JP2572450Y2 - 筒内噴射２サイクル内燃機関 - Google Patents
筒内噴射２サイクル内燃機関Info
- Publication number
- JP2572450Y2 JP2572450Y2 JP1989113558U JP11355889U JP2572450Y2 JP 2572450 Y2 JP2572450 Y2 JP 2572450Y2 JP 1989113558 U JP1989113558 U JP 1989113558U JP 11355889 U JP11355889 U JP 11355889U JP 2572450 Y2 JP2572450 Y2 JP 2572450Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- valve
- cylinder head
- wall surface
- air supply
- fuel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
- Fuel-Injection Apparatus (AREA)
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は筒内噴射式２サイクル内燃機関に関する。
２サイクル内燃機関では排気、掃気燃料噴射等が短期
間内に重合して行われるために燃焼が不安定となり、こ
れを改善するために、従来、種々の工夫が行われてい
る。例えば、 特開昭63-246411号公報に於いては、燃料と空気とを
同時に直接燃焼室に噴射する混合気噴射弁を給・排気弁
の間に設け、軽負荷時に給気弁を閉鎖して該混合気噴射
弁により燃料と空気とを同時に直接に燃焼室に噴射する
ことにより着火性の向上とアイドル安定性を図ってい
る。
間内に重合して行われるために燃焼が不安定となり、こ
れを改善するために、従来、種々の工夫が行われてい
る。例えば、 特開昭63-246411号公報に於いては、燃料と空気とを
同時に直接燃焼室に噴射する混合気噴射弁を給・排気弁
の間に設け、軽負荷時に給気弁を閉鎖して該混合気噴射
弁により燃料と空気とを同時に直接に燃焼室に噴射する
ことにより着火性の向上とアイドル安定性を図ってい
る。
特開昭63-246411号に示すものに於いては、低負荷運
転時に給気ポートを閉鎖したことにより低負荷時の混合
気の吹き抜けが防止され、着火性が向上するが、一方、
掃気が不充分であると共に燃料の霧化が不充分であり、
燃焼が不安定となる。
転時に給気ポートを閉鎖したことにより低負荷時の混合
気の吹き抜けが防止され、着火性が向上するが、一方、
掃気が不充分であると共に燃料の霧化が不充分であり、
燃焼が不安定となる。
本考案に於いては、上記の問題点に鑑み掃気が十分に
行われると共に燃料の霧化が促進され、安定した燃焼が
得られる筒内噴射２サイクル内燃機関を提供することを
目的とする。
行われると共に燃料の霧化が促進され、安定した燃焼が
得られる筒内噴射２サイクル内燃機関を提供することを
目的とする。
上記の目的を達成するために本考案においては、シリ
ンダヘッドにポペット型の給気弁と排気弁とを備え、シ
リンダヘッド内壁面の中央部に燃料噴射弁を設けた火花
点火式２サイクル内燃機関において、前記シリンダヘッ
ド内壁面の前記給気弁と前記排気弁との間に、前記シリ
ンダヘッド内壁面から燃焼室に向けて延びるマスク壁を
前記シリンダヘッド内壁面を横断して前記シリンダヘッ
ド内壁面に形成し、前記マスク壁により前記排気弁側に
位置する前記給気弁のバルブシートとバルブフェースと
の間の新気の流通を閉鎖し、前記燃料噴射弁は前記マス
ク壁に対して前記排気弁側に配置され、前記給気弁によ
り入る新気は前記マスク壁に遮られて直接前記燃料噴射
弁に接触することのないように構成されたことを特徴と
する筒内噴射２サイクル内燃機関を提供する。
ンダヘッドにポペット型の給気弁と排気弁とを備え、シ
リンダヘッド内壁面の中央部に燃料噴射弁を設けた火花
点火式２サイクル内燃機関において、前記シリンダヘッ
ド内壁面の前記給気弁と前記排気弁との間に、前記シリ
ンダヘッド内壁面から燃焼室に向けて延びるマスク壁を
前記シリンダヘッド内壁面を横断して前記シリンダヘッ
ド内壁面に形成し、前記マスク壁により前記排気弁側に
位置する前記給気弁のバルブシートとバルブフェースと
の間の新気の流通を閉鎖し、前記燃料噴射弁は前記マス
