0019】また、床面指数値が小さい程吸込口の形状
は大きく広がっていることを示し、床面指数値が大きい
程吸込口の形状は小さいことを示している。表1のデー
タテーブルは、これらの床面の状態や吸込口の形状にた
いして集塵性能・操作性等の最も効率良く掃除できる吸
込力を、掃除機の個々の機器性能に合わせて実験及び設
計的に求めて決定されるものである。
【0020】次に、本発明では、一般的な「MIN−M
AX重心法」を用いているが、特別モードにおける床面
指数値のファジィ推論について説明する。
【0021】本実施例の特別モードにおけるファジィ推
論は、吸込圧力の絶対値を入力変数として、図1に示し
たマイコン4のCPUのソフトウエアによってファジィ
推論処理している。
【0022】図3の(a),(b)に、本発明の一実施
例の特別モードにおけるファジィ変数のメンバシップ関
数を示す。
【0023】図3の(a),(b)において、縦軸には
適合度(グレード)がとられており、0から1までの区
間の値で定義されている。図3の(a)は、メンバシッ
プ関数MF1を示しており、横軸には吸込圧力の絶対値
△Pがとられ、単位はmmH2Oである。図3の(b)
は、メンバシップ関数MF2を示しており、横軸には床
面指数値Yがとられている。
【0024】図4は、本発明の一実施例の特別モードに
おけるファジィルールを示す図であり、図4では、ファ
ジィルールをマトリックス表で示している。そして、図
4には3個のファジィルールが示されており、上段に条
件部のファジィ変数である吸込圧力の絶対値△Pのラベ
ルがとられ、下段に後件部のファジィ変数である床面指
数値Yがとられている。これらのメンバシップ関数やフ
ァジィルール等のファジィ知識ベースは、マイコン4の
記憶部にデータあるいはプログラムとして予め記憶され
ている。
【0025】図5に、本発明の一実施例の特別モードに
おけるファジィ推論のフローチャートを示す。
【0026】図5のフローチャートに従って、本実施例
で採用されている特別モードにおける床面指数値Yのフ
ァジィ推論の手順を説明する。
【0027】まず、マイコン4はブラシ用モーターの電
流がなくなったことにより、吸込口からブラシが外され
たこと、あるいは、吸込口がブラシ用モーターの付いて
いないものと交換されたこと等を検知し、マイコン4が
内蔵するソフトウエアにおいて、ファジィ推論の特別モ
ードに移行する。そして、吸込圧力の絶対値を取り込ん
だ状態で図5のフローチャートの実行を開始する。
【0028】図5のステップS120の処理において、
各ファジィルールの結論部のメンバシップ関数MF2を
ステップS120の処理で得られた条件部適合度を用い
て、いわゆる「頭切り」を行ない、結論部メンバシップ
関数を補正する。
【0029】ステップS120、S130の処理を繰り
返しファジィルールの数だけ(この場合3つ)頭切りさ
れた結論部メンバシップ関数を求める。
【0030】総てのファジィルールについて「頭切り」
が終了したらステップS150の処理において、頭切り
された結論部メンバシップ関数の論理和関数を求める。
【0031】その後、ステップS160の処理におい
て、求めた論理和関数の重心値を計算し、それを四捨五
入して整数値に丸めて論理結果の床面指数値Yとする。
【0032】本実施例に使用された掃除機では、ファジ
ィ推論の特別モードのときに、例えば、吸込圧力の絶対
値△P=300mmH2Oが得られると、図5のファジィ
推論処理が実行されて、床面指数値Yの値はY=3と得
られる。そして、図2の処理ステップS60で、推論結
果Y=3に対する吸込力PCとしてPC=200Wが出
力される。
【0033】
【発明の効果】本発明の掃除機は以上のように構成され
たものであるので、通常は、掃除機の吸込圧力の振幅値
変化とブラシ用モーターの電流の振幅値変化とから、床
面の状態をファジィ推論して、その床面に最も適した吸
込用モーターの吸込力とブラシ用モーターの回転数を自
動選択することにより、効率良く掃除することが可能と
なる。そして、吸込口からブラシが外されたり、あるい
は、ブラシ用モーターの付いていない吸込口に交換され
たときには、床面状態判定の特別モードに移行し、ブラ
シ用モーターの電流のデータを使用せず、吸込口の形状
や、吸込口を床面に押し付けたとき床面の形状や材質に
より特徴的に現れる吸込圧力の絶対値変化から、吸込口
の形状や床面の状態をファジィ推論して、吸込口や床面
に最も適した吸込力を自動的に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の掃除機の一実施例の制御機構を示す概
略ブロック図である。
【図2】本発明の一実施例を示すマイコン4のソフトウ
エアによる、ファジィ推論の特別モードの概略フローチ
ャートである。
【図3】本発明の一実施例のファジィ推論に使用される
ファジィ変数のメンバシップ関数を示す図である。
【図4】本発明の一実施例のファジィ推論に使用される
ファジィルールを示す図である。
【図5】上記図2の処理ステップS50におけるファジ
ィ推論を行うための処理フローを示す図。
【符号の説明】
4・・・・マイコン、10・・・圧力センサー、12・
・・電流センサー、△P・・・圧力絶対値、Y・・・・
床面指数値

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 掃除機の吸込圧力を検知する圧力センサ
    ーと、この圧力センサーからの出力信号を電圧変換・増
    幅調整する圧力検出部と、ブラシ用モーターの電流を検
    知する電流センサーと、この電流センサーからの出力信
    号を電圧変換・増幅調整する電流検出部と、上記圧力検
    出部及び電流検出部から出力されるアナログ電圧信号と
    内蔵するソフトウエアにより床面の状態をファジィ推論
    するマイクロコンピュータと、吸込用モーターの吸込力
    を制御する吸込用モーター制御部と、ブラシ用モーター
    の回転数を制御するブラシ用モーター制御部等を備え、
    上記圧力センサーによる吸込圧力の振幅値と、上記電流
    センサーによる電流の振幅値と、上記ソフトウエアによ
    って床面の状態をファジィ推論し、床面状態に適した吸
    込用モーターの吸込力とブラシ用モーターの回転数にな
    るように制御する掃除機において、上記掃除機の吸込口
    からブラシが外されたり、あるいはブラシ用モーターが
    付いていない吸込口に交換されて、ブラシ用モーターの
    電流データが得られないときには、上記電流センサーの
    出力信号を使用せず、上記圧力センサーの出力信号の絶
    対値のみで床面の状態をファジィ推論して、上記吸込用
    モーターの吸込力を制御するようにしたことを特徴とす
    る掃除機。
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