ク壁に対して前記排気弁側に配置され、前記給気弁によ
り入る新気は前記マスク壁に遮られて直接前記燃料噴射
弁に接触することのないように構成されたことを特徴と
する筒内噴射２サイクル内燃機関を提供する。
ピストンが上死点（TDC）より下降をはじめると先ず
排気弁が開き、排気ガスが筒外に流出し、次いで給気弁
が開く。このとき排気弁側に位置する給気弁のバルブシ
ート（弁座）とバルブフェース（弁周辺面）との間はマ
スク壁により閉鎖されているために新気は排気弁と反対
側の給気弁とシリンダヘッドとの間の開口部より筒内に
流入し、シリンダ壁に沿って下降し、ピストン頭部に当
たって反転上昇し、強い掃気流を生ずる。ピストンが下
死点近傍にある時は燃料噴射弁からピストン頭部中央部
を指向して燃料が噴射される。燃料噴射弁はシリンダヘ
ッド内壁面の中央部のマスク壁と排気弁との間に設けら
れ、掃気流の下流側に配置される為、掃気流による冷却
が少なく、比較的高温になっていると共に、ピストン下
死点近傍においては筒内圧は比較的低圧となっているこ
とより燃料噴射時燃料は減圧沸騰を起こし、霧化が促進
され前記掃気流と良く混合して安定した燃焼が行われ
る。
排気弁が開き、排気ガスが筒外に流出し、次いで給気弁
が開く。このとき排気弁側に位置する給気弁のバルブシ
ート（弁座）とバルブフェース（弁周辺面）との間はマ
スク壁により閉鎖されているために新気は排気弁と反対
側の給気弁とシリンダヘッドとの間の開口部より筒内に
流入し、シリンダ壁に沿って下降し、ピストン頭部に当
たって反転上昇し、強い掃気流を生ずる。ピストンが下
死点近傍にある時は燃料噴射弁からピストン頭部中央部
を指向して燃料が噴射される。燃料噴射弁はシリンダヘ
ッド内壁面の中央部のマスク壁と排気弁との間に設けら
れ、掃気流の下流側に配置される為、掃気流による冷却
が少なく、比較的高温になっていると共に、ピストン下
死点近傍においては筒内圧は比較的低圧となっているこ
とより燃料噴射時燃料は減圧沸騰を起こし、霧化が促進
され前記掃気流と良く混合して安定した燃焼が行われ
る。
実施例について図面を参照して説明する。
第１図は給排気弁2,3及びマスク壁６等の配置を示す
シリンダヘッド７の内壁面7aの図で第２図は第１図のII
-II縦断面、第３図は給排気弁開放時の掃気流Ｓと噴霧
Ｆの状態を示す。
シリンダヘッド７の内壁面7aの図で第２図は第１図のII
-II縦断面、第３図は給排気弁開放時の掃気流Ｓと噴霧
Ｆの状態を示す。
図に於いて、１は燃焼室、２は給気弁、３は排気弁、
４は低圧無気燃料噴射弁（燃圧約5kg/cm2）、５は点火
栓で給気弁側のシリンダヘッド内壁面周辺に配置されて
おり、６はマスク壁、７はシリンダヘッド、８はシリン
ダ、９はピストン、Ｆは燃料噴射弁より噴出された噴霧
流、Ｓは給気弁２より流入する新気による掃気流を示
す。
４は低圧無気燃料噴射弁（燃圧約5kg/cm2）、５は点火
栓で給気弁側のシリンダヘッド内壁面周辺に配置されて
おり、６はマスク壁、７はシリンダヘッド、８はシリン
ダ、９はピストン、Ｆは燃料噴射弁より噴出された噴霧
流、Ｓは給気弁２より流入する新気による掃気流を示
す。
マスク壁６は第１図に示す通りシリンダヘッド内壁面
7aから燃焼室１に向けて延びており、給気弁２と排気弁
３との間に形成されている。このマスク壁により、排気
弁３側に位置する給気弁のバルブシートとバルブフェー
スとの間の開口が閉鎖され、給気弁全開時には第３図に
示すように新気は排気弁３の反対側に於いて、シリンダ
ヘッド７と給気弁２との間の開口部を通って筒内に流入
し、給気弁２の下方のシリンダ８の内壁面に沿って下降
した後ピストン９の頂面で反転して排気弁３の方向に流
れ、これにより強力なループ掃気の流れＳを得ることが
できる。
7aから燃焼室１に向けて延びており、給気弁２と排気弁
３との間に形成されている。このマスク壁により、排気
弁３側に位置する給気弁のバルブシートとバルブフェー
スとの間の開口が閉鎖され、給気弁全開時には第３図に
示すように新気は排気弁３の反対側に於いて、シリンダ
ヘッド７と給気弁２との間の開口部を通って筒内に流入
し、給気弁２の下方のシリンダ８の内壁面に沿って下降
した後ピストン９の頂面で反転して排気弁３の方向に流
れ、これにより強力なループ掃気の流れＳを得ることが
できる。
また、燃料噴射弁４は、第１図に示す通りシリンダヘ
ッド内壁面7aに於いて給排気弁の中央部に位置し、この
位置より、ピストン頭部中央部を指向して第２図、第３
図中のＦで示すようにシリンダ軸線方向に燃料を噴射す
る。燃料噴射弁は掃気流の下流側に配置される為、掃気
流による冷却が少なく比較的高温になっている。燃料噴
射時期は、ピストン９が下降して下死点近傍にある時に
噴射する。第４図に本件の２サイクルエンジンの給排気
弁の開閉と、点火時期とを示す角度線図の一例を示す。
本件の燃料噴射時期をこの線図にあてはめると図示の通
りとなり、下死点（BDC）近傍で噴射弁が開いて燃料噴
射が行われる。上述のように、ピストン９が下降して下
死点近傍にある時に噴射を行うことで、気筒内の圧力が
低い時に噴射するために、低圧噴射（約5kg/cm2前後）
が可能となり、また、比較的高温になった燃料噴射弁よ
り燃料を噴射するために噴霧の減圧沸騰が生じ、噴霧が
微粒化されて掃気と良く混合して、安定した燃焼が得ら
れる。
ッド内壁面7aに於いて給排気弁の中央部に位置し、この
位置より、ピストン頭部中央部を指向して第２図、第３
図中のＦで示すようにシリンダ軸線方向に燃料を噴射す
る。燃料噴射弁は掃気流の下流側に配置される為、掃気
流による冷却が少なく比較的高温になっている。燃料噴
射時期は、ピストン９が下降して下死点近傍にある時に
噴射する。第４図に本件の２サイクルエンジンの給排気
弁の開閉と、点火時期とを示す角度線図の一例を示す。
本件の燃料噴射時期をこの線図にあてはめると図示の通
りとなり、下死点（BDC）近傍で噴射弁が開いて燃料噴
射が行われる。上述のように、ピストン９が下降して下
死点近傍にある時に噴射を行うことで、気筒内の圧力が
低い時に噴射するために、低圧噴射（約5kg/cm2前後）
が可能となり、また、比較的高温になった燃料噴射弁よ
り燃料を噴射するために噴霧の減圧沸騰が生じ、噴霧が
微粒化されて掃気と良く混合して、安定した燃焼が得ら
れる。
また、第２図に示すように、噴射ノズル先端部10とシ
リンダヘッド７との間に微小隙間11を設け、これによ
り、この隙間の空気層で断熱され、エンジンの運転中に
ノズル先端部10が冷却水により冷やされたシリンダヘッ
ド７により冷却されることを少くする。これにより、噴
射弁ノズル内の温度が上昇し、前記の減圧沸騰がより生
じ易くなる。またこの傾向は、燃料の噴射期間の短い軽
負荷時程顕著となり、噴霧の微粒化が促進される。
リンダヘッド７との間に微小隙間11を設け、これによ
り、この隙間の空気層で断熱され、エンジンの運転中に
ノズル先端部10が冷却水により冷やされたシリンダヘッ
ド７により冷却されることを少くする。これにより、噴
射弁ノズル内の温度が上昇し、前記の減圧沸騰がより生
じ易くなる。またこの傾向は、燃料の噴射期間の短い軽
負荷時程顕著となり、噴霧の微粒化が促進される。
また燃焼室中央部より下方へ燃料を噴射するために燃
料がシリンダ壁に付着しにくい。また低圧噴射であるの
でピストン頂面へ燃料が衝突するエネルギーが小さく、
ピストンに付着する燃料も少ない。これ等により、HCの
発生が低減できる。
料がシリンダ壁に付着しにくい。また低圧噴射であるの
でピストン頂面へ燃料が衝突するエネルギーが小さく、
ピストンに付着する燃料も少ない。これ等により、HCの
発生が低減できる。
また、低圧、無気噴射であるので、システム構成が簡
単であり、信頼性が向上する。
単であり、信頼性が向上する。
また、噴射ノズルとシリンダヘッドとの微小隙間11に
より、冷間時もノズル先端10が早く加熱されるので、冷
間時の霧化が向上し、燃焼が改善され、ドライバビリテ
ィが向上する。
より、冷間時もノズル先端10が早く加熱されるので、冷
間時の霧化が向上し、燃焼が改善され、ドライバビリテ
ィが向上する。
以上述べた通り、燃料を減圧沸騰させ、それに強力な
ループ掃気が加わることにより、燃料の霧化混合が十分
に行われ、安定した燃焼を得ることができる。
ループ掃気が加わることにより、燃料の霧化混合が十分
に行われ、安定した燃焼を得ることができる。
本考案を実施することにより、下記の効果を奏する。
ピストンが下死点近傍の時に噴射されて減圧沸騰し良
く微粒化された燃料と、マスク壁により生成された強力
なループ掃気流とが十分に混合し、安定した燃焼が得ら
れる。
く微粒化された燃料と、マスク壁により生成された強力
なループ掃気流とが十分に混合し、安定した燃焼が得ら
れる。
第１図はシリンダヘッド内壁面の弁及びマスク壁配置
図、第２図は第１図のII-II縦断面図、第３図は給排気
弁開放時の燃焼室縦断面図、第４図は給排気弁と噴射弁
との開閉時期を示す角度線図を示す。 １……燃焼室、２……給気弁、３……排気弁、４……燃
料噴射弁、６……マスク壁、７……シリンダヘッド、7a
……シリンダヘッド内壁面、９……ピストン。
図、第２図は第１図のII-II縦断面図、第３図は給排気
弁開放時の燃焼室縦断面図、第４図は給排気弁と噴射弁
との開閉時期を示す角度線図を示す。 １……燃焼室、２……給気弁、３……排気弁、４……燃
料噴射弁、６……マスク壁、７……シリンダヘッド、7a
……シリンダヘッド内壁面、９……ピストン。
フロントページの続き (72)考案者 伊藤 敏雄 愛知県豊田市トヨタ町１番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)考案者 山崎 末広 愛知県豊田市トヨタ町１番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−63617（ＪＰ，Ａ) 特公 昭22−614（ＪＰ，Ｂ１) 特公 昭49−28841（ＪＰ，Ｂ１)
Claims (1)
- 【請求項１】シリンダヘッドにポペット型の給気弁と排
気弁とを備え、シリンダヘッド内壁面の中央部に燃料噴
射弁を設けた火花点火式２サイクル内燃機関において、
前記シリンダヘッド内壁面の前記給気弁と前記排気弁と
の間に、前記シリンダヘッド内壁面から燃焼室に向けて
延びるマスク壁を前記シリンダヘッド内壁面を横断して
前記シリンダヘッド内壁面に形成し、前記マスク壁によ
り前記排気弁側に位置する前記給気弁のバルブシートと
バルブフェースとの間の新気の流通を閉鎖し、前記燃料
噴射弁は前記マスク壁に対して前記排気弁側に配置さ
れ、前記給気弁より入る新気は前記マスク壁に遮られて
直接前記燃料噴射弁に接触することのないように構成さ
れたことを特徴とする筒内噴射２サイクル内燃機関。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1989113558U JP2572450Y2 (ja) | 1989-09-29 | 1989-09-29 | 筒内噴射２サイクル内燃機関 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1989113558U JP2572450Y2 (ja) | 1989-09-29 | 1989-09-29 | 筒内噴射２サイクル内燃機関 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0352334U JPH0352334U (ja) | 1991-05-21 |
| JP2572450Y2 true JP2572450Y2 (ja) | 1998-05-25 |
Family
ID=31661969
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1989113558U Expired - Lifetime JP2572450Y2 (ja) | 1989-09-29 | 1989-09-29 | 筒内噴射２サイクル内燃機関 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2572450Y2 (ja) |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5610761B2 (ja) * | 1972-07-13 | 1981-03-10 | ||
| JPH0713464B2 (ja) * | 1987-04-02 | 1995-02-15 | トヨタ自動車株式会社 | ２サイクル燃料噴射内燃機関 |
| JPH0713465B2 (ja) * | 1987-09-02 | 1995-02-15 | トヨタ自動車株式会社 | 直噴式２サイクル内燃機関 |
-
1989
- 1989-09-29 JP JP1989113558U patent/JP2572450Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0352334U (ja) | 1991-05-21 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |